LOTUS BLUE DIARY

インテリアとリビングと手作りのお話

ウィリアム・モリスとジェーン・モリス

2009-02-26 10:49:04 | Weblog
上野の“東京都美術館”において、「アーツ&クラフツ展」が開催中です。

同展は、19世紀後半にイギリスで興った「アーツ&クラフツ」の広がりを
ウィリアム・モリスのイギリス、ウィーン工房のヨーロッパ、
そして民芸運動の日本というように、国ごとの作品280点を一挙に展示するというものです。

30年来の”ウィリアム・モリス好き”の私としては、
決して見逃してはならない展示です。
モリスの作品を見ることが第一目的で、出かけて参りました。



こちらは、「いちご泥棒」という名がつけられたインテリアファブリックです。

モリスの一連の仕事のなかで最も称賛を博したのが、
これらのインテリアファブリック及び壁紙のデザインです。
「ウィローボー」「コンプトン」「フルーツ」などの代表的な壁紙は
現在も作られていて、いまなお多くの人に愛されています。



会場でひときわ私の心をとらえたのが、大きな刺繍壁掛け「蓮」です。

大きな青い蓮(ロータスブルー)と唐草の織りなす大胆な構図と、糸の美しい色。
この大きな作品が、一針一針手仕事によって仕上げられているのだと思うと、
気の遠くなるような思いです。



ウィリアム・モリスの妻ジェーンは、刺繍家としてモリスのデザインするカーテンや掛け布に刺繍を施し、
作品を芸術の域にまで高める手助けをしました。

モリスとジェーンの出会いは運命的なものでした。
貧しい馬丁の娘だった”ジェーン・バーデン”は、そのエキゾチックな美貌によって
ラファエル前派の画家たちを魅了し、絵のモデルを務め彼らのミューズ的存在となって崇められていました。
当時ラファエル前派の中心的人物だった”ダンテ・ガブリエル・ロゼッティ”と知り合って絵画に専念していたモリスは、
ジェーンを見るやたちまち恋に落ちます。
貧富の差が不釣り合いといわれながら、二人は周りの反対を押し切って結婚します。

モリスにとっては、神秘的な美しい女性が自身の芸術活動をインスパイヤーさせる存在として必要であり、
ジェーンにとっては、経済的困難から脱却するために、モリスとの結婚が必要でした。

ところが、真にジェーンが愛していたのはモリスではなく
ダンテ・ガブリエルロゼッティその人でした。
モリスは、すべてを知った上でジェーンと結婚し、結婚後もロゼッティとの関係を援助します。
彼にとってジェーンが決して離したくない女性であるとすれば、
ロゼッティもまた生涯の友として、二人といない人物だったのです。

ケルムスコットマナーという名の美しい荘園邸宅の別荘では、
三人の共同生活が営まれました。
この館での「地上の楽園」的生活は、
奇妙な三角関係の上に、おびただしい芸術活動が繰り広げられるという
尋常でないものだったと想像します。



ケルムスコットマナーにあるジェーンのベッドルームには
ロゼッティによるジェーンの肖像が飾られています。
壁紙は、モリスのデザイン”ウィローボー”です。

それぞれの稀有な、美しくも切ない人生に、ついグルグルと思いを馳せながら、
彼らの残した珠玉の作品の数々に、どこまでも心惹かれてしまう私です。

缶コレクション その18

2009-02-22 23:52:46 | コレクション
古い缶のコレクションがまた一つ増えました。

以前ご紹介した“安藤さん”が、わたしの好きそうな缶を
骨董フェアーで見つけて下さって、プレゼントしてくださったのです。



数日前、niwa-coyaの文代さんが、
「安藤さんから、預かってるものがあるよ。」というので、
niwa-coyaさんに行ってみると、
「どれだか探してみて。」と文代さん。

店内をグルリと見渡して、すぐ分かりました。
「あっ、これでしょ。」
古い”味の素の缶”です。

ちょっとさびて、ラスティックな感じになっているからか、
お隣のアンティークのモルドやら、”リビングストーン”の花器とも
とけこんで馴染んでいながらも、レトロキッチュな存在感を強く放っているのでありました。

”安藤さん”にお礼が言いたくて、会いたーいと思っていたら、
私の強い霊感が伝わったのか、その二日後にniwa-coyaで
“安藤さん”とバッタリお会いできました。
会いたい、と思っているとちゃんと会えるようにできているんですね。

しばしお茶を飲みながら小一時間お話し、もっと話していたかったけど
そろそろ夕食の支度があるから「では、また。」と別れたのでした。

”安藤さん”は、"TINY CAFE"のオーナーでもあります。
また"TINY CAFE"で缶コレクションを「やってくださいね。」と言っていただいているのを
、私は嬉しく思っています。

この調子で缶が増えていって、また"TINY CAFE"で
缶の展示ができる日が来ないかな、と思う私なのです。

「もったいない」というお店

2009-02-19 09:58:10 | Weblog
以前から、友人の水彩画家”真理”さんから、
「ぜひとも紹介したい、美味しいお店があるのよ。」と聞いていた
成城の「もったいない」というお店に、
真理さんに連れられて行ってきました。



小さなお店に立ちこめる料理のいいにおいと、
なぜか懐かしい感じのあったかい雰囲気。
カウンターには、たくさんのメニューの短冊と、
なにやら瓶に入ったものがズラリ。
なんでも自家製の果実酒なんだそうです。
「次回はぜひとも、果実酒でチューハイを頂きたいと思います。」とつぶやく私。

ところで、「何を召し上がりますか。」と、カウンターごしにおかあさん。

「うーん、どれも美味しそう。何にしたらいいと思う?」と真理さんにご相談し
「絶対美味しいんだから。」と太鼓判つきの”ラーメン”を注文しました。

こちらが、“鳥骨鶏スープラーメン”です。



縮れた細い麺と、あっさりなんだけどコクのあるスープ。
シンプルなんだけど気のきいた“具”だと思ったのが、
焼きねぎ、きくらげ、カイワレ、モヤシと、ゆずの皮といったものです。

温かくて、優しい「おかあさんのラーメン」でした。

ラーメン以外に、”ブロッコリーのサラダ”と”かぶの皮の甘酢漬け”も
つまませていただきましたが、これもすごく美味しかったです。
そして、「もったいない」という考えが、ブロッコリーを葉っぱごと茹でる
だとか、かぶの皮も捨てないで一品にしてしまうあたりに
「さすが。」と頭が下がる思いでした。

料理とともに、インテリアも気になる私は、
厨房内の古い”茶箪笥”やら、小さな”小引出し”を
「わー、懐かしい。」と、眺めさせていただきました。

古い家具も大切に使わないと「もったいない」から、という気持ちが
ここの店内の優しく懐かしい感じを作っていたのでした。

おかあさんは、こんなかわいらしい”楊枝入れ”も手作りしていらっしゃいます。



「どうぞ、好きなのをお持ち帰り下さいね。」、「え、よろしいいんですか。」と
一つ頂いて帰ることにしました。

なんでも、牛乳パックと千代紙で作っていらっしゃるのだとか。
私も”箱”を作るのに、レポート用紙の台紙などを捨てないで使ったりしていますが、
「牛乳パックは気がつかなかったー。」と、感動しきりです。

美味しい料理と、小さなもてなしの心に触れて、
疲れていた心と胃とが、たちまち癒されたような思いでした。

手始めは”ラーメン”だったけど、この次は何を食べに行こうかなと、
次の予定を帰り道に相談しながら、幸福な気持と満腹感でいっぱいの私でした。

プロヴァンスの布で

2009-02-17 10:05:04 | BOX
1月の"miwa-coya"さんでのワークショップに参加できなかった方のために、
再びワークショップを設けました。
”森のテラス”をお借りして、チョコとコーヒーブレイクもあったりの
和気あいあいのお教室でした。

箱の布は、基本的にお勧めの布の中からお気に入りのものを選んでいただきます。

生徒さんのお一人が、プロヴァンスプリントをお選びになって
こんなすてきな箱ができました。



こちらの布は、”レゾリヴァード”というプロヴァンスの代表的な布です。
シリーズでボーダーと小紋風の布を作っています。

蓋と身の布をこんなふうに変えてみるのも素敵です。



同じ形でも、布によってずいぶん感じが変わります。

ご自分の好きな布で、お気に入りの箱が作っていただけるよう、
アメリカやイギリスのコットン、プロヴァンスの布、リバティーのローンなど
とっておきの布をご用意しています。

こんな風に、これから月一回ワークショップを開きたいと思っています。

ハートあれこれ

2009-02-14 10:24:55 | クラフト
2月14日、今日は"Varentine's Day"です。

皆様、きょうのご予定は、そしてプレゼントの用意などはいかがですか。

私は、本日”森のテラス”にて”箱のワークショップ”です。
ちょっとチョコでも食べて頂きながら、お好きな箱を作って頂こうと思います。

ついでに、ヴァレンタインデーにちなんで、カントリークラフツを集めた
ハートづくしの本が出てきたので、お茶のトークの時にご紹介しようと思っています。



こちらの本は、アメリカンカントリーの本を著した”マリー・エマリング”の本です。
25年以上前に買った懐かしい本なのです。



本に載っていた、クッションを真似て、小さなハートのオーナメントを作りました。
好きな色の無地の布(コットンと別珍)をはぎ合わせて
クレージーキルトのステッチをしてみました。

かつて手芸の仕事をしていた時に、雑誌に掲載した作品です。



他にも、ハートはないかなと家を見渡すと、
意外といろいろなハートを持っているんだなと再認識しました。

ハートの小物入れ大小と、ガラスのペンダントヘッドです。
小物入れの大きい方は、真鍮製ですが長く大切にしている年期物で
すっかりアンティークのようになってしまっています。



こちらは、アフリカのストーンのペーパーウェイトです。
コロンとした形が気に入っています。



これも、ズーっと昔に買ったセルロイドの小物入れ。
やはりほとんどアンティーク化していると言って良いでしょう。



こちらは、かつてパッチワークに熱中していた時集めたアメリカンコットンを
はぎ合わせて作ったオーナメントです。
これも雑誌に掲載されたものです。

ハートばかりとりとめもなくご紹介しましたが、
こうして見ると案外私もガーリッシュだな、と思ってしまいました。

でも女性の方なら、かわいい”ハート”を見つけると
使用目的など考えないで衝動買いしてしまう私の気持ちを
解っていただけますよね。

ご近所コレクション2009が終了しました

2009-02-10 15:32:35 | Weblog
2月8日は、「ご近所コレクション2009」の最終日でした。
niwa-coyaさんの営業終了後には、いつも打ち上げがあります。

気の置けない仲間たちが集まって、ワイワイ飲み食べの、楽しいひと時でした。

毎度みんなが楽しみにしている料理の一つが“手作りピザ”です。

ピザが登場すると、ブロガーの“真理さん”、“内田さん”がいきなりデジカメを構えます。
食べる前には、いつもこんな風に撮影の嵐です。



こちらが、みんなの大好きなピザ。



今回は、いかとトマトソース、マルゲリータ、自家製ベーコンときのこの三種類です。
(niwa-coyaさんのお庭には、おおきなスモーク器があるのです。)

その他にも、サラダや春巻き、むかごのおつまみなどの料理と
みんなが持ち寄ったお酒やデザートで、満腹ほろ酔いとなりました。



初めてお会いした“安斉きみこ”さんはすてきな先輩でした。
そしてお隣が、T&T studio の “林 大河”くんと“林 大樹”くん。
最年長と最年少のスリーショットです。

ここniwa-coyaさんで今回、また新たにいろんな人会いすることができ
そして多くの人に作品を見てもらうことができたことを
本当にうれしく思っています。

また次回の“ご近所コレクション”に参加できるよう、
がんばって制作し続けたいなと思いました。

出張のお土産 その2

2009-02-05 08:35:23 | Weblog
出張に行ったりなんだかんだで更新に間が空いてしまいました。

出張のお土産 その2は、”宮古島の砂と珊瑚”です。



こちらがその砂です。

”森のテラス”の裏のデッキには、砂を入れた箱庭が置いてあります。
その中に、象や恐竜のフィギュアを入れて
子どもたちに遊んでもらえるようになっていますが
そちらの砂は”新島”の砂だそうです。
”宮古島の砂”と“新島の砂”は、同じ日本の海の砂なのに
こんなにも違うのかと思うくらい色が違います。

”宮古島の砂”は、びっくりするくらい白っぽいきれいな砂です。
よくわかるように、ガラスのシリンダーに入れてデッキに飾ってみました。



砂の中から珊瑚がザクザクでてきました。
これもきれいなのでガラスのお皿に入れました。

”ガラス”と”マリンアイテム”とは、とても相性が合います。



砂と珊瑚を飾った表のデッキの壁には、こんなすてきなモザイク画が施されています。
”小林”さんというモザイク作家さんの作品です。
右上のエスニックな仮面のような飾りは、オーナーの旅行のお土産だそうですが
妙にミスマッチしていて、私は気に行っています。



モザイクの壁の前には、エンジェルがいます。
置いてあった大きな貝の中に、宮古島の珊瑚を入れてみました。

”森のテラス”は、イメージとしては「森の中の山小屋。」で
なおかつ全体的には「和」の感じなのですが、
このコーナーは、”ヨーロピアンエキゾチック”(?)であり、
森の中の”海”を感じさせる空間になっています。

オーナーの意外と”ロマンチスト”なご性格の片鱗を
このコーナーからチラッと感じる永井なのであります。