LOTUS BLUE DIARY

インテリアとリビングと手作りのお話

桃の節句・その4

2008-02-27 10:31:04 | インテリア
お隣の”Niwa-Coya"さんのむすめさんの”ひなたちゃん”が、はしゃぎながら
「ねえねえ、永井さん。うちね、お雛様かざったんだよ。」と声をかけてくれました。
”Niwa-Coya"さんのお雛様は、ちょうど私のツボをおさえています。



「わあ、懐かしい。」とお客様の一人がお雛様を見ています。。
子供のころ私の家でもこんなケース入りのお雛様を、飾ってました。
私と同世代の方の中には、私と同じくこんな感じのお雛様を持っている方が
いらっしゃるんじゃないでしょうか。

昭和の中期、公団が作られた頃、ありとあらゆる家庭雑貨が団地サイズの企画で商品化されました。
お雛様もご多分にもれず、コンパクトにケースに入れられたというわけです。

しかしこのお雛様、見れば見るほどちゃんとしています。
箱の細工や、絵付けも上等で、開きの持ち手には房までかかっています。
人形の顔立ちや、着物にも品があります。
桜と橘もちゃちでなく、椀の絵付けも手書きのようです。
桃の枝は、古式にのっとり熨斗に包まれています。
よくもまあすべてのアイテムが、きちんとつまっているもんだと感心してしまいました。

「いいなー、このお雛様・・・。」とつい見いってしまいます。
”Niwa-Coya"さんのお雛様が、なぜ私のツボなのか
なんとなくわかっていただけますか。

三月三日のひな祭りには、ひなたちゃんといっしょにひなあられでもたべようかな、
などと考えながらその日がくるのを楽しみにしている少女のような私です。



桃の節句・その3

2008-02-25 11:57:14 | インテリア
先日、個人のお宅のためにお雛様を飾りつけて参りました。



そのお宅は、奥様を12年前に亡くされ
男手一つで三人のお子さん達をお育てになり、
去年ご長女を無事お嫁に出されたという経緯をお持ちです。

聞くところによると、奥様を亡くされてから
ずいぶん長い間、お雛様を取り出していなかったとおっしゃるのです。

「もしよろしければ、取り出して飾ってみたいと思うのです。」
と申し出て、お雛様を見せていただきました。
見れば、品のいい顔立ちのこじんまりした対の雛です。
「ぜひ飾りましょう、そうすればきっと
奥様の十三回忌のご供養にもなることですし、
去年お嫁に行ったお嬢様もきっとお喜びになりますよ。」
ということで、飾り付けさせてもらったのです。

こじんまりした形のお雛様に合わせ、白磁の花器を対で置きました。
枝ものを生けるのに、このような口の狭い花器はうってつけです。
左右対称に桃の花を配置し、中央には小さな膳にのせた菱餅を飾ります。

最近、室礼(しつらえ)を勉強し直しているところなのですが、
菱餅の置き順は上から、紅、緑、白が正しい順なのだそうです。

古くからのならわしには、すべてに意味があります。
その深い意味を、ひとつひとつ学びながら、
子供たちの代に伝えていく責任が、私たちの世代にはあるんだな
などとつい思ってしまうのです。


桃の節句・その2

2008-02-22 19:48:34 | インテリア
佐原の”カフェしえと”には、毎年この時期古いお雛様が飾られます。



三年前、”カフェしえと”の桃の節句のために
なんとしても古い上質な雛人形を飾りたいと思い、
苦労して入手した、骨董のお雛様です。

コーディネートの要は“モノ探し”です。
イメージしていても、イメージどうりの物が見つけられなければ、
飾り付けは成立しません。
思い起こせば三年前、桃の節句のために冬の時期から
平和島の骨董市へ雛を探しにでかけて行きました。
くまなくブースを見て歩いたんですが、お雛様は見つけられませんでした。

そこで、以前にお世話になった愛知県の骨董屋”Largo"さんのマダムに
すがるような気持ちでお電話しました。
「古い上質なお雛様を探して下さいますか。」と。
二つ返事で引き受けて下さり、その二週間後に、”カフェしえと”に
お雛様が届きました。
なんでも、知り合い中の骨董ディーラーを、当って見つけてくださったのだそうです。
ドキドキしながらいざ開梱すると、丁寧に梱包されたお雛様に
美しい字で書かれた手紙が添えられていました。

「このお雛様は、尾張の武家の子孫であるお屋敷から出たものです。
経年の割にコンディションが良いので、代々大切に受け継がれたに
違いありません。
女雛の冠には、尾張ガラスがあしらわれています。
上等なものであると、自信を持ってお渡しします。
どうぞ、末永く可愛がってくださいませ。」
という内容のお手紙でした。

見ると尾張ガラスの玉の色は、偶然にもあらかじめ用意していた
タペストリーとまったく同じ美しいターコイズブルーでした。
まるで”カフェしえと”のために、百年の旅をして戻って来たかのように
ずっと昔から、ここに座っていたかのように
無理なく空間に馴染んでくれました。

関東と関西では、男雛と女雛の配置が逆です。
向かって右に女雛を配置するのが、関東風です。

どちらに配置してみようかな、と関東風に女雛を右に配置してみて
びっくりしました。
男雛と女雛の顔が、ほんのすこしお互いの方に振れているのです。

もともと、関東風の置き位置で作られたお雛様だったわけです。

お雛様に合わせて、お神酒徳利と花器は神棚用のものを合わせたくて
合羽橋の神棚専門店まで買いに走りました。
もっともトラディショナルなしつらえには、現代のものは似つかわしくなく
これしかないと思ったのです。

左右対称に、桃の枝を生け菱餅を飾ります。
なんのひねりもなく、ただもとの姿のままに雛を置き
生えている姿そのままに花を生けるだけで
私の仕事はなにもありません。

自然とは、伝統とはそうゆうものなのだと思うのです。




桃の節句・その1

2008-02-21 11:50:54 | インテリア
お天気が良いとポカポカと、なんとなく春が近いのかな
と感じられるような今日この頃です。

お花屋さんには、梅や桃、桜、菜の花、猫柳といった
「春到来」を思わせる花々が並びます。

お隣のギャラリー・カフェ”Niwa-Coya"さんでは
「春を待つ」と題したお雛様と器の展示が開催されています。



八郷葦穂窯 古川欽也さん、雅子さんによる陶器の展示です。
かわいらしい花衣を纏ったお雛様がずらり。
その他には、梅や桜の絵柄が一足早い春を楽しませてくれる
湯呑、ぐい飲み、茶碗などなど。
見ているだけで心が春めいてきて、嬉しい気持ちになります。

  

子供の頃は、雛の節句が楽しみでした。
私の実家の岐阜県高山市は、旧暦の四月三日が雛祭りです。
ひと月遅い雛祭りが待ち遠しく、いざ飾り付けの日には
いそいそとおばあちゃんをせかして蔵からお雛様を運んだものでした。
ところが、お雛様を片付ける時はまったく非協力的で、
おばあちゃんと母に任せっきりなのでした。
今から考えると、大きな段飾りを出したり片づけたりする仕事は、
けっこうな重労働だったと思います。

「お雛さまを片付けるのを遅らすと、娘が嫁にいき遅れるから。」と
せっせとお雛様を、出し入れしてもらったことは
子供のころの思い出となって、深く心に刻み込まれています。

段飾りのフルセットのお雛様を飾るのは叶わなくても、
こんな陶器の小さなお雛様だったら、カジュアルに楽しむことができます。
お雛様の絵柄と色合いに合わせて、千代紙や和紙を敷くと
グッとお雛様が引き立ちます。

赤いシボ(しわ加工)の入った和紙は、切り取りたい大きさを決めたら
その部分を、水を含ませた筆で線を引き湿らせたあとに
手で裂くように切り取ると“耳付き和紙”のようなエッジの仕上げができます。
簡単で風情のある感じになりますので、ぜひやってみて下さい。

季節の行事を、積極的かつカジュアルに楽しんでいただきたいなと
切に思う私です。


 八郷葦穂窯  古川欽也・雅子作陶展
「春を待つ」

2月12日(火)~3月1日(土)・(日・月定休)

Niwa-Coya Open 11:00~18:00
  調布市若葉町1-28-28
 tel,fax 03-5315-2848


インテリア雑貨ご紹介・その3

2008-02-17 05:24:41 | インテリア
職業柄、物をあるべきところに収めることは得意で
自分では整理上手だと思っています。
だからといって、掃除好きかといえば
実はそれは全く違う問題です。
白状しますが、私はあまり掃除好きではありません。

それでもなんとか掃除を楽しいものにしたいと思い、
かわいい掃除道具を買ってみたりしています。

しかし、掃除道具に限らず雑貨は全て
いくらかわいかったりデザインが優れていても使いづらくてはいけません。
機能を果たしていなければ良い雑貨とはいえないのです。



こちらはドイツのフロッシュという洗剤とスポンジワイプです。
かえるはきれいな水のところにしか住まないので、
環境を汚さない洗剤であることを表すためのトレードマークとなっています。



同じくスポンジワイプですが、こちらは北欧のデザイナーによるものです。
スポンジワイプは濡らして絞ってキッチンクロスとして使うものですが
鍋敷きとしても使えます。
なんといっても、お雑巾ぽくないところがきたならしくなく
置いておくだけで楽しい気分になります。

ちょっと、まめにふき掃除なんかしてみようかとつい思ってしまうのです。

インテリア雑貨ご紹介・その2

2008-02-13 23:22:56 | インテリア
前回に引き続き、人気雑貨をご紹介します。

"One by One"のオープン記念に、お客様にささやかなプレゼントをお配りしました。
そのプレゼントが下の写真です。

一輪づつ差したガーベラが、とっても似合っているでしょ。



ビニール製のフラワーベースで、水を入れない時はペッチャンコになっています。
水を入れるとこのように、しっかり自立してくれるスグレモノです。

先着100名様に、プレゼントしたところ大変好評で、
もっと仕入れて下さいとリクエストがあったほどです。

リーズナブルだけど、気軽にプレゼントして喜ばれる
楽しさと新しさのある商品です。

私も一個お家で使わせてもらってます。

インテリア雑貨ご紹介・その1

2008-02-08 19:14:11 | インテリア
北海道の登建設さんのショップ"One by One"のために
インテリア雑貨のバイイングをお手伝いしています。

ありとあらゆる雑貨メーカーの中から
"One by One"にふさわしい雑貨メーカーを選りすぐりご紹介し
仕入までのご指導をしているわけなんですが、
仕入れたは良いが売れるかどうかは、ハラハラドキドキです。
自分の趣味に走らないように、売れるようにと願いつつ
仕入を行います。

そんな仕入商品のなかで、わりと高額にもかかわらず
飛ぶように売れている商品が、この加湿器です。



とかく乾燥しがちな季節にニーズがぴったりとはまったんでしょうか、
人気の色はメーカーでも在庫がおっつかないようです。
人気の理由は、なんといってもかわいい形と色にあるようです。

こんなかわいい加湿器がお部屋の隅にあったらいいと思いませんか。

この次もかわいい雑貨を人気順にご紹介していきますので、
楽しみにしていて下さいね。

二月の花

2008-02-04 10:27:45 | フラワーアレンジメント
佐原の”カフェしえと”に、二月の花を生けて参りました。

二月に入るとちらほらと、梅が咲き始めるのを見かけます。
いつもお花を買いに行く佐原の花屋さんにも、何種類かの梅と
桜もすでに入荷していました。



薄桃色の小さな花ががわいい、”リンショウバイ”と
しだれた姿が華やかな”コデマリ”をたっぷりと生けました。
高台に升と豆を盛った節分の飾りを脇に添えて、二月の花の完成です。



床の花には、色の鮮やかなものが欲しいと思い
お店を見渡すと”ダリア”がひときわ鮮やかでした。
ダリアに合わせて選んだ葉物は”コウモリラン”という名の葉です。
不思議なプリーツが、蝙蝠の姿に似たグロテスク一歩手前の葉っぱは、
毒々しくも美しいダリアの個性を、より引き立ててくれます。

花器の下に敷いているのは、半幅帯で作ったものです。
花の色に合わせ、オレンジ系の花を生けた時に使います。
古い帯でいくつか花瓶敷きを作っておくと、便利なんですよ。

 

昨日は、今年に入って二度目の雪が降りました。
午後になってもコンコンと雪が降り止まない寒い一日でしたが、
はりきって邪気ばらいの節分飾りを飾りました。

柊のとげと、豆殻の音と、イワシの匂いに
鬼がびっくりして退散するのだといいます。

“福茶”を頂きました。
結び昆布と、梅と、豆を三粒入れて緑茶を注ぎます。
香ばしい豆の香りと、うっすらと昆布と梅の味が
ありがたくも美味しいお茶でございました。

トレーにしているのは、杉の薄板を切って作ったものです。
カンナで端を削いでみたら、ただの板がかっこいいトレーになりました。
一昨日の夕食は、このトレーに葉っぱを敷いて焼いたサンマ(一尾78円)を
乗っけて食べました。
経済料理も盛り付けようで、オツな一品になるから不思議です。

手作りって、やっぱり楽しいですね。