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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

秋刀魚漁14 航海目!

2007年09月30日 | モバイル

28日16時30分、女川港出港、

強い西風を左舷に受けながら微速で北上!

29日15時、襟裳岬北東沿岸で漂泊。

西風が依然として強く、各船襟裳岬の山陰に漂泊中で

(気象予報では日暮れ前に止むはずの風を待っている)

スタンバイ後、17時から水温調査航走、

18時からライトを点灯、北東側へ調査航走!

18時30分、反転、各船が一斉に南下開始!

「ライトを固定!」漁労長の声が3台のスピーカー

(船首、左舷、船尾)から伝わる。

こういう時は調査航走ではなく、

違う海区への移動航走で目的地向け!

プロッターを見ると

襟裳岬の南南東約30哩に目的地のカーソル(印)。

「福島船団の数隻が日暮れから大群操業中」との

無線連絡を受けての南下移動でした。

しかし1時間半程南下するとサンマが海面いっぱいに跳ねている、

気が付けば風も止み、良い凪に!

各船も付近でストップ!   操業が始まりました。

21時まで3回操業 し、小サンマが目立ちはじめた為、

南下調査移動、ライトで探照すると、

あちこちでサンマが跳ねているが漁労長は船を止めない!

ソナーでの濃い反応をめざして!

30分程の移動で操業再開!

ここでも3回操業して移動。

移動なしで大群操業を続けると小サンマの割合が多くなるようで、

移動して別の群れを見つけての操業の方が効率が良いようでした。

操業9回、23時30分終わり。

例によって経済速力で南下帰途航走女川港向け!

30日19時30分入港予定。


豊穣の秋!

2007年09月28日 | ブログ

28日(秋刀魚漁14航海目)は、女川港に停泊中の船に

16時集合という事で、朝はのんびりと過ごすことができました!

厳しかった今年の夏と残暑も落ち着き、

次第に秋めいて我が家の庭では、「あけび」が色付き始め、

家庭菜園では「ピーマン」「秋茄子」が実り、

秋刀魚漁も現在、豊漁で、豊穣の秋です。

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ランキンの楽園!

2007年09月28日 | ブログ

Photo 前航海の事ですが、

24日朝6時、

女川港で見本の水揚げが始まると、

TBS系列 毎日放送「ランキンの楽園」 

金曜日18:55放送という

テレビ番組の撮影で「ココリコの田中直樹さん」と

「松居直美さん」「松野明美さん」「さとう珠緒さん」達が

「第二源榮丸」に来て、水揚げの様子が撮影されました!

2007924_007

トラックに水揚げされたサンマを田中さん達が見ているシーンや、

船の近くで炭火で焼いたサンマを食べるシーンの撮影があり、

2007924_008_3 たくさんの人が集まり、女川港はいつもにも増して賑やかでした。

放映は10月19日との事です!!

「漁師アトム」は水色の合羽に黒いTシャツ、赤い鉢巻です。

が カットされてるでしょうね(>_<)!!


魚艙!

2007年09月27日 | ブログ
魚艙が全て一杯になる事を満船と言っています!
「第二源榮丸」の場合、満船は約90~100トンがメドです。
魚艙は11カ所有り、冷水艙用4カ所に冷水
①10トン魚艙に一杯②6トン魚艙に一杯
③4トン魚艙に一杯④6トン魚艙に一杯
大群操業が予想出来る場合は予め、
二重デッキ内に用意してある冷水用タンク3カ所
(厚手のシートで作ってある)に氷を入れ冷水を移しておきます。
氷(砕氷)艙用4カ所①10トン魚艙に6トン②15トン魚艙に9トン
③13トン魚艙に8トン④4トン魚艙に3トン 全て魚艙兼用です。
(魚艙としては使用しませんが凍結室には氷4トン
積み込んであります)
冷水艙、氷艙以外の3カ所の魚艙は
最初に漁獲したサンマを入れる準備
(下氷約0.5トンが若干浮く位冷水を入れてある)がしてあります。
2007927_001 入魚順序は
1番目第3魚艙左7.5トン 2番目第3魚艙右7.5トン
3番目第4魚艙左10トン (24トン)を漁獲している間に
①氷艙6トンを揚げて 4番目第4魚艙右10トン
②氷艙9トンも揚げ始め、
氷艙①第4魚艙右に入魚している間に冷水艙①が空くので
冷水艙①に5番目第2魚艙中10トン入魚、
その間に氷艙②を揚げきり、氷艙③を揚げ始める、
氷艙②6番目第4魚艙中15トンに入魚している間に
冷水艙②と③が空き、7番目第2魚艙左6トン
8番目第1魚艙左4トンと入魚し、氷艙③の氷を揚げて
9番目第3魚艙中13トン入魚、氷艙④の氷を揚げ終わると
10番目第1魚艙右4トン冷水倉④に11番目第2魚艙右6トン
入魚して満船です!
魚艙の蓋の下(コーミング部)には各約0.5トン位入魚できますが、
漁場から市場までの航走が短時間でなければ入魚しません!
尚、漁場の海水温が高い時は氷の量を
若干多めに入れるので入魚量が減ります。
サンマを入魚する際の氷の扱いは甲板長が担当しています。
氷艙からの氷揚げはホイストを使用しており、
氷艙内でスコップを使い、カゴに入れた氷
(カゴの内容量は約50kg/砕氷では約30kgの容量)
3段~4段重ねで揚げ続けます。
エアー式の氷吸い上げ機械を使用している船が多くなった中、
ホイスト揚げしているのは大群操業で氷を多量に使用する時の
スピードが勝るからです!
氷艙内での作業は目の回るような忙しさで、
専ら、若い人が作業を担当しています。

秋刀魚漁13 航海目!

2007年09月26日 | モバイル

23日17時30分、女川港に入港し、

24日朝の水揚げまで船は市場前に停泊!

通常、女川魚市場では6時から漁獲してきたサンマの見本を揚げ、

市場での入札後6時半過ぎから水揚げが始まります。

入札では、操業位置の水温等による魚体組成の違いや、

鮮度によって各船、若干浜値が変わってきます。

24日朝の女川港には5隻の水揚げ船がありましたが、

ほとんどが襟裳岬沖を主漁場として操業してきました。

その中でも我々が操業した海区(襟裳岬東側沿岸約20哩付近)が、

一番魚体組成が良かったようです。

(選別機が昨年から禁止、撤廃となった為、魚体の割合は

相場に影響します。それ以前に鮮度が重要ですが!)

揚げ後、氷(砕氷)の仕込み!

1航海に使用する氷は漁獲量によりますが、

満船にするためには約30トンは必要で、

冷水を作る際、魚倉内に積み込んだ清水と海水を

冷水クーラーを通す前に水温を下げ、

(最新鋭の船には大容量で冷却能力の高い

クーラーが搭載されている)

冷却時間の効率を上げ、短時間で冷水が作れるように

使用する冷水用の氷も含め、我々は約45トン仕込みます!

(1t/約7500円)サンマの回遊を追って、

ロシアの200海里内、道東沖、襟裳沖、陸中沖、三陸沖、

金華山沖、常磐沖、房総沖と南下しながら

少しずつ高い水温の海区での操業になります!

サンマの魚体温度も高くなりますので、

魚倉内温度が水揚げまで-温度を保つ事がポイントで

(魚体温度で魚倉内が+温度にならないように

適切に氷の量を調整)

余程漁場~水揚げ予定の市場までが近くならない限り、

氷の使用量は減らしません!

10時30分女川出港、経済速力で北上、

25日朝9時襟裳岬沿岸東側、前航海の操業ポイントで漂泊。

15時45分スタンバイ、集魚灯を広げ準備を整え、

漁労長は水温調査で北上!十勝港広尾沖でストップ、

陽が沈む時間(この時期、17時20分頃)には

氷を揚げ大群操業に備えました。

(今年の盛漁期は例年に比べ群れが大きいため)

17 時40分から1回目!

集魚灯の明かりの下で泳ぐサンマを見ると、

小サンマが多いようだった為、

漁労長は集魚灯の切り替え操作(網への誘導)を

省略しての揚網で、約1トン漁獲!

魚体組成を見る為の操業で2-3-5 水温は17.4℃、

小サンマの割合が多い。

南下調査航走、襟裳岬の東沖水温が17℃台から

16℃台に下がった潮境で、群れに当たり操業開始!

魚体組成が良く、この潮目なりに沖よりに移動しながらの操業は、

次第にうねりが高くなり、網に入っているサンマの重さと

船の揺れで網が破損するトラブルがありましたが、

22時30分、終わり!

20時頃から吹き始めた北西の風が夜明け頃から強くなり、

2007925_012 海峡沖は、うねりも高く、

追風で船は前のめりになりながら大きくローリングを繰り返す。

26日昼からは破損した網の修理作業(入れ替え)を行い、

微速で南下帰途航走、女川港向け。

01時30分、女川港入港!