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トンネルズ&トロールズ カザンの戦士たち・New World Computing/スタークラフト

2018-12-02 17:28:21 | RPGゲームReview

 トンネルズ&トロールズ カザンの戦士たちは、トンネルズ&トロールズのコンピュータゲーム版として、1989年にNew World Computing社が製作したTunnels & Trolls: Crusaders of Khazanを、日本ではスタークラフト社が移植したもの。PC-98、X68000、FM TOWNSなどの他、8ビットのPC-88版、FM-7版、X1版等に移植されていた。


 物語は、ドラゴン大陸に存在するカザン帝国では何世紀にわたって絶え間ない戦闘、流血の日々が続いてきた。それは女帝レロトラーの無法な即位を受けてより加速していた。そして有史以来一千年の節目が迫ろうとしてきている今、賢者たちは人間界に頻発する不思議な出来事にも頭を悩ませていた。一千年までに人の住める地はすべて支配するとするレロトラー。この世に大魔術師カザンの再来を見ない限り、それは現実のものとなるだろう・・・。


 なぜこれを手に入れたかというと、ダンジョンズ&ドラゴンズやクトゥルフ神話の世界観やシステムを採用したゲームというのは多いけれど、トンネルズ&トロールズに関しては、その知名度に反してこれ一作のみということ。もうひとつは、この頃に多くの海外からの移植作品を手がけていたスタークラフト社の作品を手に入れたかったから。


 9,800円という価格が書かれていますが、この頃のスタークラフト社(海外作品)の価格というのは、とにかく高かった。ウルティマシリーズなんて15,000円とかしていた。価格を2,980円とかに抑えた廉価版などもあったのですが、それもあまりショップに置いてないなどなかなか敷居が高かった。


 ボックス開封時。この硬いボックスもスタークラフト社だと感じる。


 マニュアル。海外製のものはロゴがかっこいい。ブランド化というものをよくわかっているんでしょう。


 この時期のパソコンゲームだとコピーして閉じたような簡単な作りのマニュアルもまだあったと思いますが、きちんとしたマニュアルが付いている。もっとも、この作品は攻略本も存在するのですが、攻略本を見ても解けないと言われるほど難解な作品のため、詳細なマニュアルも付いてて当然か。


 キャラクターシートやマッピングシート。高価だった分、このような付属品が充実していたのもスタークラフト社の特徴。ウルティマだと布製のマップや鉄製のアンクなどが付いていた。


 ゲーム起動の仕方。X68000版はフロッピー3枚組み。FM TOWNS版はCD-ROMだったようですが、PC-88などの8ビット版はフロッピー12枚組みだった模様。


 スタークラフト社宛のアンケート葉書も付いてきた。


 これは起動不可ということだったのですが、起動不可もなにもX68000自体を持っていませんから、どちらでも良いのですけど。10年位前、リサイクルショップにモニター込み29,800円くらいで置いてあって購入のチャンスがあったのだが、スルーしてしまった。今考えると泣きそう。


 PC-88版などの12枚組みは凄まじかった模様。店に入ったら読み込み、ディスク入れ替え、戦闘に入ったら読み込み、ディスク入れ替え、戦闘が終了したらまた入れ替えなど。


 トンネルズ&トロールズ オーナーカードが付いていた。これとは別に証明を添えて申し込めば終了証がもらえたみたい。ゲームの終了認定とは、難解なゲームが多かったこの当時のゲームにはある意味お約束のひとつでした。


 内容物一覧。実は、これにマップが付属してくるのだが付いていなかった。起動不可ということと、マップが付いていないため格安だった。ショップだと5千円~1万円前後するため、ネタとして紹介する都合上マップ無しは辛いけど740円(+送料)という廉価なので仕方ない。


 トンネルズ&トロールズのソロシナリオの中では、カザンの闘技場が同じカザンを舞台としており近い。カザンの闘技場は、ひたすら戦闘を繰り返すのみのシナリオで、レロトラーは物語背景の説明にのみ登場するだけでカザンの謎を解き明かしたり、レロトラーを倒したりという展開にはならない。そういう意味では、カザンの謎を解き明かし、レロトラーを倒すことが最終目的というこの作品の世界観は、トンネルズ&トロールズを知る人にとっては魅力的。トンネルズ&トロールズの世界観の中ではレロトラーというのは、かなりのビックネームなのです。しかし、そこには問題点が。上述のディスク12枚組みの頻雑な入れ替えを含めて、致命的なバク、海外ゲーム特有の理不尽なゲームバランスなど、攻略本があっても最後まで解き終えるのが困難といういわくつきの作品だったりします。


トンネルズ・アンド・トロールズ カザンの戦士たち お試しプレイ (Tunnels & Trolls: Crusaders of Khazan, FM TOWNS, 1990)
 残念ながらX68000自体を持っていないのでプレイをする環境がない。なので参考としてはるしげ - HARUSHIGEさんという方が上げられている実況動画を紹介しておきます。日本語版を攻略しているサイトも紹介している動画も非常に少なく貴重なもの。アクション性はなくテキストが表示されて選択肢が出るという、TRPGのシナリオをそのままPCゲームの中に落としこんだような形。


 海外では、2005年に30周年記念版として第7版のルールブックやソロアドベンチャーとともに復刻版を納めたCD-ROMなどが発売された様ですが、日本では入手は難しいでしょう。Twitterでの安田均先生の回答によれば、元の会社がないためコンピュータゲームとしては難しいが、シナリオ部分ならば可能性はあるとのこと。ということなので、そちらを待つことにいたしましょう。

参考:Wiki トンネルズ&トロールズ、スタークラフト(ゲーム会社)の項、T&Tカザンの闘技場・社会思想社、The Wapentake トロールワールドの歴史(2)、トンネルズ・アンド・トロールズ カザンの戦士たち お試しプレイ (Tunnels & Trolls: Crusaders of Khazan, FM TOWNS, 1990)/はるしげ - HARUSHIGEさん


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1 コメント

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懐かしい (Strad.)
2020-04-10 13:37:51
T&T はPC-98版を持っていました。
ゲーム用と保存用の二つを買っていて、今は未開封の保存用が残っているのみ。
未開封ではあるが、随分と時間が経ってしまったので、動作するのかまでは判らない。

一番最初の難関は多分「青カブトムシ寺院」での戦闘だと思う。

難解なゲームなのは確かですが、運が全てと言う感じ。STARCRAFTのファンタジーシリーズと同じく部位のダメージによる欠損が起こる仕様で、頭や動体が欠損していてもどういう訳か生きてる事があるw
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