80年代Cafe

80年代を中心に、70年代後半~90年代位の懐かしいもの置いてます。
あなたにとって80年代はどんな時代でしたか。

レリクス RELICS (レリクス暗黒要塞)・ボーステック

2014-01-31 14:50:48 | RPGゲームReview

 レリクス(RELICS) は、1986年にボーステックが発売したPCゲーム。レリクス暗黒要塞は、1989年に同じくボーステックより発売されたレリクスのファミコン版。


 PC版のレリクスは、自分が実体を持たない影(精神だけの存在)となり、海上に浮かび上がった遺跡を舞台に、自分の本当の姿とその世界の存在する意味を探すという物語でした。それまでの経験値により強くなるという方法を廃し、自分が倒した相手の体に乗り移ることによって様々な能力を手に入れるという、(当時としては)斬新なシステムを採用していました。その上、光と闇が交錯する簡単な世界観と操作方法以外は明かされておらず、プレイヤー自身がその答えを探すという演出が施されていました。エンディングにたどり着いたとき、全ての謎は明かされプレイヤーの真の姿も判明します。ファミコン版ではプレイヤーの年代を考えてか、二つの意識の片割れHELL(ヘル)とHEAVEN(ヘブン)が最初から明かされ、輝きの王女を探すという勧善懲悪なものに変えられています。


 パッケージ。缶入りでファミコンソフトにしては、かなり大きくて豪華。PC版では、クリーチャーの刻まれたレリーフ付きの発泡スチロールケースを使い、神秘的な雰囲気を高める演出が施されていました。


 缶を開けたところ。説明書もケースに合わせて大判。


 内容物。ディスク、取扱説明書、モンスターマニュアル、ディスクに貼るシール。


 取扱説明書。オールカラー。PC版は抽象的でしたが、こちらは登場キャラやアイテムまで書かれたファミコンゲームの標準的なもの。


 モンスターマニュアル。こちらもオールカラー。


 ディスク。ロムで発売されてれば、評価も違っていたかも。


 裏面。


 探索の舞台となる遺跡。ちなみにタイトルのレリクスとは、この遺跡のこと。PC版のオープニングでは、クリスタルキングのテーマ曲に合わせて海面へと浮上するデモが付けられていた。後にXboxでリメイクされて、3Dになって復活する予定もあった。ポリゴンで作られた遺跡内を探索したかった。


 モンスター。H・R・ギーガーに影響されたデザインのクリーチャーが遺跡内に蠢く。


 ブレードアーミー。ヘル軍の戦士。PC版では、HELLにもHEAVENにも属さないレりクスを探索に訪れたMARX軍の兵士だった。


 GYGA(ギガ)。ヘル軍の第三部隊隊長ということになっている。PC版では、HELLにもHEAVENにも属さないレリクスに住み着いた生物(ALIEN)だった。


 HELL(ヘル)。PC版では、エンディングに名前のみ登場するだけで本編には出なかった。後年のリメイクRELICS -The recur of "ORIGIN"では、様々な設定が明かされHEAVENやHELLもゲーム内(遺跡内)に登場している。ただオリジナルのエンディングで語られた内容とは、微妙に異なっている。


 暗黒要塞。大昔の遺跡をHEAVENが要塞として使い、それをHELLが暗黒要塞として再建したものという設定になっている。PC版とは、まったくマップが異なります。暗黒要塞では、PC版にあった真実の自分探しという文学的なテーマが失われている。


 5つのアイドルというアイテムが、最終フロアの鍵となっている。PC版でも、ビーストというクリーチャーが守っており、これを集めることが中盤の目的だった。暗黒要塞では、もっと即物的ないかにもアイテムという感じになっている。


 暗黒要塞の画面。PC版では、体のパーツをそれぞればらばらに作り、それを組み合わせて動かすことで得られる滑らかな動きが売りだったが、こちらはカクカク動く。台詞も子供っぽくなってます。


 PC版。ファミコンと比較すると緻密さや書き込まれ度は圧倒的。ストーリーも勧善懲悪ではなく、もっと曖昧でほんとうの自分探しがテーマとなっている。神秘的な雰囲気はこちらのほうがやはりある。


 PC版のレリクスは、1986年にPC-98版がオリジナルとして発売され、PC-88版、FM-77版、X1版、MZ-2500版、MSX1版、MSX2版、X68000版と、当時の主要な機種を網羅する形で移植された。他にもPC-6001版、PC-8001版などに移植される予定があったそう。1999年には、Win版としてRELICS -The recur of "ORIGIN"がリメイクされ、2001年に正式な続編RELICS -The 2nd BIRTHが作られた。前述のXboxのポリゴン版は残念ながら開発中止。


 オリジナル版は、プロジェクトEGGが作られた頃に前後して、ボーステックのサイトで無料配布されたりもしていた。プロジェクトEGGからは、オリジナルのPC各機種版を詰め合わせて暗黒要塞をプラスしたRELICS ANTHOLOGYという復刻版も出ていた。また無料で配布されたこともあったためか、各種のエミュレータ本などにも収録されている。写真のものは、MSXのエミュレータ本・楽しいMSX エミュレータ&ゲームス。暗黒要塞はロードが頻繁に入る仕様のため、クソゲー扱いされることも多いようですが、PC版は多くの人々の記憶に残る名作だった。オリジナルのPC版および、RELICS ANTHOLOGYの記事はこちら


 個人的な思い出としては、暗黒要塞は遊んだことが無かったが、友達の家のPC-98版とMSXのテープ版を遊びました。検索すると暗黒要塞の頻繁なロードが惨かった思い出があちこちで語られていますが、MSXのテープ版だともっと惨く、ロードが始まると5~10分ほどかけてカセットテープの読み込みをする仕様でした。コンテニューもないため、死んだら10分ほどかけて最初から読み込みのし直し。どのくらい惨かったかというと、テープ版を購入済みのユーザーに対し、メーカーから有償によるROM版との交換対応が行われたほど。それでも当時は移植してくれたことが嬉しくて、最後まで行ったように記憶しています。それから他機種版に関しても、発売予告の広告が打たれてから発売延期に次ぐ延期で1年以上待たされたことでも有名で、このゲーム根っからの待ちゲーなのでした。


 ということで、世界観やシステムは斬新でよかったのですが、色々と惜しいレリクス(RELICS)と、レリクス暗黒要塞でした。

参考:Wiki レリクス、レリクス暗黒要塞の項、レリクス暗黒要塞取扱説明書、モンスターマニュアル、楽しいMSX エミュレータ&ゲームス/秀和システム、プロジェクトEGG公式ガイドブック/プラネット出版

散財日記 in ウィザードリィロールプレイングゲーム

2014-01-30 18:59:57 | 散財日記・雑記

 昨年12月にバイクのマフラーを落として以降、ここのところは洋服(コート)とか財布とか日用品ばかりでした。ということで、昨年の12月以来の久々の散財日記。

ウィザードリィロールプレイングゲーム・(中古/アスキー) 1,200円

 こちらは、ウイザードリィの日本語版の発売元であったアスキーより、1988年に発売されていたウィザードリィロールプレイングゲーム。コンピュータRPGの元祖であったウイザードリィをテーブルロールプレイングとして発売したもの。


 開発元は、この時期のTRPGなどでは御馴染みだった安田均とグループSNE。日本製のオリジナルで、当時の価格は5,200円。ウィザードリィロールプレイングゲームは、これと追加のキャンペーンシナリオをBOX形式で発売して以降、書籍の形に販売形式を変えて、続編である真ウィザードリィRPG 、アドバンスト・ウィザードリィRPG (こちらは文庫)とシリーズが1995年まで続きました。これら文庫のものは、今でもブックオフなどで見かけることも。


 BOXを開けたところ。基本ルールブック。モンスターマニュアルもこちらに入っている。


 もっと本格的なダンジョンズ&ドラゴンズになると、別途プレイヤーズマニュアル、モンスタマニュアルを購入する必要があった。そういう意味では、TRPGの入門用。


 基本となるシナリオ。狂王の試練場。ウィズシナリオ1のおなじみワードナーの迷宮。


 フィールド用のシートやキャラクター用紙などが付属。ダイスやフィギュア等はなし。


 御馴染みクリーピングコイン。末弥氏のものではない。


 比較の対象としてわかりやすかどうかわかりませんが、文庫本と比較してもかなりでかい。当時5,200円とゲームソフト並みの価格を付けていたので、豪華にする必要があったのでしょう。


 このウィザードリィロールプレイングゲーム、珍しいものではあるけれども2004年に復刻版が出ていて入手はし易い。ホビーベースより4,280円で出ていたものが、途中980円で売られたりして、現在でも2,000円ほど(50%以上OFF)で購入できます。ただ、復刻版では再現されなかったことなども多々あって、それについてはまた詳しくやります。


 ということで、アオシマより出ていたウィザードリィのメタルフィギュアが思わず欲しくなってしまいそうな、雰囲気たっぷりなウィザードリィロールプレイングゲームでした。


レリクス暗黒要塞・(中古/ボーステック) 500円

 レリクス暗黒要塞は、PCで発売され話題となったたレリクスの移植版として、1987年にファミコンのディスクシステム用に発売された作品。PC版レリクスは名作として誉れ高い作品ですが、こちらは別な意味で有名となったソフト。


 実物を手に取るのは初めてで、実はこれも結構でかい。PC版はモンスターのレリーフが彫られた発泡スチロールに入れられており凝ったパッケージでしたが、こちらは缶ケース入り。


 ソフト、マニュアル、モンスターマニュアルなど。PC版は、操作方法以外ほどんど書かれておらず、神秘性を高める演出が施されていましたが、こちらはファミコンの主な年齢層を考えてか若干子供向き。


 ディスクではなくメガロムで出ていれば、評価は違ったかも?


 ギーガーに影響さえれたモンスターマニュアル。こちらも、若干デフォルメされていて子供向きに。


 レリクスとは遺跡のこと。海上に浮かび上がった謎の遺跡を舞台にして、物語が動き始めます。ここでクリスタルキングが流れてきた人は、おっさんかマニア。


 ということで、実はファミコン版は遊んだことがなかったりします。またネタとしてやります。


リッジレーサー&リッジレーサーレボリューション・(中古/ナムコ) 各100円

 リッジレーサーは、1993年にナムコより発表されたレースゲーム。写真のものは、1994年にプレーステーション登場時にローンチタイトルとして発売された、プレイステーション版と翌年に発売されたリッジレーサーレボリューション。


 これは、特に深い意味は無いです。ブックオフにてこの値段だったため摘んで来ました。いわばネタ用でしょうか。


 2作品ともプレイステーション当時は、とても輝いていました。ナムコは、ファミコンの登場時にもゼビウスを発売してハードのヒットに火を付けました。これは、いわばそのプレイステーションバージョン。


 ということで、これも時間のあるときにやります。


DVD・酔拳
DVD・プロジェクトA
DVD・ポリスストーリー
DVD・スパルタンX
DVD・サイクロンZ・(中古/ユニバーサルジャパン・パラマウントジャパン) 各200~300円

 こちらは、既にネタとして紹介しているジャッキー・チェンのDVD。70年代~80年代にかけてのジャッキーの黄金時代に、特に人気が高かった代表作といえるもの。これらのDVDは、ベスト版として再販されていますので1,000円ほどで入手できますが、これだけ安いといっぺんに大人買いもできます。実際にはメール便の送料もかかっていますので、一本に付き400円程度かかっています。


 ファミコンゲームと三沢光晴のテーマが有名なスパルタンX。


 どちらもジャッキーの代表作、プロジェクトAとポリスストーリー。


 三大スター最後の競演とベニーユキーデの再戦も入っているのですが、今ひとつマイナーなサイクロンZ。このサイクロンとZは、どこから来たのでしょう。


 ジャッキーを日本に知らしめた初期のカンフーものの代表作酔拳。これはまだやってません。ということで、次はこれをやります。

スパルタンX Wheels on Meals 快餐車・パラマウントジャパン

2014-01-27 21:36:29 | 映画・DVD・CD

 スパルタンX Wheels on Meals 快餐車は、1984年に公開された香港映画。


 ジャッキー人気が最高潮の時に公開され、ファミコンに移植されたゲームも売れたことから、プロジェクトA、ポリスストーリーと並んで日本では知名度のある人気の高い作品だと思います。プロレスラーの三沢光晴氏がテーマソングを入場曲として使用していたこともあり、映画は見たこと無くてもタイトルだけは知っているという人も多いのでは。


 香港三大スター揃い踏みのオールスター映画で、プロジェクトAに続くジャッキー映画という印象のある本作ですが、実際は原題が快餐車、英題Wheels on Mealsで、サモハンキンポー監督作品。これら、原題や英題は内容をよく現していますが、スパルタンとXという内容と関係ない単語を組み合わせて、ジャッキー映画だとわからせる邦題のセンスが光ります。


 映画は、この頃の香港映画には珍しくオールスペインロケ敢行。地中海のまぶしい日差しと穏やかな気候の下、とにかく明るい無国籍風な映画に仕上がっています。サモハン監督の出世作、燃えよデブゴンは、オールローマロケを行ない本物の外国人格闘家(チャック・ノリス)と死闘を繰り広げたドラゴンへの道のオマージュだそうで、この作品でもそれを意識した部分はあるのかもしれません。


 でも日本公開時には、思いっきりジャッキー主演作品。確かに同時期の五福星などと違って、主役級の活躍はしますが。前述のアイレムが製作して任天堂がファミコンに移植したスパルタンXも、海外版はKUNG-FU MASTER。スパルタンXでは、海外には通じないんですね。またMSX版は、当時版権を持っていたポニカより既にスパルタンXがゲーム化されていたため、聖拳アチョーという投げやりなタイトルになっていた。


 ストーリーは、ジャッキー扮するトーマスとユンピョウ扮するデヴィッドは、スペインのバルセロナで車を使ったファーストフードの路上販売により生計を立てている(この車がスパルタン号)。そこにサモハン扮する探偵のモビーと、謎の美女シルビア(ミス・スペインのローラ・フォルネル)が絡んできて、物語は意外な方向に展開してゆく・・・。


 まだ若くてジャッキー人気も最高潮、ユンピョウも売り出し中という時期なので、基本的にアイドル映画の乗り。ただしサモ・ハン監督作品ですから、精神病院を舞台にした今見ると微妙な展開も盛り込まれており、メジャーなわりには地上波での放送は難しい模様。それでも当時、ゴールデン洋画劇場で放送されました。ずい分カットされたみたいですが。


 日本からコーチを呼んで、当時流行していたスケートボードを使用したアクションシーンが盛り込まれていたり、香港映画としては珍しいカーチェイスが盛り込まれたりと、見せ場は多い。ただし、物語はサモ・ハンギャグ炸裂のかなり間延びした展開で、ラストバトルまでがなかなか長く感じます。


 ここだけ別の次元の完成度を誇るクライマックスシーン。三銃士揃い踏み。ゲームのスパルタンXは、ブルースリーの死亡遊戯を連想させる中華風の塔(?)を上っていきますが、原作ではスペインの古城を攻略。DVD解説で初めて知りましたが、ボス役の役者さんはフェンシングが全くの素人で、ユンピョウが吹き替えをしたのだとか。クライマックスのサモハンとラスボスの格闘シーンは、実はユンピョウと戦っています。


 ジャッキー本人がベストバウトに上げることも多い、本物のマーシャルアーツチャンピオン、ベニーユキーデとのラストバトル。迫力を増すために実際に当てているとか、いろんな話があります。とにかく動きが早く展開がスピーディで、本作最大の見せ場。というかこの映画、ここだけあればいいという気も。


 講談社のジャッキー映画解説本、ジャッキーチェン最強伝説。


 スペインロケによる痛快作と、プロジェクトA、ポリスストーリーと肩を並べる特別な映画としては取り上げてない。


 映画より有名かもしれない三沢光晴氏の入場テーマ曲であるスパルタンX。これも実は日本版のみの日本オリジナル曲。原作では、ジャッキーが歌謡曲みたいな歌を歌っています。作曲のキースモリソンとは、木森敏之氏のペンネーム。ハッ!ハッ!の掛け声を印象的なSEに使った、映画少林寺のテーマ曲もこの方。


 ファッションについても取り上げられてますが、80年代のアイドルっぽい格好をしています。この辺は、現代劇のため仕方ないですが、古くならない時代劇のプロジェクトAと比較して時代を感じさせます。


 当時の思い出としては、ジャッキー熱が最高潮の頃のため、劇場に見に行きました。ゴールデン洋画劇場でもしっかり見てます。ファミコンのスパルタンXも、三沢氏の入場テーマもなにもかも懐かしく、個人的にはジャッキー映画のベストの作品。ジャッキーの黒のタンクトップとドライバーズグローブが、かっこよく思えたものでした。


 ということで、数あるジャッキー映画の中でもジャッキーがひときわ輝く一作、スパルタンX Wheels on Meals 快餐車でした。



参考:Wiki スパルタンX(映画)、スパルタンX(ゲーム)、ドラゴンへの道、サモハンキンポー、チャックノリス、木森敏之の項、ジャッキーチェン最強伝説/講談社、ドナドナを聴きながら

サイクロンZ Dragons Forever 飛龍猛将・パラマウントジャパン

2014-01-24 12:55:08 | 映画・DVD・CD

 サイクロンZ Dragons Forever 飛龍猛将は、1988年に公開された香港製のアクション映画。


 83年のプロジェクトA、84年のスパルタンXに続く、ジャッキー、サモハン、ユン・ピョウの香港3大アクションスターが揃い踏みした作品。このためか、タイトルもカタカナ+英単語の日本独自の意味不明なもの(おそらく響きだけのもの)になっています。英題のDragons Foreverは、この競演作ということを表現していると思われます。


 内容とタイトルが全く一致していないところが凄い。しかし、それでもジャッキーの映画っぽいと一発でわかる。ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!(原題:A Hard Day's Night)、愛と青春の旅立ち(原題:An Officer and a Gentleman)に匹敵する名邦題だと思います。


 原題が飛龍猛将ですから、これではよくわからない。快餐車、Wheels on MealsをスパルタンXとしたことと同様、映画会社担当者のセンスが光ります。当時は、勝手にプロジェクトA三部作と思ってました。


 そして、この映画もう一つの売りが、ジャッキーのベストバウトとも言われるスパルタンXの強敵、ベニー・ユキーデとの再戦。ベニー・ユキーデは、ベニー・ザ・ジェット・ユキーデとも呼ばれたアメリカンキックボクシング(マーシャルアーツ)のチャンピオン。


 物語は、今回のジャッキーは弁護士。養魚場の水質汚染が問題となった訴訟で、相手側の工場の弁護を担当している。そこにブローカーのウォン(サモ・ハン)、探偵のトン(ユン・ピョウ)も絡んできて物語は展開してゆく。しかし、この工場には裏の顔ともいうべき秘密があった・・・。


 3大スター揃い踏み、ベニーユキーデとの再戦にもかかわらず、あまり日本ではメジャーではなく、評価も高いとは言えない作品。ストーリーが、ラブストーリーの要素を含んでいたり、舞台が麻薬工場だったりと、いまひとつ地味に感じることからか。しかもユン・ピョウが精神科に通っていたりと、地上波では微妙な設定も。これはサモ・ハン監督作品ですが、同じく監督した大福星やスパルタンX、ファーストミッションでも似たような設定を入れていたりと、サモ・ハン監督はなぜかこのような設定が好きなよう。


 日本だと全部ジャッキー映画、ジャッキーの新作といった感じで捉えてしまいますが、プロジェクトA(成龍監督)でヒットを飛ばした後、公開された一連の映画、五福星、七福星、大福星、スパルタンX、ファーストミッション、サイクロンZと、この辺はすべてサモ・ハン監督の映画。この当時は、ゲスト出演、カメオ出演しただけのものでも、全てジャッキー映画として公開されていました。


 時期的に日本のバブル期にあたり、服装や小道具、登場するレストランなども含めてトレンディドラマのようなノリもあります。海洋汚染や麻薬工場など暗めのテーマと合わせると、なにか混ぜこぜな印象も。
 

 ただしアクションシーンは豪華。3大スター同士の息のあった戦いや、ベニーユキーデ戦のみならず、ロイ・チャオ(インディジョーンズの中国ギャングのボス)、ビリー・チョウディック・ウェイ(プロジェクトAの海賊親分)、ラム・ウェイ(プロジェクトA2の悪徳署長)、ビリー・チョウ(キックボクシングの元チャンピオン)、ラウ・カーウィン(武術指導家・俳優)、御馴染みジャッキースタントチームのタイ・ポー(ひょうきん)など脇役陣も豪華。ラスボスのファーを演じたユン・ワーは、燃えよドラゴンでブルースリーの吹き替えを担当した事もあるジャッキーやサモ・ハン、ユン・ピョウと同じ七小福のひとり。


 またまた、講談社のジャッキーチェン最強伝説。


 やはり3大スター最後の競演作ということと、ベニーユキーデ戦を取り上げている。


 一般的には、知名度はそれほどでもない作品ですが、ジャッキーファンには評価が高い。


 しょっちゅう共演しているようにも感じますが、3人揃っての主演は3回しかない。五福星 大福星 七福星などでも、一緒に出ていますが、こちらはゲスト扱い。


 個人的な思い出としては、この頃まで来るとジャッキー熱やカンフー映画熱もそろそろ冷めてきた頃。それでも、スパルタンX以来の顔ぶれということで劇場に見に行きました。残念ながらベニーユキーデとの再戦も、スパルタンXの頃のようには乗れませんでしたが、細い鉄骨の上でアクロバットをこなすユン・ピョウが印象に残りました。90年代に入るとジャッキー人気にも陰りが見え初めてきて、一時期不振の時期を迎えます。その後、95年のレッド・ブロンクスで見事ハリウッドブレイクを果たしました。


 ということで、豪華なんだけど地味、通好みなサイクロンZ Dragons Forever 飛龍猛将でした。



参考:Wiki サイクロンZ、ジャッキーチェン、サモハンキンポー、ベニーユキーデの項、ジャッキーチェン最強伝説/講談社

ポリス・ストーリー/香港国際警察 Police Story 警察故事・ユニバーサルジャパン

2014-01-24 01:51:28 | 映画・DVD・CD

 ポリス・ストーリー/香港国際警察 Police Story 警察故事は、1985年に公開されたアクション映画。


 ジャッキー・チェンが監督・脚本・主演・武術指導をこなし、香港映画50周年記念として公開された作品。プロジェクトAと並んで人気、評価とも高い作品で、ジャッキー自身もベストの作品に上げたり、お気に入りの一本としている。大ヒットとなり続編が4本も作られて、2004年には香港国際警察/NEW POLICE STORY(新警察故事)として新作も作られている。


 物語は、香港警察のチェン刑事は大掛かりな捜査の末、香港最大の麻薬組織のボス、チュウ・タオを捕まえることに成功する。チュウを有罪に持ち込むため、裁判を維持するための証人の保護にチェン刑事が当てられるのだが、その過程でチュウの罠により濡れ衣を着せられてしまう・・・。


 現代劇のため荒唐無稽でコミカルな要素は少なく、わりとリアリティを重視した内容になっています。ただ、乗りに乗っている時期のジャッキー映画のため、ストーリーとは直接関係のない部分にギャグが散りばめられています。警察署で留守番をしているジャッキーの元に次々と電話がかかってきて、4、5人と同時に話しているうちに会話の内容が混線してしまうという、ドリフのコントみたいなことやっています。


 しかしこの作品で話題となったのは、やはりスケールの大きなアクション。オープニングではスラム街に車ごと突っ込み、斜面を駆け下り傘を使ってバスに飛び移ってチュウ・タオを逮捕します。ラストではデパートを舞台に大立ち回りを繰り広げ、クライマックスにはプロジェクトAばりのポールを滑り降りる落下シーンが用意されていました。これらは、日本のバラエティ番組でも取り上げられるなどしましたので、ジャッキーアクションの中でも特に有名なシーンの一つだと思います。


 宣伝にも使われたポリスストーリーの顔とも言える白バイに乗るジャッキー。実は、劇中では白バイで活躍するシーンは無い。


 この頃は、若くて乗りに乗っている時期のため動きもシャープで、なおかつワイヤーや特撮も使っていない本物のアクションを見ることが出来ます。公開当時は全然知りませんでしたが、これらのジャッキーのアクションやスタントには、アメリカのトーキー時代の喜劇役者バスター・キートンやハロルド・ロイドの影響があったんですね。後年、ハリウッドで認められたのも、これらによる部分も大きかったのかも。


 2004年に講談社より発売されたジャッキー本、ジャッキーチェン最強伝説。


 ジャッキーの代表作の一つにして、ジャッキー自身のマイベストムービーという紹介のされ方をしています。


 うっちゃんもまねした有名なバスのスタントシーン。このようなシーンからもバスター・キートンの影響やオマージュが見て取れます。


 カンフーアクションもとにかく技の切れがいい。後年のハリウッド進出後のものと比べると、とにかく動きまくる。日本での人気も最高潮の頃で、まさにジャッキー全盛期を代表する一本。


 ヒット作のため続編がたくさん作られているのですが、88年のポリス・ストーリー2/九龍の眼では、なぜか公開時のタイトルは九龍の眼/クーロンズ・アイのみでポリスストーリーの文字は無し。96年の第4作目警察故事4ではファイナル・プロジェクトと、こちらもポリスストーリーの文字はない。そのくせ94年の重案組には、関係ない作品なのに新ポリス・ストーリーの邦題が付けられています。また2004年の香港国際警察/NEW POLICE STORYは、新警察故事と続編ですがストーリー上の繋がりはありません。ポリスストーリーのタイトルを使って宣伝したいんだか、したくないのだか、よくわからない。


 当時の思い出としては、劇場に見に行ったと思います。この頃は、ゴールデン洋画劇場や日曜ロードショウなどでも盛んにジャッキーの映画が上映されていました。ファミコンではありませんでしたが、ポニーキャニオンよりMSXにゲーム化もされていて、デパートの試遊機などで遊んでいた思い出もあります。このポニカのジャッキーゲーム(プロジェクトA、スパルタンX、プロテクター、ポリスストーリー、プロジェクトA2)、面白くないんだけど、なぜかやってみたいと思わせる不思議な魅力がありました。


 ということで、ジャッキー全盛期を代表する一本、ポリス・ストーリー/香港国際警察 Police Story 警察故事でした。



参考:Wiki ポリスストーリー、ジャッキーチェン、バスター・キートン、ハロルド・ロイドの項、ジャッキーチェン最強伝説/講談社