YAMAHA FZ250 PHAZER(フェーザー)は、ヤマハ発動機より1985年3月に発売された250㏄のオートバイです。水冷DOHC4バルブ直列4気筒の4ストロークのバイクで、16000回転の高回転エンジンを搭載して話題となりました。
キットの方は、タミヤの
1/12 オートバイシリーズNO.47で、現在はレーサーのキットが中心のようですが、この頃は大変なバイクブームでしたので、ごく一般のモデルもキット化されていました。モデルとなったバイクの年式が年式ですから、現在では生産停止品となっているようですが、2000年前後に再販されたようです。
実車の方は、ジェネシス(創世記)エンジンと呼ばれ、一般市販車としては初めて16,000rpmの高回転まで回すことによって4スト250㏄最高の45馬力を発生した、(発売当時には)かなり先進的なモデルでした。ただ時代はレーサーレプリカブームの真っ最中ですから、すぐさま他社も追従し、(小柄だったことから)“女性向けバイク”というイメージも持たれるようになっていきました。YSPリミテッドと呼ばれる限定モデルや、86年7月にはカラーリングの変更された2型なども出ましたが、他社に対抗する意味もあってか、86年12月にレーサーレプリカであるFZR250へとバトンタッチされました。ということで実質1年数ヶ月ほどの短命なバイクでもありました。
なぜこのモデルを取り上げるかというと、私の始めて所有したギア付きバイク(最初はスクーター、YAMAHA JOG)がこれだったからなのです。とはいっても85年当時には免許すら持っていませんでしたので、90年代が近くになってから中古での購入となりました。出た当初はともかく、この頃にはすでに“初心者向け”、“女の子バイク”というイメージだったと思います。時期的にレプリカブーム真っ盛りの最中だったと思いますが、ちょっと洒落たスリムな車体と、近未来的なデザインが気に入っていましたので、これ一点買いという感じでした。
実際に乗ると、どこか女性的なラインの車体からは意外なほどの野太い音を発し、高回転域に達すると
ジェットサウンド(youtube)と呼ばれる高周波音(排気音に混じって“キーン”というサウンドが聞こえる)を発しました。これは改良された2型ではなくなっており、1型のみだったようです。中古とはいえ初めて所有したバイクですから嬉しくて、学校や書店、レンタルビデオショップ、ツーリングとどこに行くにもこれで行っていた記憶があります。ただ新設計のエンジンのため欠点もあって、重心を下げるため45度に傾いたシリンダーとなっているのですが、プラグホールに雨が溜まってエンジンがかからなくなるという症状がありました(キャブも湿気に弱いらしく、簡単にカブってしまう)。また一体成型のカウルのため、立ちゴケした場合ウインカーのみの交換が出来ない、(ガソリンタンクはカウル内のため)マグネットのタンクバッグが付けられないなどありました。ツーリング中に深夜の山中で止まってしまった・・・など、よく止まっていた思い出があります。最後の方では、深夜の学校の構内で友達が中型免許を取るための練習相手にもなってくれました。
一年程乗って400ccに乗換えをしてますので、現在では手元にはありません。ただ綺麗なものがあれば、もう一度手元において置きたいバイクです。現在中古では10万~20万ほどで売られているようですが、もう既に20年以上前のバイクですから部品関係が出なくなっていて、維持が結構難しいようです。特に旧車扱いもされていない普通のモデルだからなおさらです。ということで、実車の代わりにせめてプラモデルをということになります。(このキットは、当時実車を手に入れる前にも作りました)。それにしても、今ではこのような安くて初心者にバイクの楽しさを教えてくれるようなモデルって少なくなりましたね。
参考:Wiki/YAMAHA FZ250 PHAZER(フェーザー)の項