二輪よもやま話ー8
レンタルバイク
最初のスクーターの教習を終わった後は、とんでもないハン
ディがあることに気づいた。
子どもの頃のたいした回数も、乗ってない無免許のバイクの
運転に、さしたる根拠のない自信を持ってしまっていたよう
だ。
とんでもない勘違い。
そこで、なんとかカバーしなくては、レンタルバイクはという
ことになった。
いろいろと探して、遠く離れた県都の中心に、そのショップを
見つけた。
なんとか、数時間でも練習しようと、考えた。
借りられる目処がついたので、予約をいれた。
当日、自動車専用道路を利用し、途中から市内にはいる。
駐車場に車を置き、タクシーでその店まで、乗りつけた。
営業時間の10時前だったので、そこらを散歩して時間を潰す
ことになった。
で、そのあたりを見渡したら、なんと、歓楽街であった。
新宿の歌舞伎町というのが、あったが、そのような類の雰囲
気の場所である。
なんとなく気恥ずかしい。とんでもない所に来てしまった。
そのうち、時間になり、いろいろと説明を受ける。なんとも、
このレンタルという作業が煩雑なこと。
レンタル業というのが、これほどの煩雑な手続きをしないと
成立しない商売かと思うと、そう簡単には、参入できるもの
ではないなと、思った。
やはり、商売というのは、只事ではない。
なんとか、事務手続きも終わり、スクーターが用意された。
そこで、ガソリンは満タンにして返すという、一文に悩まされ
ることになる。
どの程度、走らせたら、ガソリンスタンドの従業員に取り合って
もらえるのだろうか。
5円、10円なんて、とりあってもらえるのか。車の感覚では、理解
できない話しで、気が狂いそうだ。
取り敢えず、走らせる。いったい、1・2時間でどの程度ガソリン
を消費するものだろうか?憂鬱だ。
走らせてみて、すぐに気づくことがあった。路面のデコボコの衝撃
の凄さ。
胃を殴られるようだ。
すると、一瞬にして、後悔の念がわいた。とんでもないことに
興味を持ったものだ。
二輪は、こんなに不愉快なものなのか？
でも、教習は始まった。
とにかく、ガソリンを減らさなくてはと、むやみやたらに
走らせる。
そのうち、この近くの港にかけられている橋を思いだした。
この橋を渡ってみることにした。
橋の頂上に近づくと、なんと風景がせりあがってくる。
地面から建物が生えてくるようなこの変わりゆく風景に、
快感を感じてしまった。
で、何度もこの橋を往復して走ることになった。
であるが、調子に乗りすぎた。
橋の路面には、スピートをセーブさせるために、帯状に
盛り上がっている。路面がでこぼこだ。
それを強引に走ったものだから、車体が思い切り、バウンド
しながら、走ることになった。
すると、ヘルメットから何かしら、落ちていくものがあった。
あっと思ったが、一瞬、遅かった。老眼の運転用のメガネに
磁石で着脱式に取り付けてあるサングラスが振動で外れ、
落ちた。
しまったと思ったが、もう遅い。
そこで、何度が、現場に戻り、回収しようと思ったが、
結局、見つけられなかった。
車がひっきりなしに、走っているので、停車なんて
できない。
あ～、ショック。
日中の眩しい最中の車の運転。
しばらく、この老眼のメガネの上から、別のサングラスを
かけ、車を運転する羽目になった。
その後、サングラスの部分を注文して、手に入れたが、
７千円近くしたのには、これまた、ショックだった。
このレンタルバイクは、その後、何度か、レンタルを
申し込んだが、予約が一杯しているということで、断ら
れた。
何度も、断られているうちに、はたと気づいた。
細切れに借りられては、長期で借りる客を逃がしてしまう
ことになるので、業者としては、迷惑になっているのではと。
招かれざる客であったようだ。稼ぎの迷惑である。
そこで、この店でのレンタルのバイクは、あてにできなく
なった。
観光客相手でないレンタル屋があるのでは、探してみること
した。すると、その県都とわたしの市との中間の場所に、
バイクのレンタル屋があった。一瞬喜んだ。このへんでは、
観光客なんて来ないから、わたしが割り込むことができるの
では。
しかし、はたと、気づいてしまった。
このレンタル屋のある地域では、時間貸しの駐車場が無か
ったはずだ。
勿論、路上駐車の目処はたたない。
ということで、あえなく、レンタルバイク作戦は、不可能に
なってしまった。
それにしても、最初バイクをレンタルした時、
自動車専用道路を使ったので、往復で600円ほど。
駐車場で、1400円ほと。
バイクのレンタル代、1400円ほど。
レンタル屋までのタクシー代、1000円あまり。
サングラスの注文で、7000円?くらいかな。
で、1万1400円だ。
追加の教習代の方が、ずーっと安かった。