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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【秋刀魚漁・22 航海目】!

2012年10月30日 | モバイル
足を怪我して休んでいた甲板長が復帰して来た!

29日・朝7時から氷を積み込み、9時20分大船渡出港。

気が付けば、大船渡湾を望む五葉山の木々の葉も色着いている…。

10月も下旬、秋の深まりを感じながらの出港である…!

北風が強めの三陸沿岸沿いを微速で北上、11時30分釜石沖で漂泊。

15時S/B。

出港時より北風は強まっている…

漁灯を出し終え、操業準備完了!

三陸沿岸の山並に消えていく夕日を見ながら調査開始、北上…!

この航海は、「独立行政法人・水産研究センター」から調査員1人が乗船。

19時、宮古沿岸沿いで操業開始。

その後沖よりに調査・回数操業を続け纏まった漁獲!

日付けが変わる頃、一旦おさまった北風が、西風に変わり強くなった…

久しく、漁灯の光に向かって跳ねて来るサンマを見なかったが

この夜はサンマが跳ねる跳ねる…。

潮目のように横に帯状にサンマが白波をたてライトの光に銀鱗が耀く様は

凄い迫力ですが、撮影出来ないのが残念です…!

朝5時、夜明けを待たずトドケ崎沖から南下帰途航走、30日9時・大船渡入港。


【秋刀魚漁・中休み】!

2012年10月29日 | モバイル
26日・朝4時、大船渡入港も27日の水揚げとなり、網修理作業を昼まで…

機関部は、9時から補機のメンテナンス作業。

亜鉛やエレメントを交換、オイルの新替え、こし器類の掃除、

甲板漁労機械の「送りテンションローラー」など、

時間のある時にやらなければとメモっておいた箇所全てのメンテナンス。

16時30分頃まで時間を要したが、取り敢えず一安心!

27日朝・水揚げ中に29日朝、氷を積み込んでから出港と云う予定が組まれた。

2週間で5航海、1週間3回までの水揚げ規制である…!

今期は、まだ故郷の友達にサンマを持って行ってなかったので

夕方、土産魚を持って帰路についた。

気仙沼からは部活帰りの長男を乗せ、帰宅前に友達2人と久々に会い

サンマを届け談笑、僅かな時間でしたが…。

28日朝、最近、長男の真似から末っ子が野球に興味を持ち始めたようで、

朝からキャッチボールと二人野球…

子供達の成長と笑顔は、ある意味、疲れた体への栄養源である…!

冷水造りをしなければならないので、10時、

末っ子に後ろ髪を引かれる思いで、船に向かった…

昼前から冷水造りを始めて、23時、やっと冷水艙2箇所終わり…。

大船渡魚市場には小型船も停泊中、いよいよ小型船も津軽海峡を越えて南下…

三陸沿岸沿いまで秋刀魚も南下してきました!

29日・早朝より氷艙冷却、氷の積み込みに備え…


【秋刀魚漁・21 航海目】!

2012年10月26日 | モバイル
24日朝8時・大船渡入港。

水揚げ、氷の積み込み後12時出港。

まだ西風が強い三陸沿岸沿いを北上!

連夜の強風、時化海で冷水温の流入が活発化、

低水温域の分枝が陸中沿岸沿いまで伸びた事で秋刀魚の回遊が進み、

陸中沖でも群れが纏まってきたようです。

17時・宮古沿岸北側、前夜の操業ポイントでS/B。

スタンバイ後即操業開始も、「操業1網10t」と云う僚船からの連絡で

北東へ1時間程移動、僚船のポイント着後、即操業再開!

魚体組成も良い、大群ではないが、ある程度纏まった漁獲を連続操業。

数回操業している間に、船が一気に集まり、激戦区となった…!

範囲が狭い事から操業船はすぐ近くまで寄っている。

西風にうねりが残る久慈沖で夜明けまで操業して、漂泊!

久々の「洋上ホテル」でぐっすりと眠る事ができました。

25日夕刻・久々に良い凪!

しかし、操業準備の時間帯になっても甲板長が起きて来ない…

…前夜、転んで足を挫き、起きたら歩けなくなったとの事…。

日暮れから操業開始も魚体組成が一転、一晩で群れの魚体の割合が悪くなった…

サンマの回遊は活発なようである。

北東側に調査、割合の良いサンマの群れを漁獲、22時・満船となった!

3人欠いての操業となったが、凪がよかったことでトラブルなく無事操業終わり。

漁灯を仕舞う頃から、若干南西からの風が強くなってきましたが、

うねりがない分、船はあまり揺れずに南下帰途航走、4時・大船渡入港。


【秋刀魚漁・20 航海目】!

2012年10月24日 | モバイル
10月23日朝3時・大船渡入港。

時化で操業を諦めての帰港でしたが、23日の晩も時化の予報…

水揚げは僅かでしたので、すぐに終わりも、様子見で12時出港…。

綾里崎通過前からうねりが高く、通過後は南風が強く、うねりも伴う!

三陸沿岸沿いを北上し、16時・トドケ崎灯台通過。

通過後、やや東側に出した宮古の北沖で17時操業開始…。

療養中の機関長の他に一人、都合で休んでおり、これ迄より二人が少ない中、

時化海での操業は、きびしい…

…今年も三陸沿岸まで秋刀魚が回遊して来た!

時化続きで各船漁獲量が少なく、浜値が回復と云うか上昇傾向に…。

海が荒れているせいなのか、盛漁期が過ぎたのかは、まだ判断しかねますが

各船、満船満船で推移していた一時期とはまるで様相が違う…!

21日晩に黒崎沖と久慈沖で数隻が纏まった漁獲をしたらしいが、

その後は大時化が続き、漁模様は冴えないようで、

我々が操業中のポイントまで南下してきた船が多い…

宮古北側から調査もうねりが高い為、調査範囲を拡げられず、

2~3哩圏内に船が集まっての操業。

少しずつ南西側に移動しながら操業していき、夜明けには、トドケ崎沿岸…

北西からの風がまだ強い三陸沿岸沿いを漁灯を仕舞い、南下帰途航走中。


【秋刀魚漁・19 航海目】!

2012年10月22日 | モバイル
10月20日の水揚げ後、時化休みとなり、網の足(錘)を巻き揚げる為の

12段巻きから連結している足ワイヤーの交換作業中、

兄弟船「第8三笠丸」が隣に係船!

21歳のとき、鮪漁で共に乗組み、お世話になった故郷の大先輩と、

岩手での春漁で一軒家を借りて、8人で共同生活した際、

一緒に炊事担当だった先輩が8号に乗船しており、挨拶を交わし久々に談笑…。

本船の機関部も故郷の先輩方であり、機関長療養中の今、

甲板部から1人、当直を協力してもらっている

3人とも、強力な大先輩方であり、機関部4人と漁労長は、同郷である。

思えば、若い頃から故郷の大先輩方に、私は良くして頂いている…!

感謝・感謝!

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21日6時・大船渡出港。

綾里崎を交わり、各船と共に東へ航走も、1時間程でコース変更北へ…

トドケ崎灯台通過後、西風が一気に強まり、一旦ストップ後、沖へと向かった!

15時S/B、足ワイヤー交換後の試運転操業。

うねりが高く、風も強い…。

南東側への航走で20時頃、他船団5隻程が灯を点けたまま漂泊していた。

…今年も秋刀魚漁船へのお客さん、レース鳩が暗闇の中、漁灯の灯を頼りに

羽ばたきながらレーダーマストに止まろうとしている…

陸からはかなり離れている、強い西風に押し流されて来たのかもしれない。

サンマは見えず更に沖へ、宮城船団が操業しているポイントには

22時頃到着も漁模様はよくない…

日付が変わる頃、風が弱まるもうねりはまだ高い…!

1時頃に操業開始も、群れは薄く、しばし漂泊していても集まらない…

数回の操業で僅かな漁獲、3時頃には風が強くなり、向かい風で北西へ…!

3時30分・本日の操業を辞め北北西へ微速で航走。

黒崎沖と久慈沖で獲れたらしい…

夜半、南の風が強まるらしく、僚船数隻は山の下、宮古沿岸沿いに向けたが、

本船は1隻でコースを北へ、13時・久慈沖のポイント着、漁労長による水温調査…

入魚魚艙、氷艙を冷やしながら、若干温度が上がった冷水を冷やすため

船首にある海水クーラーの冷水艙切り替えバルブを切り替える為、

甲板を通ると、漁労長に呼ばれたが、各冷却を終え、冷凍機を停めてから

ブリッチに行き、珈琲を飲みながら会話中、鳩がブリッチサイドに落ちた…

昨夜、レーダーマストに泊まってた鳩のようで、衰弱している、

保護し水と米粒を与え箱に入れ、入港したら放鳩します。

脚環には 「JPN 12 B02404」 「千葉東関東オギワラ」と記されていました!

15時過ぎ、西へ移動、数隻が漂泊中、久慈沿岸陸中海岸の山並が見える…

18時から数回操業も漁獲は僅か…。

予報より早く、17時頃から南風がうねりと共に吹き荒れ、一気に嵐の海に…

ライト当直も危ないので、甲板をある程度整理して皆、中へ…

南風を南下、向かい風で船首に当たった波が飛沫となって船尾を越えていく!

20時30分・S/B 、漁灯を仕舞い帰途航走、向かい風の為微速で南下中。