今の林業界は、長伐期施業がもてはやされている。
植えてから伐採するまでの期間が、かつては40年を目安にしたのが60年となり、さらに70年、80年、いや100年以上かけて巨木の森にしよう! というものだ。
たしかに伐期を延ばすことによって森林環境が豊かになるとか、労働力を分散できるとか、太い木の方が材質がよくて材価が高いとか、生産コストが引き下げられるとか、森林経営上の利点はある。
それらを否定するわけではないのだが、つい常識の「逆バリ」する癖があり、そうだろうか、と疑問を持った。本当に長伐期にしたら林業はうまくいくのか。将来的に見れば、林業は短伐期施業の方が向いているのではないか。
これは仮定の上に積み上げる思考実験みたいなものだが、将来、木材資源の需要が非常に高まったとする。しかも、木材は、集成材や合板、ボードなどエンジニアウッドとして加工する、あるいはチップ・木粉化してからの利用法が一般的になったとする。
そうなると、必要なのは木材の質ではなく、量だ。
細くてもよい、曲がっていてもよい、木目も関係なければ材質も問わない。みんな技術が解決した。そうなると、いかに木材(というより木質素材)を安定供給するか、ということが課題になる。
そうなれば、短伐期施業でしょう(^o^)。樹齢40年といわず、20年くらい、いや10年の木でも利用価値が生まれる。もっとも成長力のあるうちに収穫して、次のサイクルに移るのだ。いわば木のブロイラー生産。
これなら経営計画が立てやすくなり、参入も容易だ。10年先ならなんとか経済状況も読めるだろう。
長伐期の巨木を否定するわけではなく、うまく組み合わせて木質材料の生産と高級材の生産を組み合わせた経営にするのだ。
いかがなものだろうか。
私自身は、板材にして内装材や外装材としての利用と注入が入り易そうなので外構材の使用も出てくると思います.
ただ、製材所の台車に乗らないものが出てくるのではと言う心配もあります.効率優先の新しい製材所では、径が大きいと反対に非効率になるので大径木は敬遠されそうです.昔ながらの賃引き台車なら問題はないのですが・・・.
そういえば、巨木を高く売る方法を模索したところ、「表札」だとわかったのだけど、太い丸太を細切れにするのは嫌だ、と山主に断られた例を聞いたことがあります。
大径木って、案外使いにくいものなんですね。
簡単に要約すると
設計者は、無垢の間伐材(120角)を使用し構造物を作り上げる説明をしてくれました。
材料を供給する森林組合側は、「柱角は、黙ってても売れる、ナカメ材(120×240など)梁材の使用を考えてほしい」
宮崎県は、柱だけでなく梁にも杉を使っているのです。今、頭を抱えている問題に柱よりも大きい材をどのように使うかが問題なのです。歩留まりの悪いナカメ材が原木の価格を下げている現状としては、山側に近い森林組合の切実な意見でしょう。
ただ私は、商売としてエンドユーザーの立場から考えると売れない製品を買ってくれという商売は成り立たないのではないでしょうか。
もちろん、この会議の意味は、情報交換が主ですから現状を認識させるためには、必要な情報なのでしょうが、あまりにも意味のない間伐材主義PRが蔓延っていて正確な情報をエンドユーザーに伝えていないシステムの不完全さを感じました。
多額の資金で間伐材主義PRしたつけが自分たちに降りかかっているのです。
PRにもきちんと落としどころを考えて取り組んでいかないと大変なしっぺ返しを受けるんだろうなあと感じた会議でした。
これまで使い道がないとされた間伐材よりも、使いづらいとか。
山側も、今何が困っているのかちゃんと伝えないと、周囲の人の努力・善意が無駄になる。その設計士さんは、せっかく間伐材の新しい利用法を考えて提案したのに、がっくり来たんじゃないでしょうか(^^;)。
でも、売れないというより売れる寸法・形状に製材していない、というのが正しいのだと思います。単純に言えば、中目材を柱角に製材してしまえば売れることになる。(ちょっと乱暴)
改めて中目材の新しい利用法、考えてくれることを建築側に期待しましょう。もちろん、山側自身も考えるべきですが。
木材の利用を最大限に考えた結果がそのような製材方法です。
もちろん太い無垢の梁材が必要であれば別途製材すればよいのです。
日本の考え方は原木の太いままを無垢材として利用するのが良しとするものです。それは、製材の手間を最小で儲けようとするだけなのではないでしょうか。
製材の生産性の改善を全く努力もしないで、現状のまま他力本願で何とかしてもらおうとする姿勢自身が今の林業不況の原因と思います。
私は、視点を変えて盛んに国産杉で2×4材の売り込みをしているところです.2×4材は、合理的な木割りです.建築用材の寸法も理に適っているのです.
葉種多様なサイズのある日本の製材では、全体の生産性を下げている原因もあるでしょう.JIS、JASの規格の問題がありますが、消費者や現場の担当、設計事務所に対してのイメージ戦略はきちんと実物で示す必要があると感じています.
縮小傾向の市場や同業社競争の激しいところで公共工事や補助金を頼りに細々としているようでは、先が見えています.
ただ、生産品の価格や大きさに対してエネルギーコストが膨大な製材業は、不利な業種であることは事実です.膨大な敷地と高い電力やエネルギーを使わないとできない製材業が、生産性をいかに高めるか頭を悩ます問題です.
ところで製材所はバタバタ潰れていますが、本当に経営は苦しいのでしょうか。運転資金にも困るほど?
なんとなく殿様商売している雰囲気があって、隠し資産でもあって悠々自適に経営しているように感じてしまう。経営が苦しければ、もっと工夫すると思うのですが。
製材所自体も港や鉄道の近くだけでなくトラックの搬入ができれば山でも構わないようですし、高くで売って他の事業や別の場所で、はじめた方もいるようです。
私が思うに民間の小さな資金でできる規模の製材所は、人件費、土地代、機械の償却費や電気代などとてもまかないきれない状況なのではないでしょうか。規模を大きくし単価を下げ製材量を増やす方向に走っても無理はないと思います。熾烈な過当競争に打ち勝つ製材所が生き残れるというサバイバルでしょう。
その中で第3セクターのような製材所は、動きがどうしても鈍くなってしまい、需要が小さくなるシェアの中で後発組みの利点を生かしきっていないように思えます。
すべての製材所がそうだとは言い切れませんが、今までのような経営(木材バブル時代)をしている製材所が淘汰されているのが現状でしょう。
でも、悲しいもので最先端で経営や手法、販路を切り開いたからといって生き残れるものでもない業界でもあります。
この業界は、流通の部分がかなり遅れていると思います。
もう製材所の淘汰は終わった状態でしょうか。大規模化して生き残るか、資産を食いつぶしているのか…。
外材も製材された状態で入ってきますからね。