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ドラゴンクエストVI Dragon QuestVI 幻の大地は、1995年にエニックス(スクエア・エニックス)より発売された、ロールプレイングゲーム。
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スーパーファミコンで発売されたドラゴンクエストシリーズの第6番目の作品であり、SFC用のシリーズ本編としては最後の作品。ドラゴンクエストのⅠとIIをリメイクしたドラゴンクエストI・IIに続いて発売され、本作発売後にドラゴンクエストⅢのリメイクが行われた。ロトシリーズ三部作に代わって、Ⅳから展開された天空シリーズ三部作の最終章であり、天空の物語の起点となる話。この作品の根幹となるのは、幻の大地と呼ばれるパラレルワールドのような2つのマップが用意され、その2つの世界を行き来しながら物語を進めていくというところ。シナリオは堀井雄二氏、キャラデザインは鳥山明氏、音楽はすぎやまこういち氏と主要なスタッフは変わらないが、本作から開発が中村光一氏率いるチュンソフトから、ハートビートに変わっている。また2010年には、任天堂DS用ソフトとしてリメイクされている。
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物語は、山間の小さな村ライフコッドに妹ターニアと暮らす村人が主人公。オープニングでは、説明もなしにいきなり魔物との決戦の様子が挿入されており、それが主人公の見た夢だったと言うところから物語が始まる。ふもとのシエーナで年に一回行われるバザーに、村の民芸品である木彫り細工と絹織物を売ることを頼まれたことから村を出ることになる主人公。村の祭りに必要な物品を取りに行く途中で、大地の大穴から幻の大地と呼ばれている場所へと落ちてしまう。その場所と自分たちが暮らす世界を行き来するうちに、物語の謎が解き明かされてゆく・・・。
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前作ドラゴンクエストV天空の花嫁が、父と子を巡る親子三代に渡る壮大な物語であり、物語の途中で奴隷として子供時代を送ることになったり、花嫁を選択する展開があったりと、冒険物語としてはあまりに完成度が高かったためか、本作の人気や評価はそれほど高くはないようです。現実世界と夢の世界を行き来しながら進めていくのですが、あまりにもシナリオが複雑すぎて、どちらの世界を冒険しているのかわからなくなったり、ドラクエⅡで船を入手した後のように途中から自由度が高くなり、どこへ行ったらよいか分かりずらいということなどがあるようです。また発売が遅れて、発売されたのがPS登場以後となってしまったことからも、注目度が下がってしまったのだと思います。今の時点での人気という意味でも、ドラクエⅢやⅤには及ばないのでは。ただし価格が11,400円という高価格にもかかわらず、当時320万本を売り上げています。
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パッケージ、カセット本体、取扱説明書。スーパーファミコン時のゲームの価格は高かった。ただ、320万本も売り上げたためか、中古価格はかなり安め。プレミアがつきそうな気配もない。
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ファミコンのドラクエ時代に子供だった世代も、このくらいの頃になると大学生や社会人となっていた人が多かったのでは。
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取扱説明書。ファミコンの時代に比べても格段にシナリオが複雑になり、転職などシステムも複雑になったのに、この薄さにとどめているのは凄い。ただ11,400円もするのだから、もっとおまけを入れたりゴージャスな説明書にしても良かったのではという気も。
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上下の世界の白地図が同梱されている。この辺りもウルティマのように古地図の装飾が施された布製マップなど付けて欲しかったところ。ゲーム中の街や洞窟などを記入するという意味合いで付けられているのでしょうが。
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ファミコンで発売された天空シリーズのひとつⅣは、5章に分かれた章仕立てになっていた。ドラクエは、発売されるたびに何か新機軸というか、新しい試みが入れられている。
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1986年に発売されたドラゴンクエスト第1作目。たった512kbit(64KB)という容量の中に、当時PCで流行していたロールプレイングゲームをファミコンで再現するという試みから始まった。またロールプレイングに不慣れな子供たちにも遊んでもらえるよう、徹底して遊びやすく作られていた。
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シナリオもお姫様を救ってドラゴン退治をするというシンプルなもので、当時のロールプレイングゲームは、大体こんなものだった。
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一人旅だった1作目に対して、パーティ制を取り入れた第2作目。87年発売。ドラゴンクエストII 悪霊の神々と、ナンバリングとサブタイトルが付いた。1メガビット(約128キロバイト)と前作の倍の容量で、マップは前作(100×100)の6倍以上(256×256)になっている。当時のPCのロールプレイングはフロッピーで供給されていましたので、メガロムを使用することでそれらに負けないボリュームを手に入れている。
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1作目から続いたロトシリーズの完結編であり、88年の発売日には長蛇の列ができるなど社会現象にもなった第3作目ドラゴンクエストIII そして伝説へ…。容量は前作の倍の2メガビット(256キロバイト)。転職のシステムやパーティのメンバーを自由に入れ替えができるなど、先行していたPCのロールプレイングゲームの要素は、ほとんど取り入れられた。バッテリーバックアップ機能が付いて、パスワードによる記録からも開放された。
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物語を5つの章仕立てにして、最終章でそれぞれの章で育てたキャラクターが集結するという新機軸を取り入れた、90年発売のドラゴンクエストIV 導かれし者たち。ファミコン最後のシリーズ本編であり、ここから天空シリーズという新しい展開になる。容量は、前作より更に倍の4メガビット。プレイヤーキャラ以外のキャラクターをAI(人工知能)が操作するという、当時としては斬新な試みも。
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それで、このドラゴンクエストVIですが、自分が初プレイをしたのは2~3年前。DS版が発売されて話題になっていた頃だと思います。86年当時リアルタイムでドラクエⅠのみを体験していて、2000年代になってから5→3→4とプレイした後で遊んだ。最初の感想としては、それまでのシリーズと印象が変わって、なんだか遊びにくい(世界に没頭しにくい)と感じた。スライムの代わりにぶちスライムなんて出てきたりして、開発元が変わったことから世界観などの印象も変わったのかと思った。ネットには攻略サイトが溢れていますので、特に迷うことはなかったけれど、上の世界と下の世界を行き来するシナリオが複雑すぎて、今どちらの世界にいるのかわからなくなったり、中ボスであるムドーを倒してからは物語が見えなくなったりと、ドラクエV天空の花嫁みたいなドラマチックなシナリオを期待してプレイしていたので、物語がわかりにくいというのが最初の印象でした。ラストシーンまで(過ぎても)バーバラが、本作のヒロインだと気付かなかったり。ただ何度か遊んでいるうちに、いい作品だな、シナリオ表現などゲームがここまで行き着いたのかと考えるようになった。
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本作の上の世界とは、下の世界である地上の人々がこうあったらいいなとか、こうありたいと願う夢の世界。ぶちスライムも自分より弱いモンスターがいればよいなという最弱のモンスターであるスライムの願いが、具現化されたものという説がある。上の世界に存在しているものとは、老婆の若い頃の悔恨だったり、若々しくて気力が充実していた楽しい時期だったり、あるいは現実では死んでしまった子供の見た空を飛ぶ夢だったり。上の世界に対応するものが、必ず下の世界(現実の世界)にも存在している。上の世界からスタートするプレイヤーは、物語の進行を追いながら、下の世界にいる自分自身とそれを取り巻く人々の本当の姿と関係を探すという、ある種の自分探しの旅にもなっています。すべての謎が解明され、問題が解決された物語のクライマックスで夢の世界は消えて見えなくなり、現実の世界にはもう実体がないキャラとの別れなどもあって、本作のラストシーンはどこか少し寂しい感じの終わり方を迎えます。それはそれまでプレイしてきたドラゴンクエストVIという夢の世界の終わりも意味していて、そこにも一抹の寂しさを感じるのだと思います。夢や楽しかった頃の思い出とは、誰しもが普遍的に持っているものであり、映画や小説など表現のテーマとして採られることも多いと思いますが、ゲームでここまで表現できるとは。そんな風に感じました。
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ということで、8ビット機から始まったコンピュータロールプレイングゲームの表現(シナリオ)は、ここまで来たのかと思わせられたドラゴンクエストVI Dragon QuestVI 幻の大地でした。
参考:Wiki ドラゴンクエストVI、ドラゴンクエストシリーズ作品一覧、ドラゴンクエスト大辞典を作ろうぜ!!第三版 Wiki*