LOTUS BLUE DIARY

インテリアとリビングと手作りのお話

もと押入れだったところに、二つのキッチン

2016-11-11 22:36:25 | インテリア
本日より、”てしごと舎"において「楽しいキッチン」展が始まりました。

キッチンで働くこと、料理することが、より楽しくなるよう、クリエーター16人のキッチン、フードにまつわるとっておきを展示しています。

参加クリエーターは、Natural Heart,House'f,**cocoru**,チッチ、クチュールMOTTAINAI,絢工房、Apple Bee,PECAN,ケシゴムハンコヨシダヤ、
田中里林、ruru made,Glass Odori,西田みなこ、LOTUS BLUE,nonaca bakery,KISSE KISSEといったもの。

毎年、クリスマスシーズンのこの時期、コンセプト企画をお届けして今年ではや4回目。

今回の展示では、二つのキッチンを作って、楽しいシーンをお見せしています。

キッチンを作ったスペースは、もと押入れだった場所です。

本日は、キッチン=押入れのビフォーアフターをお見せします。

こちらは、フライヤーのために撮ったキッチン(もと押入れ)の画像です。



ビフォーの様子がこちら。



段と、天袋を女手でぶち抜いたのは、2012年11月、4年前のことです。

壁と梁を塗ったところ。



床にはレンガを敷きました。





もう一つの押し入れは、階段下の一軒半の押し入れ。



かべを大工さんに張ってもらい、床は古いおうちから出てきた板を張りました。

階段下の押し入れは、普段は足踏みミシンをディスプレーしています。

ミシンを移動し、今回の展示では、ここにミニキッチンを作りました。



もう少し近寄ってご覧ください。



ヴィンテージやレトロな小物を満載し、懐かしい感じのキッチンを作りました。

少女のころからの私の夢は「外国映画に出てくるような、可愛いキッチンでお料理を作りたい。」というものでした。

大人の女性はもちろん、小さな女性にも、キッチンの楽しさを味わっていただきたいという強い思いで、このような二つの空間を作りました。

「楽しいキッチン」、展示は本日より13日(日)までです。

どうか、キッチンを見に来ていただきたい、ワクワク、ドキドキを味わっていただきたい、キッチンを、お料理を、楽しんでいただきたいと思っています。

皆様の多数のご来場、お待ち申し上げております。

どうぞよろしくお願いします。






書斎の収納

2016-10-26 01:46:32 | インテリア
ご紹介していなかった書斎の収納2件の様子をアップします。

ダイニングやリビングのしつらえは、あしらい程度でいいのですが、大容量のボードとなると、綿密な収納計画を立てなければなりません。

シミュレーションするかのように、細かなプランニングをスケッチに落とし込みます。


ディスプレーをしていた時代、常に棚割り表を手書きで図式化していました。
たとえば、W1800の什器には、いくつのフェイスのハーブティーのパッケージが並ぶか、納品数を割り出すために、正確な図が必要だったのです。

今描いているスケッチは、かつて書いていた図式の棚割り表となんら変わりありません。


プランニングと物のチョイス、発注は同時に進行します。

全ての物を送り込んで現場に臨みます。

現場の様子がこちら。



書斎の大きな棚を、ファイルだけだとつまらないので、ファイバーボックスや、洋書、ビンに入れたステーショナリーをズラリと並べ空間を構成します。

ビンの個数、大きさに合わせ、中に入れるものを選んでおき、瓶に中身を入れた状態で現場に発送します。



書斎を吹き抜下から眺めた様子。

黒いスチールの手すりとファン、ステショナリーとボックスのマットな黒が、よく合っています。



もう一つの現場。

こちらにはファイルボックスとクラフト紙のボックスを端から端まで並べました。



ファイルボックスはアスクル、クラフト紙のボックスはダイソーです。

そして、フロアースタイルのデスクコーナーは、MUJIの3アイテムで構成しました。



実はこの床、後に畳が入るのですが、畳が入る前のコンパネの印刷した文字「5」と「3」が、なんだかIndustrialな味出してかわいいな、と思ってしまいました。

ボックス、ステーショナリー他はデザイナーズではなく、カタログ、MUJI、100均、地元の文房具店、ホームセンターで見つけたお気に入り、お馴染みのいわゆるGeneralでIndustrialなアイテムで作り上げたお仕事でした。


シャビーな空間と家具

2016-10-13 08:23:02 | インテリア
9月に手掛けた仕事の様子を、遅ればせにご紹介したいと思います。

8月からずっと、内外のイベントが続くなか、急な撮影の仕事が飛び込んできました。

もと工場の作業場に家具を入れて写真を撮るということです。

トタンの壁の大きな作業場。



「面白いです。」「カッコいいです。」「このまま行きましょう。」

コンセントの張板の部分だけ、柱と同じ色をアクリル絵の具で作って塗装しました。

もう一つの部屋は、壁を漆喰で塗り、同じ色の水性塗料で腰壁を塗装する必要がありました。

窓には窓枠風にフレームを組んでいただき、ダークな塗料でマットに塗装します。



建具2枚を塗装します。

まず、サンダーであらかた塗装を剥がします。



水性塗料を2度塗りします。



サンドペーパーで、エイジング加工します。



腰壁も同じようにサンディングします。



床にはクッションフロアーを張って、見違えるような空間になりました。



シャビーでありながらも綺麗です。

家具が入ると、このとうり、ヨーロピアンが香る空間と言っていいんじゃないでしょうか。



調度品はすべてロータスブルーのヴィンテージをお貸出ししました。

ピッチャーとC&SはRussel Wrightです。

一方のトタンの部屋。



ブリキのバケツに葉付きのりんごとラガービール。工場の脇に生えていたつる草を添えました。

ATLAS とBallの古い瓶。小さな薬瓶には豆を入れました。

センターテーブルにはOLD PYREXのマグカップ。

リビングのローボードの上の花器にしたのは、工場のごみ捨て場で見つけたダクトの切れ端です。

朝市で買ったカサカサした感じの紫陽花が妙に合います。

徹底したシャビーなしつらえで、NYのロフトのような空間ができました。

Brooklynという名のこの家具にイメージピッタリのスタイリングに仕上がったと思います。




有孔ボードと私。

2016-01-11 11:12:32 | インテリア
私の「有孔ボードボードフェチ」を証明する事実なんですが、何気なくBingで「有孔ボード画像」を検索していたら、私の仙川時代の有孔ボードの画像が載っているのを見つけてしまいました。

その画像がこちらです。



2008年9月18日のブログ「缶コレクション その10」に、缶と有孔ボードのことを書いたときの画像です。

ブログ "LOTUS BLUE DIARY"を始めたのは、2007年です。

パソコンを初めて触り、翌月にブログをスタートさせた2007年は私にとって記念すべき年でした。

調布市仙川の自宅とは別に、小さなアパートを借りて仕事場を構えたのも同じ年です。

2007年7月15日のブログ「仕事場とOLD PYREX」の画像がこちら。



ジャンクショーやアンティークフェアーに出かけていき、OLD PYREXなどのミルクガラスを買い集め、
骨董市で昭和中期の「有孔ボードに対応する網棚」を買っていました。
いつか使おうと思っていた網棚を使って、初めて有孔ボードの壁面収納を実現させたのがこの時です。

岐阜県高山市に移り住み5年が経ち、自宅ショップLOTUS BLUEを始めて4年経ちました。

ここでも1枚の有孔ボード(1800×900mm)を買って、DIYして使っています。

こちらが、ショップの壁面の有孔ボード。



カットし、白にペイントしました。

有孔ボードに対応する「網棚」4個、「連続フック」「シングルフック」を使って、ブルーの雑貨などを中心にディスプレーしています。

余った有孔ボード(無塗装)は、勝手口の壁面に取り付けて工具などをひっかけています。



キッチンには、古いおうちから出てきた昭和中期の既製品の有孔ボードをかけて、キッチンツールを収納しています。



有孔ボードには、専用のフックが必要です。



フックの先は、このような独特の曲がり方をしています。

有孔ボードはホームセンターで買えるのですが、フックはありません。

製造はしているので、インターネットで探すと良いと思います。

昭和中期の「網棚」は、現行品の有孔ボードと幸いモジュールが合っています。
そして、色が必ずターコイズブルー(LOTUS BLUE のコーポレートカラー)で、カラースキームが決まるというところもうれしいです。

私が使用している「連続フック」「シングルフック」は、デッドストックです。
入手は難しく、骨董市、地方のリサイクルショップで見つけるか、昭和レトロ雑貨を取り扱うサイトで探すしかありません。

有孔ボード収納は、ヴィジュアル的には懐かしい、メソッド的には優れた収納方だと思います。

私にとっては、昭和48年築の自宅と同時代の、愛すべき昭和を象徴するものの一つです。



日本のベッド事情、和式と洋式。

2016-01-04 20:31:17 | インテリア
前々回にアップした、「正式なベッドメーク」で、ベッドについて言い足らなかったことを、書こうか書くまいか数週間考えました。

考えた末、日本のベッド事情には「和式」と「洋式」があるという、誰も語らなかった事実を書くことにします。

「和式」「洋式」というと、なんだかトイレみたいでイメージ悪いですか?

であれば「和式」→「Japanese Style」、「洋式」→「Western Style」と言い換えます。

日本の一般家庭のベッドは9割以上Japanese Styleであると推測します。
ホテルのベッドのみがWestern Styleになっています。

Japanese StyleとWestern Style、どこがどう違うかといいますと、ベッド本体の規格には差が無いのですが、
寝具、特に布団が決定的に違う、ということが言えると思います。

Japanese Styleの、シングルベッドのベッドマットのサイズは、約1000×2000mm、それに対応する掛け布団のサイズは1500×2100mmです。
ですが、掛け布団のこのサイズというのは、実は畳に敷布団を敷いた状態に合わせた掛け布団のサイズなのです。
はっきり申し上げますが、1500×2000の掛け布団は、ベッドだと両脇が寸足らずの物が乗っかったように見えるサイズです...。

ベッドに美しく布団が掛けられた状態は、両脇の垂れ下がりが30cm以上必要です。
つまり、シングルベッドにはセミダブルサイズ1700×2100mmか、ダブルベッドサイズ1900×2100mmの掛け布団の大きさが必要になります。

では、サイズを一つ大きくしてセミダブルサイズ以上の布団をかければWestern Style のベッドになるのでしょうか?
答えはN0です。
日本の場合、布団が分厚すぎるのです。
モッコリ、フカフカした分厚い布団というのは日本独自のものです。

欧米ではベッドに分厚いマットレスを乗せ、上にかけるものとしては、ブランケットとごく薄いもの、さらにその上をベッドカバーなどで被います。

日本の住居はもともと床のレベルが地面から30cmほど上がっていて、あらかじめ畳というマットが敷かれているので、分厚いマットを敷く必要はない。
ですが、掛け布団はどっしりと重く分厚いのが良しとされていました。

日本と欧米の、綿文化と羊毛文化の違いが、布団のスケールに如実に現れています。
布団のフィリングが綿から羊毛または羽毛へとマテリアルが変わったとしても、サイズと分厚さはずっと残ったままとなっています。

Japanese Styleのベッドは、敷布団がマットレスに代わっただけで、かたくなに「和式」丸出しなのであります。

あ、なんかJapanese Styleのベッドが「ダサい」「おかしい」と敵に廻しているように聞こえちゃいましたか?

いえ、そうは思っていませんのでどうか誤解しないでください。

私は布団が大好きです。

私は、畳の部屋にヘッドボードの無いラタン製の低いベッドを置いています。
ベッド、マット、分厚い布団を含めたベッドの高さは28cmです。
冬の掛け布団の両脇の垂れ下がりが25cm、その上をコットンブランケットのベッドカバーで被っています。
ベッドカバーというのは、剥き出しの寸足らずの布団を隠すのと、モッコリ感を緩和するという二つの役目があります。
夏は、セミダブルサイズの薄がけを掛けているので、垂れ下がりが両脇35cmあります。その上にさらに同じサイズのガーゼのブランケットをかけて、見た目すっきりです。

室内装飾家として、日本製のベッド、日本製の寝具で美しいベッドができないか、いつも試行錯誤しています。

こちらは、一番最近のベッドのスタイリング事例です。



ダブルベッドに、43×63cm、50×70cm二つずつ枕を置いています。
ダブルサイズのフラットシーツを敷き、クイーンサイズのフラットシーツを巻き込んでベッドメークします。
さらに大きなベッドカバーを折ってフットを被うように掛けます。
夏だったら、ホテルみたいにこんな風に、タオルケットではなくシーツを使うというのはどうでしょう。

こちらはモデルハウスの寝室で商業空間なので、実際に使うわけではありません。

ですが、手に入りやすい国産の寝具とカバーとで、きっと誰にでもできる現実的なスタイリングになっていると思います。



























正式なベッドメイク

2015-12-11 14:51:53 | インテリア
ここ何週間も、ベッドのことを考えています。

仕事でインテリアのスタイリングに際し、ベッドルームのスタイリングのための寝具一式をそろえるのに
市販のものだけだと正式なベッドメイキングができないという現実に面しています。

あるインテリアの洋書に、こんなことが書かれています。

"The bedroom is the most important place in the home,but ofen receives the last attension."
(ベッドルームは家の中で最も重要な場所なのに、つい後回しにされがちです。)



欧米でさえ、人にあまり見せる機会の無いベッドルームというのは、後回しなってしまう部屋なのでしょうか。
人生の三分の一を過ごす場所なのに...。

違う本にはこのように書かれていました。

"It is my berief that you can never have enough pillow either on a sofa or a bed,
and this bolster is particularly suitable for a bedroom."
(あなたのソファーとベッドには十分に" pillow" が足りていないのではないかと思います。
 そして、"bolster "は特にベッドルームにふさわしいと考えます。)

"bolster pillow"。聞きなれない言葉です。

辞書を引いてみました。



"bolster "=長枕(敷布団の頭部を高めるため入れるもの;その上にpillowを載せる。)、とありました。

"bolster"が使われているベッドの事例がこちらです。



一個だけでなく2個"bolster"が使われていたり、



"pillow" はなくても、"bolster"があり、アクセントのクッションが加えられたベッドだったり。



"bolster" の必要性を感じるものの、そういったものは入手困難です。

それで作ってみました。
こちらが、手製の"Bolster"です。



"bolster"のカバーをブルー系にチェンジし、上に柔らかい大きいピローと普通サイズのピローを載せます。



大きいピローカバーはフランス製で、サイズ63cm×63cm、ヘム(額縁)を入れると、70cm×70cmです。



私は、ヘムのあるカバーが好きなので、市販の枕カバー(ワンサイズ大きめの)を加工して、ヘム付きに仕立て直して使っています。

そして、ピローにもシーツにも糊を付けてアイロンをかけます。
糊を付けておくと、パリッとして気持ちいいだけでなく、付着した油汚れが繊維に浸透しにくいというメリットがあります。



ズラリと、bolster,soft big pillow,pillow,small pillow計5個のピローを置きました。



小さいピローは、長年使って傷んだポーランド製のリネンのシーツの綺麗なところだけを使って
刺繍を刺した苦心の手製です。



モノグラムのクロスステッチをしたいと、前々から思っていました。
外国製の刺繍の図案を使います。
学生の時に買った図案集も役に立ちました。



出来上がったベッドメーキングがこちら。



ベッドカバーは無印良品のガーゼのケット、フットにはインド製のフリンジ付きのクロスをかけています。

冬用に、ベッドメーキングを変えてみました。



ベッドカバーは、ずいぶん前に海外の通販で買い求めたコットンブランケットです。



あるとき息子がストーブの近くに引きずっていき、焦げを作ってしまったのを修繕しました。

共布のスモールピローにも、刺繍を施しました。



タオルとかピローカバーなど、家族で同じ形のものを使用する場合、
誰のものであるかがわかるようにイニシアルを刺繍するのはヨーロッパの伝統です。

そして、クロスを消耗品と考えないで、傷んだ部分を治しながら使うという考え方が好きです。

正式なベッドメーキングを作るのに、海外の通販のものを利用したり、
無ければ手作りしてみたりしてはいかがでしょうか。

何といっても "most important place" なのですから!










美しい収納 その2

2015-11-05 09:39:27 | インテリア
ワードローブに続いて、パントリーの収納について書きます。

今回室内装飾を手掛けさせていただいた奈良の工務店さんのおうちには、
ハンス・ウェグナー、ポール・ケアホルムの家具、ポール・ヘニングセンの照明など
素晴らしいアイテムが導入されていました。

北欧の名作家具、照明が美しい空間を作り出しているリビング、ダイニングから
キッチンの奥にパントリー(食品庫)が見渡せるようになっています。



いつもなら、オリーブオイルやヴィネガーなどのボトル、ピクルスやオリーブなどの瓶、トマトやビーンズの缶など、
たくさんの色とりどりのパッケージが並んだパントリーを作るところなのですが、
今回は、家具と照明の作る空間の足を引っ張らないようなパントリーを作らなくてはならないと思いました。

そこで考え、白いイメージのニュートラルなパントリーを作ることにしました。



あくまでもパントリーなので、食品以外のものが入っているのは不自然です。

手前左の棚のみ飾り棚として、キャンドルホルダーなどを配し、あとは食品中心に物をストックする棚を構成します。

ダイニングから見える部分の棚には、パッケージそのままを置かないで、食品を瓶に移し替えて並べることにしました。

ペンネ、ファルファッレ、コンキリエなどのショートパスタ、ガルバンゾ、ムング、白インゲンなどの豆、
小麦粉、オートミール、ドライバジル、ペルーシュシュガーのブラン。
白い色のものを中心に瓶に入れ替えて並べます。


下の段のワイヤーバスケットには、白っぽいパッケージのグリッシーニ、フォー、オートミール、ワッフルビスケットの箱を入れます。

床じかには、食品は置かないで、モロッコのマルシェかご、DEAN & DELUCAのLLのキャンバスバッグを置きます。



ダイニング側からは直接見えない棚には、いつものようにミネラルウォーターやジンジャーエールのボトル、缶その他もろもろ
パッケージを置いてパントリーらしくします。



奥行の深いオープン棚にはワイヤーバスケットに食品を入れて置くと便利です。

バスケットを置くことで、棚に抽斗があるのと同じ効果が得られます。
抽斗が無いと、缶や瓶を手前の方から使うしかなく、奥のものを取り出すためにいったん手前のものを出して奥のものに手を伸ばさなければならなくなります。
棚の上の段は、特にバスケットが必要です。
基本は、上の段に小さいバスケット、中に入れるものは軽いもの。下の段は、大きいバスケットに瓶や丈のあるボトル、重さのあるものを入れます。
透かし型のワイヤーバスケットなら、中に入っているものが分かり、なおかつ重いものを入れても大丈夫です。
持ち手があるので、そのままキッチンに運ぶこともできます。

キッチンの収納以外に、このような大きな容量のパントリーは必要ないとお思いでしょうか?

私はそうは思いません。

パントリーは食品のストック以外に、キッチンのカップボードに入れるのはちょっとどうかと思うようなもの、使う頻度の高くないもののストックスペースにも適しています。
私は、ホットプレート、ロースターなどの電化製品、カセットコンロ、大きい土鍋、飯台、重箱、蒸し器など、キッチンのキャビネットに入れにくいもの、キッチンペーパー、サランラップ、オーブンペーパーのストック、めったに使わない大きいタッパーウェアー、ピクニックバスケット、保温のできるジャーなどを半畳のスペースにストックしています。
そのスペースを私は「鍋倉庫」と呼んでいます。

パントリーの使い方は、食生活と生活スタイルに合わせ様々でいいと思います。

贅沢なようでいてキッチンの広さを有効に使うために必要なスペースです。

ただし、物が置けるからといって、都合よく物を詰め込むスペースにはしないでくださいね。
食品を死蔵させずに、せっせと美味しいものを作るよう頑張りましょうね。





美しい収納 その1

2015-11-04 11:17:16 | インテリア
「自然素材を身に纏う 展」を終え、片付けもそこそこにして
奈良県の工務店さんのおうちの室内装飾をして参りました。

こちらのおうちには、部屋全体がワードローブとなったお部屋が二部屋あり、
クローゼット(洋服かけ)、ドロワー(抽斗)以外に、膨大な容量のオープン収納がありました。

立面図と平面図から棚に入る容量を推測します。
オープンの棚にバッグ、衣類などをじかに収納するほかに、ボックスを置こうと思いました。

棚のWとD,Hの大きさからボックスの大きさと必要な個数を割り出し、綿密な収納計画を立てます。

バッグと帽子などを収納するストレージのスケッチがこちらです。
収納の右は、マキアージュアイテムが並んだパウダールームのようなコーナーになっています。



反対側は、靴などを収納する棚。
通路をはさんで、左がオープンのワードローブとガラス扉付きの収納となっています。



実際の画像がこちら。



棚の大きさにぴったりの、帽子やバッグの入る容量の箱を、とある通販カタログから見つけました。
最上段には大きい箱、次の段には浅い箱を2段重ねに置きます。
一番物が取り出しやすい高さの二段には、よく使うバッグを、あまり使わないものは巾着袋に入れて収納します。
最下段は、引き出しやすいようにキャスター付きのファイバーボックスを配置します。
無印良品は、ファイバー素材(硬質パルプ)の箱各種を作っています。

大きな鏡をはさんで、反対側が靴などを収納する棚です。



大きさの違う無印良品の箱2種類を、縦に置いたり横にしたり。



靴専用の棚とはいえ、玄関脇の下足棚とは一線を画したかったので、靴をむき出しで置くことはしないで
全て箱とシューズ用の巾着袋に入れて収納することにします。
靴磨き用のセットもボックスに入れて収納します。

同じ箱と袋に入れると、中に入っているものが分かりにくいのでインデックスを付けました。



どの靴がどこに入っているか一目瞭然です。

シューズ収納の棚と通路をはさんだ衣類と小物の収納棚。



カットソー、シャツなどのトップスをたたんで置くほか、こちらにもボックスを置きました。
マフラー、ストール、手袋などシーズナルなアイテムは、このようにインデックスを付けて箱に収納します。



ブランド、ノーブランドにかかわらず、小さなバッグ、ポーチ、ウォレット、グラスケース、時計類はこちらの扉付きの棚に入れます。



埃をかぶっては困るもの、どこに行ったか分からなくなって欲しくない小さいものは、箱に入れて収納すればなお安心です。

そのほかに、丈の長い洋服、丈の短いジャケット、シャツ類、パンツ類が掛けられる大きい容量のクローゼットを完備した、
一部屋丸ごとクローゼットのワードローブです。

ドレッサーミラーのあるコーナー。



こちらにはマキアージュアイテムを配します。
メイク用のブラシ、コットン、綿棒、ヘアピン類、フレグランス類。
化粧品がたっぷり入る大きなヴァニティーケース、ごみ箱はドレッサーテーブルの下に納まります。

部屋の中心には、アクセサリーが入るテーブルが置かれています。



長さのあるネックレスは抽斗の中に納まりきらないかもしれません。
このようなジュエリーショップのようなテーブルは、意外に使い勝手が良いものです。

テーブルの抽斗には、スカーフとベルトを収納しました。


適材適所にものを配しながら、どうやったら美しい収納が実現できるのか考えました。

結論は以下のとうりです。

1、いったい自分が持っているもの、収納したい量はどのくらいあるのか、それらが全部納まる十分なスペースがどのくらい必要かを
  検証することから始める。
  収まりきるだけの量を管理するようにし、あふれ出るものはこの際処分するよう覚悟する。

2、物をあっちに置いたり、こっちに置いたりしないで、すべてのものをカテゴリー別にグルーピングし、徹底した配置計画を立てる。

3、ハンガーにかけておくもの、たたんで収納するもの、抽斗にしまって収納するもの、ボックスの中に入れておくもの、
  適材適所に物が収まるよう置き方を考える。

4、オープン収納で箱を使う場合、箱のサイズが棚と合っているかどうか、中に入れるものとの関係は良いかどうか調べる。
  全ての箱のモジュールが揃っていなければビジュアル的に美しくないので、バラバラとならないよう一斉に箱を買いそろえるよう
  腹をくくる。たかが箱とはいえ、行き当たりばったりに、もしくはデザインだけで箱を買うのはご法度です。

5、すべてのものの指定席を作る覚悟をし、暫定的にものを突っ込むようなことを決してしない。

6、使う頻度の高いものと、そうでないもの、収納場所にメリハリを付ける。

7、なにがどこにしまってあるかわかりやすくするため、インデックスを付ける必要のあるものには片っ端から名札の様なものを付ける
  マメさを持つ。

ざっと、こんな風に考えます。

収納計画を立てるのは、システマティックな思考を必要とする作業です。
収納をするためのツールにお金をかけることは、美しく暮らすための必須予算であり、投資だと思って下さい。
空き箱やデンボール箱を自分で細工するなんていう、いわゆるビンボー技とはおさらばして下さい。

今回の仕事、ああでもないこうでもないと右往左往することは不思議となく、必然的にスルスルとまるでパズルがピタッとハマるように
物が気持ちよく収まったのはある意味で快感でした。

美しい空間、自然な感じが実現できていればうれしいです。

そして、きっと誰にでもできると思います。(情熱さえあれば。)

憧れで終わるのではなくやってみたい、と思っていただければ、室内装飾家名利に尽きます!








キッチンの道具いろいろ

2015-10-09 21:45:44 | インテリア
料理好き=キッチン好き=キッチンツールマニアを自負しています。

キッチンツールというのは「雑貨」ではなく「道具」だと思っています。

デザインが美しいのはもちろん、機能的にどうなのか、本当に使い易いかどうかが重要で
それにはまず、自らで使ってシミュレーションしてみなくてはならないと思っています。

蓋を外す動作が必要なく、片手で持ってサッと中身を注ぐことができる、オイル、ヴィネガー用のボトル。
大、中、小とあります。



私は毎日使っています。

ストレートな形で、ホールのスパイスを入れておくのに適した瓶。
それから、スパイスを潰すのに必要な乳鉢の大と小。



生姜や大蒜をすり下ろすのに適したな陶製のおろし器と、おろした具材を無駄なく集め取るのに必要な竹製の刷毛。
おろしの最強コンビと呼んでいます。



木製のレードル各種と、それらを立てるためのユーテンシルホルダー。



どこにでもありそうで、なかなかないので、大量に仕入れていつでもお出しできるようにしています。

ピクルスやジャムを自家製する時、瓶を煮沸消毒するのに必要な道具です。



これがあれば火傷の心配もありません。

バターが少なくなってきたら、小さめの器に入れ替えることにしています。
このままテーブルにも出せるかわいいポットです。



薬味をつまむ専用の竹製のトングです。



トングはそれぞれの用途に合わせ、パスタ用、アイス用、ケーキ―用、サラダ用、焼肉用とズラッ
と揃えるのが理想です。

中華鍋、フライパンを洗うのにはスポンジではなくこのような道具が適しているかと思います。



メディシンボトル各種。



使う頻度の高いものを入れておくのに適しています。

大きなジャー。



お米などかさの大きい物を入れるのにぴったりです。

ザッとご紹介したものは、これまでさんざん仕事で使い、個人的にも使ってみて「良い」と思ったものばかり。

おなじみの「雑貨」、いえ「道具」達です。



ガーデナーの小部屋

2015-09-02 11:15:33 | インテリア
ブログをお休みしていた去年の8月に手掛けた、福島県の工務店さんのおうちの装飾をご紹介します。

いく部屋かお部屋があるうち、使用目的のはっきりしない小さな一部屋がありました。

玄関から室内へと向かう、外から内への中間的位置にある、スキップになっていて室内の床レベルから少し上がった、なんとも面白い可愛い部屋です。

こちらのお部屋の棚にはもともと建築模型が数個、安易に(失礼)置かれていました。

この部屋を、私は、「ガーデナーの小部屋」にしたいと思いました。



ガーデニングを愛する主人が、日々のハーベストを外から内へと取り込み、日記を綴るように毎日のガーデニングの記録をしたためる。
採取した種を大切に瓶に入れながら、来年に蒔く計画を立てる。
ガーデニングにまつわる本を見ながら、庭のプランを練る。
取れた花をどう活けようか、積んだハーブでどんな料理を作ろうか、あれこれ考える。

想像しただけでもワクワクする園芸生活を、自然と彷彿させるお部屋にしたいと思ったのです。



私自身、ガーデニングを日課とし、植物を育てること、ハーブを食することを楽しみにしています。

普段使っている、ガーデングッズを配しました。
小さなシャベル、ブリキのポット、種などを入れるガラスのリージェントボトル、マーキングプレート、プランターブラシ、レクタングルブラシ、ストリングタイディー、球根のポットなどなど。



自分自身の日常は、仕事と完全にリンクしています。

というより、自分が経験していないことは提案できないですし、自分がいいと思うライフスタイルしか提案できないと思っています。

「家庭」という言葉のとうり、家庭生活は「家」と「庭」のふたつでもって作られるものなのかもしれません。

庭はなくとも、植物を育てること、自然の恵みを身近に感じながら暮らすことって、人間のあたりまえの営みであり、欲求だと思います。

植物を育てることは私の大切な仕事の一つであり、植物と触れ合うことは私の生活において、大きな癒しになっていることは間違いありません。