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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【さんま漁・21 航海目】!

2014年10月31日 | モバイル
10月29日・22時、釧路出港!

季節風強く、微速で南下。

襟裳岬通過後には、うねりも大きい…

30日、15時30分ポイント着S/B。

足ワイヤー交換後の調整の為、漁灯を拡げた後、試運転。

長さの微調整を済ませ、甲板を準備!

各船、ストップ中である…さんまの反応は、広くあるようだ…!

日没はかなり早くなり、17時頃から操業開始!

さんまは深く、海面にはあまり見えないが、いきなり大群操業となった…

数回の連続操業で漁獲を纏め、数時間で終わる勢い…

20時過ぎ頃から、さんまの灯付きが鈍り、各船動き始めた…

北よりに調査していき、22時頃から、操業再開!

纏まった漁獲を数回、23時終わり。

やっと、悪い方に向いていた流れを絶ちきった感がある…

群れを僚船に渡して南下帰途航走、気仙沼向け!

31日朝6時頃の入港予定。

【時化休み・釧路】!

2014年10月29日 | モバイル
27日・13時30分、花咲入港。

入港後、足ワイヤー 12本(網の一番下・錘が付いている)に

連結するワイヤーを交換

今後の漁に備えた!!

今回は朝4時の水揚げ開始との事…

水揚げが始まる頃、冬将軍を思わせる寒さ…

まだ10月だと云うのに手がかじかんだ…。

天気図をみると、前線が抜け、寒気が東北地方まで下がり、

北海道は、更に強い寒気の圏内…!

季節風が吹き荒れる気象である…。

水揚げ・氷の積み込みを終え、8時過ぎに花咲出港、

釧路向けとなった、強い季節風の中、道東沿岸沿いを南下、

釧路向けての迴航中に冷水を冷却、

4箇所の冷水艙、冷却が終わった順に切り替えていくのですが、

そのバルブは船首甲板長艙庫入り口にある…

甲板は海水シャワー状態…

冷たい海水シャワーを浴びながら甲板を突っ走って…!

今年は、温かい温泉が恋しくなる季節が早く訪れた…

釧路で時化休みだったら温泉だな…

濡れた頭を鉢巻きで拭いながら機関室へ戻る…。

上部機関室室内温度14.5℃ 下部機関室室内温度19.5℃

そろそろ、船内循環も切り替えかな…

14時・釧路入港、時化休みとなった…!

釧路港停泊中、船内でもモバイルの電波が強かったので

遅れていたブログの引っ越しを…!!

モバイルでの更新もでき、取り敢えず引っ越し完了。

タブレットではどうかと不安たったのですが…

引っ越し作業後、数回のテストも試み、ok!

予想外のプロバイダブログサービス終了が、11月30日に迫っており

漁期間中に引っ越しできるかとの、焦りもあっただけに、一安心…

…その後、温泉でまったり…。

釧路港での時化休みは、自分にとっては有意義に過ごす事ができました。

船は、今夜22時・出港予定!

【さんま漁・20 航海目】!

2014年10月27日 | モバイル
24日・20時花咲入港。

10月も下旬、道東花咲港はさすがに寒い…

入港し、市場の方に水揚げ開始時刻を聞くと、03時30分からとの事…

益々、寒くなった…。

3時半・日本の極東と云えども、まだまだ真っ暗である…!

夜が明けて、陽が差すと寒さはやわらんだ…

寒暖の差が激しい、体調維持には気を配らなければ…!

水揚げ・氷の積み込み後の8時、花咲出港。

南からのうねりが若干高めの道東沖を南下…

花咲市場の清水取水設備は、被災した東北の港の市場とは違い、

圧力も高く勢い強い…!

清水温度も東北各港より低く、水揚げ中の冷却時間も短くすんだ。

道東沿岸沿いの海水温度も低く、

滅菌器を通した海水と、水揚げ中に冷却した清水を混合しても

一桁台の温度。

冷水冷却時間が短くてすむのは助かる…。

18時・S/B。

大群操業に備え、氷を揚げながら、船は更に南下!

20時頃に大群に遭遇するも、魚体組成が悪い…

小さんまの大群である…

操業せずに、更に南下。

23時過ぎ、各船操業中のポイント着。

付近を調査しながら沖よりに…

日付けが変わった頃から操業開始!

さんまは深く、群れに乗っても、なかなか浮いてこない…

それでも、揚網すると若干纏まった漁獲がある。

夜明けまでの操業も、魚艙2つが残り、漂泊…。

26日・16時S/B。

良い凪だったのですが、日没と共に南からのうねりがきた…

次第に南風も強まった…

数回の操業で、20時・終わり!

追い波・追い風 共に強く北上帰途航走、花咲向け!

27日・13時頃の入港予定。


【さんま漁・19 航海目】!

2014年10月24日 | モバイル
22日・11時、気仙沼入港。

私的にある節目の日なので、帰宅したかったのですが、船に残った…。

船内に風邪が蔓延しており、

風邪をひいている人達は峠を越えたようですが、

なにやら、風邪気味になってきたかも…

自己管理で早めに寝台に入った。

水揚げ開始時間が朝4時30分と予定されていた事もあって、

3時に起床し、機関室へ…

水揚げ前、まだ10月だと云うのに、11月を飛び越えて

12月になったような寒さ…

寒暖の差が激しくなっている、しっかり体調管理しなくては…!

今週から「2週間に5回」の水揚げになったとの事で、

揚げ出しが予想される!

水揚げ中に、終わった艙を次々に冷却、

冷水艙に清水を取水しながらも冷却していく。

水揚げ中にも冷凍機2台を起動、冷却する艙と温度と時間が頭から離れない…

水揚げを終え、9時30分・主機を始動、氷の積み込みの為シフト。

現在・気仙沼港には移動できる氷積載車1台と氷積載施設1箇所…

水揚げ終わりの順番での積み込みとなります…!

順番待ちの間がもどかしいが、その間に右舷側の漁灯を拡げる…

氷の積み込みを終えて出港したのが、10時50分…

取水し、冷却した清水に出港しながら滅菌海水を足し、

更に冷却、約50tの冷水冷却を終えたのが15時30分頃…

16時・S/B。

氷艙・冷水艙以外の各艙に下氷を敷き冷水を注水、操業準備!!

更に北上し、17時過ぎから3回程操業。

西側に、イカ釣り漁船だろうか、広範囲に漁り火が見える…。

船の周りを数頭の鯨が群れ、さんまを捕食している…。

付近操業各船、今のところ漁模様が低調らしい…

どうも最近、回りが悪くなってきた感がある…

何にでも、ツキや運に左右される事がありますが、

漁もしかり である…。

回りが悪くなった時には、流れを変えなければ…

北東側へ調査航走、操業各船から離れた21時過ぎ

大きな群れに当たり、大群操業!

凪が良く、網にはかなりのさんまが入った…

が しかし、網を締めて行き、吸い上げホースを入れる過程で

網が破損!!

小さなほつれから、一気に裂けていき、

さんまがどんどん逃げていく…

…悪い流れの時は こんなものか…

しかし、めげてはいられない…!

大急ぎで網の裂目に添って応急に縫い付けて、操業再開も

縫い付けの悪い箇所が再度裂ける…!

調査航走となり、裂目を見直しながら、縫い付けるも

合わない裂跡、網目の合わせがうまくいかない…

その後の操業は揚網をゆっくりと、裂目を気遣いながら…

そんな不本意な操業を余儀なく…

時間の経過と共に、各船の漁模様も良くなったようで…

僚船2隻から群れを譲り受け、傷んだ網を騙しながらの操業も

日付けが変わり、3時頃にやっと終わった…

…甲板を整理し、漁灯を仕舞い機関室へ…

長い1日となり、当直を渡して入浴、朝食どころではなく…

寝台に入った…

午後から網の入れ替え作業。

落ち着いて網を広げながら、網を入れ替えていくと、

複雑に裂けているのに気付く…。

午後の陽が左舷後方に落ちていく…

船は北上中…!

20時過ぎに花咲入港予定。


【さんま漁・18 航海目】!

2014年10月22日 | モバイル
19日・10時過ぎに女川入港、日曜日で市場は休み。

網のメンテナンスと棒受の環ワイヤー交換、

竹・環巻きプーラーの各ローラー洗浄・交換作業!

冷水冷却も、氷艙冷却もなしで作業の後、時間ができた…。

読めずにいた18日の新聞に目を通すと、

第67回新聞週間の代表標語が目に付き、

10月15日からの1週間が新聞週間だと初めて知りました…

その標語が、「ふるさとが元気と知った今日の記事」

…素晴らしい文現だなぁと思った!!

…大震災後に働いた内航船内で読んだ故郷の記事を思い出した…。

…現在のさんま主漁場は陸中黒崎沖~八戸沖。

衛星水温図では襟裳岬の南東にある冷海水域からの張り出しが強まり、

その分枝の低水温域の先端が陸中沿岸に向かって延びている。

東北の秋刀魚主要水揚げ指定港への入港・水揚げが増えており、

各市場により、1日の水揚げ可能量を制限…。

各船の漁獲量により水揚げ船の隻数も変わってきますが、

群れが濃くなり、各船満船での帰港がほとんど…!

20日・気仙沼港では6隻、女川港での水揚げ船は5隻…

21日・女川港での水揚げ予定の船は、既に3隻が入港し、係留中…

漁期間の丁度中盤である…。

…10時過ぎ、水揚げ・氷の積み込みを終えて、

漁灯を拡げながら女川出港 凪良く北上!

16時・S/B。

調査しながら尚北上!

南風ながらも、操業中各船の漁模様が良いらしく、氷を揚げ大群操業に備えた!!

20時・操業開始、やや纏まった漁獲で始まった…。

しかし、その後さんまが浮かなくなった…

「お祭り終わり」! のパターンとなってしまい、調査航走が続いた…

広範囲に調査するも、操業できる群れには当たらず、夜明けを迎えた…

朝7時、漂泊。

14時・主機始動・漁撈長による水温調査航走!

雨である…

日没からは南西側へ調査。 雨脚が更に強まる中、

20時過ぎから操業開始も、群れは薄く、

魚体組成も一変、小さんまが混じってきた…

更に南西側へ調査していき、23時頃からやっと纏まった群れ…

しかし、その頃からうねりが高くなった…

2時・終わり!

冷たい秋雨で身体が冷えた…

風邪に注意しながら、船は南下帰途航走・気仙沼向け。

11時頃の入港予定!