80年代Cafe

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8ビット年代記/ゾルゲ市蔵・~ピコピコ少年/押切蓮介~アーケードゲーマーふぶき/吉崎観音

2011-06-19 19:41:15 | 書籍・漫画

 80年代周辺の“あの頃”を題材とした漫画3作品。8ビット年代記/ゾルゲ市蔵・マイクロマガジン社は、2009年9月にマイクロマガジン社よりGameSide Booksとして発売された一冊です。著者は、謎のゲーム魔境のゾルゲ市蔵氏。雑誌GAMESIDE誌に連載されたものから15話までを収録して、プロローグとエピローグを加えた構成になっています。氏の自叙伝的な体裁をとりながらインベーダー、電子ゲームから、中古ファミコンショップが大流行りだった辺りまでの、80年代のゲーム史の流れを追いかけるという内容になっています。


 この本で取り上げられた80年代のゲーム史周辺のトピックを、時系列順に挙げてみると、駄菓子屋での10円インベーダーに始まって、デパートのゲームコーナーでのギャラクシアン、電子ゲーム、電子ライターなどを使った裏技や20円ゲーム、パチものゲーム、補導員などのゲーセンネタ、シャープMZ-700、ゼビウスの衝撃、シャープX1など8ビットPCネタ、ゲーセンでのかつあげと続き、ゾルゲ氏が高校に入学した辺りから、アニメ製作編へと続きます。アニメ製作編にもスペースハリアーの衝撃が挟み込まれ、大学へと進学した後は、その頃乱立していたファミコンショップネタまでが描かれています。


 帯の推薦文は、ゼビウスの遠藤雅伸氏。この本に関しては、氏はブログのほうでわりと醒めたコメント(電子ライターなどのネタがお気に召さなかったよう)をしていたりもするのですが、それでもお茶目な写真と推薦文がこの本に一定の重みを与えてます。


 単行本以降も連載は続き、ゾルゲ氏の学生生活と共にアフターバーナーの衝撃なども取り上げられているのですが、残念ながらGAMESIDE誌自体が2010年8月号を持って休刊となってしまいました。単行本に収録されている部分でも、ゾルゲ氏が高校に入学した1984年辺りからは氏がアニメ製作に熱中していた関係で、ファミコン部分がすっぽり抜け落ちているなど、必ずしも80年代頃のゲーム史を忠実に追っているというわけではありません。ただあの頃は、宮崎駿氏が一般にも知られ始め、アニメブームの方も盛り上がっていましたので、あの頃全体を覆う空気感のようなものは、逆に伝わってくるような気がします。


 ということで、従来のゾルゲ節は抑えられ、現時点では氏の代表作と言ってよいできかも。インベーダーの熱狂から始まって、電子ゲーム、駄菓子屋の20円ゲーム、ゼビウス、8ビットPCゲーム、かつあげ&補導、ファミコンショップの乱立の時代まで、あの頃を体験したものにとっては、とてもよく出来た一冊だと思います。


 ピコピコ少年/押切蓮介・太田出版は、2007年8月より2009年8月にかけて、雑誌CONTINUE誌に掲載された連載漫画を単行本化したもの。作者の押切蓮介氏は、ホラー&不条理系を得意とする作家さんのようです。そのためか、単にノスタルジアだけにとどまらず、あの時代(少年時代)特有のえぐさや、やるせなさなどの、リアリティまでを含んだ内容になっています。


 こちらは、ゲーム&ウォッチのドンキーコングより始まって、ファミコン、ディスクシステム、PC-エンジン&ゲームギア、駄菓子屋、補導&かつあげ、秘密基地&ゲームボーイ、女っけのない高校生活等が取り上げられており、大人になった時点より振り返ったエピローグで構成されています。ゾルゲ氏の8ビット年代記と、扱うネタや構成的には近いのですが、作家さんがゾルゲ氏より10歳ほど下の世代ということもあって、取り上げられるネタも80年代後半のPC-エンジン、ゲームボーイ辺りががメインとなっている感じです。このあたりは、読む方の世代によって、ゾルゲ氏のものとどちらに共感するかが、わかれるように思います。


 ゾルゲ氏は80年代前半の少年で、こちらは80年代後半の少年といった感じですが、こちらでも駄菓子屋ネタは健在で、駄菓子屋や文房具店などが中古ファミコンソフトを扱い始めたりして、駄菓子屋兼中古ソフト屋の前に小学生の自転車が大量に置かれていた頃を思い出させてくれます。


 バブル期の頃で公共工事なども活発におこなわれていた頃だと思いますが、その環境下でも秘密基地を作ってゲームボーイをしたエピソードがクライマックスに置かれています。秘密基地というのは、少年時代の普遍的なテーマなのかもしれません。


 こちらの方は、ゲームに関するマニアックなネタ&情報はあまり入っておらず、ゲーム業界の人であるゾルゲ氏とはまた違った切り口であの頃が切り取られていて、読む人の世代、育った環境などにより、感じ方は異なると思います。ただ、こちらも80年代後半にかけて少年時代を送った方には、とても共感できる一冊だと思います。


 アーケードゲーマーふぶき/吉崎観音・アスペクト(アスキー)は、1998年9月号~2000年3月号まで月刊ファミ通Wave、ファミ通ブロス(エンターブレイン)誌上で連載された作品。2002年から2003年にかけてOVA化もされています。写真のものは、アスペクトより発売されたものですが、2002年にはアーケードゲーマーふぶきORIGINALとして、エンターブレインからも出版されています。


 こちらは、“ケロロ軍曹”の吉崎観音氏による80年代のゲーム(ゲーセン文化)に対してのオマージュで、作者公認のゲームセンターあらしオマージュ漫画でもあります。単行本の巻末には、吉崎氏とすがや氏の対談も収録されています。物語は、ふぶきを見守る謎の男“謎の人さん”よりPP(パックマン・パンティ)を送られた主人公ふぶきが、そのPPの力を解放することにより超人的なゲーム能力を身に付け、世界制服をたくらむギャラクシ団とゲーム勝負を繰り広げるというもの。ストーリーの方は、何かわけがわかりませんが、設定は舞台を(連載時の)現代である90年代の後半にした少女版ゲームセンターあらしという非常にわかりやすい作品となっています。


 単行本には、ふぶきのコスプレをしたモデルさんによるイメージ写真も入っていますが、ルーズソッスクが微妙に懐かしい感じで、今となっては逆に郷愁を誘います。ネタバレになるため書きませんが、クライマックスではゲームセンターあらし世代の人にも感涙ものの展開となっており、この世代の人にも十分楽しめる作品だと思います。


 ということで、80年代ゲーム史周辺を扱った3作品でした。ここを見ている方には、すべてお勧めの一冊と言える作品だと思います。

参考:Wiki ゲームサイド、アーケードゲーマーふぶきの項、ゲームの神様(遠藤氏公式ブログ)

ハイドライドスペシャル&ヴァーチャルハイドライド・東芝EMI/セガ・T&Eソフト

2011-06-19 05:05:31 | RPGゲームReview

 ハイドライド・スペシャル(HYDLIDE SPECIAL)は、ファミリーコンピュータ用ソフトとして86年3月に発売されました。開発はT&Eソフト、発売元は東芝EMIドラゴンクエスト(86年5月27日)の2ヶ月前に発売されており、ファミコン初のRPGといわれることもあります。


 PCで大ヒットとなったハイドライド(HYDLIDE/84)の移植作品であり、いくつかのアレンジが施されている以外には、オリジナルを忠実に再現しています。パッケージは、ハイドライド・スペシャル独自のものですが、シリーズのイメージを引き継いだデザインになっています。PCでは、ハイドライドⅡ(85年12月)が発売され話題となっていた頃にあたりますので、ロゴはハイドライドⅡのものにスペシャルのSを入れた形で、内容もオリジナルにハイドライドⅡの魔法とマルチウィンドウを取り入れ、BGMもハイドライドⅡのものに変更されています。ハイドライド・スペシャルの“スペシャル”とは、そのあたりの変更よりきているのだと思います。ファミコン初のRPGともいわれていますが、オリジナルはアクション(アクティブ)RPGの元祖とされていました。FCでは、これ以前にゼルダの伝説(同年2月)、ドルアーガの塔(FC版85年)、頭脳戦闘ガル(85)などが出ていますが、ゼルダの伝説は“アクションアドベンチャー”として発売されてますので、この作品が本格的なRPGとしては実質初といってよいのでしょう。


 取扱説明書。ファミコンゲーム用説明書のフォーマットになっていますがこちらもハイドライドシリーズのイメージを引き継いだもの。ちゃんとActive Role Playing Gameの表記も。


 ゲーム画面。ハイドライドは、当時のほとんどのPCに移植されており、(性能が異なるため)機種ごとに違いがあるのですが、ROMであることやTVをモニターに使用する解像度の違いなどから、パスワードで保存をおこない、画面の端でスクロールをするMSX版に近い移植になっています。グラフィック的には、MSX版とMSX2版の中間くらいの感じでしょうか。クソゲー扱いされることも多い作品ですが、ハイドライドの移植作としては非常にまとまっていてよくできた作品だと思います。


 箱には誇らしげにハイドライド伝説・ファイナルバージョンの文字が。当時のFCの熱気と興奮が伝わってくる気がします。


 取り説には、ちわきまゆみ氏の歌うイメージソングの宣伝も。東芝EMI販売ということで、タイアップということなのでしょう。この時期は、ドラマやCMなどタイアップも大流行りの頃でした。ゲームソフトにタイアップとは、良い時代だったということなのかも知れません。


 このように出来は良い作品なのですが、当時の評価としてはいまいちという感じに終わってしまいました。PCから子供向けではない作品をそのまま移植してあったということ、時期的に(オリジナルは84年)少し遅かったということ、そしてドラクエの発売前というタイミングが悪かったのでしょう。当時でも、中古が1,000円以下で売られており、88年頃に300円くらいで購入して遊んだ記憶があります。自分はPC版での評判を知っていたため良い移植だと思いましたが、一緒に遊んだ友達の反応はほんとうにいまいちだった記憶があります。この時期は、ハードもゲームの進化も早かったですから、84年当時の感激を味わうには、時期が少し遅すぎたかなとも思います。


 ヴァーチャル・ハイドライド(VIRTUAL HYDLIDE)は、セガ・サターン用ソフトとして、1995年4月に発売されました。開発はT&Eソフト、発売元はセガエンタープライゼス。こちらもセガ・サターン初のRPG。この頃は、サターン対応のゲームがまだ少ない出始めの時期でしたので、期待の大作として雑誌に特集記事が組まれたりしていました。


 セガ・サターンロゴがイカスCD-ROMも、ヴァーチャルな感じを醸し出してます。


 取り説。内容的には、オリジナルハイドライドをポリゴンを使って忠実に3D化で再現したという第1作目の移植作品。主人公ジム君が、フェアリーランドと妖精に姿を変えたアン王女を救うため、魔王バラリスを倒すという点も同じ。ちゃんと共同墓地で聖なる十字架入手→吸血屋敷でバンパイアと対決(魔法のランプ)→三つ首のマッドドラゴン(ハイドライド3より)→洞窟内でウィザードと対戦(妖精救出)→妖精の森(妖精救出)、3つの宝石を集めるなど、オリジナルに近い雰囲気が踏襲されています。違いとしては、経験値がない(イベントクリアでレベルアップ)ということ、オリジナルはかなりコンパクトにまとまった作品のため、ボリュームに欠ける部分があるためか、最後まで一度解いて終わりでなく、マップが自動生成されて上級、中級、初級と何度も挑戦する、ローグタイプの要素が加えられています。上記の変更により、タイムアタック、スコアアタックの要素も入っています。


 画面は、初期ポリゴンということもあって粗いですが、なかなか良い感じ。ただバーチャルさ、リアルさを追求したためか全体的に暗めで、雰囲気が重いです。ジム君は実写取り込みなのですが、(海外に出すことも考慮に入れてなのか)何故かおっさんで動きが重く、全体的にもっさりした感じ。ムービーなどは力が入っており、アクション部分もこの時期(初期の)ポリゴンものとしては及第点だと思いますが、実写、ムービー、アクション部分と様々な要素を取り入れ、それを組み合わせたときの完成度が今一つだったというところでしょうか。すごく手のかかった豪華な作りなのですが、爽快感が足りなかったところが残念な感じがします。


 これは、90年代終わり頃に100円で手に入れた新品のため、当時のもののソフトのインフォメーションが。


 こちらもサターン出始めの頃の熱気が伝わってきます。PSでもそうですが、この頃ってゲーム機が先端イメージでかっこ良かったですな。

 ハイドライド・スペシャルもヴァーチャル・ハイドライドも、ハイドライドのイメージにあやかった番外編というイメージが強いのですが、これらはどちらも名前だけを借りたものではなく、T&Eソフト自らの手による自社開発作品。ちなみにこの95年には、“レッドアラーム”“T&E ヴァーチャル ゴルフ”(どちらもバーチャルボーイ)が発売されています。もともと3Dゴルフシミュレーシヨン等を作っていた会社ですので、3Dやポリゴンは得意だったのでしょう。このヴァーチャ・ルハイドライド、開発元自らの手によりオリジナル・ハイドライドを(かなり)忠実に3D化してありますので、仮想空間となったフェアリーランドを自由に歩きまわれるという意味では、オリジナルハイドライドに思い入れのある方には、お勧めかなという気がします。



参考:Wiki ハイドライド、T&Eソフトの項、ハイドライド・スペシャル取扱説明書、ヴァーチャル・ハイドライド取扱説明書

超合金魂・バトルフィーバーロボ・バンダイ

2011-06-04 08:38:14 | 玩具・雑貨


 『バトルフィーバーJ』は、1979年(昭和54年)~80年(昭和55年)にテレビ朝日系列で放送された特撮テレビ番組。製作は東映で、全52話が放送されました。いわゆるスーパー戦隊シリーズで、現在まで続く戦隊ものの基本はここで完成され、この作品がこれらの直接のルーツだとされています。


 開封時。超合金魂としては小型。


 バトルフィーバーロボ本体。実際は手首も外して収納します。


 超合金魂らしい、豪華なディスプレイセット付き。

 スーパー戦隊シリーズの始まりは、そのまま『秘密戦隊ゴレンジャー』(75)だと思いがちなのですが、石ノ森章太郎氏の原作は、この後の『ジャッカー電撃隊』(77)までとなっており、これが視聴率の低迷で打ち切りとなったあとは、一時休止をしています。その後、同じスタッフでマーベルコミックとの提携による『東映版スパイダーマン』(78)が撮影されています。これは、巨大ロボット(レオパルドン)を登場させるなど、原作に大胆にアレンジを加えたもので(日本版原作は八手三郎)、これが好評だったため、同じくマーベルコミックとの提携により製作されたのが、本作『バトルフィーバーJ』だったようです。本作にも巨大ロボット(+巨大母艦)はそのまま引き継がれ、もとよりあった(石ノ森)戦隊の要素を取り入れて、現在まで続くスーパー戦隊シリーズの基本スタイルが完成されたようです。これ以降は、原作を八手三郎(東映映像部のプロデューサー集団のペンネーム)とする東映オリジナル作品となって、現在まで続くことになります。そのため、以前はこれをスーパー戦隊の第1作目と数えることもあったようです(現在では、公式にゴレンジャーより数えて第3作目になっています)。


 物語は、悪の秘密結社『エゴス』に対抗するため、国防省は「国防省」内や「FBI」などから優秀な人物を集めて、“バトルフィーバー隊”を結成する。彼らは、それぞれユーラシア、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ・オセアニアに、派遣されていた隊員達で構成されており、彼ら5人で“世界”を表現している。彼らは、国防省最高幹部「倉間鉄山将軍」のもと『エゴス』の企みを阻止するため、エゴスの送り込む怪人たちとの戦いに挑むことになる・・・。というもので位置づけとしては、マーベル提携路線の第2弾であり、ゴレンジャーより続く戦隊ものの第3番目の作品であり、現在まで続く東映オリジナル『スーパー戦隊シリーズ』の最初の作品という事になります。バトルフィーバーロボは、彼らの乗り込む巨大ロボットで、日本の武者鎧をモチーフにしています。デザインは、バンダイのデザイナー村上克司氏。後の戦隊ロボのように、合体や変形という機構はもっておらず、その造型も(戦隊ロボとしては)かなり異質なものになっています。コンセプトとしては、当時の他の変形合体ロボットとの差別化を図るため、バトルシャーク(巨大母艦)とのコンビネーションに重点を置いたものとしたのだそうです。戦隊ロボットは、実写の特撮という事や、玩具化の制約などから、(合体変形がしやすいように)箱型のものが多いですが、(そんな経緯からか)これは戦隊ロボの中でも特によく出来たデザインだったと思います。





 当時は、超合金とともにバトルフィーバーロボが収納できるバトルシャークが発売されていたのですが、残念ながら魂版ではロボットのみです。ということで、魂版バトルフィーバーロボの見せ場としては、日本の武者鎧をモチーフにしたという独特の造型をかなり忠実に(精密に)再現しているところでしょうか。またバトルフィーバーロボのもうひとつの売りである、多彩な武器も豊富に付属しています。①電光剣(刀身に「電光剣」と刻まれた日本刀)、②ソードフィーバー(クロスフィーバー時に使用)。③アタックランサー(三又の槍)、チェーンクラッシャー(腕に収納されている鎖)、④スティックアタッカー(槍)、⑤ケーンノッカー(リングの付いた錫杖型の武器・仏具の一種)、⑥バトルシールド(バトルフィーバー隊のロゴ入りの盾)、⑦フィーバーアックス(巨大な斧)、⑧ナックルパンチャー(メリケンサック)、といった感じです。特に本当に電光剣と刻まれた剣と、和風のデザインに非常にマッチするケーンノッカーがイカしています。これ以外には飾るためのディスプレイ台が付いています。日本の武者鎧をモチーフにしているということもあってか、精巧に作られた武器を眺めていると、端午の節句に飾られる武者人形を連想してしまいます。なんというか、これは日本人にはグッと来るデザインだと思います。


 電光剣。鞘まで作りこまれています。


 こういうのは手作業で塗装するんでしょうか?


 アタックランサー(三又の槍)、ケーンノッカー(リングの付いた錫杖)


 ナックルパンチャー(メリケンサック)、ソードフィーバー(両足のホルスターに収納)


 フィーバーアックス、バトルシールド。


 面構えは完全に鎧武者ですな。


 というわけで、ネタとして紹介するために、あれこれ武器を持たせて写真を撮ったのですが、弄りまわして様々なポーズを付けるのがなかなか楽しいです。写真を撮りながら眺めていて思ったのが、これは非常に絵になるロボットだということ。アニメのロボットと比べても、それほどメジャーだとは言えませんが、この番組に思い出のある方にはなかなかお勧めの一品だと思います。


※2007年7月25日の記事を修正して再構成

参考:Wiki バトルフィーバー、東映スーパー戦隊シリーズの項

超合金・両津勘吉・バンダイ

2011-06-02 03:01:25 | 玩具・雑貨

『超合金・両津勘吉』は、バンダイより1996年に発売されました。


 箱裏面には、両さんの内部図解が。

 これは少年ジャンプで連載されている「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の主人公、両津勘吉を超合金化したもので『こち亀』単行本の100巻達成と連動して企画されたものです。


 箱を開けたところ。魂ではなく超合金ブランドのため付属品は少なめ。


 昔、せんだみつお氏主演で映画化されてますが、それっぽい。


 付属品、台座、シール、拳銃、ジュラルミン盾、警棒。


 制服姿。塗装なども意外と細かいとこまでやってあります。

 これにはGD-02という番号が付いており、しばらく中断していた超合金シリーズが復活した時期のものでもありました。(ちなみにGD-01は『DX大甲神カブテリオス』、GD-03は『DX超者ライディーン』)。またGD-02EX『100巻記念黄金バージョン』、GD-02SP『“両さんのいる下町”特製ブラックメッキバージョン』という限定版も存在します。この頃( 96年)は何でも鑑定団などの影響で、古い玩具に希少価値が付いて取引されているということが一般にも知られ始めた頃ですから、ある意味(昔の)超合金のパロディという側面ももっています。※箱に書かれている超合金の文字の方が、両津勘吉の文字よりも大きいのもそのためだと思います。また同じ時期に、40箇所可動を売りにしたアクションドール(こちらはG.Iジョーのパロディ)も発売されていました。


 超合金両さんが登場した、105巻:両さんの超合金講座の巻、106巻:超合金レア物選手権!!の巻。


 頭部ハッチ開閉(中に遊びとお金しか考えてない脳)。


 べらんめいダクトで口も開閉。


 胸部ハッチが開き、中には毛の生えた心臓が。


 背中のボタンで操作します。


 ロケットパンチ。拳銃が握れるよう指が可動式。


 足元はサンダル履き。

 これは当然作中にも登場しています。超合金定番のギミックとしてロケットパンチ、胸部ハッチが開き毛の生えた心臓が内蔵されている(※マジンガーZのブレストファイアーギミックのパロ)、頭部ハッチも開閉(中に遊びとお金しか考えてない脳)、べらんめいダクトで口も可動など。最近のフィギュアや、超合金魂などは、いかにリアルに作るかということを重視していますが、こちらはいかに(昔の)超合金のパロディをやるかということを重要視した作りになっており、そのためか似せて作るというよりも、いかにもという超合金体型になっています。この玩具の作られた100巻前後は、丁度レトロブームでTVなどでもブリキの玩具や超合金が盛んに取り上げられていましたから、漫画本編でもフィギュアなどのネタが多くなっていました(他には格闘ゲーム、たまごっちなど)。これはそんな流れ(時代の気分)の中から生まれてきた商品だったようです。


 りりしい横顔。意外と似てます。


 ワイルドだった、初期両さんのイメージが近い?


 無精ひげが芸コマ。


 私は、この頃まではジャンプを読んでいましたので、このネタや超合金が生まれてくる過程というのは、確かリアルタイムで見ていました。ただ昔のことですから記憶も曖昧になっており、またウェブ上にもあまり詳しく解説したところはないみたいで、詳細まではわかりませんでした。確かこれは秋本氏のアイデアや要望により作られたものであったように記憶してます。つまりこれは、(昔の)超合金のパロディであり、ブームにより古い玩具が高騰した時代のパロディでもあった、実に両さんらしい(秋本氏らしい)玩具だったと思います。


※2007年12月23日の記事を修正して再構成

参考:こちら葛飾区亀有公園前派出所105巻、106巻・秋本治/集英社

戦闘メカ ザブングル・日本サンライズ/バンダイ

2011-06-02 02:31:44 | 玩具・雑貨

 戦闘メカ ザブングルは、1982~83年に名古屋テレビ/テレビ朝日系で放映された、日本サンライズ製作のロボットアニメです。総監督は、機動戦士 ガンダムの富野由悠季氏。キャラデザインは、聖戦士 ダンバインの湖川友謙氏。メカデザインは、同じくガンダムの大河原邦男氏とまだ若手だった出渕裕氏。このように非常に豪華なスタッフによる作品です。また串田アキラ氏が熱唱する主題歌『疾風ザブングル』も、とても印象に残る素晴らしいものでした。写真/左 ビデオ版ザブングルの1巻、右/2005年にバンダイより発売された超合金魂ザブングル


 超合金魂アイアンギアー。ミニウォーカーマシンが付属して秘密基地みたいなノリです。


 物語は、惑星ゾラと呼ばれる荒廃した近未来の地球が舞台。主人公ジロン・アモスは、両親の仇ティンプ・シャローンを追って旅をするうちに、サンドラットと呼ばれる仲間達と知り合い、物語(騒動)に巻き込まれてゆきます。シビリアンと呼ばれる惑星の住人達は、ウォーカーマシンと呼ばれるロボットを使って、ブルーストーンという鉱石を採掘しています。このウォーカーマシンは、ガソリンで動く実在する重機のような作業用のロボットで、ハンドルとペダル操作により操縦できたりします。舞台設定は西部劇+ロボットものといった感じで、当時のロボットアニメには珍しいコメディタッチの作品でした。


 1/144ウォーカーマシンプラモ。ボックスアートが最高。


 1/144ザブングル。オープニングの再現でしょうか。






 こちらは、ザブングルとアイアンギアーを除いて当時ものの1/100プラモ。

 当時は、ガンダムの劇場版が公開されていた頃で、ガンプラブーム真っ盛りといった感じでした。ガンプラが手に入らなかったため、TV放送と平行して発売されていたザブングルのプラモを買っていました。このザブングルのプラモは、バンダイとしてもかなり力が入ったミリタリー調の精巧なもので、当時人気のあったホビー漫画『プラモ狂四朗』にも、たびたび登場していました。写真は、2005年に魂ザブングルにあわせて再販になったザブングルのプラモデル1/144(前列)と、当時もの1/100(後列)。1/144スケールの方は、箱のボックスアートも綺麗で見事なものでした。


 WIA(ウォーカーマシン イン アクション)とオフシュート版。
 
 今も続々と新製品が発売されるガンダムや、プラモデルの再販や新作がよく出ているダンバイン等と比べても、ザブングルはあまり玩具化に恵まれなかった印象が強いです。プラモデルの方も、後半の主役機ウォーカーギャリアの1/100スケールが発売されず、番組後半では尻すぼみの印象が拭えませんでした。またクローバーからは、変形のできる超合金のモデルも出ていたのですが、こちらは児童向きといった感じでした。(今では、これは高価な稀少品ですが)


 2000年頃に出てたWIAウォーカーギャリア。


 当時発売されていて、何年か前にも再販されたHCM(ハイ コンプリートモデル)ウォーカーギャリア。


 HCM(ハイ コンプリートモデル)ウォーカーギャリアは出来が良いです。

 こちらは、WIAウォーカーギャリアとHCM(ハイ コンプリートモデル)ウォーカーギャリア。2005年に超合金魂が発売されるまでは、(高価なガレキなどはあったようですが、)これらが唯一手に入れやすい、ザブングル玩具といっても良いような状態でした。2005年に、(ほぼ)完全変形できる超合金魂・ザブングルが発売されて、やっと究極のザブングル玩具が手に入ったという感じです。2006年12月にはウォーカーギャリアも予定されていたのですが、こちらは1月に延びたみたいで、これも楽しみです。

 ザブングル関係のゲームは、放送時にも当時のPC(88やMSX)などで発売されています。またツクダホビーから3作品、ボードゲーム(どちらもシュミレーション)も販売されていました。それ以降も、SFCバトルロボット列伝(1995)、PSリアルロボット戦線(1999)など、ロボット対戦ものにちょこちょこと顔を出すくらいで、こちらもあまり恵まれているとは言えない感じでした。


 今になって出るとは思いませんでした。

 そんな中2003年に、SIMPLEキャラクター2000シリーズの一作として戦闘メカザブングル・THE レースインアクションが突如として発売されました。これは、ウォーカーマシンを使ってレースをするという設定で、ウォーカーマシン同士の戦闘はできません。ゲーム誌のレビューで伝説的な低得点を叩きだした有名な作品なのですが、『ザブングルグッズ』としてみれば結構いけてます。好きなウォーカーマシンに乗れて、マシンガンやミサイルを撃ったり、自由にガシャガシャ走り回れるのですから。ファンであれば買いだと思います。(おまけにOPテーマも収録されています) 


 ロボットアニメの王道とも言えるガンダムや、今でも根強いファンがいるダンバインなどと比べても、ザブングルはちょっとスポットが当たりにくい作品でした。ただ個人的には、かなり気に入っていて思い入れの深いロボットアニメ作品です。主役のロボットがガソリンとハンドル操作で動いてしまうなど、気取らない世界観と、明るく元気な80'の空気が気に入っていたのだと思います。


※2007年1月2日の記事を修正して再構成

参考:Wiki 戦闘メカザブングルの項