LOTUS BLUE DIARY

インテリアとリビングと手作りのお話

おとなりの Niwa Coyaさん

2007-08-30 23:43:18 | インテリア
私の住んでいるのは調布市の仙川です。
仙川にはキューピーマヨネーズの工場があるんですが、
私の家はキューピーの下請けの容器を作る会社のもと社宅だったということです。
(築40年ぐらいの古い家で、濡れ縁があったりするレトロな建物です。)

Niwa Coyaさんは私のお家のおとなりでお家を改造して
ギャラリーとカフェをやってます。(うちと同じ造りでうちよりも大きいお家です。)
業者の手を一切借りず、100%自分達でリフォームしたのですが
その仕事はほとんどプロ、それどころかプロでは思いつかない
というかやろうとしないような技法で
うちと同じ造りの家がここまでになるのか、という
驚くべきリフォームをしているのです。 

 Niwa Coya

こちらがNiwa Coyaさんの店内です。

もと和室だった部屋の畳を剥がし、建材の木端で床を寄木のように敷き詰め
上から漆喰を塗ったらこのように変色したというのです。
柱が立っていますが、その奥は押入れだったと思われます。
壁を珪藻土で塗り、かわいいニッチを作っています。
段になった壁に小さな穴があいていてその時々でちいさなものが
なにがしか飾られています。

もと庭だったところに増築してギャラリースペースを設けています。
庭に小屋をつくりましたというところから
ニワコヤという店名をつけられたということです。

Niwa Coyaさんのギャラリーの展示はその時々で
焼き物だったり、布の小物だったりアート(絵とかオブジェ)だったり
雑貨のときもあれば写真の展示もあります。

時々フランスの「蚤の市」から定期便で
日本ではなかなか手に入らないボタンや布の小物が入荷するのですが、
私にとっては涎もののかわいい品がザクザクです。

8月28日から9月15日まで
フランスの古いポストカードや文房具が展示されています。
前から楽しみにしていたので初日の朝一番にNiwa Coyaさんに行きました。

「きょうから展示だよねー。」
すると「なんだかいい額がなくて、展示がいまいちなんだよね。」とおっしゃいます。
「あーら、それなら私にお任せ下さい。」と買って出て
今回のディスプレーをやらせてもらいました。
(ご近所のよしみもあり、外部スタッフのようにお店のお手伝いを
時々させていただいている永井です。)



50年以上昔のかわいいカードがたくさん
クラシカルなゴールドやシルバーの額に入ると
なんだか生き生きとして見えました。

他にも懐かしい感じのセルロイドのペーパーナイフやヘアピン
古いノートやチーズ早見表なんかもあったりして
見ていて飽きない展示です。

Niwa Coyaさんは、おいしいランチもやっています。

住宅街の中のちいさなお店で、すべて手作りによる
素敵できさくなお店です。

よかったらぜひお出かけ下さい。

Niwa-Coya

Ooen 11:00~18:00 (日・月 定休)
調布市仙川町1-28-28
Tel.Fax 03-5315-2848

http://www.niwa-coya.com

Nordic Modern Vol.1 ”Fritz Hansen”

2007-08-26 12:35:50 | インテリア
前回の「北欧モダン デザイン&クラフト」に続いて
北欧の家具のご紹介をしたいと思います。

現在、日本で入手可能な北欧の家具メーカーは数多くあります。

ハンス・J・ウェグナーを取り扱うのは
"Carl Hansen&Son","PP Mobler","GETAMA"が主だったところ。
ボー・エ・モーエンセン、ナンナ・ディッツェル、ソーレン・ホルスト、
ハンス・サンドグレン・ヤコブセンの家具は”Fredericia"が取り扱っています。
アルヴァ・アアルトは"ARTEK"が、コア・クリントは”Rud.Rasmussen"。
その他にバランスチェアー、トリップ・トラップを扱う”Stokke",
カジュアルでリーズナブルな家具のメーカー”Inovator"などがあります。

北欧の家具のなかでも人気の「アントチェアー」、「セブンチェアー」を
製造しているのは”Fritz Hansen"です。

プライウッド(成形合板)により大量生産のうちに安価な、
普通の人が買える価格の椅子を製造しようというのが最初の考えだったということは、
「セブンチェアー」がとある企業の社員食堂の椅子として
開発された、という有名な話に象徴されています。

北欧には、数々の名作椅子がありますが
巨匠のデザインにして買える価格の椅子ということで
ぱっと思いつくのは、この2脚しかありません。


Chair"ANT"&"SEVEN"desighed by Arne Jacobsen


「アントチェアー」は1952年に製造されました。
プライウッドでスタッキング可能の3本脚のチェアーが作られ、
のちに4本脚のものが作られました。
(現在、3本脚、4本脚ともに作られています。3本脚のアントは
国内在庫がないので、発注から納品まで3か月以上かかるのでご注意ください。)

プライウッドの製造技術を試行錯誤しながら、
シェルを曲げるのにどうしてもヒビが入ってしまうので
背の形をくびれた形状にし、ヒビを補修して黒く塗装したその姿を
「アリンコみたいだね。」と製造関係者が言ったのがこの椅子の名前の由来らしいです。
巨匠のデザインをアリンコとは言いえて妙です。
名付け親の工場のおっちゃんはえらい人だと思います。



「アントチェアー」と「セブンチェアー」の人気の理由は
その形の可愛さと、色の可愛さにあると思います。
塗色はズラリ20色。(LACQUER&LAZUR)ウッドの種類が6種類。
その他にレザー張りのものなどを合わせるとすごい数です。
ヴァリエーションが豊富なのも魅力です。


"Egg"&"Swan"

椅子は張布や仕上げによってまったくちがった印象になります。

宇都宮美術館でみた”Egg"はレザー張りでうんと重厚な椅子でした。
写真はTonusという鮮やかな赤の張布ですが
ぜんぜんちがった椅子にみえるので不思議です。
”Swan"はアイスブルーの涼しげな白鳥さんといった感じです。

革張りの”Egg"と”Swan"は大変高額で自家用車が一台買えるような価格です。
しかしその製造過程を知ると、これは高額でも仕方無いんじゃないか
と思うのです。



手作業でこのように張りを仕上げるのですから・・・。

熟練の職人さんが指にいくつも指抜きをして、ひと針ひと針縫う様子が
おわかりいただけるでしょうか。

このような素晴らしい椅子を手にできる人はほんの一握りかもしれません。
仕事でこれらの椅子を提案し、その良さと価値をわかって頂ける時の喜びは
何物にも代えがたいものです。

ロータスブルーは家具をご提案し、その入手方法をご紹介しています。
家具についてのご相談にはどんなことでもお答えしたいと思っています。

どうぞお気軽にお問い合わせください。





「北欧モダン デザイン&クラフト」展

2007-08-22 12:35:27 | インテリア
「北欧モダン デザイン&クラフト」展に行ってきました。
(宇都宮美術館で開催中  9月2日まで。 その後は 京都美術館 9月15日~10月21日、
 東京オペラシティーアートギャラリー 11月3日~1月14日と開催されます。)


展示品は、トーベ・ヤンソンのムーミンの原画12点、
北欧の椅子56点、陶器、ガラスなどのクラフト150アイテム以上、
その他に照明、ポスターや印刷物、家電などです。
ありとあらゆるプロダクツを網羅した展示を一同に見ることによって、北欧の文化と生活を伺い知ることができます。

会場は、「伝統・Tradition」、「機能・Function」、「表現・Expression」
 の三つで構成されています。

モダンデザインの黎明期の旗頭的存在である”アスプルンド”の肘掛椅子「セナ」。
様式主義から脱却しつつも、リデザインを旨とし「デンマーク近代家具の父」
と呼ばれた”コーア・クリント”の代表作「サファリ」と「レッドチェアー」。
続くように”ブルーノ・マットソン”、”ハンス・J・ウェグナー”、”ボー・エ・モーエンセン”の
三巨匠の代表的椅子の数々。
機能性を果たしながら、造形美を追及したミニマリスト”ポール・ケアホルム”の「ハンモック」。
工芸の手法を家具に取り入れた頑固職人”アンティ・ヌルメスニエミ”の「サウナスツール」。
プライウッドの代表選手”アルヴァ・アアルト”の「パイミオ」。
座る造形美とでもいいたくなる”フィン・ユール”の肘掛椅子。
モダニズムの追及者”アルネ・ヤコブセン”の「アント」「セブン」「スワン」「エッグ」。
スペースエイジとサイケデリックを象徴する“ヴェルナー・パントン”、
合成素材を用いてミッドセンチュリーに花開いた”ポール・ヴォルター”と”エーロ・アアルニオ”のチェアー。

以上、椅子に関してざっと私なりの会場案内をさせていただきましたが、
このほかにもご紹介しきれないくらいのデザイナーの数、
つまり北欧の代表的デザイナーが勢ぞろいなのでございました。

現行品のまっさらな新品の椅子は、メーカーのショールームに行きさえすれば
見ることができるんですが、
プロトタイプ(発売当初の原型)は、このような企画展でなければ
見ることができません。

50年~70年時を経た椅子を目の前で見て、
なんどか生唾をごっくんと飲みました。
マットソンの2脚の寝椅子の、経年変化によって饐えた色になった
ウェビングテープと、しっとりした革の感じは、
かっこいいというよりほかありません。

ボー・エ・モーエンセンのJ39は、別名「シェーカー」という名のこの椅子が、
枯れてこそその身の上にふさわしいのではないか、と思いました。

Yチェアーのペーパーコードは弛んでいます。
木部はアメ色で年取った椅子のような姿をしています。

美しく古くなった椅子を何脚も見て思いました。
道具は、家具は、椅子は新しくてきれいなものが最高なのではなくて、
時を経てなお堅牢であり、枯れた用の美をたたえた姿こそが
最高にかっこいいのではないかと。

ミュージアムのショップで「エッグチェアー」のカードを買いました。
(私の憧れの椅子の一脚です。)

図録はぜったいに「買いっ。」です。



56人のデザイナーと、45社のメーカーの名鑑が掲載されています。
他にも北欧4カ国のミュジアムデータが載っていますので、
北欧旅行を計画されている方にとっては、良いガイドになると思いますよ。

北欧フリークの方にとって同展は、
より北欧熱が高まる興奮剤になることまちがいなしです。

ぜひお出かけ下さい。

飛騨高山 陣屋前朝市と平田記念館

2007-08-18 13:10:35 | Weblog
お盆休みに実家の飛騨高山に帰ってきました。
今回はその様子をご覧下さい。
 朝市の様子です。
陣屋前の広場では毎日、朝市が立ちます。

私の実家は陣屋と目と鼻の先にあります。
朝市では、野菜、果物、漬物や餅などの食材が売られています。
夏のこの時期は取れたてのものがズラリと並んで最も賑やかです。

 朝市に並んだ野菜
白ナス、夏リンゴ、モロッコささげ。


地元ではおなじみですが他ではちょっと珍しいかもしれません。
リンゴも桃も葉付きのままで売られているのが、取れたての証拠とでも言いたげです。

ほうば餅 と はしもと桃 を買いました。

夏だけ、つきたての餅をほうの葉に包んだ餅が買えます。
オーブントースターで簡単に焼けます。
葉っぱは焼いている途中で剥がれてきますが
そのままこんがり焼き、醤油を塗ってまた焼きます。
ほう葉の香りがほんとうにおいしい私の大好物です。

はしもと桃は、一見すもものようですっぱそうに見えますが、
びっくりするほど甘い味です。
十分に赤くなったはしもと桃は時期が短く、ほう葉餅と並んでお盆の頃の限定です。
(今年は赤みが足りないというんですが、十分甘かったです。)


 平田記念館

高山は、古い町屋建築が残っているので有名です。
さんまち通りは、街並みがそっくり昔のまま保存されています。
建物としては 吉島家”、”日下部家”が有名ですが、
平田記念館は建物と同時に展示館として面白いのでご紹介します。

平田家は「打保屋」という名でびんつけ油とろうそくの製造販売をしていました。
明和6年(1769年)創業です。

蔵が1号館、2号館、3号館とあり、江戸時代からの飛騨高山町人の様々な資料が展示されています。
その内容は、
 1・灯りの道具(蜀台、行燈、提灯など)
 2・商いの道具(帳場机、帳場箪笥、そろばん、大福帳など)
 3・生活用具(町人のくらしの道具)
 4・玩具(江戸、明治、大正、昭和の玩具)
 5・女子のくらしの道具

その展示のなかでなんといっても面白いのが3号館です。
 ・1階は「子供の世界」といってショーケースに玩具がぎっしり展示されています。
古いブリキやセルロイドのおもちゃのコレクターには、たまらないコレクションに違いありません。
 ・2階は「女子のたしなみ」(おなごのたしなみ)という展示です。
「女子は陰にして内を治め、男は陽にして外を勤むる事、天地自然の道理也。」
からはじまって、教訓がつらつらと色紙に書き連ねてあります。 

 3号館の展示品

左から女子の化粧道具、布で作った小物、玩具と雑誌の付録です。
紅を溶いた入れ物、鏡台、櫛などが教訓の色紙や
「女寿蓬莱台」という化粧仕様の心得を厳しく説いたテキストからの引用文
と共に展示されていて、興味深い事この上無しです。

 「生さぬ仲かるた」

中でも一番面白いのが「生さぬ仲かるた」です。
大正時代の婦人雑誌”婦人の友”の連載小説をかるたにしたもので、
おそらく正月号の付録であっただろうということです。

かるたの読み札の内容をメモさせてもらったのでご披露します。

「花の姿にとげのある綾子」、「人手に渡る渥美の財産」、
「生さぬ仲なる子は滋」、「金の貸人は鬼の先妻」
「無理な再縁せまる金力」、「渥美は枯れても男であるぞ」
「我の子、我の子と二人のとり合い」、「骨折り役は日下部正也」

などなど一部ではありますがドロドロとした風俗小説の片鱗を
チラ見することができ興味津々です。

ご覧になりたい方、高山市上二之町にある
「平田記念館」まで足をお運び下さいませ。

庭仕事、花仕事。

2007-08-10 21:15:06 | ガーデニング
私の庭に、柿の木がありラズベリーがあるということを以前に記事にしました。
6月は、ラズベリーが真っ盛り(鳥さんと近所の子供たちにいっぱい食べてもらいました。)、
そして7月、8月は次々とベリーが色づいて賑やかな私の庭です。

 8月初めごろブラックベリーが色付き始めました。(20粒ほど収穫に成功しました。)

生えてくる雑草を100%抜かないで、かわいいものは残しています。
ベリ-にとってクローバーはコンパニオンプランツであると何かの本で読んだので
クローバーを意図的にのこしていたところ、いい感じに増えてくれました。
割れたお気に入りのお皿は、色が似ているのでベリーの脇にアクセントにして飾っています。


ブルーベリーが食べごろになりました。     ミントは台風にもめげずにたくさん咲きました。

ベリーのなかでも特にブルーベリーは酸性の土を好むらしいので、コンテナにしています。
ウェルカムプランツとして玄関の脇で育てています。
ミントは3種類ありますがお茶にしたりデザートの飾りにしたりとなにかと役にたちます。
3種類の味のちがいははっきりとは説明できないんですが、花はそれぞれ特徴があります。
小さな花の咲き時をねらって摘み取り、部屋に飾ります。
摘み取るタイミングは、しょっちゅう庭の面倒をみていないとつかめないので、
庭仕事と花仕事は同時進行で行わなくてはなりません。

小さな雑草のような花ばかり好んで生けています。

水引       チェリーセージ  なんてことないつる草   ミントの花

庭の草木のうち7割は勝手に生えたもの、3割が苗で植えたものです。
シンボルツリーともいえるなんだか名前のわからない木は、3年前ニョキーと生えてきて今は屋根より高くなり、
近所のどの木よりも高くなりました。
水引は、坪庭の脇の隙間の狭い場所に毎年いっぱい咲きます。
チェリーセージはちいさな3株の苗を植えたんですが、いまはブッシュとなりすごいことになっています。

こうしたかわいい、限りなく雑草に近い花を飾るためのスペースなんて
家の中には無いに等しいんですが、
それでも工夫して花を飾っています。

1・置けぬなら、吊るしてしまえばこっちのもんさ。
2・窓枠に奥行4センチの木を渡せば充分にズラリとビンが並べられるんです。
3・吊るす方法はいろいろあります。私はワイヤーのかごをぶらさげて、缶とビンを置く場所を作ってますよ。

劣悪な環境を嘆いていないで、アイデア次第できっとディスプレースペースは作れます。ちょっと花を飾るのは、
ほっと心がなごんでいいですよ。

ぜひお試しください。

私とカントリー

2007-08-07 13:00:58 | インテリア
カントリーという言葉は私達にとってすっかり馴染みのあるものとなっています。

紐解いていくと、インテリアにカントリーのブームが起こったのは1980年代の初めでした。
Marry Emmerling の”AMERICAN COUNTRY" (Potter社)という一冊の本の出版が
インテリア業界のカントリーブームの火付け役となったのだと記憶しています。
それまで用語としてカントリーといえば、音楽のカントリー&ウェスタンなどしか
聞きなれた言葉として存在していなかったといえます。


カントリーのムーブメントが起こるまえ、1970年代後半には"HIGH TECH"(highStyle&Technology)が流行りました。
"HIGH TECH"という本も(たしかPotterだったと思います)出版されていたのですが、
10代の貧乏学生の私には買えないくらい当時洋書は高かったのです。(もし今見つけたら買いたい本です。)

カントリーもハイテックもブームを作るきっかけが一冊の本からだったというのはとても興味深い現象です。
今はだれもが持っているエレクタシェルフの普及はハイテックの産物です。
NYの貧しいアーティスト達が Loft(元倉庫)を安い家賃で借りてつぎつぎに住みSOHOがStudio(アトリエ)やModern Art Garrellyの集合する地帯となりました。
より安い家賃でより広いスペースを求め、スーパーの棚や業務用の家具やツールに
着目するといういってみれば“貧乏技”がハイテックのバックボーンなのに対して
カントリーはお金持ちの道楽がはじまりでした。

古いBARNや民家を一軒買って改造する。(今の日本の古民家ブームに似ています。)
古い暖炉を磨きあげ、アンティークの農家家具を据える、ベッドにはパッチワークキルトを敷くという
徹底したカントリーの家は都会には似つかわしくなく、一部の裕福な人達のウィークエンドハウスの中に見られます。
そういったカントリーの素晴らしい家の写真が"AMERICAN COUNTRY"にはいっぱい載っています。
時々取り出しては見るのですが、私のカントリーのバイブルのような本です。

私が育った実家は、飛騨高山の典型的町屋で百数十年経った古い家です。
子供の頃は古い黒っぽい家を、心の底から忌々しいと思っていました。
日曜日の朝にTVで”愉快なブレディー家”(アメリカのホームドラマ)という番組が放映されていて、子供の頃
私は毎週見ていました。
「なんで外国のお家ってあんなにかわいいんだろう。なんで私は日本人なんだろう。できれば外国人に生まれ変わりたい。」
というのが私の子供の頃のインテリアに於ける願望だったのだと思います。

家は、慶応何年だかわからない古い建物なんですが、偽様式(大工さんが洋建築を
見よう見まねで作った)の棟がくっついて建っています。(昭和9年増築)
明治村のようなその洋館建ての1Fが、じいちゃんの診察室、2Fが私たちの子供部屋でした。
忌々しい古い日本の家の中のそこだけが外国で、私は近所の友達を呼んではその部屋でお姫様ごっこをしていました。
(うちの斜め向かいの岡本建具店の、岡本せいじ君はいつも私の家来になっていました。
今から思うと本当に申し訳ないことをしていたと思います。ごめんなさい。)

私は生業を、室内装飾家とさせていただいています。
いろんなテイストのインテリアの飾り付けをしますが、カントリーに於いては特に気を使います。
日本は家具の歴史が浅い上に、住宅事情が悪い(国土が狭いし、地価が高い)ので
思いどうりの家、インテリアを実現するのは大変です。
いつも現実と理想が背中合わせといった厳しいお国事情です。



カントリーの物件に於いてはまず徹底的に様式を追及することから始めますが、それが現実に納品可能かどうかが最重要な問題です。
これって日本の風土に合っているの?だって、お味噌汁も食べる食卓なわけでしょ?
それにやみくもにアンティークのキッチンツールを買ったってそれって使用可能なわけ?
それってやたらと高くつくんじゃないの?とかなんとか、常に課題はあります。

それでもカントリーにこだわりたい。現代の日本の住宅事情にあったカントリーを提案したい。
マンションでも実現できるカントリースタイル、いってみれば日本式ニューカントリーを提案したいと考えるハウスメーカーさんのためにお役に立ちたいと思っています。
現代の暮らし、日本の生活に合ったカントリー。実際に実現可能なカントリーのインテリアを適正価格で納品し、
カントリー好きの方々の夢をかなえて差し上げたいといつも考えて仕事してます。



これらの写真はスケッチと共に、"TINY Cafe"に展示しています。
詳しくは前回の記事をご欄になって下さい。

インテリアスケッチ展開催中

2007-08-01 22:27:23 | インテリア
地元仙川の”タイニーカフェ”といういかしたカフェで以前 CAN Collection展をやりました、というのが前回の記事でしたが
今日から(8月1日から27日まで)同カフェで”インテリアスケッチ展”を開催しています。

うんと細かいので画像でよくは見えないかもしれません。

カントリーのお家を専門にしていらっしゃるハウスメーカー”イングランドカントリーハウス”さんと、
カントリー家具を作っている“飛騨産業”さんのために描いたスケッチを展示しています。

スケッチのほかに、実際にコーディネートした写真もあったほうが面白いかなと思い
写真も何点か一緒に展示しました。(さながらアニメと実写といったところです。)

モダンなインテリアのプレゼンにはほとんどスケッチを描いたことはなく、
カントリーに限ってのみ必要に応じて絵を描きます。
なぜカントリーに限ってのみなのかといいますと、カントリーのインテリアスタイリングにはメソッドというか法則があり
カントリーをカントリーたらしめるための家具、調度品、ファブリック、ガーデニングなどはっきりとしたスタイルがあるからです。
それらを一歩間違ってしまうとカントリーのインテリアは実現不可能ですので
カントリーにはこういった家具がありますよ、調度品はこんなものを合わせていくといいですよということが
わかっていただけるような絵を描かなければならないということがある訳なんです。

国内外のカントリー家具のメーカーのもの、イギリスのアンティークの家具、リプロダクションの家具で構成し
調度品、雑貨も同じく国内外のメーカーのものを全部まとめて提案します。
メーカーの数は家具、雑貨、アンティークのディーラー全部を合わせると30社ほどになります。

カントリーのインテリアはもはやファッションとか流行りすたりではなく、
すでにオーセンティックなものとなりコアな層を持ったスタイルとなっています。
カントリー好きでも、地方だとなかなか物を入手できない、トータルなカントリースタイルが実現不可能である
という悩みを、地方の工務店さんはもっていらっしゃいます。
そういった工務店さんのための手助けをしたいと考える”イングランドカントリーハウス”さんは、トータルなカントリー提案をしていらっしゃいます。
依頼を受けて描いたスケッチをあるとき”タイニーカフェ”さんに見ていただいたとき「ぜひ、ぜひスケッチ展をやってください。」といわれたんですが、その時はこんな絵でいいの?(仕事で描いたスケッチなんだけど。)という思いでした。
友人の水彩画家、林真理さんの勧めもあり今回の展示が実現しました。

拙い絵ではありますが、これまで描いたスケッチを全部合せると
私のカントリーインテリアの仕事の集大成になっているように思います。

もしよかったら、見てやって下さい。


TINY CAFE
火曜日定休
       土・日      13:00~23:00
       月・水・木・金  15:00~23:00

 調布市仙川町1-42-2   TEL 03-3305-0400