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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【季節風強く…】!

2016年10月29日 | モバイル
10月28日、女川港で水揚げ後、時化休みが決まり
氷を積み込み、10時30分女川出港・気仙沼廻航!

主漁場が沖合に形成されている為、時化海操業は避けられない…

時化海操業では各漁撈機械にかかる負荷は相当大きくなる…

今期少しずつ不調になってきていた油圧関係…
箇所の調整をしながら使用してきても改善できず

同じ頃に建造された船の機関長方に連絡し、状況を聞いてみると
やはり同じような状況である事がわかり

メーカーに連絡、時化休みを利用して気仙沼港で診てもらう手筈を整えた。

元である油圧ポンプの圧力調整ばねのへたりでの、圧力低下が原因…?

再調整で、再度沖で操業してみなければ何とも云えないが…

…冷水冷却を18時まで、その後帰宅して久々に自分の部屋で眠りについた。

朝、船にもどり氷艙を保冷して再度帰宅…

色づいた木の葉が季節風に舞い、落葉が進む 10月もあと少し もうすぐ霜月11月…

季節の廻りも早いが、最近は月日の経過も早く感じられる。
特に秋刀魚漁期間中は時間の過ぎるのが特に早く感じられる…

子供の頃はもっと時間がゆっくりと流れていたような気がしたものだが…

調べてみると、こういうのがあった!

ジャネーの法則
(ジャネーのほうそく)は

19世紀のフランスの哲学者・ポール・ジャネが発案し、
甥の心理学者・ピエール・ジャネの著書において紹介された法則。

主観的に記憶される年月の長さは年少者にはより長く、
年長者にはより短く評価されるという現象を心理学的に説明した。

簡単に言えば生涯のある時期における時間の心理的長さは
年齢の逆数に比例する(年齢に反比例する)。

例えば、50歳の人間にとって1年の長さは人生の50分の1ほどであるが、
5歳の人間にとっては5分の1に相当する。

よって、50歳の人間にとっての10年間は5歳の人間にとっての1年間に当たり、
5歳の人間の1日が50歳の人間の10日に当たることになる。


引用元:ジャネーの法則-Wikipedia

つまり、生きてきた年数によって
1年の相対的な長さがどんどん小さくなることによって、
時間が早く感じるということです。


なるほど…
時間がたつのが早い訳だ…!
久々に自宅で過ごす午後の時間もあっという間…


庭の秋桜が季節風に揺れ、色づいた盆栽もみじも葉を落とす…


今夜23時出港予定である…。

【17航海目】!

2016年10月28日 | モバイル
10月23日15時に女川入港。

先に入港していた故郷の先輩機関長が訪船、久々の再会で近況を語り合った…

その後予定していた機関室内作業。
Fo系・Lo系・海水系のメンテナンス…!

ルーキーにも、作業を見せながら、何らかの作業をしてもらう…
何をどうしたのか説明して、少しずつ理解できるようにしていく…。

作業を終え、サロンでの夕食を済ませた後、

故郷の後輩が訪船…
大震災の後、北海道に移った為、滅多に会う事はない…

後輩との暫しの語らいの中で、大震災後の年月の経過を感じた…。

24日、女川港での水揚げ・氷の積み込みを終えて10時30分出港。

季節風強く、気仙沼廻航
13時・気仙沼入港

氷艙保冷・冷水冷却の後、
季節風の弱まるのを待っての出港予定なので、仮眠…

25日、01時・気仙沼出港、沖へ…。

15時30分 S/B。

時化が予想される為、操業出来る時間が限られる…

日没より1回操業しては、調査航走のパターンを数回…

次第に南風が強まって、20時過ぎから2時間程は調査航走のみ…

22時30分頃、南からの強風に雨が伴い時化となり、
操業を諦め、漁灯を仕舞い航走ストップ!

漁場が沖合いの為、陸よりに避難とはいかない…
風のピーク時には船を支えながら、嵐の過ぎるのを待った…

夜が明けて、嵐のピークが過ぎ朝8時頃から漂泊…。

26日、15時S/B。

風は止んだものの、うねりは残った…

調査航走時も操業時も、高いうねりで船は時折大きく傾く…

甲板上は何時もにも増して注意しなければならない…!

日没は16時20分頃、10月下旬、三陸沖。

時化後とあって、各船広範囲に広まっての調査・操業…

若干纏まった群れを操業しながら、1回操業しては調査航走、
本船は他船と離れ、沖へ沖へと秋刀魚を追った…!

20時過ぎから3回程連続操業できる群れを操業し、漁獲を伸ばしながらも

日付けが変わる頃から季節風が吹き始め、西よりに移動…

朝4時頃に、各船操業中のポイント着も、季節風は
更に強まり…
操業止め…。

残念ながら最後の艙が僅か満たなかった…

荒天準備し、西よりに帰途航走!

右舷前方に強い季節風と強風に伴う高い波をうけながら、
船は微速で女川向け中…!28日早朝の入港予定。

【16航海目】!

2016年10月23日 | モバイル
10月21日の銚子水揚げで、3つ目の目標をクリア…!

解禁から2ヶ月、秋刀魚の漁期間も残り約2ヶ月…
期間的には折り返しですが

ここ数年の傾向、特に昨年・一昨年と漁期間を約1ヶ月も残して
秋刀魚が見えなくなっている事から、
今期も後半の漁模様は、神のみぞ知る… である…。

銚子港での水揚げ・氷の積み込み後、
網に連結しているワイヤーを全て交換
後半の漁に備えた…!

14時40分・銚子出港、微速で沖よりに北上。

銚子港接岸中に取水した清水温度は20℃超、
出港し、海水を取水しても20℃を超えている…

取水した水は、滅菌装置を通して循環
更に海水循環ポンプで海水クーラーを通して循環しながら
冷水を造っていくが、水温によって冷却時間も当然変わる…

10月も下旬になると云うのに、
銚子港は未だに8月の気仙沼出港時と変わらない水温である…
まだまだ夏のよう…。

22日、15時 S/B。
漁灯を拡げ、交換したワイヤー調整の為の揚網試運転…。

…遅れていた秋刀魚の南下回遊が、いよいよ活発化してきたようで、

まだうねりが残る気仙沼の東沖から調査…
風は冷たい…



日没と共に操業開始!

纏まった群れ、魚体組成もこの時期にしては良い…

ペース良く順調に艙が満たされていくも

22時を過ぎた頃から秋刀魚が群れなくなった…

2時間半程西へ…!

日付けが変わってから3回程操業…。

西よりのポイントで漁獲した秋刀魚は若干、沖側より劣るものの
2時前に終わり、帰途航走。



強い季節風の中、23日・15時頃の女川入港予定!

【15航海目】!

2016年10月21日 | モバイル
10月16日、19時30分女川入港。

「第68福神丸」新規造船時の引き渡しから4シーズンの秋刀魚漁で、
主機の運転時間が10000時間超となった…!

…16歳で船員手帳を手にし、船に乗って35年…

その35年の間に乗船した船の中で、初めての事…!
この主機とは10000時間向き合った…

思い入れと愛着感は半端ではない…!

機関室内では毎日が勉強のようだが、
自分の中では、自身の船員生活の集大成と思って従事している…。

運転時間が、10000時間と云うのは一つのバロメーターとなる!

これまで以上に注視して行かなければ…。

17日・10時30分、水揚げ・氷の積み込みを終えて女川出港!

今期3度目の公海向けである…。

18日、15時30分 S/B。

日没から濃霧となった…

次第に霧がはれると、外国船団の赤い漁り火が広く点り、
まだうねりの残る公海で共に秋刀魚を追った…。

しかし期待に反して秋刀魚の群れは薄く、広範囲に調査も
薄群れを2回程操業し、おかず程度の漁獲で、南西側に大移動…

夜明け前にやや纏まった群れを操業し、夜明けより西へ…
今期の公海は、3回来て2度目の外れとなった…

沖合いでの秋刀魚漁は難しく、なかなか条件が揃わないと漁獲出来ない…!

19日・15時30分 S/B。



うねりもおさまり、良い凪となった。





僚船を含め、多数の日本秋刀魚漁船が同海区に集まった。

日没から調査、17時頃より操業開始…!

1回操業しては調査航走のパターンで漁獲を纏め、
氷艙も空けて準備は整うも夜明けをむかえ、最後の艙が残った…

時化が予想される為、荒天準備し南下帰途航走銚子向け!

南西の風が強まり右舷船首に当たる波の圧力が強く、
ピッチング・ローリングが伴に激しくなり、15時 S/B。

残った艙に海水を取水、バラストとし、更に荒天準備を強化
時化海航行に備えた…!

夜になって船に対して横風となった事で、更にローリングは激しさを増した…

船首側の一部の漁灯を点灯し、波を視ながら
時折来る大きなうねりには船を支え…

それでも船のピッチのコントロールが遅れると、
機関室内に警報が鳴り響く…

船の急激な傾斜によって減速機の圧力が下がる…

機関室にいる方も、操舵室にいる方も、荒天時の航海は大変である…!

それでも、大時化ではない…
特別無理な航行ではないだけに、余計気が抜けない…

今期の秋刀魚漁大型船解禁から2ヶ月…

船は21日朝7時頃、銚子入港予定。

…ルーキー便り…

使用済みのワイヤーで甲板長からワイヤーのさつまを教わって、
調査航走中の時間を使って頑張っています。



ロープワーク、網の繋ぎなどを教わり、今はワイヤー…

いろんな事を教わり、何度も繰り返しやる事で体で覚えていく…!

ルーキーイヤーだからこそのチャンスは、確実にものにした方がいい…
頑張れ秀斗…!