LOTUS BLUE DIARY

インテリアとリビングと手作りのお話

自然素材を身に纏う展

2015-08-28 06:10:34 | ショップ・ロータスブルー
10月、LOTUS BLUEに於いて「自然素材を身に纏う展」を開催する予定です。



本展は、昨年9月に催した展示に続く第二回目の催しとなります。

自然素材の、リネン服、ミトン、靴下、ストール、フェルトのアクセサリー、真鍮のアクセサリー、ドライフラワーのアクセサリー、山葡萄のかごバッグなどが並びます。

参加作家:BALANCE+、maa、PECAN、Giririra Kao、DECOLA、Kokohana

昨年の展示の様子をお届けします。



LOTUS BLUEの2階がギャラリースペースとなります。

あえて昭和中期のごく普通の和室に、古い什器、木箱などを並べて陳列しています。

こんな風にコーディネートしてほしいという思いでコーナーをディスプレーしました



自らもコーディネートの見本とならなければと思い、BARANCE+さんのリネンのエプロンドレスを着て撮影。



是非エプロンを作ってくださいというリクエストに答えて作っていただいたものです。

こちらはブルーのカシュクールドレス。



スリーシーズン着られます。

ドレスになったり、前を開けてローブのように着たりできます。

同じ形の黒のカシュクールドレス。



リネンという素材が、夏だけに限定されるものではなく、ニットと合わせて冬にも楽しめる素材であるということを知りました。

紹介しきれませんが、それぞれの作家さんのものをトータルにコーディネートすることが自然に可能となってます。

よそいきにも、普段着にも楽しめる、自然素材のあれこれを集めた展示です。

私自身がそれぞれの作家さんのファンでありカスタマーとなってしまい、展示を待ち望んでいるような状態です。

これから展示の詳細をご報告していきますので、どうかお待ち下さい!




撮影の小道具

2015-08-25 14:47:51 | インテリア
モデルハウスなど、常設のおうちの調度品、小物は一式お買い上げいただいていますが、撮影のみの場合はお貸出しした小物で写真を撮ることがあります。

今回の仙台の二世帯住宅は、撮影を済ませた後すぐに入居されるおうちだったので、撮影のためだけに必要な小物一部をお貸出ししました。

こちらは、パウダールームです。



バスルームに続く洗面ボウル付きのパウダールームとは別にある、独立したパウダールームで、ワードローブとドレッサー、そして解りにくいかもしれませんがフロストガラスのボードはバッグ専用のクロゼットが備わっています。



ミラーと照明のロマンチックな雰囲気に合わせ、いつものシンプルモダンな小物とは違ったものを導入しました。

昭和のプレスガラスのお皿、ジュエリーボックス、パフュームボトル、そしてカルトナージュで作ったティッシュボックス。

こちらのお部屋には、4個のニッチがあります。



パウダールームにふさわしいものを入れなくてはと思い、パフュームボトルなどを飾ります。

上の段、JOYの香水の空き瓶、外国旅行のお土産に頂いたミニチュアボトルは私物をお貸出し。

最近、パフュームボトルだけを見かけることは、あまり無いので探すのが一苦労でした。
100円ショップに可愛い瓶があったので、即購入。
右端の大きい瓶は、小さいフラワーベースにガラスの小さなドアノブを蓋のように乗っけてパフュームボトルのようにに見せたものです。
どちらも100円均一です。

下の段、ガラスだけだと弱いので、タッセルの付いたオーナメントと小さなブローチを入れました。

こちらのニッチ、上の段にはCHANELのボトルなどのほか、アンティークのボトルを入れました。



パフュームボトルを見つけるのは大変でしたが、クラシカルなノズルとポンプの付いたディスペンサーというのは、もっと見つけにくいです。
”クラシカルなディスペンサー”ってほら、昔の外国映画などで貴婦人がプシュプシュッとやるあれです。
友人のアンティークショップに行ったら「あるよ、アールデコの時代のが。」で、値段を聴いたら30000円でした...。
予算的に合わないので、スルーです。

古道具のストックの古い姫鏡台の中に突っ込んでいた昭和の化粧品一式に混じって、「ちふれ」のディスペンサーがあったのを思い出しました。
ポンプのゴム部分は劣化して使用不可能ですが、アンティークの瓶の口にねじ込んだらバランス的に「悪くないじゃん。」ということで、小道具として登場してもらうことにしました。
ちなみに、ディスペンサーの入っていたファスナー付のパッケージに付いていたプライスは150円でした。

コスメにも時代が繁栄しています。

下の段、ディフューザーとスティック。

瓶にタッセルを付けると、存在感が出ます。

こちらのタッセルは、コロンとしたボタン、ペタンとしたボタン2個を使って作りました。
こういったオーナメントを作っておくと、必ず装飾の役に立ちます。

こうやって、クリアーなガラスにちょっとしたものを添えるほか、バラしますが、空のパフュームボトルの一部に、香水の代わりに麦茶を入れました。

撮影の時、麦茶はウィスキーになってもらったり、洗剤を落とし泡を立ててビールになったり、しょうゆを水で薄めたものがコーヒーになったり、色々化けてもらっています。

こちらにお住いになる奥様は、このおうちの設計施工をされた工務店の社長夫人でいらっしゃいます。

大切なバッグに詰め物をして形が崩れないように収納したい、という強い希望を持っていらっしゃいました。
大変おしゃれな方で、シチュエーションとその日の装いに合わせてフレグランスも使い分けしていらっしゃる大人の女性です。

さぞかしこのパウダールームを待ち望んでいらっしゃったことでしょう。

ところが撮影終わって帰ろうとした日、思わぬオチがありました。

飾り込んだおうちをご覧になって、社長が一言「住むのやめるべ。」とおっしゃったのです。

完成し飾り付けた状態を、写真に残すだけでなく、お客様に実際見ていただきたいと思ったのだとか。

引っ越しは、半年先に伸ばすことにされたようです。

こうなったら、より多くのお客様に見ていただけますように、そして、パウダールームが、女性のお客様の憧れとなりますように、お祈りしております。


撮影の料理と花

2015-08-24 09:46:51 | インテリア
2世帯で住まう木造注文住宅の撮影のためのスタイリングをして参りました。

飛騨の里の結婚披露宴の準備と同時進行で仕込みをしておいて、披露宴の翌々日仙台に入り、2日間をかけての撮影でした。

ダイニングからキッチンへと続くカウンターはW3600と、大容量のボードです。



このカウンターには、キッチンで使うアイテムではなく、テーブルにすぐにサーブするアイテムを並べることにしました。
大きなガラスのジャーに、グリッシーニやプレッツェル、ライブレッドを入れました。
シリンダーに、ライムなどの柑橘類。
カットしたフランスパン。
ワインとワインホルダー、ワイングラスはフルートと白、赤用とワインに合わせ各種準備しました。

撮影の時はいつも、昼と夜のシーンを撮るので、夜のためには料理を準備する必要があります。



用意しておいたお皿に、ローストビーフ(デリカテッセンで買った)と付け合わせのクレソン、野菜のスティック(切っただけ)、てまり寿司(パックのお寿司を丸く握りなおしただけ)を盛りつけました。

料理を作るのではなく、アレンジするだけです。

こちらのおうちには、大きなダイニングのほかにファミリールームがあります。



このカウンターには、瓶に入れたパスタやら豆、料理の本などを置いて、メインダイニングのおもてなしの雰囲気とは違った感じを作ります。

花を活けるときは、いつもあっさりと色数を抑えるようにします。

玄関の花も、ソリッドです。



和室には利休草と黄色い小花。



2階のダイニングには、3個の花器に草2本と小さな花3輪。



花が主ではなく、住宅の空間が主体の写真にならなければいけないので、フラワーアレンジに力が入ってはだめなのです。

重要なのは自然であることと、空間をよりよく美しく見せるために役立っているかどうかです。
花だけが目立つようなら、そのアレンジメントは空間の足を引っ張ることとなり、だったら必要ないということになります。

料理も同じ考えです。
いつもカメラマンさんには「あの、料理の写真じゃないので、料理はなんだかわからなくてもいいです。空間を撮ってください。」と申し上げています。

私の仕事においては、料理と花は同じ意味を持っています。

料理は素人、花は自己流ですが、私自身がアレンジした料理とお花でなくては私のスタイリングは成立しないと思っています。











夏草の力

2015-08-17 06:15:29 | フラワーアレンジメント
昨日、8月16日、高山市飛騨の里でウェディングパーティーが行われました。

飛騨の里は、合掌造りなどの農家40余棟を移築して作られた集落博物館です。
会場となったのは、国の重要文化財となっている田口家です。



私は、会場のフラワーアレンジの仕事を仰せつかりました。

立食の大きな丸いテーブル4つ。



じりじりと暑い夏に、ひときわ元気なすすき、向日葵。



今が旬の女郎花、ほおずき。



アレンジの隠しテーマは、太陽と月です。

和でも洋でもないアレンジ、ただ花の咲く姿をストレートに現した活け方をしたいと思いました。

たくさんの料理が乗ったビュッフェ台。



4尺高のパンパスグラスを30本。
デザインの無い無色のストレートなシリンダーに、一種類の草のみです。

14台の座卓。

高さを抑えて活けました。









新郎新婦の座る高砂。



立ち上がった面白い形の花器は、メインらしい盛り盛りのアレンジが可能です。

これらの花器は、コツコツと集めた昭和中期の古道具です。
活けるのに剣山を必要とする、いまどき流行らない古臭い形です。
それぞれ個性のある形ですが、この癖のある形が不思議と花の姿の邪魔にならず、正統的な形のアレンジが決まります。

アレンジは全部で23か所。
使った花器は40個。
全てお貸出しです。
多くのテーブルにあてがうのに、一升瓶やらインスタントコーヒーの空き瓶に障子紙を切って巻いた花器を現場でにわかに仕立てました。
一升瓶は丈の高い草をまっすぐに活けることが可能です。
花器代の節約のつもりが、思わぬ功を奏しました。

花屋さんにオーダーする花以外に、朝市でたくさんの花を安く買いました。
毎日通る散歩道で目星を付けておいて、近所の畑から野草をごっそり分けてもらいました。
すすき、水引、雪柳、かえで、ペパーミントの花、それからへくそかずらの蔓。

マーケットは、前日まで何があるかわかりませんでしたし、野草を取るタイミングもありました。
花を活けるという仕事は、ほぼ即興と言っていいと思います。

そして、花の量より草の量が圧倒的に多い。

活けてみてわかりました。

主は花であっても、草が無ければ花が活きない。

夏草の力に助けられ、夏草の力を思い知った仕事でございました。








カルトナージュワークショップその6

2015-08-14 10:28:48 | BOX
ヴィンテージコットンなどで、ハンギングボックスを作りました。

東京にいたころは、吉祥寺や西荻窪のヴィンテージコットンを扱うお店に行って、少しずつはぎれを買い貯めていました。

年代の経った布は繊維が弱くなっているので、力のかかるもの(袋物など)を作るには適しません。
どうしてもバッグを作りたい場合は、裏打ちをして強度を付けること、持ち手など力のかかる部分には別の素材を使うなどしています。

その点箱に布を貼るカルトナージュは、ヴィンテージコットンで作りやすいクラフトだと思います。



U.S.A.のフィードサックと呼ばれるヴィンテージコットンは、かつて穀物を入れる袋に使われていた布です。
代表的なのは可愛い小花模様や、野菜やフルーツの模様。
パームツリーなどの植物、テンガロンハットやカウボーイの柄、先染めのチェックもあります。
それから私が好きなのはキッチンプリントといってスパイスの瓶やキッチンツールがあしらわれたプリントです。
ほんの小さなはぎれの大きさでも高額なので、少しづつしか買えません。
小さな箱がなんとかできるくらいのヴィンテージコットンのはぎれを、作りたいものによっては1枚ではできないと思い、2~3枚買います。

ハンギングボックスには、ハト目を打って壁などにかけられるようにします。

こちらが、生徒さん作のハンギングボックス。



ヴィンテージコットンの醸し出す雰囲気は、明るかったりどことなくコミカルだったりします。
手前の黄色のプリントは、ヴィンテージのレプリカです。
「何を入れるんですか?」と尋ねましたら「ワンちゃんのお薬を入れようと思います。」とMさん。

私も、キッチンでゴミのシールを入れるボックスを作りました。



キッチンのカラーをミントグリーンに、テイストをミッドセンチュリーの雰囲気にしているので、こちらのヴィンテージコットンをチョイスしました。
これを私は冷蔵庫の脇にぶら下げています。
贅沢です。

工藝とは違って、カルトナージュはささやかなクラフトです。
作るものは作品などでは決してなく、日常をほんの少し彩るもの、取るに足らないようでいて愛おしい手作りの小物です。
ゴミのシールを入れるボックスなんて、所帯くささ満載、主婦感覚丸出しだと思います。
でもいいんです、カルトナージュだから。

U.S.A.のヴィンテージコットン、フランスの古い洋服地(古着の子供服をほどいたもの)日本の古い更紗、昭和の時代のデッドストックのコットンプリント、それらを私は宝物のように大切に持っています。

小さな箱を作りたいと思ったり、裏打ちして襖を貼りたいと計画していたり、自己流のカルトナージュのメソッドで空間と生活を彩ることが、私の息抜きであり喜びでもあります。

カルトナージュワークショップその5

2015-08-13 07:45:21 | BOX
カルトナージュのワークショップに1年以上通ってくださった生徒さんに、上級なものに挑戦しましょうということで、抽斗を作っていただきました。

ソレイアードのプリントで、本体と抽斗の布を変えて作った箱です。



ソレイアードは、多色でシリーズの布を展開しているので、このようなコンビネーションが楽しめます。

抽斗の部分に使っているボーダープリントは、ギャロンテープといってテープ状になった断ち切りの布です。
ボーダーの幅をそのまま抽斗の深さに取りました。
つまみには、古道具屋さんで買ったレトロなプラスチック製のものを付けました。

こちらは3段の抽斗。



大柄の風景と人物の入ったプリント使いは、カルトナージュの王道ともいうべき布のチョイスです。
抽斗に柄の好きな部分を取りながら、三枚で一つになるように柄を取ります。

小紋の柄を取るときは、柄の縦横と上下の歪みができないように柄合わせします。

取っ手には小さなアイアン製のものを付けました。

こちらは、ヴィンテージコットンを使って作った抽斗二つ。



布が年代ものだと、使うパーツも古い物でなければなりません。
古道具屋さんで買った小さなつまみが、ここでも役立ちました。

抽斗には、つまみや取っ手が必要なので、各種ご用意しています。



小さなアイアンの取っ手、鋲をつまみ代わりにしたもの、ウッドビーズに丸棒を通して布と同じ色をペイントして作ったつまみ、共布で作ったクルミボタンのつまみ、あれこれのパーツの中から箱に合ったものを選びます。

こんなふうに色んなパーツ使いが楽しめるのが抽斗ボックスです。






カルトナージュワークショップその4

2015-08-13 07:44:32 | BOX
規制のものに気に入ったものが無いので、ぜひ作ってみたいというリクエストを受けて、ティッシュボックスを作りました。

買ってきたパッケージのままティッシュを置いておくのをお好きでない方は多いようです。
どんなにインテリアがカッコよく決まっても、フィニッシュの段階でティッシュボックスがむき出しだったら興醒めですものね。
私は仕事ではステンレス製か木製のティッシュディスペンサーを納品していますが、どちらも高額です...。

それだったらいっそ作ってしまおう。

形状のシンプルな箱だったらカルトナージュで作るのに適しています。

定型のティッシュボックスが入る大きさと、ポケットティッシュサイズのボックス、2通りの大きさの箱を作りました。



横長の形に合わせ、ボーダーのプリントを使いました。

こちらは同じく定型サイズとポケットティッシュのボックスに蓋を付けたものです。



開けると内蓋が仕込まれています。



ボーダー柄以外に、このような小紋のプリントも可愛いです。



ティッシュボックスは普通の箱のように持ち上げたとき蓋だけが待ち上がっては困るので、蓋と身の差尺がタイトになっています。

布の箱は汚れなどが気になるとお思いでしょうか?
意外にもリビングやダイニングルーム、寝室での使用なら埃を払うだけでそんなに汚れるものではありません。

張り布の耐久年数は椅子の場合5年程度ですが、布貼りの箱の場合はそれ以上だと思います。
私は、帽子を入れる大きなオーバルの箱を20年以上使っていますが、布が少し褪せてアンティークのようになって、かえって愛着を持っています。

ティッシュボックスはいつも清潔なイメージで使いたいものです。
何年かして部屋の模様替えをする時に、また違った布で作り変えるのもいいかなと思っています。

カルトナージュワークショップその3

2015-08-12 08:36:06 | BOX
てしごと舎さんで月一回催しているワークショップでは、あらかじめプレカットしたものをご用意して、基本的に一回ないし2回の講習で完成できるものを作っていただいています。

主に使う紙は1mmと2mmの厚さの黄ボール紙です。
オーバルと丸の箱の場合は紙を曲げるために1mm ~1,5mmの厚さの紙を使います。
四角い箱を作る時は、大体2mmと1mmを貼り合わせて3mmの厚さにしています。
薄いと反りやすく、貧弱な箱になってしまうので...。

前に「板に板目があるように、紙にも目があります。」と書きました。
紙は木と同じで、目の方向によって反る性質を持っています。
オーバルと丸は反るようにな方向、四角の場合は反らない方向で紙をカットします。

先月のワークショップで、小さなピアスなどを入れるジュエリーボックスを作りました。



こちらの箱の型は”ブック型”といってよく高級チョコレートのパッケージに使われている形です。
小さくても堅牢な感じの箱にしたいので3mmの厚さで作りました。
薄い紙だとどうしてもパッケージの様な軽い存在になってしまうので...。

手前の2個はリバティープリントを、奥のはU.S.A.のプリントを使いました。



ある用途のための箱、はっきりとした使用目的を持った箱を私はタスクボックスと呼んでいます。

アクセサリー専用のタスクボックスは、入れるものの大きさで箱の縦横のサイズと深さを決め、入れるものの個数で仕切りの数を決めます。
仕切りの数は、2、4、6、8、12、15と選ぶことができます。

好きなようにカスタマイズできるのが手作りの良いところです。

カルトナージュワークショップその2

2015-08-12 07:33:56 | BOX
ハート型の箱を作りました。

実は、箱の形としてハート型というものをずっと避けていました。
生地の美しさ、かわいらしさをストレートにただ生かしたくて、箱そのものの形にあまり懲りたくないと思っていたので...。

ところが、てしごと舎さんの去年のクリスマスイベントのテーマを"Hertful Present"にしましょうと言ってしまった手前、言いだしっぺの私がハートを作らないわけにはいかなくなりました。

リバティーの布を使って箱を作ることにしました。



リバティープリントは英国製で、もともと高級服地として作られていました。

タナローンといわれるごく薄い繊細な布で、細かいクラシカルな美しいプリントが多くのファンの憧れとなっています。
高級な布ですので、ごく小さい小箱程度の大きさなら良いかな。(材料費的に。)
ハートの形が布の厚みでもったりしないためにも、タナローンの薄さはうってつけなのではないか...。
などなど考えあわせ、100%リバティーを使うことにしたのです。

内側にはパーチメント紙を貼りました。

パーチメント紙は、発色のいい表裏の無い紙で、その何ともレトロな懐かしい雰囲気が気に入っている紙です。
”文昭堂”さんで扱っています。
私は、いろんなところで紙を見たり買ったりしていますが、このパーチメント紙は文昭堂さんでしか見たことがありません。
あの伊東屋さんにもありません...。

こちらの箱もリバティーの布で作りました。



蓋にうっすらと膨らみを付けました。

本当に美しいリバティーのプリント。
ファンとしては、1960年代以前のクラシカルなプリントを復刻してほしいと思っています。

キュンとする感じの小さなハート型の箱を、また作りたいので...。

カルトナージュワークショップその1

2015-08-11 11:58:06 | BOX
てしごと舎で、月に一回カルトナージュのワークショップを開催しています。



最初に作っていただくのがこちら。
プロヴァンスとU.S.A.のプリントで作ったオーバル型のボックスです。
それぞれ、好きな布を選んでお作りいただいてます。



同じ柄の色違いのプリントで作った大きさの違う箱。



プロヴァンスの生地同志は、どれも合います。



ボックスの内側には、英字新聞を貼って仕上げます。



内側に貼るのに、布だと端の処理が必要ですが、英字新聞だと切りっぱなしでいいので簡単です。
新聞の絵の面白い部分、字の感じの好きな部分を使っていただきます。

箱としての美しさと同時に、強度を考えると、箱に内貼りをするのが必須となります。
内貼りをしていない箱は、剥がれたり耐久が弱くなりますから。

こちらは、椅子に張った布とペアで作っていただいた箱です。



そもそも私が箱を作ろうと思ったのは、インテリアのフィニッシュワークとして布貼りの大きな箱が必要だったからです。
椅子の張り布、クッション、カーテンなどインテリアに色を差すのは、主にファブリックです。

1990年代から箱を作っていますが、当時は”カルトナージュ”という言葉もありませんでした。

2005年に、仙台の"スペースen"というギャラリーで展示をした時、
お客様に「カルトナージュはどちらで習われたのですか?」と尋ねられ、
私は「あの、カルトナージュって何ですか?」とお答えしたのを憶えています。

日本でカルトナージュを教えていらっしゃる方は、大体がヨーロッパでカルトナージュを学ばれた方が多いと思いますが、私の場合は独学です。

20代の頃、コットンショップでアルバイトをしながら雑誌の手芸の仕事を受けていました。
当時私は、手芸作家を目指していたのです。
その時出会った、アメリカのファブリックボックスのキットでオーバルの箱の作り方を知りました。
今作っているオーバルの箱の基本はそのキットです。

それから、30代の10年間、輸入食品を扱う商社のディスプレー、コーディネートの仕事をしました。
その時、クッキーの箱のダミーを作るのに、製箱業者さんいただいた箱のサンプルが、スクエアーの箱の参考になりました。
4面の箱の蓋と身を作るのに、4枚でなく一枚の紙にスリットを入れるのが、角箱の基本製法です。

頂き物の紙の貼り箱を手にすると、どのような構造になっているのか気になり、分解してみたりします。

今までに何百個もの箱を作りました。

ワークショップで一番初めに作っていただく箱をオーバルにした理由は、

1、紙を曲げる時に、紙の特性を理解していただくことができる。(板に板目があるように、紙にも目があります。)
2、布を貼りながらパーツを組んでいくという手法を教えている人があまりいらっしゃらないので、是非この手法を学んでほしい。
3、蓋と身のセードを確実に決定でき、作り上げたときの達成感がある。
4、3時間ほどで完成できる。

そんなわけです。

次回は、違った型の箱の様子をご覧いただきたいと思います。

よろしくお付き合い下さい。