LOTUS BLUE DIARY

インテリアとリビングと手作りのお話

私のイームズ・その2

2008-04-30 11:40:47 | イームズ
自宅で使っている2脚のイームズサイドシェルチェアーです。



シェルのカラーは現行品にはない色で
モスグリーンの方は、息子のしゅんけさんの
オートミールの方は、私の指定席です。

シェルの素材は、オリジナルはFRPで、
現行品は、ポリプロピレンでつくられていて
お互い全く違った質感です。

シートパッドは、椅子を作っているHarman Millerの商品ではなく、
"MODANICA"というインテリアショップのオリジナルです。
シェル(オリジナルカラー)に合わせ、多色展開しています。
私は、シェルに一番近い色のをサンプルから選んでオーダーしました。

ベース(脚)の種類は、現行品で(Harman Miller)4種類あります。
スタンダードベース、スタッキングベース、エッフェルベース、木製ベースです。

オリジナルだとそれに加え、キャッツクレードル、コントラクトベース、
ドラフターズベースなどなど18種類の組み合わせが可能だったといいます。

Harman Millerの昔の宣伝写真に、スタッキングベースを
「これでもか。」とスタッキングした写真があります



18脚スタッキングして、一人の人力で
エレベーターで運べちゃうよ、と証明する写真です。
運搬のための専用台車も商品として売られていました。

オフィスやラウンジで多い脚数で使用する椅子として売り出す時、
スタッキングできるというのは最大のセールスポイントだったと思います。
数あるベースの中で、イームズを最もイームズたらしめるのが
スタッキングベースではないか、というのが
かなり独断的な私の見解です。

家ではまずスタッキングする必要性はありませんが、
たまに気分で「ちょっとスタッキングしてみようかな。」
とか、「ジョイントしてみちゃったりして。」
なんて、無意味に遊んでみたりしてるんですよ。

私のイームズ・その1

2008-04-29 09:36:13 | イームズ
イームズの椅子に、毎日腰かけています。



私の持っているイームズは、4脚。
すべてオリジナル(1950~60年に製造された製品)です。

こちらのイームズは、今年の始め頃に購入したものです。

”イームズ同好会”の友人の友人から
千歳烏山のリサイクルショップ”NEWS”に、イームズが数十脚入荷した
という情報が入ったのが、去年の年末でした。
年明け早々に、自宅から自転車に乗って”NEWS”へと向かいました。

ありました、ありました。
あずき色の布張りのイームズが十数脚。

カフェかなにかが閉店して、全部で60脚のイームズが出たんだそうです。
お値段は、¥11000です。
コンディションのいいのを選ぼうと思い、全脚見せていただき
これなら合格というものを選びます。
背の部分が、経年によりかなり擦り切れています。

思い切って、値切り作戦です。
「擦り切れが気になるんですが、ちょっとだけでも安くなりませんかー。」
すると、「じゃあ、¥10000でいいよ。」
ということで、交渉成立です。

ところがお店から仕事場までお届け手数料が¥1000かかる
というのです。(当然だとは思いますが。)

「せっかく¥1000値切ったのに...。」

そこで私は考えました、「えーい、自転車で運んじゃえ。」
自転車のかごの上にイームズをドッカと乗せ
「すみませーん、ビニールひもいただけませーん。」
グルグルとイームズを縛り付けることに成功しました。

”NEWS”から仕事場へ、甲州街道をまっすぐに
自転車のかごに椅子を乗せて走る姿に、
すれ違う人がみんな振り返ります。

「なんのなんの。」
恥も外聞も一向に気になりません。
なんていったって、お気に入りの椅子が
また一脚、家にやってきたのですから。

麻布文庫

2008-04-28 04:17:55 | インテリア
始めてお仕事をご一緒する、wasabi-designさんとRockakuさんの
オフィス兼ショールームにおじゃましました。

“麻布文庫”と名付けられた小さなお部屋は、自分たちの手で全面リフォームされ
真白ピカピカ、壁にはみごとな一面の本棚に本がビッシリです。

しかし驚いたのは、そのお部屋に鎮座し燦然と輝く
すごい2脚の椅子です。



うかがう前にwasabi-designさんのブログをチェックし、この2脚をあらかじめ
見ていて、相当な椅子フェチであるとお見受けしてはいたのですが・・・。
それにしても小さなお部屋にすごいインパクトの、
ポール・ヴォルターの”コロナ”とウェグナーの”ミニ・ベアチェアー”です。

なんでも、wasabi-designさんは”ウェグナーに座ろう”展という
椅子の展示会を開催されたこともあるほどのマニアでいらっしゃいます。

お会いしてすぐ、彼と意気投合したことはいうまでもありません。
それどころか、いくつかのお互いの共通点を見つけてしまいました。

1・小さな仕事場を借りて、ガンガンリフォームしちゃってる。
2・仕事場の近くに自宅がある。しかもその自宅は古い一戸建てである。
3・椅子フェチである。
4・人なつっこい。
などです。



彼は、私と同じイームズの愛用者でもいらっしゃいました。
2脚の椅子と共に、写真をとらせていただきました。

はじめてお会いしたというのに、気がつくと3時間半も
ウェグナーの椅子に座って、話し込んでしまいました。

「ほんとに、居心地のいい部屋、掛け心地のいい椅子なんだから。」

世代は違っても、好きなものが同じ、同じ人種と思える人達と
知り合えるということは、仕事する上、生きていく上で
ほんとうに嬉しい瞬間です。

これから、彼らと仕事をするのが楽しみで楽しみでしかたない
私の気持ち、簡単に察することができるでしょ。

家具と花

2008-04-25 09:36:45 | フラワーアレンジメント
友紀建築工房さんのダイニングの様子です。

木の家には、ナチュラルな塗色の、もしくはオイルフィニッシュの家具を
合せることが多いのですが、友紀建築工房さんの家には今回
黒い塗色の家具を導入しました。



チェアーは、”山田長幸”デザインの”PIT Side Chair"です。

こちらのチェアーは、塗色が17色、
材はビーチ、ウォールナット、アメリカンチェリーの三種類、
背と座のウェビングテープが6色という豊富なヴァリエーションの中から
選び組み合わせることができます。

塗色の濃い家具と自然の木の床とのコントラストの強さが
今回のコーディネートの狙いです。
ウェビングテープを赤、黒の2種類を選び、
互い違いに置きました。

家のコーディネートにおいて、家具選びは重要で
ほぼ90%、イメージは家具によって決定します。
家具を選ぶときは、工務店さんとご相談しながら
家造りの考え方に合った家具を、数多くの家具メーカーの中から
お選びします。

「最もふさわしい家具を、予算を考慮しながら選ばなければ、
デザインが優れていて、普通の人が買える価格の良い椅子を探さなければ。」

家具を選ぶときは、”椅子のソムリエ”として、最も緊張する瞬間です。

チェアーが決まれば、テーブルはそれに合わせ最もしっくりくる
デザインのものを合わせます。
あとは、小物調度品を家具のイメージに合わせ、
最もふさわしいものを選んでいきます。



コーディネートの最後の段階で、花あしらいをします。

あらかじめ、生ける花をイメージしておいて
フラワーベースを先に選んで送り込んでおきます。
現場で花をさがすのは、いつも大変な綱渡り的な作業です。
「この時期なら、花屋さんできっとガーベラが手に入るはず。」
という推測のもと、花屋さんに走ります。

ありました、赤いガーベラが。
「よかったー。」
これで、コーディネートは決まりました。

”PIT Side Chair”の黒と赤には
ビビッドな色の、できれば真赤なガーベラが最もふさわしい
と思っていたのです。

家具は一番最初に、花は一番最後に、
でも、できあがりの絵コンテは
家具を選ぶときすでに頭のなかに描いていなければ、
いつもそんなふうに家具と花のことを考えています。

”BUNACO”の木の器

2008-04-24 13:31:26 | インテリア
"BUNACO"の木の器が好きで、よく装飾に使います。

世界遺産にも登録された、白神山地のブナの林は有名です。
そのブナから"BUNACO"の器は作られています。

薄いテープ状にしたブナ材を、コイル状に巻いて作るので
”ブナコ”という名がつけられたのだそうです。



たとえば、ウッドボールを木をくり抜いて作ろうとすると、
大きな木の塊りが必要になりますが、
材をコイル状にしてボールを製造すれば
木をくり抜くのに比べ何分の一かの少ない材で作ることが可能です。

かつて、木が豊富にあったときに比べ
切り取れる木が少なくなりつつあるということを考え
より少ない材を効率よく使って、木工製品を作る
ということが”BUNACO"の基本コンセプトだといいます。

私が"BUNACO"の製品を好きな理由は、
基本理念、品質が素晴らしいだけでなく
デザインが優れているからです。
良いプロダクト製品というのは、
1・時代に合った考え方のもとに作られていること、
2・品質が良く、長い使用に耐えること
3・デザインが優れていること
これら三つの条件を満たしていないといけないと思います。

この考え方は、住宅にもまったく同じことがいえると思います。
家とは、品質、安全性に優れていたとしても
良いデザイン、美観が備わっていなければ
その家に住まう人を幸せにできないように思います。

私がお仕事をさせていただいている工務店さんはどこも
優れた品質と同時に、優れたデザインを提供していらっしゃいます。

だからこそ、いい木の家には、いい木の器を導入したい
と"BUNACO"さんの器をイチオシするわけです。


美しい座布団

2008-04-23 14:08:09 | インテリア
友紀建築工房さんの和室に、上等の”京座布団”を入れました。

考えてみると、古くからの日本の生活には、家具が皆無です。
物は全て押入れに入れているし、飾りの部分の床の間や違い棚は
言ってみれば、造作家具だし、昔の昔は座卓さえなく
銘々にお膳が食事の時だけ置かれていました。
箪笥が登場する前は、行李が使われていました。
西洋のように”寝台”(ベッド)も当然無く、布団を押入れから
出したり入れたりするという、”家具の無い暮らし”が日本古来の
暮らしの実態なんじゃないでしょうか。

ですので、実は日本間というのは家具を置くようにできていない部屋なのです。
強いて置くとしたら、座卓一台、そして座卓の大きさに合わせた人数分の
座布団が数枚。
これが、日本間に置いて美しい家具プラスアルファの基本なんだと思います。

そうなると、座布団の存在というのは日本間にとって、
非常に重要だと思います。



お座布団を、置くんだとしたら、私は上質の”京座布団”をお勧めしています。

座布団には、銘仙判、八端判のふたつのサイズがあります。
座布団のサイズというのは、実は正方形ではないということを
ご存知ですか。
座った形の長手方向の辺が、長く作られた微妙な長方形をしています。
ヒューマンスケールに合わせた形であり、畳の大きさを分割した
意味のあるサイズである、と考えられます。

ファスナー付きのカバーをかけた座布団も、悪くはないのですが
京座布団を一度使ってしまうと、本物はやはりぜんぜん違うと
思ってしまうのです。

美しい和室には、美しい座布団が似合います。
やっぱり和室って、日本の暮らしにかかせないな
日本人であって良かったなと、こんな和室を見て思いました。

二つのベッドルーム

2008-04-22 06:49:11 | インテリア
今週は、友紀建築工房さんのお家をご紹介したいと思います。

一軒のお家をまるごとコーディネートすると、
大抵二つのベッドルームを作る場合が多いのですが、
いつも同じようなベッドルームにならないよう
カラースキームに変化をつけるようにしています。



友紀建築工房さんのお家のコーディネートは、これで2軒目です。
前回は、子供部屋が”モカベージュ”、主寝室が”生成り”でしたので、
今回は、ガラッと変えなきゃと思い、”赤”い子供部屋にしました。



ベッドカバーに合わせ、ナイトテーブルの上の小物も”赤”で揃えます。

家の外のガードレールの脇にビッシリと咲いていた”きんぎょ草”を
ちょいと拝借し、赤い花器に生けました。
赤いフォトフレームは、100円ショップで見つけたのですが
ちょっとカントリー調で、安っぽくなくこれなら合格、と導入しました。
小さな木の小物入れは、実は“歯”を入れるための小箱です。
抜けた歯をこうして枕もとの小箱に入れる風習が、ヨーロッパにはあります。
「はやく大人の歯が生えますように。」というおまじないです。

変な顔の、白いくまの親子のぬいぐるみに座ってもらいました。
赤いベッドに真白の利き色をコントラストにしたかったのです。

単調なベッドの飾り付けには、いつもアクセントをどうしようか
と迷いながら、物を探しています。



主寝室の色を、”サックスブルー”にしました。

前回使用したのと同じ飛騨産業の”バゲット”というシリーズのベッドが
ブルーのベッドメイクで全く違うベッドになりました。

ベッドというのは、ファブリックを換えることによってガラリと変わります。
いつも、次はどんなベッドメイクにしようかなと思いながら
あれこれ楽しく悩んだりしてます。

日本の一般家庭は、まだベッドメークをするという習慣がありません。
コンフォーターケース(掛け布団カバー)が普及し、
ベッドカバーはそれほど作られていないので、ついベッドメークしないまま
布団をかけっぱなし、というのが主流なのが私には残念です。
欧米では、ベッドは人に見せても恥ずかしくないよう
きちんとベッドメークします。
子供も自分のベッドは自分でベッドメークすることをしつけられています。

ウエスタンスタイルに乗っ取り、ベッドで寝起きするならば
やはりベッドメークしてほしいな、と私は思います。
日本は先進国でありながら、いまだ”インテリアの後進国”と言われています。
日本のお家を「もっとこうしましょうよ。」「決して、お金のかかることじゃありません。」
「様式を整えましょう。」「そうした上で、センスとアイデアですよ。」
とベッドに関して力説したい、ながいです。

畑の中のお家

2008-04-21 08:12:42 | インテリア
愛知県岡崎市の”友紀建築工房”さんのお家を
コーディネートしました。

畑のど真ん中にポツンと建った、りっぱなお家です。



畑やら田んぼとして使われている土地は、農地ですから
家を建てる場合、”農地”から“宅地”へと変えなければならないのだそうです。
“農地”から、”宅地”へと変えることを、業界では
“農転”(のうてん)というんだそうです。
 
畑のど真ん中に建ったお家の姿は、絵本のなかの一ページのようです。
牧歌的というんでしょうか、のどかそのものです。

現場の作業中、畑いじりをしていらっしゃるお母さんの様子が
どうにも気になって気になってしかたありません。
どうやら、せっせとイチゴのマルチングをしていらっしゃるようです。



このマルチングの様子、かなりの達人だとお見受けしました。
その脇には、支柱が仕立ててあり、さやえんどうの蔓と花が愛らしい姿です。



こちらが、さやえんどうです。

「えんどうの花って、かわいいんですねえ。スイートピーみたい。」
「そうだねえ、おんなじ仲間だけどスイートピーはいろんな色があるだろ。
 えんどうは、白だけだよねえ。」

すこし離れたところに、白い花の棚が見事です。

「あのー。むこうの白い花の棚は、いったい何ですか?」
「あれかい、あれはねえ梨だよ。」



こちらが、梨の棚です。

たわわな白い花が、いっぱい咲いています。
秋にはここにたくさんの梨がなるんでしょうか。
三河安城は、梨の産地で有名だそうです。

それにしても、この場所っていい環境です。
こんな環境を毎日見て育つ子供というのは、
きっと作物の育つ様子から収穫までを、毎日目の当たりにでき、
食べるものが、あたりまえに口にはいるのではないということを
実感できるんだろうと思います。

なんだかちょっと、うらやましい気がしました。

ソリッドな花あしらい

2008-04-18 10:33:20 | フラワーアレンジメント
ソリッド(単色)な花あしらいが好きです。

この時期、花屋さん並ぶ”ビバーナム”という、緑色の花が大好きで、
毎年どこかに生けています。



最もシンプルな、ガラスのストレートなシリンダーに、
スッとした葉物といっしょに”ビバーナム”を単純に生けました。

木の家には、ゴージャスな洋花のフラワーアレンジメントは似つかわしくない
と思っているので、ごく単純に緑を取り入れるよう心がけています。
緑の花と葉がみずみずしく、珪藻土のかべに映えています。

このぐらいで充分、充分。やりすぎないよう、過剰にならないよう
部屋が、空間があくまでも主体だと思って生けています。



土間の部屋のテーブルの上には、”アリアム”を生けました。

ニュロッとした姿がかわいくて、これもよく生けるお気に入りの花です。
このへんてこな姿を強調するために、たくさん生けすぎないよう
三本だけ、生けました。
葱坊主の仲間だそうです。
そういえば、なんとなくねぎの香りがします。
種類によって香りの少ないものもあるんだそうですが、
それでも生けた水はねぎの香りがするんだそうです。

花であっても、限りなく野菜に近い、
もしくは、花らしくない草色の
華やかさのない花が、私は好きなようです。


泥団子

2008-04-17 10:26:32 | インテリア
"Kino"のギャラリーのテーブルの上に、
ポルトガル製の大きなオーバルのお皿を置いています。
そのお皿に、”泥団子”を盛ってみました。



この“泥団子”は、私の友人である、左官”挟戸秀平”氏に
依頼して作ってもらったものです。

”挟戸秀平”さんは、今や日本全国だけでなく、海外にまで
お呼びがかかって飛び回っている、売れっ子左官です。
私と出身が同じ岐阜県であり、地元”飛騨産業”の仕事で
いっしょの現場を体験した仲間です。

見た目は男前で、仕事はいなせなところに心底惚れぼれし、
私は、”挟戸”さんのことを、”あにき”とお呼びしています。
(実は、4歳年下なんですけれど。)

この泥団子を最初に作ってもらったのは、
飛騨産業の”WAVOK"というシリーズのお披露目のときですから
5年くらい前のことです。
オーガニックコットン(ソファーの張布)の色は3色、
マットブラック、オレンジがかったブラウン、サンドベージュでした。
その三色がどんな色であるかは、一言も伝えたつもりはなかったのですが
出来上がった泥団子の色は、張布と寸分違わぬ色だったのです。

「どうしてこの色だとわかったの?」と不思議に思い尋ねました。
すると、「美奈子さん、自然の色ってのはな、合っちゃうもんなんやさ。」
と答えてくれました。

”あにき”の工房には、いろんな色の壁のサンプルがズラーッと並んでいます。
すべて天然自然の泥の色で、ケミカルな合成的な色は
一つもないということなのです。

桜色、浅黄色、黄土色、などなど「えーっ、これも自然の土の色なの?」
と思うようなきれいな色の土を、”あにき”は山で採取するのだそうです。

そんな、自然の恵みのような、そして手間暇と愛情が詰まって
ギュッとにぎられたかわいい泥団子は、
木の家を訪れる人々の関心を引きます。

「これ、何ですか?」「これは、泥団子なんですよ。」