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リタイアーのよもやま話

「大人の流儀」

2014-01-27 22:25:26 | 読書

30代から輝きたい人が、
20代で身につけておきたい

「大人の流儀」

千田琢哉

ぱる出版

を読み終えた。

 

本の帯の表には、
タブーから逃げるな。

タブーこそ幸せの種。

30代から輝きだす人
20代で終わる人
その差はわずか1%。

1%の差は天文学的な

違いを生む。

 

そして、裏には、次のようにある。

〝一流〟と呼ばれる大人になるため
の「80の作法」

第一章 仕事の流儀
「20代は仕事がすべてである」と割り
切ってみると、見えないものが見えて
くる。

第二章 組織の流儀
これほど人間観察眼を磨くのに、最適な
環境は存在しない。とことんしゃぶり尽
くせ!

第三章 上司への流儀
圧倒的な能力で上司を超えると、いちいち
上司にムカつかなくなる。

第四章 後輩への流儀
自分が先輩にやってきたことが、そっくり
そのまま後輩から返ってくる。

第五章 趣味の流儀

趣味と仕事を分けない生き方もあることを
知っておくと、人生観が一変する。

第六章 お金の流儀
「お金持ちになって人生を謳歌したい!」
って、堂々と言えないから苦労するんだ。

第七章 友情の流儀
まず自分が自分と親友にならなければ、他人
と親友になんてなれない。

第八章 この世で一番勇気のいるのは、世界
で一番好きな人に「好き」だと伝えること。

以上である。

 

この中で、「1%」「一流」という言葉が出て
くるのだが、わたしは一種の「帝王学」だと
思う。

昔、30代始め、人生に行き詰まって、中国
ものを読み始めた。その時、伊藤肇という人
を知り、彼の本でこの「帝王学」という言葉
を知った。

帝王学そのものは皇帝が学ぶであるもののは
ずだが、当時の使われ方は、リーダー学であ
ったように思っている。

大きな組織、会社や国のリーダーたるものと
は、という意味で書かれていたように覚えて
いる。

その流れの中で

あなたの「死にがい」は何ですか?
草柳大蔵
福武書店

という本に出会い、今でもずっと手元にある。
今回の「大人の流儀」がこの本とダブって思い
だされてきて、本棚から探してみたら、その
片隅に立てかけてあった。

わたしは、この本を二度購入した。

最初に購入した本が、行方不明になり、再度
県都の今では、無くなった5階建ての本屋の
文庫コーナーで、やっと見つけた。

1985年の11月の出版である。et cetera。

今回の千田氏の本を読んで、昔読んだことのあ
る本を思いだしてしまった。懐かしい話である。

わたしは、帝王学という言葉出た当時、パラド
ックスを感じてしまった。

それは、帝王学という限られた人が知るべき情
報が、出版を通して遍く世に広まるという矛盾
である。

それから、草柳氏の本は

人生を朱新仲の「五計説」で考えてみる
ということになっており、


こちらだって、どちらかというとわたしは、リ
ーダー論に思えてならない。その当時としては。

この本もやはり、パラドックスを感じぜざるを
得ないものがあった。

今回の千田氏の本も、とまどいを感じてしまう。

一流の者同士で、語り継がれるべき内容が、出
版ということで、遍く知れ渡るというパラドッ
クスである。

今日、このようなパラドックスが甚だしくなっ

てきているように思われてならない。情報化社
会なるがゆえの。

特に、インターネット社会になって、この傾向
は、助長され、この広い世界が、かつての小さ
な村社会のように、それぞれの胸の内が、さら
けだされてしまう社会になってしまった。

知的節操が無くなったということなのか。

およそ、千田氏の本は、一人こっそりと読まれ
るものだと思う。

「人の心を読む」なんて、本を人前で読めない
のと、同じである。


それにしても、わたしのような凡愚の者には、
いい時代かも知れぬ。

「大人の流儀」で、語られる一流の人たちの世
界という雲の上の話が、本さえ買えば知り得る
のだから。

本としては、良い本であると思う。説得力のあ
る文章が続く。

著者が言うように、20代で読みたかった本であ
る。

わたしは、この本「大人の流儀」を読むよう人
であれば、伊藤肇の「現代の帝王学」「左遷の
哲学」等

そして、草柳大蔵の
あなたの「死にがい」は何ですか?

をセットで読んだ方が、より生きてくると、
かってに思っている。

 

千田氏のパラドックス

彼の本の一部に、こういうのがある。

組織の流儀
サラリーマンの延長戦上に社長はない。
社長は新入社員の頃から社長。

意外なことに目の前の仕事をひたすら

がんばり続ければ、ひょっとしたら自分
は社長になれるのではないかと密かに思
っている人がいる。

断言しよう。

今の仕事の延長上に社長はいない。
社長になる人間は、新入社員の頃から
社長の考え方を持っている。

たまたま組織に残ったらその会社の社長
になり、
人生の時間の無駄だと判断したら途中で
ぬるま湯から飛び出して自分で会社を創
って社長になるだけの話だ。

どちらが上かという問題ではなく、
そもそも考えているステージが違うのだ。

本人が意識しているか否かは別として、
社長になれる人は最初から決まっている。

王様の奴隷の延長線上にあるわけではない。
奴隷の延長線上にあるのは奴隷のリーダー
だけなのだ。

以上。

千田氏は、語った。

彼は、

30代から輝きたい人が、
20代で身につけておきたい

「大人の流儀」

と語ったが、

30代から輝く人は、10代の頃から
周りの10代とは、すでに違うと
思うのだ。

世界的なアスリートのほとんどが、
小学校の頃から、オリンピックで
金を取ることを夢みている。

わたしの後輩で、一目をおかざるを
得ないような後輩は、皆わたしを
追い越して、出世していった。

それにしても、である。

凡愚のものは、しっかりした二流、三流
になるために、そして、身の程にあった
より良い人生を展開するために、この本
は、読まれるのもありではと、つくづく思
いながら、読み返している。

できれば、高校生の時に、加藤諦三の
「俺には俺の生き方がある」ではなく、
この本が読めていたら、違う人生が展開
できたかもなんて、思わんこともない。

良い本である。高校生にお薦めしたい。

いや、わたしたちでも、時代が、どのよう
に流れていくのか、知るために、読まれ
ても、良いのでは感じている。

時代の足手まといにならんためにも。

┄┄である。