80年代Cafe

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プレデター Predator・20世紀フォックス ホームエンターテイメントジャパン

2014-10-13 18:04:13 | 映画・DVD・CD

 プレデター Predatorは、1987年に作られたアメリカ映画。主演は、ターミネーターのヒットで世界的な人気を獲得していたアーノルド・シュワルツェネッガーで、配給元は20世紀フォックス社。


 現在に続く息の長いキャラクター、プレデターの記念すべき第1作目。predatorとは、動物学用語で捕食動物、天敵の意味。最も公開当時は、82年のコナン・ザ・グレート、83年のターミネーター、キング・オブ・デストロイヤー/コナンPART2、85年のコマンドーでアクション俳優として一躍知名度を上げたアーノルド・シュワルツェネッガーの出演作という扱いでした。この時点では、プレデターを見るためではなく、シュワルツェネッガーの活躍を見るために劇場へと足を運んだのです。90年の第2作目では、舞台をジャングルからアメリカのロサンゼルスへと移し、シュワルツェネッガー無しで立派に主役を張るまでになっていました。途中でスピンフオフ的な2004年のAVP エイリアンVSプレデター、2007年のAVP2 エイリアンズVS.プレデターを挟んで、第3作目のプレデターズ Predatorsまでは公開されたのが2010年とえらく間が空いています。


 物語は、アラン・ダッチ・シェイファー少佐率いる精鋭部隊が、要人の救出のため中央アメリカに到着する。同時期に地球上空の宇宙船より、何者かの乗ったポッドが地球の大気圏内に突入する。その頃ジャングルの奥地では、ダッチ少佐率いる部隊に要人の救出とは真っ赤な嘘で、本当の目的はゲリラの掃討にあることが知らされる。長年の友人の嘘に激怒しながらも、現地よりの脱出を試みるダッチ少佐であるが、そこに姿の見えない謎の敵が襲い掛かってくる・・・。


 物語の構造としては、この頃スターロンの出世作となったランボーなどの戦場ものが人気を博しており、シュワルツェネッガーもコマンドーでそのキャライメージを確立しつつありました。筋肉マッチョな男たちがマシンガンを乱射する戦場ものと、79年のエイリアンで確立された地球外生命体の登場するSFものを融合した、いいとこ取りの脚本になっています。この頃は、似たようなB級作品が量産されていたのですが、シュワルツェネッガー主演の大作ということで、それらとは一線を画しています。撮影が途中まで進んでもプレデターのデザインが完成していなかったり、当初はジャン=クロード・ヴァン・ダムをプレデターに配役して、忍者のようなアクションをさせようと予定されているなど、まさにシュワちゃんありきの映画のようにも思えます。紆余曲折がありながらも、最終的には日本のキャラクターなども参考にしつつ、映画史に残るキャラクターが完成しました。


 シュワルツェネッガー演ずるアラン・ダッチ・シェイファー少佐。最後は罠を仕掛けての頭脳戦で勝利しているが、なんだかんだいいながら2メートルを越すホッキョクグマなみの体躯を誇るプレデターと肉弾戦でやりあっている。そんなことが少しでも可能なのは、確かにこの人以外にないという気がする。


 最初は、シュワルツェネッガーありきの映画ながらも、その後独立した作品としてプレデターだけで客を呼べるようになったのは、そのキャラ造形によるところが大きい。高度な科学力を持ち、敵から見えなくなくなる光学迷彩に身を包み、人間をはるかに凌駕した身体能力を持ちながらも、敵意や武器を持たないものを攻撃しない、力を認めた相手には装備を外して格闘戦を挑むなど、現代文明を持たない原住民のような人間臭い性質を持つ。あるいは、西洋の騎士道とか、日本の武士道のようなところが、人気が出た秘密なのでしょう。その後も、様々なコミックやゲーム、続編の映画などで新たな設定が付け加えられていきました。


 同じ地球外生命体映画としては、先駆者となる79年のエイリアン。甲殻類っぽいプレデターの造形にも多大な影響を与えていると思います。


 サスペンスホラーだった前作とは一変して、This time it's war(今度は戦争だ)のキャッチコピーのもと戦争アクション映画となった、86年のエイリアン2。プレデターは、姿を見せないエイリアンに追跡される1作目のサスペンス性と2作目の戦争アクションとを融合したような作りになっている。


 とにかく、このエイリアン2の宇宙海兵隊という設定は、その後の作品やゲームに多大なる影響を与えました。今日の宇宙を舞台としたFPSの全ての原点といってよいかと思います。


 ゲームやコミックの世界では、2大地球外生命体である彼らを対決させた作品が数多く作られていましたが、ファンの空想が遂に現実のものとされた、2004年のAVP エイリアンVSプレデター。この中でのプレデターは、人間と共闘する名誉ある戦士という描かれ方をしています。


 近年になってからもミクロマンのシリーズでフィギュア化されたり、海洋堂の特撮リボルテックでフィギュア化されたりと、定番のキャラクターの一つになりました。第1作目の時点では、姿の見えない敵という設定のキャラでしたので、ここまで普遍的な人気を持つキャラクターになるとは、想像もできなかったですね。ちなみに、この第1作目はダイハードのジョン・マクティアナン監督の作品なので、映画の出来としても凄くよいです。個人的評価は星★★★★で、今では古典的名作といえる作品の一つ。


 ということで、80年代が生んだ定番の人気地球外生命体キャラ、プレデター Predatorでした。



参考:Wiki プレデター(映画)、プレデター2、プレデター(架空の生物)、アーノルド・シュワルツェネッガー、AVP エイリアンVSプレデターの項

SIMPLEキャラクター2000シリーズVol.17 戦闘メカザブングル THE レースインアクション・バンダイ

2014-10-11 00:24:45 | レトロゲームReview

 これは、2003年にプレイステーション用ソフトとして発売されたSIMPLEキャラクター2000シリーズVol.17 戦闘メカザブングル THE レースインアクション


 プレイステーションの中期頃から、SIMPLEシリーズと銘打ってコストを抑えて開発された廉価なシリーズが登場してきました。これは、その開発元のディースリー・パブリッシャーがバンダイと組んで共同開発した、キャラクターものを使用したシリーズの内の一つ。元ネタの戦闘メカザブングルは、ガンダムの監督を務めた富野由悠季氏の作品で、1982年~83年にかけてテレビ朝日系で放送されていたロボットアニメ。放送当時は、ガンプラのブーム期でプラモデルがそこそこ出ていたのですが、ゲームではツクダオリジナルからシミュレーションのボードゲームが数種と、それを基にしたPCゲームが発売されていた程度で、(マイナーでもないですが)必ずしも知名度が高いとはいいがたい作品でした。それが、2003年という20年以上経過した時期に何の前触れもなく突如としてゲーム化されて登場しました。


 2,000円のSIMPLEシリーズとは思えない、かっこよさ。ただし、説明書は小冊子ではなく8つ折の一枚もの。


 THE レースインアクションのタイトル通り、ロボットを使用したレースを題材とした変り種。


 画面はこのような感じ。横から見た視点でロボット(ウォーカーマシン)がひたすら走ってレースをするという内容。しかも、途中からコースを折り返してスタート地点まで戻ってくるという、製作上のコストを極限まで抑えた作りとなっている。別にザブングルではなく、エアーカーでも戦車でも何でもいいと思えますが、ウォーカーマシンを使った意味として、それぞれ固有の武器が使用でき競争相手の妨害ができるようになっている。画面下には、キャラのコメントが入るが、当然ボイスは無い。


 第一の主役機ザブングルと途中から主役機を交代したウォーカーギャリア。この2台は、設定どおりちゃんと変形、合体できるようになっている。変形することによるレース上でのメリットは、かえってタイムロスするくらいで特にありません。


 物語内に登場したウォーカーギャリアが選択できる。このゲームの一番の売りとしては、好みのウォーカーマシンを自分で操縦して、ガチャガチャと好きなだけ走り回れるところ。残念ながら、ウォーカーマシンで対戦する機能は付いていない。


 そのためただひたすら画面の右方向を目指して走り、途中で折り返して同じコースを今度は左方向へと走るという、ものすごく単純なゲーム。廉価なのが売りのシリーズなので、開発費をかけずして製作したという感じの作品。そのため、ファミ通のレビューで通常ではありえない2点を獲得したという伝説が生まれた。


 ザブングルに何の思い入れもない人にとっては、すぐ飽きちゃって2点も止む無しという感想になるかと思いますが、ザブングルが好きだったファン層に対しては、アピールポイントを抑えたえらくニッチなすき間を狙っている。ザブングル好きなら好みのウォーカーマシンに乗って、ミサイルやマシンガンを好きなだけぶっ放せるなど、これもありかと思います。何気に串田アキラ氏の歌うオープニングが収めてあるのもポイントが高い。


 ウォーカーマシンの性能差(空が飛べたり)や機体の重量などで、コース取りも変わってくる。ゲーム性には、あまり関与してない気もしますが。F-ZEROのような緻密なライン取りでベストラップを刻むとかもなく、結構運任せで大雑把なゲーム性。


 なぜ2003年のあの時期にザブングルなのかという疑問は残りますが、このシリーズガンバの冒険のパズルだとか、一休さんのクイズだとか、釣りキチ三平のフィッシング・アドベンチャーだとか、奇面組のテーブルホッケーだとか激渋なチョイス。魁!!男塾のドッジボールとか、それくにお君じゃ・・・。


 2005年にザブングルが超合金魂化された時に前後して、再生産された当時ものの1/144スケールのプラモデル。世界観を想像させるボックスアートが素晴らしい。


 このゲーム、このような世界観をゲーム化した作品といえるでしょうか。


 夕日にたたずむ、ウォーカーマシン。今の技術だったらこの箱絵そのままのレベルで3Dポリゴン化された、対戦ゲームが作れそうですな。


 2005年に突如として超合金魂化されたザブングル。ウォーカーギャリア、アイアンギアーと魂化されました。当時ものとしては、クローバー製の子供向けの超合金があった。この魂版では、結構複雑なザブングルの変形をほぼ再現した、ザブングル玩具としては究極の出来だった。


 超時空要塞マクロスのマクロスに該当する、大型母艦アイアンギアー。ロボットへの完全変形が出来る上に、ミニウォーカーマシンがいっぱい付いていて基地遊びができる。クローバー製のアイアンギアーは、今では5万円~程度のプレミアが付いています。


 これも同時期に発売された公式設定資料集。この頃は、ザブングル玩具のリバイバルラッシュで、ザブングルのプチ・バブルだったのですね。


 リアルタイムでは、ちょうど劇場版ガンダムが公開されて大変なガンダムブームの真っ最中で、ガンプラが手に入らないため、放送中だったザブングルのプラモを買っていました。このTHE レースインアクション、タイトーのフロントラインみたいに地上を歩き回ってウォーカーマシンに乗り込め、他のウォーカーマシンと戦える仕様だったら、もう少し魅力度も大きかったと思うのですが、2003年のこの時期にニッチな層にしか受けないザブングルのゲームにそんなにコストもかけられないでしょうしねえ。


 ということで、現在でも500円程度で入手できるわりには、見所満載のSIMPLEキャラクター2000シリーズVol.17 戦闘メカザブングル THE レースインアクションでした。



参考:Wiki 戦闘メカザブングル、SIMPLEシリーズの項、SIMPLEキャラクター2000シリーズ公式サイト、ニコニコ動画