ということで、年末押し迫ってからの散財日記。クリスマス商戦前の任天堂砲によって、転売価格から無理くり定価販売に戻されたスーファミミニとか、楽しげなものも到着していますが、消化していないものがまだ残っているため、これらは次回以降にします。そうたくさんのものは買ってないのですが、更新する速度が遅すぎるためなかなか消化されない状態が続いている。
べーしっ君 完全版・(古本/立東舎) 935円(送料350円)
べーしっ君 完全版は、80年代~90年代にかけてアスキーの雑誌に連載された、荒井清和氏の4コマ漫画。こちらは完全版として2016年に立東舎より発売された、それまで発表された作品をまとめた総集編のような復刻版。べーしっ君自体は、リアルタイムにはアスキーより全4巻でコミック化されていた。
べーしっ君の始まりは、元々は当時ゲームよりだったアスキーのパソコン誌ログインに連載されたのが最初。完全版では、年代別に分けて収録されている。84年の7月より掲載されているのだが、月刊誌ログインのみということで84年には6本しかない。1986年6月6日にはファミコン通信がログイン内の一コーナーより独立して創刊。90年前後からはMSXマガジンにも登場している。1988年7月15日号からログインが月2回刊化、1991年7月12日にはファミ通が週間化しており、それにともなって加速度的に作品数も増えている。連載終了は1997年と長きにわたってアスキーの雑誌を代表するマスコット的なキャラでもあったため、完全版も結構な厚さになっている。
完全版と銘打ってはいるが、単行本などに収録されていた短編が入っていないなど惜しい点もあるみたい。定価が1,700円と漫画としては結構高めなため、なかなか購入に踏み切れなかった。帯付きのものが900円台で出ていたため購入。Amazon初期出荷分特典のポストカードまで付いてくるという綺麗なものだった。
もともとパソコン誌に連載されていたので、初期のべーしっ君はパソコンネタが中心。時折、アイドルなどの時事ネタや、ゼビウスなどのアーケードネタが挟み込まれている。
ファミコンがブームの兆しを見せ始め、ファミ通が創刊されてからはいっきにファミコンネタが中心となる。
個人的には、MSXユーザーだったのでMSXネタが一番刺さる。
その後もコンシューマーの進歩に合わせてゲームボーイ、メガドライブ、PCーエンジン、スーパーファミコン、プレイステーション、セガサターンとべーしっ君の世界は広がっていく。
ときめもやバーチャファイターなどその時々の流行のゲームが取り上げられている。初期のパソコン少年だったマニアックなべーしっ君しか知らない身としては、結構新鮮な感じがする。読む前は、べーしっ君って懐かしいけど、今さら4コマ漫画をそんなにたくさん読めないなあという感想だったのだが、実際に読んでみると8ビットパソコンからファミコン、16ビットのパソコンやコンシューマー、32ビット機やポリゴンの全盛時代と、日本のコンピュータ史、コンシューマ史、ゲーム史を貫く大河ドラマとして読めてしまうことに気付いた。ああ、あの頃、こんなだったなという再発見に満ちている。少なくともこのようなゲーム漫画は他にはない。
ということで、今年買ったレトロゲーム本としては、これがNO.1という感想でした。ログインやファミ通、MSXマガジンの読者だった方だけでなく、80年代~90年代のゲームで育った、すべてのゲーム好きにお勧め。
懐かしのケータイゲームマニアックス(OAKMOOK)・(新品・オークラ出版) 1,400円(送料込み)
懐かしのケータイゲームマニアックスは、2017年の10月にオークラ出版より発売された電子ゲーム本。発売と同時に買っていたのですが、紹介が遅れたためネタとしては旬を逃してしまった。ファミコンミニやスーファミミニのブームに伴って、ファミコンやスーパーファミコンのみならず、ゲームボーイ、メガドライブとレトロゲーム本ラッシュとなっていますが、個人的にこれだけは外せない一冊。
昨年2016年には、電子ゲーム懐かしブックがコアマガジン社より発売されていますが、電子ゲーム本はファミコン本などと比べてもなかなか珍しい。電子ゲーム懐かしブックのような大きめの判を創造していたのだが、A5判と小さめのいわゆるソフトカバーと呼ばれるような種類の書籍だった。
この本の特徴としては、メーカー別に章を分けている点。任天堂、バンダイ、トミー、エポック社、学研と、電子ゲームを発売していた代表的なメーカー別になっている。
このような有名どころはしっかりと収録されているのだけれど、もうひとつの特徴としてマニアにしかわからないような希少なものやレアなものも収録している点が上げられる。
こちらは、学研の章。
かなり頑張ってくれているとは思うけれど、不満がないわけではない。127ページと薄めの冊子の中に、代表的なものからレアものまで詰め込んでいる関係で、掲載されている大きさが小さめで、説明も少なめ。大体はA5判を2分割か4分割した大きさで掲載されているのだが、8分割、16分割のスペースというものもある。ここまでくると豆粒大。なので食い足りない感じはどうしても残る。またせっかくメーカー別に分類しているのなら、発売された時系列順に並べてくれれば進化の過程も見えてきたのに、ここいらがちょっと惜しい点。
もう少し大きな判であれば、ページ数が多ければという気はするのですが、この時代に電子ゲーム本を企画してくれて、レアな機種まで詰め込んでくれた心意気に対して星★★★★★を進呈したい。電子ゲーム好きな人にも、それほどでもないけれど思い出はあるという方にも、パラパラめくって楽しいお勧めできる一冊だと思います。
人生ゲーム COMPLETE タカラトミー(監修)・(新古本/主婦の友社) 445円
人生ゲーム COMPLETE タカラトミー(監修)は、2017年3月に主婦の友社より発売されたボードゲーム本。タカラトミーの代表的ボードゲームである人生ゲームに特化したゲーム本となります。これ定価が約2,000円ほどする結構お高めの本なのですが、Amazonアウトレットでほぼ新品本が280円ほどで売られているというなかなかの素敵価格だったため購入してみた。
内容は、これまでに発売された人生ゲームを網羅した人生ゲーム大百科みたいな作りになっている。人生ゲームのみに絞ったこと、タカラトミーが監修しているということもあって、決定版とでもいうようなマニアックな書籍。こういう一冊で全ての歴史を網羅できるというような本は好きですね。
人生ゲームとは、1960年代にMilton Bradley社(現ハズブロ)より発売されたボードゲーム。元々は、タカラのアメリカンゲームという輸入ゲームのシリーズ内の一作であり、日本では1968年に人生ゲームとして発売された。以後、代々モデルチェンジを重ねており、3作目以降はタカラのオリジナルとなる。日本のみの限定版や企画版などがシリーズ化されて、日本版の累計出荷数は1000万個を超える大ヒット作となった。
代を重ねるオリジナル版と、平成になってからは数年ごとにモデルチェンジをする平成版というのが基本。人生ゲームという作品に対する認識は、大抵の人はここまでしか知らないと思います。
それらのベーシックモデル以外にも、アントニオ猪木とのコラボ、モーニング娘、ドラえもん、ディズニー、ハローキティ、関西版、阪神版、モノ・マガジン版、よしもと芸人版、ときめきメモリアル、名探偵コナン、金田一少年版など、未知の世界が広がる。
巻末にはタカラ創業者の佐藤安太氏のインタビューと、これ以上はない究極の人生ゲーム本になっている。
個人的な思い出としては、人生ゲームを持っていたことはありません。団地の友達の家で初代か80年発売の2代目を数回遊んだ記憶があるのみ。どちらかというと(こんな面白いゲームがあるのかと)モノポリーに衝撃を受けた。とはいっても、常に周りに人生ゲームを見かける機会はあり、懐かしさはかなり感じることができました。
人生ゲームの本とは、電子ゲームの本並みに市場が狭いような気がするけれど、人生ゲーム好き、人生ゲームに思い出がある人のみならず、マニアックな無駄知識が欲しい方にお勧め。
ファミコン攻略本ミュージアム1000(GAMESIDE BOOKS)・(古本/マイクロマガジン社) 613円(送料250円)
ファミコン攻略本ミュージアム1000は、2015年にマイクロマガジン社より発売されたソフトカバー本。国内で発売されたファミコンの攻略本1000冊以上を全冊総レビューするというとんでもない企画のもの。これも1,600円台と結構お高めの本だったので、なかなか手が出にくかったがようやく中古本が下がってきたため入手した。
ファミコンが83年に発売され、翌84年にはハドソンとナムコが参入し、後のファミコンブームが準備されます。85年8月にナムコよりファミコン版のドルアーガの塔が発売され、これが攻略本なしには解けないゲームだったことから“ドルアーガの塔のすべてがわかる本”が発売されて、ゲームの攻略本というものがクローズアップされることに。同じく85年に徳間書店よりスーパーマリオブラザーズ完全攻略本が発売され、これが2年にわたってベストセラーに入るなどの社会現象にまでなった。その結果、書店にはゲーム攻略本コーナーが新設され、出版社はこぞってファミコン攻略本に参入、総計1,000冊以上のファミコン攻略本が発行された。
出版社別に発売された攻略本の表紙と簡単な解説が付いている。全編このような感じで、ひたすら攻略本の表紙が並ぶという、当時を知るファミコンファンでなければ理解不能な本であるとも言える。
目次は、出版社別に発売された攻略本の背表紙になっている。どこの出版社から、どのくらいの攻略本が出版されていたか一目瞭然。
ファミコンの攻略本といえば、膨大な数は発売されていたことは検討が付くが、それらが資料としても使えるようにまとめられたのは初だと思います。誰得なんだという気もしますが、当時発売された攻略本の数というのはそれぞれの出版社ごとに社内の記録としては残っているでしょうが、総数は誰にもわからなかった。失われ消えていく記憶だったものが、こうして整理され記録として残されたということは、将来ファミコンやファミコンブームという現象が研究対象になったときに貴重なものとなるのかなという気はする。
他にはなかなかない前代未聞の書籍ということはいえると思います。ファミコン攻略本を夢中になって読んだ記憶のあるすべての方にお勧めの一冊。