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これは、㈱ツクダオリジナルより1980年前後に発売されていた、『COMPUTER Othello M-Ⅱ』(コンピュータ・オセロ)です。オセロの電子ゲームは、今でもキーチェーンになっていて、1,000円前後で簡単に手に入れられます。懐かしの電子ゲームとしては、あまり面白みはないのですが、ツクダオリジナルという響きに、なんだか懐かしいものを感じますので紹介してみます。
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箱を開けたところ。発泡スチロール製の内箱には内ブタまであり、当時高級品だったことを思わせます。
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操作パネル。1~8の縦列、A~Hの横列に対応したボタンが並んでいます。オセロのロゴがイカス。
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裏にはサウンドスイッチと液晶のコントラストレバー。
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ACアダブター用の端子。液晶ゲームとしては、珍しいと思います。
まず時代背景を思い出すために、これの値段から紹介しますと、箱に13,500円の当時の値札が貼ってあります。当時大人気だったG&Wが、6,000円(バンダイのGDは、3,980円~4,980円程度)、構造が複雑だったFL機でさえ6,000円~10,000円程度でしたから、液晶ゲームとしては非常に高価なだったことがわかります。これは、このオセロが、麻雀、チェス、バックギャモン、囲碁などと同じく、大人向けの商品だったという事があげられます。反射神経を使う子供向けと異なり、コンピュータとの知恵比べというニュアンスで捉えられていました。90年代までは、人間のチャンピオンと、コンピュータとのチェスの勝負がよく話題になっていましたね。
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説明書。すごい本格的。
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オセロの棋譜用紙付き。
なにより当時は、現在のようにコンピュータがネットワーク端末として発展するとは、考えられていませんでした。映画に登場したHALでも、バビルの塔のコンピュータでも、あくまで電子頭脳として発達すると想像されていたのです。(もちろん専門家ではなく、一般人のレベルですが)。ある意味、コンピューターが思考を始め、意志を持ち、感情を持つというのは、SF的な夢だったのです。
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これの解説書には、『内蔵されたマイクロコンピュータが、記憶、比較、評価、選択、予知を行い、人間が打つ手を“見抜く能力”も備えています』とあります。また、『人間の頭脳に匹敵する能力を持ったコンピュータが、あなたの好敵手になるでしょう』とまで書かれています。これは、嘘でも誇大な表現でもなく、コンピュータへの『ロマン』だったんですね。
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画面。わかりずらいですが、透明な硬質プラスチックカバーに覆われており、高級感があります。
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ゲーム画面。このあたりは、現在のMiniゲームとそうかわらないレベル。
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ケースは、薄くて実用性はあまりなさそう。またちょっと安っぽい。
高級品らしく発泡スチロール製の箱の内箱には、フタまでちゃんとあります。写真のものは、携帯用のケースですね。解説書も、大人向けに書かれており、かなり詳細に機能が紹介されています。コンピュータとの対戦の他に、人間同士の対戦、マスター機(学習機)としての機能も備えています。また電池以外にも、ACアダプターにも対応しています(液晶ものとしては、珍しい)。この金額を出して、子供がこれを買うともあまり思えませんので、ちょっと新し物好きでインテリなお父さんみたいな層が、ターゲットだったのでしょう。
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ツクダオリジナルといったら、何と言ってもオセロのメーカーでした。また大ヒットしたスライムや、ルービックキューブも、このメーカーでした。最近あまり名前を聞かなくなったと思っていたのですが、親会社ツクダの不振を受け、バンダイの子会社になり→株式会社パルボックスに社名変更→パルボックス社よりメガハウス社へ、ツクダオリジナル関係の営業譲渡・・という事で、現在はバンダイ傘下のメガハウス社の事業部のひとつになっていました。伝統あるメーカーの名前がなくなってしまうのは、寂しいような気もしますが、ヨネザワ(玩具部門)がセガトイズになっている様に、形を変えて現代に生き残っているというように考える事もできますね。
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※2007年3月29日の記事を修正して再構成
参考:Wiki ツクダオリジナル、メガハウスの項、COMPUTER Othello M-Ⅱ解説書