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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【5航海目】!

2022年09月19日 | モバイル

9月14日、入港・水揚げ後、不調だったインマルサットアンテナの交換…
買い物の時間をもらい、数人毎交代でコンビニへ…。

11時30分、花咲出港 凪悪く微速で公海向け…
台風崩れの低気圧による影響で道東沿岸波高く風強し…
左舷側からの横波を受けて船は大きなローリングを繰り返す!
数日間取れなかった水温図と気象図が復旧し
その気象予報図を更新、数日後にはまた大きな時化(台風)が来る…
低気圧の後ろを追うように漁場向け。

航走コース上の海水温が低下してきており、外気温も低下傾向
機関室内も過ごしやすくなってきた。

15日・16時30分、S/B 。

うねりが高く北風も強い、調査しながら微速で沖へ…。
凪悪く調査のみ、更に沖へ。

16日・16時、S/B 。

まだうねりも風も残る公海の操業ポイント
日暮れから微速で調査開始…!

気象予報図を見るかぎりでは、夜半から落ち着くはずだが
風もうねりもなかなかおさまらず…
日付けが変わってから若干良くなり操業開始。
前航海の操業時より魚体組成が良くなり、その割合も良い…!

濁水系の水色、表層海水温も18℃以下になって
高水温で忙しく跳ねていたサンマが跳ねなくなった…

凪悪く僅かな漁獲に終わり、夜明けより漂泊…

17日・15時30分、S/B 。

北風が涼しさを通り越し、肌寒さを感じるようになった甲板
公海洋上、季節の巡りが速い…

日暮れから調査開始。
目視できる範囲内には外国籍船が少なく、日本船の漁り火が広がる。




画像は今期の新造船 北海道根室市 第八十八 幸福丸

北よりに調査、時折高めの波が船首を叩く…

17日夜は凪の予報だが、微妙な海況
22時過ぎから南系の風が強まり、うねりが立ちはじめた…
予報より早い海況悪化、台風の影響なのか海上では時にある!

夜明け前に荒天準備…
台風回避、帰途航走花咲向け…!

左舷側からのうねりが、湿った南風と共に船を揺らし
船内は湿気で、また不快指数が高まった…。

19日・16時30分入港予定。
台風通過に備える…!


【4航海目】!

2022年09月14日 | モバイル

9月9日・朝7時30分、花咲入港。

1週間の航海、時化で2晩漁が出来なかった事でFo消費は約40kL
漁場も少しずつ西よりに推移してきている…

入港後即給水
帰航中にFAXで食料の仕込みをオーダーしており入港の際に積み込み。
Foと氷は入港順なので入港してから各箇所の積み込み数量をオーダー。
水揚げ所要時間が短い為、接岸してからは多忙である…

8時30分、花咲出港 凪良く公海向け…!
操業予定ポイントまで約36時間程。

10日・15時30分、S/B 。

日没から調査しながら各船操業中のポイント向け…

操業中の船団の明かりが見えており、ポイント着まで後少しの19時頃
探照灯で照らす先から、漁灯の明かりに跳ねてくるサンマ…

にわかに活気づく甲板 すぐさま操業開始…!

少しだけ纏まった群を操業
魚体組成もだいぶ良くなってきている。

数回の操業後、付近にはあっという間に船が集まった…
その後北よりに調査も、纏まった群はなく 南へ…
数隻の外国籍船の赤い明かりが近くなってきた…

夜明け前に数回操業して漂泊。

11日・16時S/B 。

日没前から付近には日本船が集まっていたが、日没後は各船が散らばった…




昨年が不漁の底で、今期からは回復していくことを念じていたが
現段階での漁模様も冴えない…
とてもじゃないがSDGSには程遠い…

表層海水温は約1℃~2℃程下がり19℃台、それでもまだまだ高水である…
南よりに調査範囲を拡げ、外国籍船団操業中のポイントに…

サンマは見えず…
夜明けまで踏ん張るも僅かな漁獲 北上し漂泊…

12日・16時、S/B 。

日暮れにあった魚探反応が日没と共に消えてしまった…
南西よりに調査。

大震災後に建造された最近のサンマ漁船、一昔前のサンマ漁船比で
船内居住環境がかなり良くなったが、その分多くの消費が伴う!

なかでも清水の消費量は著しく増加傾向に…
以前のような日本沿岸での操業であれば、容量的に間に合うが
公海操業では日数的に清水タンクの容量が心許ない…

船内と云う限られた空間、清水は貴重である!
乗船したての頃、口うるさく教え込まれた清水の大切さ…。

清水使用上、ふだんから要注意なのが蛇口の閉め忘れ!
特に洗濯機使用時の出しっぱなしと
過剰な洗濯洗剤による清水ゆすぎの過多…!
機関室内にある清水タンクのゲージで目視、確認しているし
清水使用時の注意書は掲示している!

沖乗り漁師の短所として
管理を甘くするとなあなあになってそれが当たり前の事になってしまい
そこの統制がとれなくなってしまう…!

そういう事を個人感で無視する輩が私は大嫌いだ…。
「自分一人くらい」という感覚でやる事を新人も真似をする…
そうなると注意書の掲示も効かない!

多くの漁船の中、船に一人か二人くらい、注意書等を無視する人間はいるものだが
そういう個人感や多様性は諸々を管理する者にとっては非常に厄介だ!
団体生活の中では船内ルールや注意書には従ってもらわねばならない。
最低限大目に見ることもあり、それの必要性もわきまえてはいるけれど…

「多様性の調和」は団体生活上の必須項目である!

そこで、匙加減と云う言葉を使えば

「鶴の一声の匙加減」が一番効果を発揮する!
ブレンドするスプーンが金のスプーンか銀のスプーンか
鉄のスプーンか… etc…
匙加減で調和の度合いは変わる!
それが多様性の調和・船内の多くの抑止力となる…!

沖合い漁場と薄漁により航海が長期化してきている
日本沿岸でサンマが獲れていた時とは違うのだ…。
管理する諸々は少なくはない…
いろんな事に気を付けていかなければならないのは私だけではない筈だ…!

…現在メンタル面の起伏が大きくて、自身の平静を保つのに四苦八苦だ…。
…管理責任の放棄も頭をよぎる…!

日没からの調査もサンマは薄く、灯付きも悪い…
数回操業も僅かな漁獲で22時、あきらめて帰途航走。

14日・朝6時30分頃の花咲入港予定。






【3航海目】!

2022年09月09日 | モバイル

9月2日・01時、花咲入港。

水揚げは3時からであり、ミッドナイトの時間帯にもかかわらず即給油が開始された…
現在の公海操業ポイント、往復約50kL超の燃料を消費。
たぶん各船、消費量にそう変わりはないと思う…
花咲港の給油業者さん達は
この時期サンマ漁船が集中水揚げとなった時の状況を知っているので
ミッドナイトだろうが、船の都合に合わせてくれているのだ、頭が下がる。

漁場の沖合化によって航海日数は
日本の太平洋岸が操業海区だった頃のほぼ倍、
当然、以前より多くの消費が伴う…
大震災による漁船の被災を境にサンマ漁船の復興は新鋭、大型化が進んだ…
それによって現在の沖合化に対処できているが、外国籍船は更に大型である。

給油、給水、食料の積み込み、水揚げを済ませて氷を積み込んで
4時45分に花咲出港、公海向け!

暦がSeptemberに変わり、船内の湿度は低下傾向
やっと多量の結露から解放されてきた…
航走コース上の海水温はまだまだ高いが、さすがに季節は正直である。

3日・16時S/B。

表層海水温の高い範囲が広い事から調査範囲を拡げるもサンマは見えず…
夜明けより東へ…

水面をトビウオが舞う…
南洋と勘違いしそうな高海水温になぜサンマがいるのか…?
相変わらずサンマの生態系は不思議が多い。

4日・16時S/B。

外国籍船団が操業中の海区まで来ないと操業できる群れはなかった…。

甲板上で感じる風はやっと不快から解放され、時折涼しさも…。
ただし機関室内温度はまだまだ高く、陸上なら熱中症警戒アラートのレベル…
船は海水温によっていろんな事が変わってくる、影響力は強い…。

漁模様は低調だが、若干魚体組成は良くなってきた。

夜明けより漂泊、機関部はじっとりと汗をかきながらのメンテナンス作業…。

5日、寝室で充電中のスマートフォンがおかしい…
変な振動と見慣れない画面表示、電源オンもオフも全く効かない…
どうやらバッテリーがやられたみたいである…。
電波の届かない範囲であっても、今や生活の一部化した神具であり不便だ…!
しかも、ほとんどの電話番号は中である、各業者さん達への用事が出来ても
時化休みにならないかぎり、しばらく電話は使えそうになくなった…

保冷作業を始めた昼過ぎから時化海となり、16時S/B も調査しながら凪待ち…
日没後はハイパー豪雨に高いうねり、今期初の海からの洗礼!

機関室内は揺れと暑さでなんとも云えない感覚だ…
豪雨から濃い霧雨に代わるも波が高く、日付けが変わった刻より漂泊。
朝から微速で北西に…。

6日・16時S/B 。

まだうねりの残る公海、夕刻より調査…
時化後に若干表面海水温が下がったポイント、周囲に他船の漁り火が1つ見える。
次第にうねりもおさまり、範囲を拡げて調査もサンマは見えない…

夜明けより西へ…。

7日・16時S/B 。

日没からの調査もサンマが見えず、範囲は拡がった…
海況悪化があったにせよ、さすがに3晩も漁獲がないとなると…
船内の空気が重くなりかけた22時頃、勢いよく跳ねながら
漁灯の明かりに集まるサンマ…
灯付きが良くなったタイミングでやや纏まった群れ。
普段漁模様が悪いぶん、少し群が纏まると甲板上は
早送り再生のように多くが動く!

時間にして小1時間程だが久しぶりに蜂の巣をつついたような船上だった!
あっという間に付近に船が集まり操業激戦区の様相…

その後は付近のサンマは灯付きが悪くなり、北よりにサンマを追うも
見えなくなった…

薄漁の近年、普通だった漁がなにか特別のようになっている…
大漁年を経験しており、近年の漁は
「サンマ漁であってサンマ漁でないようなそれでもやっぱりサンマ漁」
みたいに思える時がある、今年は特に…

夜明け前より帰途航走花咲向け
9日・朝8時頃の入港予定。







【2航海目】!

2022年09月02日 | モバイル
8月26日、花咲港での大型船今期初水揚げは御祝儀相場とはいかなかった…!
魚体組成が悪く、予想通りと云えば予想通り、
わずかばかりの期待は儚かった…

ある程度型の良いサンマの回遊がないと
漁場が遠く、かさむ燃料費でかなり厳しさを増す漁になりそうな雲行きで
今期の漁は始まった…

12時花咲出港公海向け!
船上は常に塩分と湿度が伴うが
今期はいつになく、船内の湿気が酷い…

航海ルート上に低い海水温の範囲が狭く、気象的に気温が高く高湿度な外気
人間が感じる以上に船上の湿度は各配管部やタンク外板に結露となって現れる…
機関室内各部汗が多い!
電気関連など、湿気を嫌う箇所は特に気を付けなければ…

外国籍船団が高い海水温で操業している事や、北よりの若干低い海水温域を調査した日本船の
漁模様も低調だったらしい事から
低海水温域には、まだサンマの回遊が進んでいないようだ…

28日・16時S/B。
外国籍船団が操業中の海区まで約57時間を要して到着…
夕刻よりの調査航走中、サンマは見えなかったが、
到着してからは探照灯の光にサンマが跳ねる…
しかし灯付きが悪く、すぐにいなくなる…

昨年の最も低調だった漁からは持ち直してもらわなければと
誰もが期待を持って挑んだのだが
今期の出だしは、ある意味昨年より悪いかもしれない…

夜明けまで回数操業でやや纏めるも、相変わらずガレたサンマ…
夜が明けて外国籍船団から離れて漂泊。

29日・16時S/B。
前夜に目視できたサンマが見えない…
調査海区表面海水温は20℃~22.9℃…
普通13℃~15℃が平均的に調査する海水温で
18℃台を超えると海水温が高めなのだが…
ちなみに5年前の8月、ロシア海区内操業は9℃台で始まっている。
毎年同じ展開はないが、こう高い水温域を広範囲に調査するのは初めてかもしれない…。








沖よりに調査…
外国籍船団の範囲は切れ目なく続き、まさに大船団…
ニアミスしながら、操業しては東へとサンマを追った…

夜明け近くになって、やや群れ始めたように見えたが、
僅かな漁獲微速で西へ…

30日・16時S/B。

良い凪に霧もなく、付近に他船も見えない…
調査しながら更に西よりに…

日付けが変わった頃からサンマが見え始め、
操業しては西へ航走と云うパターン中に1隻の漁り火が見えた…
沖出ししてきた船のよう。

東の空が白み、明けの明星がきらめく刻に海面を跳ねる夜明けサンマ…
しかし漁灯の明かりには近寄らない…

僅かな漁獲で夜明けより帰途航走花咲向け。

9月2日・01時頃の入港予定!

【令和4年秋刀魚漁】!

2022年08月18日 | モバイル
今年もついに漁シーズンが始まる…。

8月2日の操業試運転が無事に済んだ夕刻、機関部の残作業中に体調を崩した…
数年前からこの季節になると自律神経の乱れから著しく血圧が低下する日がある…
めまいと吐き気が酷い特有の症状だ…
3日間何もせず、ただ寝て過ごし回復に専念…。

8日・体調が回復した事で船に行って機関室内を整理し、一通り機関部の準備を整えた。

16日・氷や清水、食料品を積み込んで出漁準備は完了!


…17日11時・多くの方々に見送られ気仙沼を出港、北海道道東 花咲港向け…!
先ずは兄弟船が出港!



船が普通に稼働するのが当たり前と云う プレッシャーとの戦いがいよいよ始まる…

気仙沼港を出港して3時間程、僚船のトラブルが聞こえ、一旦反転するも
大丈夫らしく、各僚船並んで微速で北上…

久々の航海、各船の機関に携わる人達の思いは一つ、順調を祈るように機関に向き合う!

冷水を造りながら室内を見回り、音や臭い等状態を確認、時間が過ぎる…

夕刻、各部異常無く当直を引き継ぎ寝台に入った…。

18日、12時30分花咲入港。
何事もなく廻航を終え
まずは一安心、20日の解禁を待つ…!

半年以上休眠させていた船、心配はキリがない…
後は腹を括って挑むしかない!

内地に比べ過ごし易さがある道東の港であるが、
漁船関連は、昨年・一昨年より、コロナ感染のリスクが高まっている…
当然、行動制限あってしかりだ…!

体調管理し、今期の漁に挑むが、楽しみはない…
例年とは異なる情勢に不安と緊張感だけ甚大だ…!