風の谷のナウシカ(84)、天空の城ラピュタ(86)は、ともに宮崎駿監督の劇場アニメーション映画です。80年代の週末っぽいネタをという事で、この2作品を取り上げてみます。個人的に、週末っぽいイメージがあるのは、金曜ロードショウからの連想でしょうか。ともに80年代を代表するアニメ映画というだけでなく、宮崎監督の代表作であり、日本製アニメ映画を代表する作品といってもよいと思います。
風の谷のナウシカは、84年公開の劇場用アニメーション作品です。もともとはアニメージュ誌に連載されていた、監督自らの手による漫画が原作です。これは、現在では傑作とされているルパン3世・カリオストロの城が興行的に不振で、新規のアニメ映画を作れなくなっている時期に、執筆が始められたようです。結果的に、映画は91万人の観客を動員して、当時としては破格の7億円以上の配給収入を得た大ヒット作になりました。映画が作られた当時は、まだスタジオ・ジブリは存在していなかったようですが、これを契機にジブリが誕生し、宮崎監督の名前も一般的に知られるようになりました。それまでは、名作劇場の絵の人だとか、未来少年コナン絵の人だとか、そのような感じで認識していた覚えがあります。(熱心なファンは、知っていたでしょうが)
あまりにも有名な作品で、熱心なファンや詳細な解説も多いですから、ストーリーなどは省きます。ここでは、80年代的な視点からこの作品を紹介します。まず公開当時に印象的だったのは、今ではなかったかのように扱われている主題歌でしょう。これは、松本隆氏の作詞、細野晴臣氏の作曲で、ナウシカのイメージガールとして選ばれた安田成美さんが歌っていました。監督のイメージと合わなかったようで、劇中では使用されずイメージソングとされてしまいました。それでも80年代当時には、よく流れていましたので、当時を思い出すには欠かせないと思います。楽曲的にはなかなか印象深い曲で、嶺川貴子さんの歌ったバージョンなども存在します。
もうひとつ80年代な話題としては、ゲームの存在です。当時ナウシカを製作した徳間書店より発行されていたPC誌に、テクノポリスという雑誌がありました。そのテクノポリスのレーベルより風の谷のナウシカ(PC-88)、ナウシカ危機一髪(PC-60)、忘れじのナウシカゲーム(MSX)、と3本発売されていました。この中でも忘れじの~は、特に有名な作品で、ナウシカが蟲を撃ち殺してゆく原作を理解せずに作られたゲームだったため、宮崎監督が激怒して以後ジブリ作品のゲーム化が許可されなくなったという逸話があります。Wikiにもそのように説明されていますし、ネット上のあちこちに同じような解説があります。
謎のゲーム魔境3でも取り上げられていて、説明書がないため遊び方が分からず、蟲を撃って遊んだという記述がされています。ということで、そう解説しょうと思いつつ調べていると、こんなサイトにたどり着きました。オーバーキルさん(リンクフリーとのことなので、無断リンクですが)。こちらは、このゲームの攻略をされているのですが、こちらによると、実際には蟲を撃ち殺すゲームではないようです。もともとが、手に入り難い幻の稀少ソフトで、なおかつShiftキーを押しつつ立ち上げないとゲームが始まらない特殊な仕様のため(これを知らないとエミュでも遊ぶ事ができない)、このような都市伝説が広まったのでしょうか。それにしても情報に惑わされず、自ら検証を行ってそれを覆されていて、素晴らしい!の一言です。
映画と全然関係ない話になりましたが、長くなりすぎたので天空の城ラピュタは、また次回に持ち越します。これら2作品は、アニメ映画だけでなく、日本映画屈指の娯楽作品だと言えるでしょう。週末にのんびりと80年代を感じるにも、なかなか適してるのではないでしょうか。風の谷のナウシカ - goo 映画