80年代Cafe

80年代を中心に、70年代後半~90年代位の懐かしいもの置いてます。
あなたにとって80年代はどんな時代でしたか。

散財日記 in デジコムベーダー

2015-02-24 14:36:29 | 散財日記・雑記

 ということで、かなり久々の散財日記&雑記。他にも何かと入り用があるということもあるのですが、最近はあんまりレトロ関係の物は買ってません。ここを始めた頃の2007~2008年辺りだと、年間40回ほど散在日記をやっているのですが、昨年2014年ではわずか3回しかやってなかったり。

ELECTRONIC GAME デジコムベーダー・(展示品/エポック社) 1,150円

 エポック社のデジコムベーダーは、1979年に発売された電子ゲーム。エポック社は、電子ゲーム初期の頃にデジコムというシリーズを展開しており、レシプロ機のドックファイトを題材としたデジコムファイターと同時期に出たものだと思います。数あるエポック社の電子ゲームでも、スーパーギャラクシアンと並んで有名なタイトルのひとつ。


 79年~80年にかけて、スペースインベーダーのブームを受けて、続々家庭用のインベーダーゲームが登場します。しかし、最初の頃は家庭用ではなかなかゲームの再現が難しかった。もっとも有名だと思われるバンダイのミサイルベーダーでは、3,980年とリーズナブルな価格で魅力だったのですが、インベーダーが一匹しか登場しないという仕様だった。またインベーダは降りてこないので、侵略されることもなかった。


 そんな時に、16匹ものインベーダーが隊列を作るところを再現。ちゃんとインベーダーが下に下りてきて、打ち漏らすと最後には侵略されてしまうという、当時としては画期的なゲームだった。ただし、蛍光表示菅を使ったゲームの出始めの頃だったので、お値段も7,800円とスーパー。当時の多くの子供にとっては、憧れの対象となった。


 カラー表示も、業務用と同じくカラーセロファンで再現。ジャンプとかチャンピオン誌などに、エポック社の誇らしげな広告が躍っていた。


 パワー、レベル、スタートと、シンプルだが完成された操作部。


 有名なだけあってかなり売れたのか希少品ではなく、オークションにも良く出てきます。ただ、思い入れのある人が多いのか、値もそれなりに上がっていく。エポック純正のACアダプター付きで、この価格というのは掘り出しものの部類に入るでしょう。ただ、展示品ということだったのですが、箱はボロ、包装のビニールも無し、本体にはうっすら汚れと、それなりのものでした。これは、またネタとしてやります。


LSIゲーム ピコピコテン10・(未使用品/バンダイ) 1,000円

 こちらは、1985年にバンダイより発売されたLSIゲーム ピコピコテン10。ネット上にもほとんど紹介がないという、かなりの珍品。簡単に言ってしまうと、光の点滅により10種類のゲームが遊べるという、バンダイ版のゲームロボット九。というか、そのまんま。ゲームロボット九は、ハナヤマの手により復刻されてゲームロボット21、そのバージョンアップのゲームロボット50として、現在でも売られていますが、こちらは人知れず歴史の隙間に消えていった。


 マイナーな理由としては、発売年がスーパーマリオが登場した1985年ということが大きい。この時点では、電子ゲームはもう古臭い玩具の部類に入っており、玩具店のショーケースの主役ではなくなっていた。ファミコンがまだ早い低年齢の子供を対象にした、知育玩具に近い位置になっていたと思います。


 箱はボロですが、未使用品ということで綺麗。ネットに情報がないマイナーなゲームですが、電子ゲーム70's & 80'sコレクションには、ちゃんと掲載されている。


 取扱説明書には英文付き。輸出も視野に入れた商品だったよう。


 ゲームロボット九と、トミーのオムニボットを足したようなイメージ。10種類のゲームが遊べる。しかし、それにしてもゲームロボットに似すぎだとは思います。


 かなり珍しい部類の電子ゲームだとは思いますが、ほとんど知られておらず全く人気はない。1,000円開始の入札で、誰も競争者無しといった具合だった。実物を見るのは今回が初めてなのですが、何よりも驚いたことはでかかったこと。1985年のものなので、勝手にゲームロボット5や10のようなコンパクトなものを想像していたのですが、ゲームロボット九並みにでかかった。手に入れてみると、かなりじゃま。


ポケットクラブ LSIパワースポーツ どすこい熱血場所・(未使用品/バンダイ) 600円

 どすこい熱血場所は、バンダイが電子ゲームブームも去った90年辺りから展開していたポケットクラブシリーズの中の一作。この90年以降になると、ファミコン、PC-エンジン、メガドライブ、ゲームボーイ辺りがゲームの中心となっていますので、リーズナブルな価格で手に入る、今でいうミニゲームに近い位置づけのものだっただろうと思います。バンダイの強みを生かして、ドラゴンボールなどのキャラ物が多く発売されていた。


 こちらは、箱こそ経年の劣化は感じますが、ほぼ未開封の新品といってよいもの。


 このポケットクラブというシリーズ、安価だったこともあって少しちゃちな感じもするシリーズなのですが、これはワイドスクリーンを謳っており、それなりにしっかりしている。


 ゲームは、2人の力士を選択できます。このような廉価なシリーズだと、新規の開発でなく、それまでバンダイが発売してきたゲームのクローンであることが多いのですが、これの元ネタはちょっとわかりませんでした。ゲームデジタルシリーズにスモウというのがあるが、パワーゲージがあるので、それでもなさそう。同じゲームデジタルシリーズのボクシングか、THE プロレスでしょうか?


 85年以降は、電子ゲームはこのようなミニゲームに姿を変えて生き残りました。たまごっちやミニテトリス、デジモンなど、この後も定期的にヒットを出して行きます。これは1992年に発売されており、この辺りのものになるとレトロな電子ゲームの範疇に入るか微妙なところですが、新品をこの値段で、定形外で送ってもらったので、まあいいか。


家庭用ゲーム機コンプリートガイド
携帯型ゲーム機コンプリートガイド・(古本/主婦の友社) 両方とも1,000円

 こちらは、これまでに発売された家庭用のゲーム機と携帯型のゲーム機を網羅したガイド本。家庭用ゲーム機コンプリートガイドの方は、もうすでにネタとして紹介しました。新品でも1,300円ほどというリーズナブルな価格ながら、中身はかなり濃い一冊。同じ著者による、任天堂コンプリートガイド -玩具編-というのも出ていて、レトロゲーム好きなら必携のシリーズだと思います。


日本懐かしの自動販売機大全・(新品/辰巳出版) 1,300円

 お金を入れると全自動で調理してくれる、懐かしい自動販売機を扱った一冊。こちらももう紹介しました。ありそうでなかった本なので、失われゆく懐かしいドライブインやオートレストランの原風景を記録した、資料としては大変貴重な一冊だと思います。こちらもリーズナブル。


懐かしのホビーパソコン ガイドブック(OAK MOOK)・(古本/オークラ出版) 1,000円

 こちらもすでに紹介しましたが、80年代に花開いたホビーパソコンを網羅したガイド本。ファミコン関連の書籍は、数多いのですがホビーパソコン関連は数が少なく、当時の記憶を呼び起こす大変貴重な一冊。同じ筆者による、もう少し踏み込んだホビーパソコン興亡史という本も出ています。こちらは、読み物というよりはビジュアルに訴えるカタログ本といった作りになっている。


 アイ・アム・レジェンド(Iam Legend)・(中古/ワーナー・ホーム・ビデオ) 250円

 アイ・アム・レジェンドは、ウイル・スミス主演の2008年のアメリカ映画。世界がゾンビに支配され、たった一人残った男がその状況に立ち向かうというゾンビ終末もの。アマゾンでの評価が、星★~★★★★★まで満遍なく付いているという面白い現象になっている。元ネタは、ジョージ・A・ロメロの ‎ナイト・オブ・ザ・リビングデッドにも影響を与えたという、リチャード・マシスンの古典的SFだが、諸事情により結末が変えられている。DVDでは、その未公開の本当のラストシーンも追加され、それによって評価がまちまちという現象に繋がっている。ひとっ子一人いないNYが舞台のため、当然CGを多用しているが、それだけでなく実際にNYの5番街を封鎖して撮影を行っており、人がいない都市という特異な映像を作り上げている。個人的には、面白かった。


スーパーマン ディレクターズカット版・(中古/ワーナー・ホーム・ビデオ) 250円
ローマの休日・(中古/アートステーション) 100円

 スーパーマン ディレクターズカット版は、1978年のクリストファー・リーヴ主演のリチャード・ドナー版スーパーマン。最近でも、リメイクされたりリブートされたりしていますが、これ以上のスーパーマンはないだろうと思います。DVD化された時に、デジタル処理されたのか、映像がかなり綺麗だったのが驚き。CGを全く使っていない特撮にもあらが見えないし、全然今どきの映画としてもいけます。ローマの休日は、オードリーヘップバーン主演のお洒落映画の原点にして、永遠の名作。ずっとイタリア映画だとばかり思っていたのですが、これってアメリカ映画なんですな。イタリアは、観光地や工業製品のPRのために協力したそう。だから、ベスパやトッポリーノ(初代フィアット500)が登場しているんですね。


 ちなみにゲームはオークション、書籍はアマゾン、中古DVDはブックオフという構成になっています。ということで、とりとめのない久々の散在日記でした。

懐かしのホビーパソコン ガイドブック(OAK MOOK)/前田尋之監修・オークラ出版

2015-02-11 21:33:40 | 書籍・漫画

 こちらは、 昨年2014年の10月にオークラ出版より発売された、懐かしのホビーパソコン ガイドブック。監修を務める前田尋之氏の前著ホビーパソコン興亡史からの続編といった感じで、当時の主要なPCがカラーで紹介されている。


 ファミコン関連の回顧本は数多いですが、当時の8ビットや16ビットのホビーPCを扱った書籍は数がとても少ない。当時、ファミコンがブームになる少し前の80年代の初頭あたりから、PCの方で先行してちょっとしたブームが起きていた。トミーのぴゅう太やセガのSC-3000、コモドールのマックスマシーン、ソード(タカラ)のM5など、家庭用の安価なPCとしてもゲーム機としても使えるホビーPCが売られ始め、NECのPC-88、シャープのMZ、X1、富士通のFM-7など御三家と呼ばれる機種が登場してきて、PCゲームの市場が少しずつ形成されていた。これら以前は、PCゲームは主にカセットテープで供給され、ショップやメーカー製のおまけみたいな感じで売られており、まだゲーム市場と呼べるものは形成されていなかった。FCが登場してきてからも、アドベンチャーゲームやRPG、シミュレーションなどPCでしか遊べないものも多く、そのため高価なPCはちょっと知的で大人びた憧れの対象だった。特にRPGは、ドラクエが発売される少し前の84年頃からPCの方で先に話題になり始め、それが86年にファミコンに飛び火して一気に一般にも知られるようになった。


 これは、それらの熱いホビーPCの世界を垣間見せてくれる貴重な一冊。主要な機種が時系列順に並べられており、オールカラーで見開き1~2ページに一機種という構成になっている。反面薄い本なので、入れられる情報量には限りがあるため、それほど詳しい解説や情報が収められているわけではない。気軽に読める80年代のホビーPCのカタログ本といった作りになっている。


 有名どころだけではなく、松下電器のJRや日立のS1、ソニーのSMC-70/777、東芝のパソピア7など、家電各社がそれぞれ発売して主流にはなれなかった機種から、ファミリーベーシック、セガのSC-3000、ぴゅう太、ソード(タカラ)のM5、コモドールのマックスマシーンなど、主にホビーをメインにした機種、16ビットで度肝を抜いたX68000、長いこと国民機として君臨したPC-98、32ビットでCD-ROM搭載のFM TOWNSまで、ウィンドウズが登場してきてIBMのPC/AT互換機一色となるまでの国内PCの発展の過程を俯瞰できるようになっている。


 ずっと日本国内では、ビジネスシーンで使われるPCとしては主流だったPC-98。携帯より随分前に、ガラパゴス現象が起きていたんですな。


 松下電器が発売したJR-100。後に松下電器は、自社開発のものをあきらめMSX陣営に参加した。


 憧れの機種だったシャープのパソコンテレビX1。シャープのテレビ事業部が製造しており、同じシャープのパソコン事業部のMZとも競っていた。この頃は、機種が違ってしまえば同じメーカーのPCといえども互換性がなかった。


 NECの安価なホビーPC、PC-6001/6601シリーズ。音声合成が可能で、しかも音階が付けられて歌を歌わせることができた。今考えると、ボーカロイドなど時代を先取りしている。


 80年代8ビットPCの主流となった王者NECのPC-8801SR。FM音源を積んでおり、それまでの味気ないBeep音から流麗な音楽を奏でることができた。スプライトを持たないため、重ね合わせてスクロールさせるアクションゲームは苦手だった。


 MSXは、代表的な機種としてソニーのHITBIT HB-55を掲載。この55という型番は、ソニーの日本初のトランジスタラジオTR-55と同じであり、ここぞという商品に付けられる番号。当時のソニーの意気込みのほどがうかがえる。


 当時の代表的なPCの紹介とともに、当時のカタログも掲載されている。これは、4096色表示を可能とし総天然色PCと呼ばれたFM-77AVのもの。また、機種ごとにそのパソコンで動く代表的なゲームタイトルも紹介されている。


 近年発売されたもので路線が近いものといえば、当時のカタログ、雑誌の記事などから構成された永久保存版80年代マイコン大百科。惜しいことに、こちらはオールモノクロ写真で構成されている。


 10年ほど前に発売されたソフトバンクのBeep復刻版。当時は、LOGiNやマイコンBASICマガジン、テクノポリス、POPCOMなど、主にPCゲームに特化したホビーよりの雑誌が多数発行されていた。機種ごとの専門誌であるOh! PC、Oh! X1、Oh! MZや、技術やハード寄りのI/Oなど、住み分けができていた。このBeepを出版していた頃のソフトバンクといえば、まだPC関連の書籍を出していた、地味ないち出版社にすぎなかった。


 PC-8801のエミュレーターと当時のゲームを詰め込んだ、蘇るPC-8801伝説。この2002年頃に、このようなエミュレーター+当時のゲーム本がちょっと流行った。


 1992年の休刊から、10年の歳月をかけて2002年に復刊されたMSXマガジン永久保存版。好評だったため第三弾まで発行された。


 電波新聞社のマイコンBASICマガジンに連載されていた記事をまとめたチャレンジ!!パソコン AVG & RPG。大変な人気を博してVまでシリーズが発売された。こちらも2003年に復刻されている。


 PC-6001とMSXを題材に子供にも分かりやすく漫画で解説したプログラム入門本。すがやみつる氏のこんにちはマイコン。こちらも2002年にマイコン電児ランとあわせて、ゲームセンターあらし対マイコン電児ラン+こんにちはマイコン完全版として復刻されている。


 こちらは、当時のPCのバイヤーズガイドともいえるよいパソコン、悪いパソコン。これを見ると主要機種の陰に隠れて、まだまだ数多くの機種が埋もれていることが分かる。今ではプリンターメーカーのエプソン、キャノン製のPCや沖電気などの聞いたこともないような機種が数多く掲載されている。


 ということで、熱かったあの頃に一瞬でタイムスリップをさせてくれる貴重な一冊、懐かしのホビーパソコン ガイドブックでした。



参考:懐かしのホビーパソコン ガイドブック/前田尋之監修・オークラ出版、こんにちはマイコン/すがやみつる・小学館、よいパソコン、悪いパソコン・JICC出版局、チャレンジ!!パソコン AVG & RPG/山下章・小学館

こんにちはマイコン・チャレンジAVG&RPG・よいパソコン悪いパソコン

2015-02-11 14:45:33 | 書籍・漫画

 こんにちはマイコン、チャレンジAVG&RPG、よいパソコン、悪いパソコンは、80年代の8ビットPC関連の書籍です。それぞれ漫画による入門書、PCゲームの解説・攻略本、8ビットPCのバイヤーズガイド。当時はPCのことを、マイコン(マイクロ・コンピュータの略、あるいはマイ・コンピュータの意味)とよぶこともあった。


 こんにちはマイコンは、小学館より83年に発売された漫画による入門書です。当時ゲームセンターあらしで一斉を風靡していたすがやみつる氏の手によるもので、NECのPC-6001を教材に、わかりやすくパソコンの仕組みや、プログラムの考え方を解説していました。続編のこんにちはマイコン2・プログラム入門では、もう一歩踏み込んでベーシックによるプログラム作成を解説しています。若き日の遠藤雅伸氏も登場して、ゲーム作りのアイデアの出し方や、ゲーム作成の過程などの紹介もあります。ほかに、当時のPCの統一規格・MSX対応のこんにちはマイコン・MSX対応版もありました。現在プロとして活動されている方の中にも、これを読んでプログラマーの道に入った人が結構いらっしゃるようで、多大な影響を与えた一冊といえそうです。2002年にマイコン電児ランとあわせて、ゲームセンターあらし対マイコン電児ラン+こんにちはマイコン完全版として復刻されました。→すがや氏のサイト内のこんにちはマイコンの紹介記事


 あらしとさとるのかけあいによってマイコンとは何かについて紹介していく。ファミコンがまだ出ていないか、出始めの83~84年頃というのは、ビデオゲームといえばアーケードゲームをさしており、それが家庭でも遊べたり、自分でもプログラムを組んでゲームが作れるというのは、当時の子供にとっては画期的なことだった。


 アクションゲームだけではなく、当時のアメリカからやってきたばかりの新しいゲーム、アドベンチャーゲームなどについても紹介していある。これらは、当初はPCでしか遊べないものだった。


 プログラムの作り方が解説してあり、巻末には簡単なプログラム集が付いてくる。復刻されたMSXマガジンでも題材に取り上げられていたテニスゲームなど。また、ゲームメーカーに取材に行ってゲーム製作の過程なども紹介されており、若き日の遠藤雅伸氏が漫画内に登場している。



 チャレンジAVG&RPGは、84年より電波新聞社のマイコンBASICマガジン誌に連載されていた、チャレンジアドベンチャー、ロールプレイングゲームのコーナーを書籍としてまとめたものです。著者は、連載開始当時まだ大学の学生だった山下章氏。いわゆる攻略本や、解説本のはしりですが、これは答えそのものがずばり書いてあるわけでなく、ゲームの世界を紹介してゆく中にヒントがちりばめられている形になっています。ゲームに詰まった時に読むだけでなく、ゲーム紹介記事として読んでも非常によくできた楽しいものでした。当時はPCが高価で、まだPCゲームの敷居も高い頃でしたので、読むことによって遊んだような気になっていました。これ以降、大量の攻略本がだされましたが、これを超えたものは、いまだに存在していない気がします。80年代当時の8ビットPCゲームを語る場合には、欠かせないものの一つだと思います。マイコンBASICマガジンは、2003年にその歴史に幕を下ろしましたが、こちらは2003年に復刻されました。


 最初のチャレアベは、アドベンチャーゲームの攻略(ヒント集)から始まった。ずばり答えを書くのではなく、ゲームの展開にあわせてヒントをほのめかすという作り。後にたくさん出版された攻略本と比べても、読み物としてもずば抜けて面白かった。これを超えた攻略本やゲーム紹介記事は見たことがない。


 当時のPCでは、表現能力に限界があったので、このようなイラストも加味して、想像力をかきたててくれる。また、時代の流れにあわせてRPGの攻略も扱うようになり、後期になると掲載されるゲームの幅が広くなっていった。


 豊富な写真でアイテムやマップなどが紹介されている。PCを持っていなくても、読むだけでプレイした気になれた。


 このような全体マップなどを掲載したのも、この本が最初ではないかと思う。


 巻末には読み物が付いていて、これはT&EソフトのハイドライドⅡの製作過程をリポートしたもの。若き日の内藤時浩氏が記事を寄稿している。ハイドライドⅡの製作チームは、たった4人という人員で半年ほどの期間で作られていた。ハイドライドⅠにいたっては、プログラムからキャラクターから音楽まで、すべて内藤氏が一人で製作していた。アパートの一室で作られていたゲームなどもあって、まるで大学のサークルののり。また、ゲーム製作者側も10代、20代の若者と、ユーザーとの年齢も近いものだった。ゲームがもっとも幸福だったのは、この時期だったのかも。


 今となっては、これほどまでに詳細に当時のPCゲームを扱った書籍はないため、プレミア価格で売られています。80年代~90年代にかけて何度か復刻され、2003年には復刊ドットコムの企画で復刻されたのですが、それらもすでにプレミア価格となっている。なぜか、このチャレンジAVG&RPGⅢだけは、現在でもアマゾンで新品が定価にて手に入ります。収録されている本数が少ないということ、中でもウィザードリィの攻略が大きなウエイトを占めているということがあるのかもしれません。


 とりあえず、このシリーズが欲しい場合には、まずチャレンジAVG&RPGⅢから入手するというのも、ひとつの手かもしれませんね。


 よいパソコン、悪いパソコンは、80年代のPCを機種毎に採点して紹介したバイヤーズガイド。発行は、JICC出版局。~年度版という形で改訂版が、毎年発行されていました。間違いだらけの車選びとか、よい大学、悪い大学のような書籍のPC版と考えてよいかと思います。現在ではどんなPCを選んでもそれほど問題は生じませんが、80年代のPCはメーカー、機種毎に仕様がまちまちで、互換性がありませんでした。そのため誤った機種を買ってしまうと、動作するソフトがほとんどないという悲劇が起こりました。そのためこのような書籍が、必要とされたのでしょう。当時の本屋ではよく見かけましたので、なかなかのヒットシリーズだったと思います。記事も(買わないほうがよいとか、お勧めできないなど)、メーカーに遠慮すること無くかなり辛辣に書かれています。これもバイヤーズガイドとしてではなく、(口プロレスをするための)機種毎の知識を得るためのカタログとして読んでいました。これの復刻版はさすがにありませんが、ブックオフの100円コーナーなどを探せば見つかるかもしれません。


 当時憧れだったシャープのX1。最初に機種の概要、性能が書かれ、いざ使ってみるとという項目で実際のレビューがされる。結論は、メーカーからするとかなり辛口の評価で、これがこの本の売りだった。また、この85年頃になるとMSXがNEC、富士通、シャープのPCと並んで大きな勢力となってきていたので、ワンコーナー設けて解説してある。


 このような感じで、凡庸な機種だとか、買うべきではないとか、かなりはっきりと書かれている。


 なぜかというと、まだこの時期でもこれだけ多数のメーカーから、数多くの機種が発売されていて、買う機種を間違ってしまうと対応ソフトがほとんどないため、20~30万円近く投資したユーザーの側が非常に高いリスクを負うことになったから。


 憧れのApplleⅡやマッキントッシュなど外国製品は、また別のコーナーで紹介。元ネタのひとつだっただろう、間違いだらけの車選びでも外車は別の章に分かれていた。698,000円って、あなた中古車が買えますがな。


 機種ごとに機能性やソフトの充実度、デザイン、処理速度など各項目ごとに★で評価が付けられている。間違いだらけの車選びでもこのように評価されていた。実際には、こんなに項目は要らないと思う。いくら性能が高くとも、デザインが良くとも、ソフトがなければ部屋の飾りになるしかなかった。また、PCの性能が発展していく過程であったので、間違った機種を買ってしまうとすぐに陳腐化した。また、この本では年度毎に、その年のパソコンオブイヤーも選出していた。今の視点から見ると、多少使い勝手が良かったり、性能が良かったとしても、対応ソフトが一番多かったPC-88シリーズを選ぶのが、一番正解だっただろうと思いますが。

 
 80年代は、今と比べてゲームの本数自体が少ないですし、それほど中古屋もありませんでしたので、ゲームに関する記事(情報)は必死に追いかけていました。デパートのPCの試遊機や、FCなどのゲーム機の前に子供が群がったり、あの頃の子供がゲームにかける情熱は熱いものがありました。今のように溢れてしまうと食傷気味になりますので、何事もちょっと不足しているくらいが丁度よいのかもしれません。

※2007年5月9日の記事に、写真を加えて再構成。

参考:こんにちはマイコン・すがやみつる/小学館、チャレンジAVG&RPG・山下章/電波新聞社、よいパソコン、悪いパソコン・JICC出版局