80年代Cafe

80年代を中心に、70年代後半~90年代位の懐かしいもの置いてます。
あなたにとって80年代はどんな時代でしたか。

Pitfall! ピットフォール HandheldGame・Excalibur Electronics/Activision

2017-02-25 21:25:38 | 電子ゲーム

 PITFALL! ピットフォールは、米アクティビジョン社が1982年にアタリ2600用に発売したアクションゲーム。こちらは、米Excalibur Electronics社が2003年に発売した、ピットフォールの電子ゲーム版。


 オリジナルのピットフォール!は、アタリ2600でパックマンに次いで売れた当時の人気タイトルだった。400万本を売り上げて1985年にスーパーマリオが出るまでは、もっとも売れたアクションゲームでもあった。作者のDavid Crane氏は、1979年にAtari社を去りActivision社の共同設立者のひとりとなる。その後、このピットフォール!のヒットによって彼はスタープログラマーのはしりとなった。プレイヤーは、Pitfall Harry(ピットフォール・ハリー)という冒険家となって、20分の制限時間内に32個の財宝を求めてジャングルの奥地へと探検を行う。


 これは、ブリスターパッケージですが、箱に入ったバージョンや、カラー液晶版もあった模様。Excalibur Electronics社は、フロリダ州マイアミに本社をおく電子玩具のメーカーで、このような電子ゲームやラジコンなどを多数販売している会社のようです。


 元々がアメリカのAmazonで19ドル(2,100円~)くらいで売っているものなので、そんなに高級感はない。日本のAmazonでも並行輸入で売っていたようだが、現在は品切れとなっている。オークションでも3,000円前後くらい。特にレアものとかでもなく入手は簡単。


 この手のゲームには珍しく単三電池2本で動きます。


 説明書はすべて英語。安価で売られているゲームなので、ぺらぺらのもの。


 日本だと、セガがライセンスを取得し1985年にアーケード用に開発したピットフォールⅡ、ポニーキャニオンがファミコン用にアレンジしたスーパーピットフォールが有名。セガのアーケード版、SG-1000版では、オリジナルを元にアレンジが施されており、オリジナルのピットフォール、ピットフォールⅡを忠実に移植しているのは、日本だとポニーキャニオンより84年と85年に発売されたMSX版のみである。海外では、その人気を反映してかAtari社の8ビットゲーム機、ColecoVision、Commodore 64、Intellivision、Apple IIなど、数多くのハードに移植されている。第2作目のPitfallⅡではLost Caverns(失われた洞窟)というサブタイトルが付いており、Pitfall Harryは横だけの移動でなく、洞窟の奥深く縦軸方向へも冒険を行う。


 1作目のピットフォールでは、横方向と地下への移動のみで255の画面を冒険していく。Pitfall Harryの行く手を遮るのは、蠍、蛇、火、穴、池、丸太などの障害物。このHandheld版では、地上と地下がちゃんと再現され、地下には蠍がいる。宝石は財宝で、この財宝はオリジナルと同じく32個集めることが目標になる。すごい再現度なのだけれども、ピットフォール1は日本ではMSXでしか発売されなかったため、おそらくほとんどの方と感激が共有できない。


 ピットフォールの代名詞といえる、大きく口を開ける穴(池)。こちらもちゃんと再現。


 ツタを使って、ターザンみたいに池や落とし穴を乗り越える。これもオリジナルを再現。


 こちらもピットフォールの名物、ワニが3匹いる池。オリジナルでは、3匹のワニの頭の上を因幡の白兎よろしく踏んで超えるという仕掛けだった。


 全画面表示。蛇、蠍、火、池、丸太などが再現されている。足の振りだけでなく、手の振りまで再現されているところが芸が細かい。実はオリジナルのピットフォールは右方向だけではなく、左方向に逆走もできるのだけれど、この電子ゲームではそこまで再現している。そう高価な玩具でもないのに、できるだけオリジナルを再現しようという情熱を感じる。


 なぜこんなものが2003年にもなって電子ゲーム化されているかというと、アメリカでは大ヒットタイトルで思い入れのある人が多いからなのでしょう。その反面、日本ではピットフォールⅡのみ知名度があって、そのピットフォールⅡもオリジナルに忠実なのはMSX版のみ。個人的な思い出としては、これが一番最初に買ったゲームソフトになる。当時、レイダース、魔球の伝説とインディ・ジョーンズがヒットしており、遺跡探検ものに限りないロマンを感じた。そのため、ハード購入と同時にピットフォールⅡを入手した。セガ版のピットフォールでは、洞窟の奥にトロッコや火を噴いてくる魔人像などがありますが、オリジナル版ではコンドルと蝙蝠の波状攻撃をひたすら避けるのみで終わる。遺跡でインディ・ジョーンズばりの冒険を味わいたかったのに、肩透かしをくらった思い出があります。


 ということで、万人にお勧めではないですが、往年のアドベンチャーゲームPitfall! ピットフォールを、電子ゲームにて再現しようという情熱のようなものは感じられるPitfall! ピットフォール HandheldGameでした。
 
参考Wiki:PITFALL!(英語版)、David Crane(英語版)、GAME&WATCH ゲームウォッチ カンストへの道、バイナリーのレトロゲーム攻略、うさぎ館の物語、スカのホームページ ピットフォールシリーズ

バンビーノ サッカー Bambino Kick the Goal Soccer・Bambino

2017-02-05 11:09:02 | 電子ゲーム

 こちらは、1979年製のLSIゲームBambino Soccerです。バンビーノは電子機器を製造していたエミックス株式会社のブランドで、電子ゲームブームの初期の頃にデザイン性に優れた作品を発売していました。


 バンビーノといえば、トミーにOEMしていたUFOマスターブラスターステーションやテレビCMもしていたスペースレーザーファイトやBoxing(ボクシング)が有名なのですが、日本国内だけでなく海外でも売られており、数種類のスポーツゲームなどを販売していたようです。これらは珍しいといえば珍しいのですが、特に有名なものでもプレミアが付くようなものでもありません。


 特にスポーツゲームの主な市場は海外だった模様で、箱裏の説明書きもすべて英語。MADE IN JAPAN 日本製の文字が今となっては貴重。エミックス株式会社は神奈川にあったようですが、 アメリカでのBambino,INC.は、カリフォルニアのロサンゼルスにあった模様。


 デザインは、こんな感じ。洒落たものが多いバンビーノのゲームとしてはずんぐりとした印象。


 裏はこのような感じ。裏の説明書きもすべて英語。単三電池4本で動きます。


 説明書が付属していなかった上に箱の説明書きもすべて英語のため、いまひとつわかりにくい。フィールドプレイヤーを操作するための4方向キーと、キーパー操作用の2方向キーが付いています。プレイヤーの人数も選べるようですので、2人プレイができるのでしょうか?


 ゲームが始まるとますます分かりにくい。スタートボタンに該当するものがなく、キャラが動かなかった。壊れているのかな・・・?と思いきや4方向キーの上を押すとゲームが始まった。しかし、すぐにゲームが止まってしまい、いまひとつ遊び方も分からない。


 こちらは、もう少し後に発売されたエポック社のデジコムサッカー。これも対戦プレーが可能で11人は無理ですが、キーパーを除いて3×3でプレイできるようになっている。ただし、これも操作が独特で説明書を見なければ理解しにくいと思われる。多人数を一度に動かすサッカーゲームは、位置が固定された野球と比べるとなかなかゲームに再現しづらかったようです。


 帰電さんに解説がないため、国内の他サイトで解説されている可能性はほとんどない。Handheld MuseumのBambino Kick the Goal Soccerの項には、英語版のマニュアルが上がっているのだが、これもなかなか要領を掴みにくい。Youtubeなどの動画を見ると、どうもパスなしでプレイヤーは1人のみを操作してゴールまでドリブルでもっていくゲームっぽい。そもそもバンビーノは、電子ゲーム初期のものがほとんどなのでゲームデザインがシンプルで単純なものが多い。そのために抽象的すぎて、どのようにサッカーらしさを演出しているのか分かりにくい。サッカーゲームというとCPUが操作している他プレイヤーにパスをしたら、そのプレイヤーを操作できると思い込んでしまうが、そんなサッカーゲームのフォーマットが出来る以前の製品ということみたい。


 ただしバンビーノは電子ゲーム出始めの頃に数多く製品を発売し、海外にも出すことを考えて製作されていたためか、すごく洒落ていて値段も高く手の届かない憧れの玩具メーカーというイメージだった。バンダイやトミーなど大手玩具メーカーではない謎の会社というところも、海外の製品ぽくミステリアスだった。デパートのショーケースに鎮座して、買ってもらおうとすら思えなかった記憶があります。なので、バンビーノというとちょっと特別なものという感情が残っているでしょうか。実際遊んでみると、電子ゲームの出始めのものでゲーム専業メーカーでもなかったため、単純ですぐ飽きてしまうのですけど。


 ちなみにこちらは箱もぼろぼろで綺麗なものではありません。オークションでも、最初はもっと高い金額3,000円~?で出ていたものが、入札がなくって徐々に値が下がって1,000円程度にまでなった。まあ、値段が値段な上に珍しいといえば珍しいので、遊び方は分からないけれど良しとしましょう。

参考:Handheld museum.com

ブラックレーサー・トミー

2017-02-02 18:17:43 | 電子ゲーム

 ブラックレーサーは、タカラと合併する前のトミーより、1978年(昭和53年)に発売されたゲーム機。LSIを使った電子ゲームではなく、モーターやギアを駆使したいわゆるエレメカの一種。電子ゲームがブームになるちょっと前に、このような電子ゲーム(テレビゲーム)風のエレメカというのがちょっと流行りました。当時の価格は2,980円。5,000~6,000円が主流だった電子ゲームと比べても、リーズナブルで手に入りやすいということから、当時は大変なヒット商品となったようです。


 オークションなどにエレメカが出てくる場合、なかなか不動品が多い。LSIで制御されてる電子ゲームと比べても、モーターやギアなどで物理的にゲームを制御しているためか経年劣化が出易いのでしょう。この手のエレメカはそれほど値段も高くなりませんが、1,000円~3,000円といったところ。当時相当売れたためか、オークションでは今でもたくさん見かけます。


 操作系は、ステアリングにシフトレバーとスタートボタン。成績を表示するラップカウンターが付いている。スタートを押すとタイマーのメーターが動き出しゲームが始まります。海外に輸出することも考慮されていたのか、本体の表示はすべて英語表記。安い素材や子供っぽい感じを、極力デザインで抑えている感じです。ネット上には海外からの動画も上がっている。


 フイルムに自動車が印刷されており、モーターの力でフイルムを動かすことにより、レースゲームを再現している。自機の移動はハンドルで行い、その動力は手動である。ギアの切り替えもあり、2車線の道路上に車が並んで避けられなくなった場合、ギアを変えてやることで左右のフイルムのスピードが変わってきて、それによってライバル車を避けられるという仕組み。


 スペースインベーダーの生みの親であるタイトーの西角友宏氏製作のスピードレースとか、初期のレースゲームを再現している。またエレメカという観点からは、関西精機のミニドライブを再現しているともいえるでしょうか。ただ、ギアとモーターだけで制御している関係でゲーム性は単純。子供でもLSIを使った電子ゲームではないということはわかりますので、すぐ飽きてしまっていた。今となっては、アイクスクリームやゼリーなどについてくるプラスチック製のスプーンみたいな透明の板に書かれたレーシングカーが、キッチュで実にいい味を出している。


 ブラックレーサーが好評だったためか、続編ともいえるブラックライダーも登場している。バイクで障害物を跳び越す、バイクスタントを題材にしている。これにも元ネタとなったスタントサイクルというATARI製のゲームが存在している。トミーではポケットメイトにもスタントサイクルを題材としたものが存在した。


 こちらは、1976年に発売された世界初の電子ゲーム機Mattel Auto Race (マテル オートレース)。ブラックレーサーの2年も前ですから、まだまだ海外との技術差が大きく舶来品が高価で珍しかった時代。


 もうちょっとお金持ちの子の家庭では、任天堂が同じく1978年に発売したテレビゲーム型のレースゲーム、レーシング112で遊んでいた。これは、任天堂が三菱電機と共同開発したもので、112種類のレースゲームで遊べるというのが売りだった。とはいっても、ゲーム性はかなり単調だったのですぐ飽きられてしまい大ヒットとはならなかった。高価なテレビゲームや海外製の電子ゲームは、誰でも手に入れられるというわけにはいかなかったので、ギアとフイルムで安価にゲームセンターのゲームを再現したブラックレーサーが必要とされたのでしょう。個人的には、団地に住んでいた友達が持っていて、遊ばせてもらった思い出がある。


 当時はかなり売れた有名なゲーム機ですから知名度は抜群で、思い出の中にこれが登場する人は、結構多いのではないかと思います。

参考:ぼちゃけ、CVS ODYSSEY、しおんパパのひみつきち、山口 浩の「汚い部屋」、Japan-Games.com

LSI Portable Game FLバトルビーム FL BATTLE BEAM・バンダイ

2015-05-30 16:28:28 | 電子ゲーム


 これは、バンダイより1980年頃に発売されていたLSI Portable Game FLバトルビーム BATTLE BEAM


 大ヒットとなったLED(発光ダイオード)ゲームのミサイルベーダー、チャンピオンレーサーに続いて、バンダイが満を持して市場に送り込んだFL(蛍光表示菅)ゲーム。ミサイルベーダーは、同シリーズのサブマリン、コンバット、ゴルフコンペが4,500円だったのに対し、3,980円という価格で勝負を賭けてきました。デザインやゲーム性が良かったことに加えて、廉価だったことから大ヒットとなりましたが、エポック社、トミー、バンビーノなど、他社の蛍光表示菅ゲームと比べると少し見劣りしてしまう部分があったことも事実。少しずつこの頃から、電子ゲームの主役がLEDから蛍光表示菅に移り始めてきたのだと思います。そこに、バンダイ初のFLゲームとして、FL グランプリチャンピオンとともに市場へと送り出されてきたのが、このFL バトルビームでした。


 ゲームは、ミサイル基地を移動させて迫って来る敵の戦闘機を打ち落とすというもの。時間制限制で決められた時間内に、撃墜したポイントで得点を競う。敵のミサイルに当たってしまうと、ゲーム時間が20秒ずつ短縮されていく。箱には、画面くっきりリアルなアクション、2色蛍光表示菅使用とあり、蛍光表示菅を使って綺麗な画面を実現したことが売りだったようです。


 取扱説明書と保証書。バンダイ最初期の蛍光表示菅ゲームなので、ゲーム性はとてもシンプル。バンビーノのUFO MASTER BLASTER STATION(タカラのミサイル遊撃作戦)学研のジェットファイターにも、少し似た内容。 敵戦闘機は、迎撃した距離により点数が変化する。それにしても、3点、2点、1点とは、あまりありがたみはない。画面上部からやってくる戦闘機をひたすら撃つだけという、あまりにシンプルな内容にはあっているのかもしれませんが。ちなみに、もうひとつのFL グランプリチャンピオンは、チャンピオンレーサーのFLゲーム版といった内容。


 ゲームのジャンルとしては、縦型のシューティングゲーム。残念ながら、背景が無いのでスクロールはしない。ゲームの内容的には、あまり特筆すべき点はないが、筐体のデザインは流れるような流線型でえらくかっこいい。 


 操作系は、左右への移動レバー(アクションスティック)とファイアー(攻撃)キー、電源スイッチを兼ねたHIとLOWのレベル切り替えスイッチと至ってシンプル。蛍光表示菅は電力の消費量が大きいためか、電池のみだったこれまでのLEDゲームとは異なり、ACアダプターも使えるようになっている。
 

 バンビーノや学研のような、お洒落感はないが、バンダイらしい玩具的なかっこよさがある。細部に、実用には意味のない様々な装飾も施されていて、デティールも凝っている。どこかガンプラっぽい気もしますな。HIとLOWのゲーム切り替えスイッチが、レバーっぽくなっているところなんかもイカス。


 81万番台と桁違いだったベースボールにはとても及びませんが、5000番台だったサブマリンに対しては6000番台と健闘している。出始めの頃の蛍光表示菅のゲームということで、7,000円~8,000円ほどはして高価だった筈ですが。


 電池は単3電池を4本と、この頃のゲームの標準型。筐体が大型化してくるにつれて、蛍光表示菅ゲームでは単2電池が標準になっていきますが。初期のFL機は、どれもスリムなものが多かったので、こういった選択になったのでしょう。


 ゲーム画面はこのような感じ。下に見えるのが、自機のミサイル基地。左右に3コマしか動けません。敵機は、画面上方より来襲。上からやってくる敵機の軌道上にミサイル基地を移動させ、ミサイルで迎撃します。単純ですが、結構やってくる敵機の数が多くて攻撃も激しいため、意外と熱くなる。


 ゲームのイメージとしては、こんな感じ。ひたすらやってくる敵機を、制限時間内で延々と迎え撃つ。



 単純なんだけど、敵機やミサイル基地の造形もよいし、スリムな筐体のデザインも良い。すごく面白いというわけではないけれど、捨てがたい魅力はある。これが、FLビームギャラクシアンやFL機動戦士ガンダムに繋がったと思えば、初めての蛍光表示菅ゲームということで、技術者のケーススタディーとしては上出来なんじゃないでしょうか。バンダイ流のUFO MASTER BLASTER STATIONという気もする。


 LEDにフイルムのオーバーレイを掛けてキャラクターを表現していたLDEゲームから見れば、表現の繊細さはやはり蛍光表示菅が上。ネオン管の一種なので、押入れや布団の中など暗闇で輝く様は、今のゲーム機でも替えが効かない独自性がある。この後、しばらくはFL機が市場の中心となる時期が続きますが、任天堂のG&W以降は液晶に主役の座を奪われてしまい、ゲーム用途としては1985年を最後に終焉を迎えた。


 個人的な思い出としては、LSIベースボール、LEDのサブマリン、コンバット、ゴルフコンペ、ミサイルベーダー、チャンピオンレーサー、FLビームギャラクシアン、FLクレイジークライマーなどは知っていたのだが、なぜかこのシリーズだけは当時知らなかった。情報源がコロコロコミックや学研の科学と学習の折り込み広告、少年ジャンプや少年チャンピオンなど雑誌の広告くらいしかない時代なので、デパートに行ってみて初めて新製品を知るということも多かった。ということで、これが発売されていた時期に、デパートで遭遇する機会はなかったのでしょう。ヒットした玩具以外では、生産分を売り切って終了ということも多いので、巡りあう機会も一期一会みたいな部分があります。


 ということで、スリムでお洒落なバンダイの蛍光表示菅ルーキーLSI Portable Game FLバトルビーム BATTLE BEAMでした。



参考:Handheld Antique、FLグランプリチャンピオン、FLバトルビームの項、Nostalgia バンダイの項

LSI Portable Game ベースボールBASE BALL・バンダイ

2015-05-29 01:49:10 | 電子ゲーム


 これは、1977年~78年頃にバンダイから発売されたLSI Portable Game ベースボール BASE BALL。数種類が発売されたバンダイの電子ゲームベースボールの中でも、もっともベーシックな最初期に発売されたもの。


 ゲームの処理にLSI(大規模集積回路)を使った日本製のものとしては、最初期のものになると思います。野球の室内ゲームとしては、電気を使わないものとして1958年にエポック社より野球盤(似たようなものは戦前からあったらしい)が発売されています。学校の休み時間などでも遊べるものとして、タカラが78年から98年までの21年間販売していたカードゲームえんぴつ野球があり、70年代後半頃になると、電池やギアを使ったエレメカが登場してきます、その後昭和50年代前半頃に登場してきたのが、この電子ゲームの野球ということになります。アーケードゲームの方では、パチンコやピンボールタイプのエレメカがあり、83年にはアルファ電子開発、セガ販売のチャンピオンベースボールが登場。ファミコン発売以降の83年には任天堂ベースボール、86年にはファミスタが登場して人気を博します。この頃までは、野球が人気スポーツの王者であり、プレイや観戦も含めて娯楽の中心でもあった。


 バンダイエレクトロニクスの文字が誇らしげ。それまで野球ゲームの主役であった野球盤では、手動でやっていた点数付けやランナーの進塁などを、すべて自動化したところが新しかった。また、対戦相手がいなくともコンピュータが相手をしてくれる点が、核家族化や鍵っ子などと言われ始めた時代にもマッチしていた。


 箱裏の解説。イメージとしては、小型の野球盤に近い。野球盤をLSIチップで制御し自動化したものと言える。


 個人的には、野球はあまり興味ありませんでしたが、この頃多くいた野球少年たちの目には、輝いて映ったはず。


 取扱説明書と保証書。アンケート葉書。点数掲示板風の目隠し板が付いている。


 こちらが本体。ベーシックというか、完成されたデザインというか、この後もエポック社、トミー、学研、モリタニなど各社から同じような電子ゲームがでましたが、それらの中でも一番良いのではないかと思います。


 写真やネットなどで見るときには、あまり見かけませんが、スコアボードを模した板が付いている。こちらは、点数を電光掲示してくれるというようなものではなく、単なる紙の板でピッチャーの手元を隠すためのものだと思われる。


 攻撃役と守備側のそれぞれの操作系。投手側は、カーブ・スローボール・スピードボール・シュートの4種が投げられる。バッター側は、バッティングのみが可能。チェンジアップを含めて5種類の球種やスチールが可能になった改良版のLSIベースボールや、ゴージャスなスーパーベースボールが存在する。オートとマニュアルの切り替えスイッチが付いており、ピッチャーをコンピュータにして一人で遊ぶときにはオート、2人で対戦する場合にはマニュアルを選択する。


 単三電池3本という、なかなか変わった設定になっている。電子ゲームの場合だと、大抵は単三電池4本か単二電池を4本だった。


 前回紹介したサブマリンが5000番台だったのに対して、81万番台と2桁ほど桁が違う。メジャーな野球ゲームということで、売れ方のスケールが違っていたのでしょう。


 こちらは、同時期に発売されていたエポック社のデジコムナイン。これもとてもよく見かけた。直接のライバルと言えるかも。


 バッティングできる範囲は0.5秒(ハイスピードボールでは0.25秒)。この0.5秒の時間内で、早打ちするとレフト方向、遅打ちするとライト方向に飛ぶようになっている。ちょうど中間のポイントでヒットした場合にホームランとなる。完全ランダムかと思っていたら、そうではなかった。とはいっても、ヒットとなるかアウトになるかは運しだい。


 gifアニメなのであくまでもイメージですが、ボールの軌跡のイメージとしては、このような感じ。ちゃんとランナーも塁に進塁する。ルールとしては、もちろん高低差の概念はありませんので、ほとんど野球盤と同じと考えてよいと思います。


 自動でカウントも表示してくれる。改良版のLSIベースボールでは、カウント表示もストライクが黄色、ボールが緑とカラフルになっている。


 イメージと少し異なる点としては、オートでコンピュータがやってくれるのはピッチャーのみ。そのため一人で遊ぶ場合は、延々バッティングをすることになる。また、2人対戦の場合でも1回ごとに終了し、累積点数をカウントしないため、9イニングの試合を行いたい場合には、紙に点数をメモしておく必要がある。出始めの頃の電子ゲームなので、色々と制約はあります。各社が出していた電子ゲームごとのより詳しい解説は、こちらにあります


 バンダイの電子ゲームの中でももっとも最初期のものなので、機能面で多少見劣りするのは仕方がないかも。まず最初に野球ゲームが出て、ミサイルベーダーなどのLEDゲーム、FLバトルビーム、FLグランプリチャンピオンからはの蛍光表示菅ゲームへとなり、FLビームギャラクシアンFLパックリモンスターFLクレイジークライミングといった時系列だったと思います。


 個人的な思い出としては、前回のサブマリンを買ってもらった日に、いとこの家に行ったらこれがあった。変わりばんこに、交代交代遊んだが、それは少し前に買ってもらっていたものだったので、もうその時点でも少し古い印象がした。こちらの方がサブマリンなどよりも発売時期が古いことがわかります。いとこは、電子ゲームなどにそれほど興味あるタイプではなかったと思いますが、野球ゲームということで買ってもらったのでしょう。そういった意味で、そうとう売れていたためあちこちで見かけたため、多くの方の思い出の中に登場するゲームだと思います。


 ということで、バンダイ電子ゲームの基本とでも言えそうなLSI Portable Game ベースボール BASE BALLでした。



参考:Wiki 野球盤、プロ野球ゲームの項、ドライブイン環8 電子野球には手を出さないほうがいい、Nostalgia バンダイの項、野球盤道場、TNCおアソビ探偵団、すかせが