LOTUS BLUE DIARY

インテリアとリビングと手作りのお話

古箪笥と魚採り網

2009-08-28 21:39:57 | インテリア
秋田の番人小屋をリフォームしながら
二階のガラクタを捨てようとあれこれ引きずり出したものの中から
いい感じの古道具を見つけました。

こちらが、古箪笥です。



まるで柿渋か何かのような、赤黒い色に経年変化した年代物の箪笥です。
なんでも秋田のおばあちゃんがお嫁にいらっしゃる時、持っていらっしゃったものだとか。
ちょうどローボードのようになって、電話を置くのにぴったりです。

そしてこちらが魚取りの網です。



おじいちゃんはこれで昔、魚を採っていらっしゃったのだとか。

ソケットを仕込んで、フロアースタンドにしたら
コーナーにぴったりの和風の照明になりました。
網から透かす光の感じがなんともムーディーです。

リフォームというのは、100%新たに作るのでなく
リサイクル感覚で古道具を新しく活かしながら
スパイス的に使っていくとグッと良くなります。

全部骨董ではなく、全体の1割五分の骨董を導入するくらいが
ちょうどいいさじ加減なのかなと思いました。

木工で、いろいろ。

2009-08-25 21:40:06 | インテリア
引き続き、秋田の番人小屋の日曜大工の様子です。

基本的なリフォームと同時進行で、木工の小物をいろいろ作りました。
10㎝角の角材を切って作ったスツールです。



4本の角材に、”かすがい”を8本打ち込んでスツールにしました。
クロームの”かすがい”は、囲炉裏の火で真赤になるまでよくあぶってから
バケツの水に投げ込むと、黒っぽくいぶした感じのいい色になります。
座面はサンダーをよくかけて仕上げます。
衣服などがひっかからないように。

囲炉裏をグルッと囲むよう、4脚のスツールを作りました。

こちらは、銅の箱で作ったワインラックです。



この銅の箱は、五右衛門風呂のパーツだった箱だそうです。

床材の残りの板に穴を開け、鉄筋を通して
横に4本ワインボトルが並ぶようにしました。



花を飾って、日めくりを壁にかけたら
なんだか懐かしい感じのコーナーになりました。

ごみ箱のいいデザインのものが見つからなかったので
ブリキのバケツに木の蓋をのせてごみ箱にしました。

右は、ガレージから出てきた漬物用に使っていた古い蓋。
左は、そっくり真似してあった材で作ったものです。



地元の果物屋さんで、リンゴ箱を分けてもらいました。(300円でした。)
これにも、昔ながらのデザインの蓋を作ってゴミ箱にしました。



こちらは炭入れ用の箱です。
もともと何かの箱だった古い木箱に手をつけました。
炭ばさみがちょうどかかるような高さに、
ハンドルをつければ移動がしやすいポータブルな箱になりました。



昔の道具のデザインそのままを忠実に、ひねくらないで手作りした
懐かしい感じの小物が次々に出来上がりました。

キッチンのツールハンギング

2009-08-20 10:53:21 | インテリア
きのうに引き続き、“秋田森のテラス”の“番人小屋”の
リフォームの様子をお届けします。

リフォームの中で、永井の本領を発揮するのは
なんといってもキッチンです。

“番人小屋”のキッチンがちょっと使いにくかったので
「お任せ下さい。」とばかりに、改造させてもらいました。



大きな壁面は棚一つない、言ってみればデッドスペースでした。
「ここを使わない手はないでしょう。何か吊りましょうよ。」とご提案しました。

あれこれ考える前に、まずは素材探しだということで
ホームセンターに行って見つけたのが”ワイヤーメッシュ”です。
この”ワイヤーメッシュ”は、モルタルの芯に敷く素材で
900×1800のサイズが一枚なんと580円というお買い得価格です。
ちょっとさびているところが「なかなかラスティックでおしゃれだと思いません!」と、即購入です。



”ワイヤーメッシュ”をサンダーを使ってカットして、壁に留めつけます。
その時のポイントは、ツールを掛けるのにSカンが掛けられるよう
壁との隙間を少し取って取り付けることです。
”ワイヤーーメッシュ”と同じ色のアルミの針金でいくつもSカンを作って
かたっぱしからツールをぶらさげるだけ、超お手軽リフォームです。

上端には角材を渡してクリップライトを取り付けました。
いままで薄暗かった手元が明るくなりました。

キッチンの照明は、全体もさることながら
手元灯をキッチリとコンロ部分とシンク部分の二か所に取り付けなければいけません。
そうでなければ、どんなに料理の得意な人もうまく料理ができないと思っています。

さて、これで明るく道具も一目瞭然で分かりやすい
だれでもが使いやすいキッチンになりました。



切って余った”ワイヤーメッシュ”をサイドに同じように取り付けました。

こちらには、小ほうき、マッチ、買い物袋、虫さされの薬など
キッチンアイテム以外の小物も収納しています。

収納するのに使っているちいさなワイヤーのカゴは
東京の100円ショップで買って送りこんでいたものです。
蓋つきのカゴを壁に付けて扉付き収納にするなどの
100円グッズ活用の小技に関しては、
「天才的だ。」とは、山田先生のコメントです。

「いえ、こういう仕事は慣れてますから。」

やはりリフォームは思い立ったらすぐに着工しなければいけません。
「うまい、安い、速い。」こそが私のリフォームのモットーです。

ちなみのこのリフォームは、”ワイヤーメッシュ“二枚で1160円。
アルミワイヤー1巻き480円。照明2200円。
100円グッズ8点で840円。
しめてトータル施工費4860円でございました。

番人小屋のリフォーム

2009-08-19 10:01:53 | インテリア
今回”秋田森のテラス”に行った目的は、”蔵”(ライブ会場などに使われる)と
“番人小屋”(宿泊所)のリフォームをするためです。

大物の造作家具など、大工さんに発注するもの以外
「なるべく自分たちで手作りしよう。」ということで
道具を一式揃えて日曜大工する日々でした。

私は、照明器具や置き家具、雑貨を東京で調達して送り込み
コーディネートする仕事を仰せつかりました。

大工チームは、“森のテラス”のオーナー山田先生と、
森の番人仲間の浅井さん、そして永井の3人です。

一番大がかりだったのが照明の取り付けです。



もともと、高い天井のはるか高い位置に裸で電球が4個ぶら下がっていました。

これを取り外し、具合のいい位置と高さに照明を4灯吊り直します。



天井が高いので、木の竿を組んでそこから照明器具を下すことにしました。

照明の傘だけを東京で調達し、取り付け器具の部分はソケットと金具を
ホームセンターで買って手作りしました。

シンプルでなかなか格好良くなりました。



ペンダントの位置が低くなってテーブルの上を明るく照らすようになったのが
何よりうれしく思います。

囲炉裏の上のところは「ちょっと違った照明器具にしたい。」ということで、
「なにかいい照明器具の傘になるものはありますかね。」とお聞きすると、
「これなんかどう。」と山田先生が、“落とし蓋”を持っていらっしゃいました。

「どれ、ひとつ”落とし蓋”で傘を作ってみるか。」



”落とし蓋”の真ん中に穴をあけておいて、
トンカチでひたすら叩きます。



必死に“落とし蓋”をたたく私。
その姿は、あたかも“森の加治屋”です。



粘り強く“落とし蓋”を叩いた結果
相当ぶさいくでいびつではありますが、
めでたく”傘”ができました。

「言わなければ”落とし蓋”ってわからないんじゃない。」と、
大満足した力作でございました。

その他の力作も次々アップしますのでお楽しみに。


帰ってきました。

2009-08-18 21:15:56 | Weblog
岐阜と秋田に滞在し、いったん東京に戻ってから
また秋田に行って参りました。
通算で3週間も東京を離れていたことになります。

日本全国、仕事さえあればどこにでも飛んで行きますし、
どこへ行ってもすぐその土地に馴染んでしまうので
我ながら環境に対する順応性はかなり高い方じゃないかと思っています。

秋田の場合は、風景がどことなく実家の岐阜県高山市に似ていたりして
最初から違和感などまったくありませんでした。
ところが、言葉の違うのにはびっくりで
こうも理解不可能なものかとショックを受けています。
こちらの言っていることは理解してもらえるのだけれど
あちらの言っていることは、半分ぐらい何を言っているのか解らないのです。
外国語ならば辞書を引けば解るけど、秋田弁には辞書は無し、
いちいち通訳してもらったり、解っていないのに解ったようなふりをして
ごまかしごまかししておりました。

前置きが長くなりましたが、
昨日東京に戻ってきて、その足で深大寺近くの”森のギャラリー”に行きました。
マリさんとそのお友達と一緒に久々の東京のランチです。



贅沢と思いながらも昼ビールを頂いてしまいました。
「シェッファーホッファー」という名のドイツビールです。



こちらは「チキンカリー」です。
こんがり焼いたチキンとサラダのように盛られたミズ菜、
散らした松の実の組み合わせが何ともおしゃれで美味しそう。
カリーは別のボウルに入っていて、具とライスを浸しながら頂きます。

「うわー、久々の東京のランチだよー。」

というわけで、都会的な食べ物と東京の言葉から遠ざかっていた私は
この日、ランチとおしゃべりを思いきり楽しんでしまいました。

で、秋田での様子は明日からのブログでゆっくり書かせてもらおうと思います。

ポジャギのワークショップ

2009-08-07 21:57:44 | クラフト
長らくブログを更新できずにおりました。
実は、先月末から東京を離れて、岐阜県と秋田県に滞在しておりました。
仕事なのかバカンスなのかよくわからない日々を過ごし、
あっという間に2週間が過ぎてしまったというわけです。

地元である岐阜県高山市の家具メーカー”KITANI”さんのオファーを受けて
「ポジャギ」のワークショップの講師のお仕事をいたしました。

”ポジャギ”とは、韓国の美しい布の手工芸品です。
布を接いで縫ういわゆるパッチワークで、掛け布として使われたり
あるいは物を包むのに用いられた風呂敷のような布が
韓国の”ポジャギ”と呼ばれるものです。



偶然にも私は、20年ほど前に”ポジャギ”にそっくりのパッチワークを作っていました。
”アカネ”やら”セージ”で染めたローンの布を表裏関係なく使えるように
「折り伏せ縫い」で縫いつなげて、パッチワークの掛け布を縫っていたのでした。

”ポジャギ”のワークショップの講師のお話をお受けできるかどうか思案しながら、
”ポジャギ”の縫い方はどんなものなのかな、と調べてみました。
すると、なんと驚いたことに”ポジャギ”もなにも知らないで作っていた20年前のパッチワークが
縫い方といい色合いといい、韓国の”ポジャギ”と寸分違わないものだったということを確認しました。

私は若いころ”アメリカンパッチワークキルト”に熱中していたものですから、
韓国の手工芸とアメリカのパッチワークキルトの酷似している点を見つけることができました。
手工芸というのは不思議ですね、遠く離れた国同士で
そっくり同じ技法があったりするのですから。

”ポジャギ”の専門家ではないけれど、私なりの”ポジャギ”でよければ
手軽に楽しむことのできるアジアのパッチワークを、お教えして差し上げることができると思い、
お仕事をお引き受けしました。

7月25日、”KITANI”さんで
「ポジャギのワークショップ」が開催されました。



「北欧の家具」が美しく並んだ、”KITANI”さんのセミナールームに、
23人の受講生がお集まり頂きました。
(立っていらっしゃる方が社長の東さんです。)

講座の始めに“稲田さん”が私を紹介して下さいました。
(じつは稲田さんは、小学校からの私の幼ななじみです。)



型紙を切って布を裁ち、はぎ合わせます。
縫いしろを小さくしてへらで折り、ぐし縫いではぎ合わせてから
折りふせて縫うのが”ポジャギ”の縫い方です。

受講者のみなさんのなかに一名だけ男性の方がいらっしゃいました。



2時間のワークショップで、めでたく”コースター”が縫い上がりました。



各々に”コースター”を手にしての記念撮影です。



パステルカラーのコットンで、かわいい”コースター”が完成しました。



唯一の男性の生徒さんも、コースターを手にしてニッコリ。



ワークショップをやって、いつもよかったと思うのは
完成したときの生徒さんの笑顔に会えることです。

このワークショップを機に、手仕事の楽しさを知ってもらえれば、
そして”ポジャギ”の真髄の、物を布をいつくしむ心にふれてただければ
そう思う私でした。