
復刻ポケットメイト13弾『フィールドアスレチックス』です。復刻版のラスト、トリを飾るのにふさわしい傑作ポケットメイトです。登場は、ラインナップも増えポケットメイトの隆盛期ともいえる第3期で76年頃。野球ゲーム、将棋と並んでポケットメイトを代表する一本だと思います。

ゲーム内容は、この当時流行っていたフィールドアスレチックスを、銀玉を使ったミニゲームとして再現したもの。ループ坂、橋、丸太跳び、トンネル、階段、イカダと細かなアイデアとギミックのオンパレードで、この小さなフィールド内によくここまで詰め込んで、アスレチックスの雰囲気を再現したものだと感心させられます。盤面にはイラストが施されていて、箱庭感、ジオラマ感もバッチリで、見ただけで遊んでみたいと思わせるものに仕上がっていました。ポケットメイトに限らず、この手のミニゲームは単純なものがほとんどで、しばらくすると飽きてしまうのですが、これは例外的にやり込み度も高い作品となっていました。

関門ごとにポイントが付されており、ポイントの加算で得点を競うようになっています。今となっては攻略はとても無理なため、以下簡単にコースを紹介していきます。

まず、スタート地点を出てループ状の坂を上っていきます。その後は長い滑り台と橋。

ひょっとすると一番の難関ターンベース。あらかじめ橋側にセットしておいたターンベースに玉を乗せ、くるりと回転させて次のルートへ移動させます。ターンベースには小さなくぼみがありますが、滑り台を降りてくる間に動いてしまったり、勢い良過ぎて落ちてしまったり。

その後はジグザグコース、丸太跳びへと続きます。

丸太跳びは、段差の付いた6つのサークルを順に跳び越していくというもの。ケースの下をコツコツと叩くような感じで跳んでいきます。ここも、勢い良過ぎて飛び出したりと難関のひとつ。

丸太跳びを超えると、玉が一時的に見えなくなるトンネル。

その後は、橋を渡ります。このあたりは雰囲気を出すために設けられていると思われ、特に難しくはありません。

玉を乗せ手動でコースを変える回転盤。

階段。一段ごとでなく一気にいけますが、勢い良過ぎてコースアウトも。

くるりと回って再び回転盤。次はコースでなくイカダ乗り場。

イカダに玉を乗せ、池を移動。イカダは固定されておらず、コースのないところを移動するため最後の難関。イカダ中央に穴が見えますが、ここに玉を乗せ安定を図ります。

反対側の岸にたどり着いたらパチンコちっくな回転羽(回転扉?)を抜けて・・・

最終コーナーを回って・・・

スタート地点横にゴール!となり、この小さなフィールドを一周したことになります。

個人的な思い出としては、当時クラスの誰かが持っていて瞬く間にブームとなり、自分も入手して遊んだ記憶があります。野球ゲームを買った駄菓子屋で、これもパチモノだったと思います。人気があっただけに、エポック社からもブックゲームシリーズ『アセリチック』(79)、ミニゲーム『アスレチック湖コース、海コース』(79)、『アスレチックレース』(79)などが出ており、タカラ社のスクールパンチにもあったようです。本家トミーからは電子ゲームも。密封型ではないオープン型のボードゲームは、ある種の定番となっていて、最近でもトイザらスなどで『アスレチックランドゲーム』(オリジナルはトミー/79で、これも復刻版らしい)として売られていました。また、当時のアスレチックの流行を参考にしたと思われる、TV番組『風雲!たけし城』からアスレチック型のゲームがいくつも発売されていました。

復刻版は、一度に13種ではなく段階的に復刻されていったため、復刻が決まった後もこのアスレチックスを望む声がネット上でもよく見られました。というわけで、ポケットメイトの最高傑作というにふさわしい一品だったと思います。

参考:POCKETMATE collection、TNCおアソビ探偵団、目で見る駄菓子屋グッズ大図鑑DX/扶桑社、路じうらダマシイ、HANDHELD MUSEUM、gioco del mondo、痛快なりゆきサイト風雲!たけし城 歴史資料館