LOTUS BLUE DIARY

インテリアとリビングと手作りのお話

和室と地窓

2008-04-16 08:23:16 | インテリア
木造注文住宅のコーディネートをさせていただいて、
いくつもの美しい木の家を見てきました。
施主様と、お会いする機会も時折あり、木の家に対して施主様が
何を求めているのかを知ることができました。

お客様が求めるのは、モダンであっても、温かみのある自然志向な家。
流行に走るのではなく、普遍的な飽きのこないシンプルな家。
強いていえば、ナチュラルモダンな家ということになるのでしょうが、
モダンではあってもやはり和室が欲しいと思われるのが
木の家を好むお客様のほぼ100%のように思います。



"Kino"の和室は、障子使いが美しい事が印象的です。

実は、この障子の地窓の外にはダイナミックな面格子があるのですが、
その存在は、和室側からはまったく分かりません。
「あれ、格子はなんで映りこまないんですか?」と尋ねてみましたら、
紀州木の家協同組合の理事長さんは、こうお答えになりました
「障子の力ですね。」

つまり障子というのは、光を和らげると同時に、
外からの映り込みを優しく遮ってくれる存在なのです。

この地窓には、外からの光とは別に
室内の間接照明が欲しいと思ったので
スタンドを置くことにしました。
何か小さく緑をあしらいたいと思い
四角い陶器の花台と、小さな花器に小さな枝を挿し
お香を添えました。
敷物には、半幅帯を流し、端をクルクル巻いて納めます。

温かみのある紀州材と、柔らかい障子越しの光と
ちいさな挿枝で、限りなく優しい
美しい和室のショートカットができました。