80年代Cafe

80年代を中心に、70年代後半~90年代位の懐かしいもの置いてます。
あなたにとって80年代はどんな時代でしたか。

COMPUTER Othello(コンピュータ・オセロ) ・ツクダオリジナル

2011-07-30 21:57:34 | 電子ゲーム


 これは、㈱ツクダオリジナルより1980年前後に発売されていた、『COMPUTER Othello M-Ⅱ』(コンピュータ・オセロ)です。オセロの電子ゲームは、今でもキーチェーンになっていて、1,000円前後で簡単に手に入れられます。懐かしの電子ゲームとしては、あまり面白みはないのですが、ツクダオリジナルという響きに、なんだか懐かしいものを感じますので紹介してみます。


 箱を開けたところ。発泡スチロール製の内箱には内ブタまであり、当時高級品だったことを思わせます。


 操作パネル。1~8の縦列、A~Hの横列に対応したボタンが並んでいます。オセロのロゴがイカス。


 裏にはサウンドスイッチと液晶のコントラストレバー。


 ACアダブター用の端子。液晶ゲームとしては、珍しいと思います。

 まず時代背景を思い出すために、これの値段から紹介しますと、箱に13,500円の当時の値札が貼ってあります。当時大人気だったG&Wが、6,000円(バンダイのGDは、3,980円~4,980円程度)、構造が複雑だったFL機でさえ6,000円~10,000円程度でしたから、液晶ゲームとしては非常に高価なだったことがわかります。これは、このオセロが、麻雀、チェス、バックギャモン、囲碁などと同じく、大人向けの商品だったという事があげられます。反射神経を使う子供向けと異なり、コンピュータとの知恵比べというニュアンスで捉えられていました。90年代までは、人間のチャンピオンと、コンピュータとのチェスの勝負がよく話題になっていましたね。


 説明書。すごい本格的。


 オセロの棋譜用紙付き。

 なにより当時は、現在のようにコンピュータがネットワーク端末として発展するとは、考えられていませんでした。映画に登場したHALでも、バビルの塔のコンピュータでも、あくまで電子頭脳として発達すると想像されていたのです。(もちろん専門家ではなく、一般人のレベルですが)。ある意味、コンピューターが思考を始め、意志を持ち、感情を持つというのは、SF的な夢だったのです。


 これの解説書には、『内蔵されたマイクロコンピュータが、記憶、比較、評価、選択、予知を行い、人間が打つ手を“見抜く能力”も備えています』とあります。また、『人間の頭脳に匹敵する能力を持ったコンピュータが、あなたの好敵手になるでしょう』とまで書かれています。これは、嘘でも誇大な表現でもなく、コンピュータへの『ロマン』だったんですね。


 画面。わかりずらいですが、透明な硬質プラスチックカバーに覆われており、高級感があります。


 ゲーム画面。このあたりは、現在のMiniゲームとそうかわらないレベル。


 ケースは、薄くて実用性はあまりなさそう。またちょっと安っぽい。

 高級品らしく発泡スチロール製の箱の内箱には、フタまでちゃんとあります。写真のものは、携帯用のケースですね。解説書も、大人向けに書かれており、かなり詳細に機能が紹介されています。コンピュータとの対戦の他に、人間同士の対戦、マスター機(学習機)としての機能も備えています。また電池以外にも、ACアダプターにも対応しています(液晶ものとしては、珍しい)。この金額を出して、子供がこれを買うともあまり思えませんので、ちょっと新し物好きでインテリなお父さんみたいな層が、ターゲットだったのでしょう。


 ツクダオリジナルといったら、何と言ってもオセロのメーカーでした。また大ヒットしたスライムや、ルービックキューブも、このメーカーでした。最近あまり名前を聞かなくなったと思っていたのですが、親会社ツクダの不振を受け、バンダイの子会社になり→株式会社パルボックスに社名変更→パルボックス社よりメガハウス社へ、ツクダオリジナル関係の営業譲渡・・という事で、現在はバンダイ傘下のメガハウス社の事業部のひとつになっていました。伝統あるメーカーの名前がなくなってしまうのは、寂しいような気もしますが、ヨネザワ(玩具部門)がセガトイズになっている様に、形を変えて現代に生き残っているというように考える事もできますね。



※2007年3月29日の記事を修正して再構成

参考:Wiki ツクダオリジナル、メガハウスの項、COMPUTER Othello M-Ⅱ解説書

パーフェクト麻雀・バンダイ

2011-07-27 23:14:22 | 電子ゲーム


 パーフェクト麻雀は、バンダイより1983年に発売された麻雀の携帯ゲーム機。バンダイより発売された、電子ゲームとしては最初のものになります。当時の価格は、電子ゲームとしては、かなり高めな16,800円。麻雀を題材とした電子ゲーム機としても、初めてのものだったと思います。


 コンピュータを使用した麻雀ゲームとしては、ジャンピューター(81・アルファ電子)があり、これが麻雀を題材としたアーケードゲームとしては、実質的に初のものだったようです。これはタイトー、セガ、日本物産、シグマなどのメーカーが、製造許諾を得るなどのかなりのヒットになったようです。


 そのジャンピューターをなんとなく連想させる、ボタンの並んだ操作部。ジャンピューターには、19個のボタンが付いていたようですから、実際にはぜんぜん少ないのですが。それでもこのボタンの多さは、電子ゲームとしては異例だったと思います。


 表示部は、麻雀牌を再現する必要からドットマトリックス方式を採用しています。ゲームウォッチなどこの頃の電子ゲームは、ほとんどがキャラクターがあらかじめプリント(固定)されたセグメント方式を採用していました。ドットマトリックスを採用してソフトの交換に対応したゲームポケコン(エポック社)が85年、ゲームボーイが89年ですから、これもこの時期としては珍しいものだったと思います。ゲームは、ジャンピューターと同じ2人麻雀。このゲーム画面も、どことなくジャンピューターを連想させます。


 1983年7月15日にはファミリーコンピュータ、8月23日には麻雀が発売されており、パーフェクト麻雀は同年の8月に出たようです。価格的にもファミコン14,800円、麻雀3,800円に対して16,800円ですから、麻雀しかできないゲーム機としては微妙な時期、価格だったと思います。それでも初の携帯型ゲームということからヒットしたようで、その後にシリーズがパーフェクト麻雀Ⅳまで発売されています。

 
 この頃は、麻雀以外にもオセロ、チェス、バックギャモン、囲碁など大人向けの電子ゲームも発売されていました。大人向けのものは、思考ゲームが多かったこともあってか、子供向けの電子ゲームに比べて少し高価なものが多かったと思います。こちらは、ツクダオリジナルのCOMPUTER Othello M-Ⅱ13,500円。


 川崎電子・囲碁マスター39,800円。



 学研のLSIゲームポーカー。学研からは、バックギャモンや囲碁トレーナーなど大人向けの商品もたくさん発売されていた。


 個人的な思い出としては、価格が高価だったということ、麻雀のルール自体知らなかったということで、購入の対象にはなりませんでした。ただ思考型のゲームというところが、非常に高度な感じがして憧れていたことを思い出します。この頃の感覚では、コンピュータ=電子頭脳ですから、コンピュータが思考を始めたような気がして、ついにここまできたかといった感じでしたね。



参考:Wiki ジャンピューター、任天堂の麻雀の項

囲碁マスター・川電エンジニアリング/川崎電気株式会社

2011-07-27 22:58:46 | 電子ゲーム


 これは、1982年(昭和57年)に川電エンジニアリング株式会社より発売された、液晶囲碁ゲーム機『コンピュータ・囲碁マスター』(Kawasaki Igo-Master)です。G&W発売(1980)から、FCが発売(1983)されるまでの時期に電子ゲームのブームがありましたが、その時期に『パーフェクト麻雀』・バンダイ(16,800円)、『バックギャモン』・学研(13,800円)、『コンピュータオセロ』・ツクダオリジナル(13,500円)などの大人向けの商品も出回りました(これ以外にも詰め将棋、チェス、パチンコ、ピンボールなど)。これは、そんな中の一台ですね。但し当時39,800円という値段で発売されており、電子ゲームのブームに当て込んで登場してきたものとは少々趣が異なっているようです。


 なんだかかっちょいい川電マークと、コンピュータ囲碁マスターのロゴ。


 かなりシンプルな操作パネル部。


 ボリュームスイッチも家電製品のようなしっかりしたもの。

 流れとしては、1981年(昭和56年)にナショナルより電子碁盤『名局』(19万8000円)という囲碁練習機が発売されました(他にはスタット・サプライ社の『清流』(23万8000円)など)。これは碁盤に磁力感知センサーが埋め込まれ(碁石にも磁石が内蔵)、打った手を感知・記録するという電子機器で、専用のソフトを指す事で対局の記録、定石の学習、名局の再現などができるというものでした。値段からもわかるように、とても子供や一般の人が買うようなものではなく、(ある程度余裕のある)年配の囲碁好きが、趣味や囲碁の学習のために使用するためのものだったようです。その後、電子ゲームのブームや液晶携帯ゲームの登場を受けて、川崎電機の『コンピュータ・囲碁マスター』(82)や、ナショナル携帯用電子碁盤『名局ジュニア』(49,800円/84)など、液晶を使うことでそれらの機能を小型で安価に提供できるようにしたものが登場してきました。ということで、正確にはこれは電子ゲームではなく、定石の習得や詰碁、名局の再現・鑑賞などをするための“囲碁の独習機”ということになります。




 このコンピュータ囲碁マスターの解説書には、日本棋院推薦の文字と、監修/本因坊・武宮正樹氏の名前が記されており、子供向けの玩具とは一線を画した本格的なものということを示しています。


 まあ定価が39,800円ですから、FC+ディスクシステムや、ぴゅう太mk2(29,800円)、マックスマシーン(34,800円)が買えちゃう金額ですね。この手の大人向け電子ゲーム(麻雀、将棋、チェス、オセロ、バックギャモン)等はみな高価でしたので、当時購入を検討する対象にはなりませんでしたが、雑誌の広告やデパートのショーケース内で見る機会は多かったため、ちょっと憧れの電子ゲームでもありました。


 ソフトの差込口というよりは、コントロラーの端子部っぽい。


 写真下部を見ていただくとわかるように、これはソフトを交換して使用するようになっており、実にエポック社の『ゲームポケコン』(85)、任天堂『ゲームボーイ』(89)に先立って発売されたカセット交換式の液晶電子ゲームでもあったわけです。製造元(発売は川電エンジニアリング株式会社)の川崎電気は、現在は株式会社かわでんと社名変更をしており、電気機械器具の設計、製作、販売を行う会社として健在のようです。これ以外には、電子ゲームや液晶ゲームは販売してなかったようですから、そういった意味でも玩具とは一線を画した商品だったのでしょうね。また囲碁はオセロ、チェス、カードゲームなどと比べても(ゲームの思考ルーチン等が)格段に複雑そうですので、あまり電子ゲーム化されることの少ない題材でもありますね。最近では『ヒカルの碁』というヒット漫画もありましたので、携帯ゲーム等で出ていても不思議ではないと思うのですけどね。


 小学校高学年や中学になると、将棋やチェス、麻雀などにも興味を示すようになってきました。自分だけでなく周りもそうでしたので、この辺りから(背伸びもあって)思考型のゲームに興味を持つようになるんでしょうね。さすがに囲碁にはふれる機会が無いままで、ルールも知らないままですが。そのためなのか、これを見ているとなんだか小中学校の昼休みの図書館の陽だまりを連想させるものがあります。もちろん図書館で囲碁をしてたわけではないのですが、なぜだか妙に懐かしい気分になります。

※2007年9月8日の記事を修正して再構成

参考:囲碁の棋譜記録機/自分史、NIKKEI 将棋王国

ドリーム in 夏休み前

2011-07-24 19:06:02 | 原付趣味&Bianchi

 久々の雑記です。前にドリームネタをやったのが4月になりますから、3ヵ月半ぶり位。購入後、2年半くらいずっと盆栽バイクだったドリーム号ですが、毎日の通勤・通学の足としてやっています。3ヶ月半の間に起こったトラブルとしては、ピレリのタイヤが割れてパンクしてしまったくらい。実用重視で無印のノーブランド品に交換してもらい、チューブ・着脱込みで9,000円程でした。毎日使ってますが、エンジンがかからなかったことは一度もなく、さすが本田とあらためて実感。ポジションが、見た目重視のため実用には向きませんが、実用にも使えないことはないといったところでしょうか。


 実用として使っていますので、くすんじゃってるのは仕方のないところ。


 分かりづらいですが、キーホルダーで擦れて小傷だらけ。


 チェーン周りも、お父さんのカブみたくなっています。


 チェーンオイル、排ガス、その他鉄粉等で汚れてますな。


 マフラーも白くくすんでます。ホンとは、ガレージに隠すように置いてあって、磨いてやったり、改造パーツを奢ってやったりと、玩具みたいな使い方がしたかったんですが、仕方がありません。また、そういう日が来るでしょうか。


 生活のほうは、環境が激変しちゃってますので、あれやこれやと次々とかなり目まぐるしいです。漫画みたいな、思ってもいない展開に。


 しなくてはならない課題がありますので、お気楽さはないのですが、ドリーム号を手に入れてから3度目の夏が来ます。

ラストハルマゲドン(LAST ARMAGEDDON)・ブレイングレイ

2011-07-23 21:14:08 | RPGゲームReview

 ラストハルマゲドン(LAST ARMAGEDDON)は、ブレイングレイより1988年に発表されたRPG。原作・企画は、学校であった怖い話の飯島多紀哉(飯島健男)氏。PC-88、98、X1、X68000、FM-TOWNS、MSX2、FC、PC-エンジンといった、当時の主要なハードで発売されていました。


 プレイヤーは、スケルトン、ミノタウルス、ゴブリンといった12種のモンスターを操作して、人類滅亡後の地球の覇権をかけてエイリアンと戦う逆転のシナリオになっています。ホラーでないかと勘違いしそうな、おどろおどろしいグラフィックが特徴的ですが、モンスターたちが自分たちはいったい何者なのかということを探る、自分探しの物語の要素も含んでおり、蘇ったワードナーがモンスターを引き連れて失われた力と記憶を取り戻すWIZ4や、自分の肉体と失われた記憶を取り戻すためにさまようレリクス、モンスターとなって失われた記憶を取り戻すモンスター誕生(ゲームブック)などとも共通する、いくぶん哲学的な要素も含んだSF的な世界観になっています。モンスターたちは魔族という括りでくくられ、魔界より地上を目指すといった設定は、デビルマンを連想させますし、人類滅亡後の荒廃した地球は、未来少年コナンやナウシカ、北斗の拳、マッドマックスといった、この頃盛んに作られていた世紀末、近未来ものからの影響も感じさせます。108の石版を読むことで謎が解明されてゆくのですが、このあたりは2001年宇宙の旅のモノリスからでしょうか。


 パッケージを開けたところ。マニュアルやマップなど雰囲気を盛り上げてくれる演出が施されていますが、この時期のものとしてはわりとシンプルな感じ。


 操作方法などが記された儀典の書。モンスターや魔法、アイテムなどが記された設定資料集・冥府魔道。これはMSX2版のためフロッピー5枚組み。下にあるものは108の石版のちらばる地上世界のマップ。これは、この時期のRPGの付属品としてはお約束。これ以外に、石版の場所をチェックするチェック・シールが付いていました。


 この時期のものとしては、珍しくはないのですが、ちょっとシナリオのボリューム感を感じさせる3.5インチ2DD5枚組み。(とはいっても、今となってはデータ量としてはたいしたことないのでしょうが)


 儀典の書。儀典の書とは、儀式についてきまり事や、規範となる先例を記した書物の事。中は、普通に操作方法などが記載されたユーザーズマニュアル。


 冥府魔道。フルカラーのモンスターマニュアル。このキッチュなセンスが素敵。


 ストーリーは、12種のモンスターからなる魔族が、人類滅亡後の地球の覇権をかけて地球外生命体・エイリアンとの戦いを繰り広げることになります。地上には、108の石版が置かれてあり、その石版を読んでゆくことで物語の核心に迫っていきます。昼、夜、サルバンの破砕日と、それぞれの時間に対応した3種のパーティを組む必要があり、モンスターには魔法、飛行、アイテム作成などの特殊能力もあるため、それも考慮に入れる必要があります。これ以外にもモンスターのレベルが一定値になると、モンスター同士の合体も可能になっています。このゲームが登場した88年頃というのは、RPG熱が最高潮に達した頃にあたり、あれやこれやと要素が詰め込まれていて、てんこ盛りといった印象です。またPC-88から続いたPCゲームブームもある意味最高潮に達していた時期ともいえますので、これまでのPCのRPGゲームの集大成といった趣きもあるような気がします。また、モンスターのパラメーターには、悪運やブレイン指数(知性)といった、このゲーム独特の要素も。


 地下の魔界に追いやられた魔族が、地上を目指すという世界観は、太古の種族デーモン一族が、地上の支配権を取り戻そうとするデビルマンですな。また設定としては、戦闘メカザブングルが近いです。


 モンスターマニュアルより。敵となる地球外生命体。


 こんなのと戦わなければならないとは、嫌過ぎ。


 戦うほうもこんなですから、無問題ですか。


 12種の魔族の中に魔法で操られているはずのスケルトンやゴーレム、ガーゴイルが入っていたり、スライムやオーク、ゴブリンに加えて、ミノタウルス、スフィンクス、サイクロプスといった出自がばらばらなモンスター達が、魔族としてひと括りにされている点には多少の違和感が残ります。実はシナリオ的には矛盾がなく、マニュアルにもそういった一般的な概念は捨ててくださいとあらかじめことわってありますが。狙い的には、プレイヤーがRPGのモンスターの側となって戦う逆転の発想と、RPGの人気モンスター達を集結させたというところなのでしょうか。感覚的には、オール怪獣大進撃みたいなノリで、世界観を楽しませようということなのかも知れません。そう考えると、スターモンスターぞろいという気も。


 ということで、異色のRPGラストハルマゲドンでした。個人的には、PCゲーム熱が冷めていた時期にあたり、当時遊ぶ機会はありませんでした。このように膨大な時間のかかる大作RPGは、あの時期でなければ遊べなかったと思いますので、これをリアルタイムで体験できなかったことが少し残念な気がします。学校であった怖い話の鬼才・飯島多紀哉氏による衝撃のシナリオも、当時体験できていれば、また違った感じ方を持ったことだろうと思います。



Wiki ラストハルマゲドン、ブレイングレイの項、ラストハルマゲドン・モンスターマニュアル、4Gamer.net 飯島多紀哉氏インタビュー