先日の日曜日、散歩がてら母校(小学校)に立ち寄った。あんなに広かった運動場も、今はとても小さく感じる。どっしり立つ栴檀の木、そして青空・・・、それはあの日のままだ。
正門近くで偶然、同窓生のA君に出会った。彼は、母校の校長になっていると聞いていたけれど、まさかこんな時に会えるなんて・・・。「元気にしている?」、「飯でも食べようか」、彼とは同窓会以来1年半ぶり。車にてファミレスへ移動し、お互いの近況を語り合った。
A君は、教育者としての課題についていくつか話してくれた。そのひとつは、「私達の仕事はこども達が20年後、幸せになるための教育をしている」、そのために学校は、夢と希望を持って帰る場所でありたいと考えているとのこと。
しかし、現実には学びを点数だけで評価する教師や親が多い、こどもの学びは点数では表せないという。何故なら、世の中はいろんな生き方(道)がある、かけがえのない自分(自分は自分)があるからこそ、数字だけでは図れないことを知って欲しいという。
点数だけで評価する背景には、昔の価値感(高度成長経済の中で言うことを聞いていれば、良い生活が手に入る)を、社会や多くの大人が子ども達に押しつけているのではないかということだということだった。
その話をここ数日、反芻しながら思ったことがある。以前新聞で紹介されていた米調査会社のギャラップ社が公表した仕事への熱意(エンゲージメント)についての国際比較(2017年)での日本人の働き方についてである。
日本で「仕事に熱意を持って積極的に取り組んでいる」従業員の比率は全体の6%。調査した139ヶ国のなかで132位と、最下位にとどまった。ほかの調査でも同様の結果がでている。与えられた仕事を指示通りにこなす受け身の勤勉性は、それなりに高いものの、自ら主体的に仕事に取り組む姿勢に欠ける現状があること。
たとえば、若い人がアイデアを出しても、多数派である中高年層が抵抗し、跳ね返される。そんなことが繰り返されれば、あきらめムードが広がり、誰も何もいわなくなる。また、若い人達も育たない。しかし、失敗と挑戦の繰り返しのなかで人は磨かれている。
大人として、若い人の声をどう活かすのか、これは職場でも家庭でも同じである。時代は変わっており、そして更に変化を続けるだろう。特に、人口が減少するなかでは、病気と抱えながら働く人、育児と両立する人、LGBT、外国人など、多様な人達が労働市場を構成しており、多様性を活かしながら生産性を上げつつ働きやすいの職場環境をつくっていかなくては、国際競争激化、経済格差などの社会問題をクリアすることができない。
10年後、20年後の社会をつくっていく子ども達、若者には、ぜひ理想とする社会づくりに向け、育て励ましていかなくてはならない。教職ではないので、それはできないけれど、せめて一部でもお手本になるような生き方を見せることも大切ではないかと思う。また、職場では、メンター的な役割が上司やリーダーに求められると思う。
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