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リタイアーのよもやま話

中高年のうつ病に特徴 9割が「膝下部帯状回」萎縮

2011-06-27 21:57:26 | 健康

ヤフーのニュースである。

 

中高年のうつ病に特徴 9割が「膝下部帯状回」萎縮
2011年6月27日    

 中高年のうつ病患者の約9割が神経伝達物質セロトニンの
通路となる脳の膝(しつ)下部帯状回が萎縮していることが
南斗クリニック(浦添市)の仁井田りち氏、南部病院の仁井田
明氏、琉球大学の本村真氏、関西外国語大学の上地明彦氏の
研究で分かった。

 5月に発行されたニュージーランド医学誌「インターナショ
ナル・ジャーナル・オブ・ジェネラル・メディシン」オン
ライン版に掲載された。

これまでもうつ病と脳の関係について多くの研究があるが、
臨床に基づいたうつ病と脳の膝下部帯状回に関する論文は
初めて。

 研究はアルツハイマー病の補助診断で脳の局所の萎縮を
見るためのMRI(磁気共鳴画像)ソフトウエア「VSRAD」
の検査法をうつ病に応用した。

仁井田りち氏は「膝下部帯状回の萎縮の有無を評価することで、
今後うつ病の早期発見、早期介入が期待できるかもしれない」と
話している。

 現在、うつ病は面接で患者の体験行動を聞き取り、うつ病診断
基準に照らし診断されている。

客観的データに基づいた補助診断がないため、診断、治療薬の
選択など医師間の共通認識を持ちにくいのが実情だ。

 研究は仁井田りち氏が担当した症例のうち、2010年1年間に
MRIのVSRAD検査が可能な54歳以上の患者で、抗うつ薬で
治療をしている症例と健常者のMRI画像を比較した。

抗うつ薬で治療をしている93%の患者に膝下部帯状回の萎縮が
見られたが、健常者の萎縮は15%で明らかな有意差があった。

萎縮のあるうつ病患者は抗うつ薬の投与で症状は改善するが、症状
が良くなった後も抗うつ薬の服用が必要だった。

 日本うつ病学会の神庭重信理事長は「高齢のうつ病で多くの場合
に膝下部帯状回の萎縮が認められたことは、うつ病研究に一石を
投じる」と評価。国立精神・神経医療研究センターの功刀浩部長は
「うつ病や自殺の予防に役立つ貴重な研究成果」と話している。


以上。


非常に興味深い研究と思う。

うつ病が増えているという話しに対して、業界の事情があって、
その数値ついては、疑問を投げかけるものがあった。

うつ病に仕立てる風潮(業界の)、そのことに便乗するうつ病ぶる
風潮について、警告をしていた。

このような社会状況にあって、疑心暗鬼に駆られる人々。

そういう意味で、うつ病に対して、より客観的根拠が得られる
ことは、喜ばしいと思う。

それにしても、うつ病になるような客観的生活状況があって、
そのような「膝下部帯状回」萎縮が起こるのか、それとも、
「膝下部帯状回」萎縮が起こって、うつ病になるのか、どちらが
先なのだろう。

アルツハイマーみたいに、器質的異常が先行するのか。

「病は気から」なら、その人の心理的・精神的特性が器質的な異常を
ひきおこし、「膝下部帯状回」萎縮が起こる。

ということになるのだが。

このへんのところについて、知りたいものだ。

ただ、現役の時は、まったく想定できなかったが、退職組については、
潜在的にうつ病予備軍である。

と自認するようになった。不覚にも。

そのそこはかとない不安が、毎日の生活に通奏低音として、鳴り響いて
止まない。

そのことと、抗う日々になるなんて。