LOTUS BLUE DIARY

インテリアとリビングと手作りのお話

麗しのサブリナ

2008-07-17 07:11:39 | Weblog
昨日に続いて映画の話です。

”麗しのサブリナ”は、デビュー作”ローマの休日”に続く2作目のオードリーの主演映画で、モノクロ作品。
コミカルなストーリー展開でファッションも楽しい、私のお気に入りの映画です。



サブリナ(オードリー)は、大金持ララビー家の運転手を務めるフェアチャイルドの娘です。
ララビー家の長男ライナスを演じるのはハンフリー・ボガード、次男デイビッドを演じるのがウィリアム・ホールデンです。
サブリナは幼い頃から密かにデイビッドに憧れていますが、デイビッドはプレーボーイで、小娘のサブリナには目もくれません。
失恋を思い知り悲嘆に暮れたサブリナは、心機一転パリの料理アカデミーのコルドンブルーに留学することを決意します。
ところが留学前夜、サブリナは感極まってやおら自殺を図ろうとします。
「お父様。愚かな娘をお許し下さい。」と手紙をしたためて、車庫にズラリ並んだ高級車のエンジンをフル回転させ、排気ガス中毒自殺をしようとするのですが、ライナスに見つかってしまい自殺は失敗に終ります。
コルドンブルーに入学したサブリナは、伯爵らしき老紳士と出会いその紳士の手ほどきを受けて、小娘からレディーへとグングン変身していきます。
一年後、みちがえるようなレディーになって帰ってきたサブリナに、今度はデイビッドが恋をしてしまいます。
困ったことになった、と長男のライナスは思案します。
なぜなら、ララビーの事業を拡大させるための縁談としてデイビッドには婚約者がきめられていたのですから。
ライナスは、デイビッドとは全く対照的な朴とつな男で、ララビーの事業のことだけ考えているような人間です。
ライナスはなんとかデイビッドがうまく婚約者との結婚を果すよう画策します。
そしてサブリナの気持をデイビッドからそらそうと、サブリナを誘惑しようと必死になります。
そんな不純な動機からサブリナをデートに誘うライナスなのですが、二人はいつしか本当の恋におちいってしまいます。
サブリナとライナスの恋に気づいたデイビッドは二人を結びつける計らいをします。
身分の違いやあれこれあって恋をあきらめパリへ戻ろうと船に乗るサブリナを
「追っかけろ。ほら。」と、兄にチケットを放り投げます。
船の中で再会し、サブリナとライナスは、ひしと抱合い、かくして恋が成就するのでした。めでたし、めでたし。
というのがざっとしたストーリーです。

映画の見所は、ホールデンとボギーという二人の魅力的な男優とオードーリーの
三つ巴の、コミカルにして軽妙なストリー展開と、
デザイナーのイーデス・ヘッドによって作られるオードリーのファッションの華麗さです。
変身したサブリナが次々と身につけるドレスは、どれも素晴しく息をのむような美しさです。
モノクロであることが功を奏するような、白地に黒の柄の肩がむき出しのロングドレスは、絶品というしかありません。
有名なサブリナパンツは、この映画から生れました。
バレーで鍛えたスレンダーなスタイルにあつらわれる最先端のファッションが、当時の全世界の女性を魅了したことは言うまでなく、オードリーのファッションリーダー的人気には絶大なものがありました。

ひとつだいぶ後になって気がついたんですが、この映画の中でオードリーがお父様に手紙を書くシーンにトーネットのロッキングチェアーが出てきます。

映画の中に名作椅子をみつけるのもまた違った映画の楽しみであり、
椅子のソムリエ永井としては、ぜひともお知らせしたかった発見なのでありました。


ティファニーで朝食を

2008-07-16 04:06:27 | Weblog
好きな女優さんは?と聞かれると、
「オードリー・ヘップバーンとマギー・チャンが好きです。」と答えています。
二人の出演している映画は、ほとんど見ていますが、
オードリー・ヘップバーンの出ている映画で好きなのは
”麗しのサブリナ”と、”パリの恋人”と、”ティファニーで朝食を”の3本です。

私のオードリー好きを知っている友人が、あるとき一冊の写真集をプレゼントしてくれました。
こちらがその本です。



ティファニーのコーポレートカラーのサックスブルーが表紙に使われた
洒落たブックデザインで、お気に入りの本のナンバーワンなのでおもわず紹介しちゃいます。

私にとって、オードリー・ヘップバーンの映画を見る楽しさの一つは、ファッションを見ることにあります。
女性ならだれでも憧れるようなファッションに身を包んだオードリーが、この写真集で見られます。

あるときは黒のカクテルドレスにフェイクパールを身につけていたり、
またあるときはオペラピンクのドレスにティアラと大きな黒いサングラスを合わせていたり、
サーモンピンクのリボンを結んだものすごく大きな黒い帽子を目深にかぶっていたり、
ブランケットを巻きつけたようなラップドレスにシガレットホルダーを持っていたりするんですが、
どのオードリーもチャーミングそのもので流行に左右されないオリジナルさに溢れています。

”ティファニーで朝食を”のファッションはジバンシーが担当していました。
オードリーがファッションにおいて鋭い直感を持った天才的な女性だったということは、
デザイナーであるジバンンシーも認めてたようです。

”ティファニーで朝食を”には、大好きなかわいいシーンがいくつかあります。

アイマスクをして眠っていると電話が鳴ります。(目とまつげの付いたものすごく面白いアイマスクです。)
アイマスクを外して電話を取るんですが、なぜか電話はトランクの中にしまってあります。
それとか、キッチンのシーンなんですが、キャビネットの上のものを取るのに
引き出しを一つ二つ引き出してそれを階段のように上ったかと思うと
インスタントコーヒーの瓶を取り、残り少なくなったコーヒーの瓶に直接お湯を入れて飲んじゃったりするシーンもありました
ブカブカのセーターを着て、なにやら長いものを編み棒で編んでいるかと思うと
その毛糸はズーッと上の方に登っていって、壁の照明のガラスの中に入っていって
毛糸だまがコロコロ回っている・・・なんてシーンもありました。
ポール・バージャックと二人で犬と猫のお面を被て盗みをするシーンは有名です。
それと、忘れられないのは公園のシーンです。
セントラルパークを歩きながら、ポールがクラッカージャックというキャラメルポップコーンのスナックを食べるんですが、
その中におまけが入っています。
そのおまけというのはプラスチックの指輪なんですが、ポールはその指輪をなんとティファニーのお店で
「これにイニシアルを刻んでくれないかな。」とたのみます。
すると年老いた店員は、「わたしどもの店では取り扱わない品ですが・・・。やってみましょう。」と引き受けてしまいます。
するとホリー(オードリー)は、「ティファニーって、なんて素敵な店なの。」と大はしゃぎするのです。

お茶目で、おしゃれで、ロマンチックな忘れられないシーンがいっぱいの
私の青春の一作といえる名画です。



ミッドセンチュリーなクッション

2008-07-15 05:05:32 | インテリア
ミッドセンチュリーの家具が好きです。
オリジナルで買えるミッドセンチュリーの安価な椅子として
私でも買える椅子、”イームズのサイドシェルチェアー”を愛用していますが、
ご紹介するのは、同じく50年代のノーブランドのようななんてことない会議用の椅子です。
(RETROというお店で¥5000で買いました。)

この椅子に合わせてクッションを手作りしました。



椅子に合わせて、濃くミッドセンチュリー色を出したかったので、
生地にもこだわりデッドストックのヴィンテージファブリックで作ったクッションです。
西荻久保の"Pin Dot"というヴィンテージファブリックを扱うお店まで50年代の布を探しに出かけて行きました。

2種類の違った布を選ぶときは、二つの布を合わせながらどうかななんて見て選びます。
柄が対照的で、色が似ているのでいい組み合わせかなと思い決定しました。
ハンドプリント風の柄と、アトミックなプリントでどちらも50年代っぽいプリントです。



クッションに加え、ラグもミッドセンチュリーらしさを添えるものをと思い、
フェイクでないファーの小さいのを買いました。
なんてことない安い椅子が、クッションとラグでミッドセンチュリー色を増したと思っています。

ル・コルビュジェもびっくりしそうな、4帖半のミッドセンチュリーな椅子と
その周りの風景です。


椅子の先生

2008-07-14 10:32:27 | インテリア
私には、二人の先生がいます。

一人は、庭の師匠であり植物のことを教えて下さる造園家の、山田茂雄先生。
もう一人は、椅子の研究家で北海道東海大学の教授でいらっしゃる、織田憲嗣先生です。

織田先生は、私の”椅子の先生”です。
こちらが本邦初公開の、自慢のツーショット写真です。
(講演の資料を高島屋の紙袋に入れて持っていらっしゃるのが、なんともいえず親近感が持てます。)



先生に初めてお会いしたのは、去年の9月岐阜県高山市の木工フェスティバルの際
家具メーカー”キタニ”さんに於ける先生の後援会の時です。
残暑が厳しい日でしたが、先生は黒のハイネックのジャケットを着ていらっしゃいました。
そのときの私の印象は、「なんだか、牧師さん(求道者)みたい。」というものでした。

そのあと10月に”キタニ”さんを介して、もう一度先生にお会いすることができ、このツーショット写真となりました。
先生は、「ああ、あの時の。」と私のことを覚えていて下さいました。
翌月の11月には、オペラシティーの“北欧モダン、デザイン&クラフト展”で再び講演があると教えて下さったので、
私は、「(講演に)行きます、行きます。なにしろ私、先生の”追っかけ”をしてるんですから。」と申し上げてしまいました。
先生と”キタニ”の営業さんに大笑いされ、そうこうしつつも仕事の話(2012年のフィン・ユール邸プロジェクト)で盛り上がり、三者でかたく握手を交わしました。

それから、何度か先生にお会いしましたが、先生と私の間で交わされるのは8割が家具、椅子の話です。
先生から教わったのは、「一つのことを一生懸命やっていれば、必ず道は開ける。」ということです。



先生は、「仕事に役立てて下さい。」とおっしゃって、本を下さいました。

その本は、すごく役に立っています。
私は、このブログのほかに、行きがかり上始めてしまったもう一つのブログ”椅子のソムリエ”を書くために、
毎日椅子のことを勉強しています。

年代などを間違えないように、正確な情報をお伝えするためには
何冊もの本や、メーカーのカタログをたくさん資料として、脇に置いて文章を書きます。
私は椅子の研究者ではなく、室内装飾家として責任を持って椅子を取り扱う立場の、
”椅子の専門家”(椅子のソムリエ)でいなくてはいけません。

先生が、研究の道を探究する求道者であれば、
私は、限りない提案の可能性を追及する意味において、やはり求道者でありたいと思っています。


茗荷 対 ラズベリー

2008-07-11 08:44:07 | ガーデニング
表の庭の柿の木をはさんで、茗荷とラズベリーが対決しています。

今年は茗荷の勢いが激しく、増え方も尋常ではないものがありました。
この時点では、完全に「茗荷の勝ち。」です。



茗荷は前の住人さんが植えたものですが、毎年花が咲き茗荷が採れます。
茗荷は、おみそしるにいれて良し、サラダにして良しのお助かり植物です。

それにしてもちょっと増えすぎ、と思ったので間引きすることにしました。
(まびきしても充分茗荷は収穫できると判断したものですから。)
まびきしようとしてふと見ると、茗荷にかくれてラズベリーが新しい枝を伸ばしているのを発見してしまいました。

こぼれ種から新しく赤ちゃんが生まれていたのでした。
茗荷をすこし引っこ抜いたら、ラズベリーが現れました。



完全に茗荷の勝ち、と思っていたら、その下にかくれてラズベリーもがんばっていたのです。
ちょっと日光不足で白っぽい色で、しかもちょっと虫に食われている
成長しかかったラズベリーを保護してあげなければなりません。

柿の木をはさんで、右が茗荷のテリトリー、左がラズベリーというように
せめぎ合うふたつの植物を見守ってやろうと思います。

だって、ラズベリーも茗荷もどっちも食べたい私ですから。

いかした蚊取り線香立て

2008-07-10 08:22:28 | Weblog
”森のテラス”でイベントのあった日、お手伝いにきていらっしゃった
ピアニストの石崎さんが、すてきな”蚊取り線香立て”を持ってきてくださいました。

「あれ、この蚊取り線香立てどうしたんですか?」と聞くと
「私が作ったんです。」と石崎さん。
「すごーい。かわいいですよ。なんか、いかしてますよ。」と大感心する私。



その作り方は、中心に釘をさかさにいれて紙ねんどをまるめるだけ
という簡単なものです。
立てた蚊取り線香は、ま緑の毒々しいよくある蚊取り線香じゃなく
渋い色のをわざわざ選んでいるというちょっとしたこだわりが
とっても効いています。

「この台も作ったんですか?」と聞くと
「おれがさっき切って作ったんだよ。」と山田先生。
もしや、この葉っぱを敷いたのも?と思ったら、
やっぱり山田先生のしわざでした。

石崎さんと山田先生のコラボで完成した、
”森のテラス”にピッタリの、
いかした蚊取り線香立てとそのあしらいでございました。

紫陽花と半化粧

2008-07-09 06:37:48 | フラワーアレンジメント
ずうずうしく、ご近所の庭からいろいろお花を頂きました。

この時期あちこちで見かけるのは、”紫陽花”です。
こぼれるように咲く姿が、私は大好きです。



どんな花器に生けようかと迷ったんですが、
ガラスのフルーツボールに生けてみました。。
咲いている時と同じように、こぼれるような感じに生けました。
夏はやはり、ガラスの花器がなんといっても爽やかです。
水の汚れが気になるので、毎日水をかえながら数日楽しみます。

和室には、”半化粧”を中心に”ニワショウガ”と“山吹”の葉を合せて生けました。



”半化粧”は、葉っぱが半分化粧をしたように白くなっているのが特徴です。
まるでおしろいをはたいたかのように、ハッとするくらい
白く斑の入った、不思議な葉っぱです。
白の分量はすこしでも効く色で、なんといっても品があります。

ちょっと散歩しながら花泥棒した庭の花や雑草で、
今だけしか味わえない旬の花を味わえるというのは、
まったく贅沢な話です。

さて、お花をいただいたお庭に花泥棒のお礼として
何を持って行きましょうかね。


週末の花泥棒

2008-07-08 10:56:35 | ガーデニング
ちょっと人聞きが悪いですが、週末に花泥棒しています。

ご近所の空き地の、ここなら何の問題もないと思われる場所や、
このお家なら、なんとなく分けてもらえそうだと解釈したお庭に声をかけます。

「すみませーん、花泥棒に来ました。この花ひと枝いただけませんか。」
岡本さんの奥さんは、(はっきりいって初対面です。)
「どうぞ、どうぞ、よかったらお入り下さい。」
と、庭まで通してくださって、自慢の花を分けて下さいました。

こちらが、花泥棒とせしめた花たちです。





”ニワショウガ”、”ハンゲショウ”、”ヤマブキ”、”アジサイ”,”ワトソニア”などなど。
ご近所をワンブロックうろついて、かごいっぱいにせしめて参りました。

これが生けるとなかなかいいんです。
その様子は、また明日のブログでご紹介します。
     

七夕ですよ。

2008-07-07 09:07:39 | Weblog
七月七日、今日は七夕です。

数日前から、私は気が落ち着きません。
「どこで笹を調達しようかなあ。」と、うろうろご近所の庭木を下見していました。
毎週末通っている“森のテラス”に、なんとしても笹を飾りたいと思っていたのです。

”森のテラス”の山田先生に相談しました。
「先生、小泉さんのとこの笹を分けてもらえませんかね。」
「笹なら、うちにあるよ。」
「えー、どこにあるんですか。」

「灯台もと暗し。」とは言いますが、あったんです、”森のテラス”の庭にいい笹が。
”森のテラス”には、数十種類の木が植っていて、私はまだ全部を把握できていないのです。

いい具合に笹が準備できたので、次は短冊作りです。
近所の文房具屋さんで、色画用紙と、こよりを買ってきて短冊を作りました。
今回の短冊の色のテーマは、なんとなく“歌舞伎色”です。



日曜日に”森のテラス”ではライブがあり、大勢のお客様がいらっしゃいました。

お客様に短冊を書いていただきました。
思い思いの願い事が書かれたたくさんの短冊で、笹が一気に賑やかになりました。
短冊を手にすると不思議ですね、だれしも心が子供に戻ったかのようになります。
ワイワイ言いながら盛り上がり、ライブに一つ花を添えることができました。

その日は蒸し暑い一日でしたが、夕方になると少し風が出てきて気持ちよくなりました。
短冊がソヨソヨと風に揺れて、涼しげです。

今日の七夕に思いをこめてみます。
どうか、みんなの願いが叶いますように。
そして、おり姫と彦星が会うことができますように。



大根の食べ方

2008-07-04 16:02:56 | ガーデニング
ご近所の陶芸家の先生から、”辛味大根”をいただきました。
先生は、家庭菜園を趣味にしていらっしゃるそうです。



「わあ、かわいい大根。」「これどうやって食べたらいいですか?」
「味噌をつけて生で食べるのが美味いよ。」
ということで、さっそくいただいてみることにしました。



味噌とマヨネーズを半々に混ぜたディップでいただきます。
辛味大根とはいいますが、さほど辛くはありません
うまみがギュッと詰まった感じです。



大根の葉っぱも捨てないで、大根葉のおむすびを作りました。

さっと、湯がいた大根葉をしぼって刻み、、
同じく細かく刻んだ生姜と、炒った白ゴマと、塩をごはんに混ぜて
握ります。かんたんでしょ。

私は、大根葉を捨てたことがありませんし、
大根の皮も千切りにして、ちょっと唐辛子を入れてゴマ油でいため
醤油とみりんとお砂糖で味付けして、キンピラをつくります。

大根は、ことごとく、端から端まで、全部食べます。
エコロジストというより、エコノミストな永井です。