マルチスピーカー異臭除去の続きです
WEホーンシステムなどのマルチホーンスピーカーは異なる複数のユニットで、
一つの音楽を奏でるため、いくつかの問題点が生じます
その問題点が解決されない音は、個々のユニットがどんなに素晴らしい音を奏でようとも、
スピーカーシステムとしては異臭を伴います
マルチスピーカーの悩みの種、お使いの皆様それぞれに対処されていると思いますが
・・・、
異臭を消すのは大変ですよね、異臭を嫌う人は除去や解消は、
無駄な時間とサッサとフルレンジで音楽を楽しむ方もいらっしゃるでしょうが、
私はまだまだ悪あがきを楽しみます
異臭とはどんなもので、どんな異臭を放つかというと
かつて、最高の音質を誇りながら、スピーカーシステムとしては使い物にならなかった、
至高のコンプレッションドライバーと言われる音響機器があったのをご存知でしょうか
WE594A
それは90年ほど前の映画が最大の娯楽産業だったころ、アメリカの国力を結集したともいえる力作
一切の妥協を排し当時の米国中や、ベル研究所が総力をあげ最高の技術で作り上げられた、
大口径4インチ振動版を持つ中高音用コンプレッションドライバーです
90年経っても未だにこの594Aを超えるものは作られていない、
と言われる最高傑作コンプレッションドライバーです
だが悲しいかなこのユニットは、孤高のスピーカーと呼ばれていて、
バランスが取れた完璧な状態のスピーカーシステムとして、WE594Aを聴いた人は
いないのかもしれないです
WE594AはWEが1933年に行った3チャンネル立体音響再生用の高忠実度再生用の
フレッチャーシステムと呼ばれる幻のスピーカーシステム
その高域用に開発されたもので、16セルのマルチセルホーンを用いて
300Hzクロスで高域用に使うために作られた、最初のコンプレッションドライバーです
594Aの相方の、低音部はこれまた最高の技術が注がれ、
20インチの巨大な金属振動版を使った、折り曲げ低音ホーンが作られました
低域・高域それぞれ最高の技術で製作され、 高域・低域それぞれ最高の音質を誇ったとのことですが
残念ならが、スピーカーシステムとして鳴らしてみたところ
高域ホーン3フィートと、低域ホーン11フィートの音源位置(タイムアライメント8ms)の大きな違いでエコー現象が現れてしまい、
フレッチャーシステムはまったく使い物にならず、
実際に業務用の装置としては量産されることはなかったなかったそうです
システムとしては使いモノにならなかったが、 当時この最高傑作594Aを範として、
多くのコンプレッションドライバーが製作さたようです
その 代表作は、全盛期のWEに一泡吹かせた男
後のJBL社長のランシングが手掛けた
LANSING 284コンプレッションドライバー
低域用ウーハーに15XSを使った、
名器シャラーホーンシステムなどの素晴らしいスピーカーシステムが製作され
当時の映画音響技術アカデミー賞なども受賞したが
勿論これらの優れたホーンシステムは、ホーンの問題点であった
タイムアライメントなど、様々な異臭の原因を様々な独自の方法で解決した
異臭を除去したシステムだったと思います
だが、 相変わらず本家の、WE594Aだけは孤高のコンプレッションドライバーだったようです
その理由は、
スピーカーシステムとして成功したLansing284や、
その後594Aの後継ともいえるJBL375は
紙のウーハーを使うことを前提に良くも悪くもデッドチューニングが行われたものだと言っていいと思う
本来鏡面仕上げされていた、大切なフェイズプラグを、
ザラつかせてみたり、
フェルトを張って殺したり、
果ては
響きを殺してすためプラスチック製にしてみたり、様々なデッドチューニングが施され
低域の紙の素材に音を合わせてきたが
594Aは高音質で上下の音質を揃えるために、高域も低域も一切の妥協を排して
最高のものが作られたのが不運だった、
大型ジュラルミン振動版の奏でる、歪や曇りなきクリアーで反応の良い高音質な低音は、
その後の主流となった、「紙」の振動版では再生不可能だった
紙の振動板ユニットの歪んで軽い音の低域では、高音質594Aとは音質が合わなかった、
多分この後書きますが、音圧も合わなかったであろう
結局、音質の合う高音質な低域ユニットが現れなかったのが、
スピーカーシステムとしては評価されない、孤高の594Aユニットと言われた所以だろう
兄貴分ともいえるWE555はフルレンジ用に設計されたものなので、
上下は基本的に付け足す程度で問題ないが
594Aは高域用に設計されており、バランスの取れた低域と組み合わせて初めてスピーカーシステムとなるのだが
バランスは大切で、どんなに高音質の中高域であっても低域が合わなければ全くその良さが出ないばかりか
かえってバランスの悪い、音の悪いスピーカーとなってしまう
確かに自動車などでもそうだが、どんな超高性能のF1エンジンが完成しても
それを載せるフレームやボディー、足回りが普通乗用車並みでは、まともに走らない
かえって遅い車になってしまうが、これと同じようなものなのだとおもう
まあ流石にオリジナルWE594Aも90年の時が経ち
劣化して紙のスピーカーともマッチングが取れるようになってきた
と言われる方もいらっしゃいますが
※注、私はWE594Aを持っていないので今現在どうなのかは分かりません
多くの問題を提議したフレッチャーシステムだが、
既に異臭の原因のほとんどがこのシステムに詰まってたのだとおもう
前回も書きましたが、ホーンスピーカー異臭の原因三要素
① タイムアライメント(振動板位置)
② 振動板素材(アルミ振動板と紙)
③ コンプレッション方式(空気の圧力)
これら異臭の原因三要素を、解消できるものは解消し、
できないモノは努力と根性で異臭を除去しなければ、マルチスピーカーシステムは完成しないと思う
異臭を放つホーンスピーカーシステムは、単に良い音のする個々のユニットの音色を楽しむ
スピーカーユニットの寄せ集めとなってしまい
一般的なスピーカーシステムとしては、世間一般の方々に全く評価されない
WEのサウンドに洗脳された信者?
変な因業な趣味人の楽しむ、「ちょっと変わったスピーカー」の烙印を押されてしまう
※ (ここでの写真の掲載はやめました)
ここの写真は皆さんの想像にお任せいたします。
確かにWEやその他のホーンスピーカーシステムは、官能的で心を引き付けるような
魅力的なサウンドを響かせるホーンスピーカー
13A・15A・16A・・・などのホーンを、WE555との組み合わせで聴くと
ほんとに素晴らしホーンスピーカーだと思います
が・・・、
オーディオマニアが、家庭でいう狭い空間で
WEホーンスピーカーのロマンを奏でるなら
WEサウンドの音色・色艶を楽しむなら
間違いなく「ユニットは一つ」が良いと思う
・・・ こんなことをまたブログで書くと反論が絶えないだろうが、
※注、ここからは妄想の独り言です、WEファンの方々はつまらないですから、
絶対に読まないでくださいね
独り言ですよ
13Aは絶対一発のほうが違和感なく歌い上げると思う
15Aだって一発で聴く吟醸酒の様な余分な音を削ぎ落した歌声は絶品
16Aも一台555を二つでモノラルのほうが厚み・力・太さ・濃さどれをとっても絶対一発が良い
間違いなくこれが一番WEのサウンドの魅力を最大限に引き出すと思います
魅力的なWEサウンドを楽しめると思うなら
「よ・く・ば・る・な!」
WEの何に惚れたの?、
中域の厚みを中心とした色濃く魅力的なサウンドでしょう?
それを壊したら何にもならないでしょう
:えっ、どうしても我慢できないから、「ちょっとだけ上と下を足す程度」だからって?
だめだめ、「足せば薄れる」音の魅力です
私は今までWEはいいな~、と聞いたのは殆どWE一本のシステムです
あなただってきっと、
「あれ?WEって良い音だな~~」なんて思えたのはきっとユニット一つでしょ?
家庭で聴くなら
MONO1本が良いです
:えっ、 二本でSTEREO?
だめだめ、
バカコクでねえ、時代背景を考えなはれ、
二本にすれば音は薄れ、音は滲んで素晴らしい音の魅力が薄れちゃいますよ
あの魅力はユニット一個、ホーン1ッ本でええやんか~
※上記は独り言です。
※注2、上記を読んで「ならお前もホーン一つで鳴らせよ」と、心の中で思った、あ・な・た!へ
言っちゃ悪いですが私のはWEシステムではありません!
しいて言えば打倒WEに燃えるLANSIGシステムとでも言いましょうか、
宿敵WEの22ホーンとTA7396バッフルと似たよなものを使い、
LANSING最強のユニット、415ウーハーと、287風コンプレッションドライバーを使った
いわばミラー・シャラ―ホーンシステムとでも言いましょうか、
いいんです、現実にはあり得ないシステムだから何でもありなんです
ありえないシステムだから、我がシステムではWEでは行わなかった(行う必要が無かったのかも)方法で
異臭除去を試みています
詳細はまた次回・・・・