画はHieronymus Bosch 患者の石の切除(愚者の治療・いかさま)です。
齢を重ねるとともに病院、医師のお世話になることが多くなりますね。
小生も春先に入院する破目になり、手遅れ寸前で生還しました。
前医の誤診、見落としです。
なんか変だなーという内面からの声には正直に従いましょう。
自分の体は他でもない自分が一番わかるのですから。
藪医者か、はたまた名医か ? 評価が分かれる先生ですが、
近藤誠医師(慶応大学医学部放射線科講師)
の講演レジュメ
医療における不正について
・不正請求
・不要な検査や治療
・未熟な医者が治療
・カルテの改竄
・裁判での偽証
・医学研究における不正
それらの原因や背景は共通したところが多い
短時間で、すべてを説明しきれないが、できるかぎりお伝えしましょう
★不正請求
・していない検査や治療を、したことにして請求する
論外だが、じつに多い
☆原因
・診療報酬制度:出来高払い
検査や治療をしただけ請求できる
・レセプトのチェック体制がない
検査・治療内容にみあった傷病名をつけておけばフリーパス
誰も見ていなければ、悪さをしたくなる
・医者のモラルが低い
専門家としての誇りがない
★不要な検査・治療
実際に行われた検査や治療にも問題が多い
☆不要な検査
なにかにつけて採血、レントゲン撮影、内視鏡
月一回レントゲンをとる整形外科
放射線被ばくは心配ないと、待合室にウソの張り紙までしている
職場健診や人間ドックは不要な医療の最たるもの
これほど行われてきたが、うければ寿命が延びるというデータはない
☆不要な手術
富士見産婦人科病院事件が代表的
病名をいつわり本来不要な手術をした
被害者である小西さんのお話を聞きましょう
本当に子宮筋腫があっても、手術は原則不要
無症状でも大きいのがあると、日本の医者は手術を勧める
イギリスの婦人科医は、「どうして手術したいの?」「やめておきなさい」と
☆不要な薬
5種類も10種類も処方する
欧米にはみられぬ蛮行
副作用被害が生じている
子どものインフルエンザ脳症
薬害
解熱剤が原因の第一
複数の薬が処方された場合、なかに脳症を起こすものが含まれている
☆原因・背景
・収入を増やしたい
開業医は自分の収入が増える
これだけ稼いだら十分、という気持ちにならない
勤務医は、もっと稼げと尻をたたかれる
・データ的根拠を大事にしない
くじ引き試験をして有効性を確かめてから導入するのが本筋
肺がん、乳がんなどのがん検診
成人病健診
職場健診を法で強制
フィンランドで行われたくじ引き試験では、かえって寿命を縮めた
・薬を出せば出すほど儲かる構造があった
薬価差益
・勉強不足で製薬会社のパンフレットを鵜呑みにする
・この症状にはこれ、と症状ごとに薬をだすので、薬の数が増える
★インフォームド・コンセントをきちんとやらない
・違法
手術ではない方法があるのに、手術しか説明しないで手術する
犯罪
★未熟な医者、いい加減な医者、金儲け主義の医者が治療に当っている
・医療事故の多くは、医者の腕が未熟だから生じる
・医学教育、専門家の養成がなっていない
・医学生の選抜からして問題
金があれば医学生になれる
帝京大のヤミ寄付金事件
帝京大だけとは思えない
☆原因、背景
・医療の質を問題にしてこなかった
・戦時中に臨時医学専門学校をつくって、中途半端な軍医を多数養成
戦後、医者になった
一時期、医者余り
・昭和36年に国民皆保険制度
国民のがわからみるとフリーアクセス
開業医のがわからみると、収入増
・武見太郎に率いられた日本医師会の力が強くなった
保険点数だけに関心
医療の質には無関心
・開業医は、研鑚する努力もせず、金、金、金、でモラルが下がった
・きちんとした専門医制度をつくらなかった
現在、各学会が専門医を認定する制度をもっている
ほぼ全員、専門医になれる
とても専門医とは呼べない
・学会の中枢にいる権威たちが、自分たちが専門医になれるよう制度をつくる
☆大学の医局制度
医局は、大学内の村
教授がすべての権限を握っている
関連病院の出張人事も
医者は教授の顔色をうかがう
患者のためではなく、大学のためでもなく、医局のために診療を行う
★まずいことが生じると、カルテを改竄する
自己保身のため
病院や医局を守るため
改竄したときのペナルティがなかった
医療裁判でカルテの改竄が証明されても、被告病院が勝訴する
昨日、東京女子医大で医師2名が逮捕された
一人は改竄したため逮捕された
今後、少し正常化するだろう
★裁判になると、偽証する
山梨の産婦人科医が偽証教唆罪で有罪
懲役1年6か月
偽証をしたナースも有罪
懲役1年
★鑑定人が被告病院の肩をもつ
以前、自分が論文に書いたことと正反対のことを鑑定書に書く
★医学研究において、データを捏造する
★臨床試験の論文で、効果を強調し、副作用を軽くみせかける
★製薬企業と癒着して、薬が売れるように宣伝に一役かう
学会で
医学雑誌で
マスコミで
解決策
☆一にも、二にも情報公開
明るいところで悪さはできない
・カルテ開示、レセプト開示を進める
・患者が、自分がうけた治療を検証できるようにする
・していない検査・治療の不正請求はレセプト開示で減る
この点では、カルテ開示よりレセプト開示のほうがインパクトが強い
だから医師会は開示したがらない
勝村さんたちの一層の努力が望まれる
・意味ない検査・治療を減らすには、各病院、診療所の診療内容を公開する
・医療事故の履歴を公開
・どこの卒業か、どこでトレーニングをうけたかを表示させる
・論文に製薬会社との関係を記載させる
☆患者個人にできること
・医療情報を集める
・セカンド・オピニオンを得る
・医療費を支払ったら、明細書を要求する
☆制度的な改革
・医学部の数を減らす
・医師免許更新制度
・医師処分の厳格化
医道審議会は有名無実
破廉恥犯しか医師免許を取り消していない
医療事故でも免許を取り消すようにする
とのことです。
◆レセプト 【れせぷと:診療報酬明細書】
「患者」が受けた診療について、「医療機関」が健保組合などの「公的医療保険の運営者」に請求する医療費の明細書のことで、診療や処方した薬の費用が記載されている。これまでは医療機関と保険運営者の間だけのやり取りで患者には知らされていなかったが、厚生労働省は医療機関に対し、2005 年4月から患者に開示するよう義務付けた。患者は健康保険組合などを通じてレセプトを入手し、自分の診療費用を把握して医療の内容をチェックすることができるようになり、国家財政の中で年々増え続ける医療費の抑制効果も期待されている。
◆インフォームド・コンセント 【いんふぉーむど・こんせんと】
informed-consent(説明と同意)のこと。患者が自分の病気と医療行為について、知りたいことを“知る権利”があり、治療方法を自分で決める“決定する権利”を持つことをいう。個人主義の意識が高いアメリカで生まれ、80年代半ばから日本でも必要性が認識されてきている。
齢を重ねるとともに病院、医師のお世話になることが多くなりますね。
小生も春先に入院する破目になり、手遅れ寸前で生還しました。
前医の誤診、見落としです。
なんか変だなーという内面からの声には正直に従いましょう。
自分の体は他でもない自分が一番わかるのですから。
藪医者か、はたまた名医か ? 評価が分かれる先生ですが、
近藤誠医師(慶応大学医学部放射線科講師)
の講演レジュメ
医療における不正について
・不正請求
・不要な検査や治療
・未熟な医者が治療
・カルテの改竄
・裁判での偽証
・医学研究における不正
それらの原因や背景は共通したところが多い
短時間で、すべてを説明しきれないが、できるかぎりお伝えしましょう
★不正請求
・していない検査や治療を、したことにして請求する
論外だが、じつに多い
☆原因
・診療報酬制度:出来高払い
検査や治療をしただけ請求できる
・レセプトのチェック体制がない
検査・治療内容にみあった傷病名をつけておけばフリーパス
誰も見ていなければ、悪さをしたくなる
・医者のモラルが低い
専門家としての誇りがない
★不要な検査・治療
実際に行われた検査や治療にも問題が多い
☆不要な検査
なにかにつけて採血、レントゲン撮影、内視鏡
月一回レントゲンをとる整形外科
放射線被ばくは心配ないと、待合室にウソの張り紙までしている
職場健診や人間ドックは不要な医療の最たるもの
これほど行われてきたが、うければ寿命が延びるというデータはない
☆不要な手術
富士見産婦人科病院事件が代表的
病名をいつわり本来不要な手術をした
被害者である小西さんのお話を聞きましょう
本当に子宮筋腫があっても、手術は原則不要
無症状でも大きいのがあると、日本の医者は手術を勧める
イギリスの婦人科医は、「どうして手術したいの?」「やめておきなさい」と
☆不要な薬
5種類も10種類も処方する
欧米にはみられぬ蛮行
副作用被害が生じている
子どものインフルエンザ脳症
薬害
解熱剤が原因の第一
複数の薬が処方された場合、なかに脳症を起こすものが含まれている
☆原因・背景
・収入を増やしたい
開業医は自分の収入が増える
これだけ稼いだら十分、という気持ちにならない
勤務医は、もっと稼げと尻をたたかれる
・データ的根拠を大事にしない
くじ引き試験をして有効性を確かめてから導入するのが本筋
肺がん、乳がんなどのがん検診
成人病健診
職場健診を法で強制
フィンランドで行われたくじ引き試験では、かえって寿命を縮めた
・薬を出せば出すほど儲かる構造があった
薬価差益
・勉強不足で製薬会社のパンフレットを鵜呑みにする
・この症状にはこれ、と症状ごとに薬をだすので、薬の数が増える
★インフォームド・コンセントをきちんとやらない
・違法
手術ではない方法があるのに、手術しか説明しないで手術する
犯罪
★未熟な医者、いい加減な医者、金儲け主義の医者が治療に当っている
・医療事故の多くは、医者の腕が未熟だから生じる
・医学教育、専門家の養成がなっていない
・医学生の選抜からして問題
金があれば医学生になれる
帝京大のヤミ寄付金事件
帝京大だけとは思えない
☆原因、背景
・医療の質を問題にしてこなかった
・戦時中に臨時医学専門学校をつくって、中途半端な軍医を多数養成
戦後、医者になった
一時期、医者余り
・昭和36年に国民皆保険制度
国民のがわからみるとフリーアクセス
開業医のがわからみると、収入増
・武見太郎に率いられた日本医師会の力が強くなった
保険点数だけに関心
医療の質には無関心
・開業医は、研鑚する努力もせず、金、金、金、でモラルが下がった
・きちんとした専門医制度をつくらなかった
現在、各学会が専門医を認定する制度をもっている
ほぼ全員、専門医になれる
とても専門医とは呼べない
・学会の中枢にいる権威たちが、自分たちが専門医になれるよう制度をつくる
☆大学の医局制度
医局は、大学内の村
教授がすべての権限を握っている
関連病院の出張人事も
医者は教授の顔色をうかがう
患者のためではなく、大学のためでもなく、医局のために診療を行う
★まずいことが生じると、カルテを改竄する
自己保身のため
病院や医局を守るため
改竄したときのペナルティがなかった
医療裁判でカルテの改竄が証明されても、被告病院が勝訴する
昨日、東京女子医大で医師2名が逮捕された
一人は改竄したため逮捕された
今後、少し正常化するだろう
★裁判になると、偽証する
山梨の産婦人科医が偽証教唆罪で有罪
懲役1年6か月
偽証をしたナースも有罪
懲役1年
★鑑定人が被告病院の肩をもつ
以前、自分が論文に書いたことと正反対のことを鑑定書に書く
★医学研究において、データを捏造する
★臨床試験の論文で、効果を強調し、副作用を軽くみせかける
★製薬企業と癒着して、薬が売れるように宣伝に一役かう
学会で
医学雑誌で
マスコミで
解決策
☆一にも、二にも情報公開
明るいところで悪さはできない
・カルテ開示、レセプト開示を進める
・患者が、自分がうけた治療を検証できるようにする
・していない検査・治療の不正請求はレセプト開示で減る
この点では、カルテ開示よりレセプト開示のほうがインパクトが強い
だから医師会は開示したがらない
勝村さんたちの一層の努力が望まれる
・意味ない検査・治療を減らすには、各病院、診療所の診療内容を公開する
・医療事故の履歴を公開
・どこの卒業か、どこでトレーニングをうけたかを表示させる
・論文に製薬会社との関係を記載させる
☆患者個人にできること
・医療情報を集める
・セカンド・オピニオンを得る
・医療費を支払ったら、明細書を要求する
☆制度的な改革
・医学部の数を減らす
・医師免許更新制度
・医師処分の厳格化
医道審議会は有名無実
破廉恥犯しか医師免許を取り消していない
医療事故でも免許を取り消すようにする
とのことです。
◆レセプト 【れせぷと:診療報酬明細書】
「患者」が受けた診療について、「医療機関」が健保組合などの「公的医療保険の運営者」に請求する医療費の明細書のことで、診療や処方した薬の費用が記載されている。これまでは医療機関と保険運営者の間だけのやり取りで患者には知らされていなかったが、厚生労働省は医療機関に対し、2005 年4月から患者に開示するよう義務付けた。患者は健康保険組合などを通じてレセプトを入手し、自分の診療費用を把握して医療の内容をチェックすることができるようになり、国家財政の中で年々増え続ける医療費の抑制効果も期待されている。
◆インフォームド・コンセント 【いんふぉーむど・こんせんと】
informed-consent(説明と同意)のこと。患者が自分の病気と医療行為について、知りたいことを“知る権利”があり、治療方法を自分で決める“決定する権利”を持つことをいう。個人主義の意識が高いアメリカで生まれ、80年代半ばから日本でも必要性が認識されてきている。