ジッピーレース(Zippy Race)は、1983年6月にアイレムより発表されたアーケードゲーム。海外版のタイトルは「Traverse USA」。FC版は1985年7月に発売され、アイレムのファミコン参入第一弾となりました。
鮮やかなオレンジの内トレー。
NAME欄が泣かせる。
ゲームは見下ろし型のレースゲームで、オートバイ(なぜかプレイヤーのみ)に乗ってアメリカ大陸を横断するというもの。初期の頃の見下ろし型レースゲームでは、上から流れて(現れて)くるライバル車を避けながら、制限時間内に走る距離を競う形式のものがほとんどでした。このゲームもそのうちの一つなのですが、(ロスやニューヨークなど)実際の地名を登場させ、舗装コースとダートを交互に走るようになっています。この設定は、時期的に映画キャンボール(81) よりヒントを得ていると思いますが、これはこの当時としては結構画期的だったと思います。中間地点の街が近づいてくると3D表示に切り替わり、単調になりがちなこの頃のレースゲームにメリハリをつけています。燃料性になっており、ライバルと何度かぶつかっても中間地点にたどり着けば順位に応じて燃料が補給されます。一度接触しただけで爆発してしまうものが多かったこの当時のものとしては、難易度が低めで長く遊べるようになっていました。それに順位の概念ももっており、ライバル車をかわすごとに90位より順位が上がっていくようにもなっています。
何か意味はあったのでしょうか。
まだFC初期のものということで、紙一枚の説明書。
アイレムのFC参入第一弾ということもあってFC版が有名なようですが、個人的にはデパートの屋上で遊んだアーケード版の印象がつよいです。またジャッキー全盛期ということもあって、もちろんキャノンボールは見ていましたので、その映画のイメージもあってより懐かしいです。当時は、お金をあまり持っていませんので50円でわりと長く遊べるゲームとして遊んでいました(今遊ぶとかなり難しいですが)。またアイレムのFCゲームはスペランカーが有名ですが、これにはなぜかLEDが付いています。LEDが付いたシリーズとしては、①ジッピーレース、②10ヤードファイト、③スペランカー、④スクーンがあるようです。これに特に意味(機能)はなく、今考えると特にどうということもないものなのですが、当時の目ではどこか得したような気分にさせてくれたのですね。またLEDの付いてない再販版もあり、こちらの方が数が少なく高値になるようです。
FC版の箱にかいてあるバイクの絵は、当時人気のあったFZ750を彷彿させるもので、今となってはいい味出してます。それにしてもこのゲーム最大の謎は、なぜだかプレイヤーだけがバイクでレースに参加しているということですね。これは今もって謎のままですが、80年代当時のバイクブームも関係しているのでしょうか。
Wiki ジッピーレース、アイレムの項