昨年末、新幹線の中で速水林業の速水さんと席が隣り合わせになったと書いたが、その際に、「近く画期的な林業施策を発表する」と聞いた。
その内容は謎のままだが、そこに
「三重県紀北町の速水林業(速水亨代表)が、育林作業の省力化と短伐期木材生産を可能にする新しい技術開発に着手している。核心は、1年1m(ワンイヤー・ワンメーター)の高成長を示すスーパー苗木の植栽。下草より先に成長するので、下刈りが不要になる。」(WEBサイト J-FIC)
と載っていた。これか?
しかし、このスーパー苗木とは何だね? 私が『「森を守れ」が森を殺す』で紹介した3倍速で育つ水気耕栽培苗とは違うものか? この苗は、島根県で発明されて、千葉に省力林業研究所まで設立されたものだ。3年で5mまで伸びて、年輪も30本以上入る(偽年輪)という不思議な苗。国も興味を示し、いくつかの場所で植栽したが、効果のあるところとないところが出ている、と聞いていた。その後の情報はないが、伸び悩んでいる様子だ。
まさか速水さんが、今頃これに注目するとは思いにくいのだが、1年1mの苗はどこで開発されたものだろうか。いくらネットで探しても見つからなかった。
もう一つ、ヒントがある。速水さんは、アフリカに言って、思いついたと言っていた。それはロバの利用である。植林のために苗を山に運ぶのは、これまで人力だった。作業道から外れて、植栽現場までは機械化できない。そこで、ロバの背に乗せて運ぶことをアフリカで見たのだそうである。
さっそくロバの調達をしようと思っているそうだ。
どちらも面白いが、前者はハイテク、後者はローテク。でも、日本の林業全体を変えるほどの画期的なものかなあ。
誰か、知っている人、情報ください。
私が新採当時(12年前)、県内数カ所に水気耕苗を、美濃地さん立会のもと植えたことを覚えています。
県としてもデータ収集していたはずだと思いますので、水気耕栽培のその後については調べて見ようと思います。
速水さんが取り組まれている苗は一体何なのか、本当に興味がありますね。
ネックは、1年1mだけど、10年で10mではないというところでしょうか。いや、下刈りの手間減らすだけなら、とりあえず2mまで行けば十分なのかな。スギじゃなくてヒノキってのがポイントでしょうか。
温暖化対策という観点からだと、スーパー苗木が救世主となる可能性は高いと思います。
ロバ、おもしろいですね。ロバは葉っぱ食ったりするんですかね。ウシで下刈りの代わりさせてる所もあるみたいですけど。
これなら、単に選抜で成長の早い個体を選んだだけで、あまり画期的ではない。だいたい早く成長するだけなら、年輪幅も広くなるから、強度もないし、木材の価値も上がらない。
水気耕苗の場合は、偽年輪が出ることで、強度も確保されたのだけど。
やっばりロバか? いっそニホンジカとかニホンカモシカを訓練できないか?
昨秋、「iju info」という雑誌の取材(インタビュー)で速水さんに会いました。そのときはアフリカから帰ってきたばかり。ロバのこともおっしゃっていました。
速水さん、本気でロバに苗を運ばせると思う。苗は、ロバのアイデアをアフリカに行って思いつくずっと以前から開発に取り組んでいる「特別」なもの。
通常根に土を付けて苗を運ばないといけないが、それが「重い」。だから、少量の土で済むような苗の開発を行っているということでした。
きっとそれをロバに運ばせるんでしょう。
また、今はパンパースに使う水溶性保湿剤を根につけることで、1週間から10日位根に風が当たっても大丈夫だったと思いますが。だいぶ昔に聞いたことなので、自信がありませんですが。
とくに吉野では、商品名ライフパックと呼ぶポリエチレンのシートに苗を包んでいます。すると活性を抑えて植物を休眠状態にするもので、苗は1ヶ月以上水を与えなくても持ちます。
そしてヘリで造林地に運んでしまうので、あまり輸送に苦労していませんね。
ちなみに私も、ライフパックから取り出した土なし苗を担いで、植林したことがあります(^o^)。
ヒノキの森に、ロバの闊歩。絵になるとよいのだけど。