久しぶりに森林認証制度について。
今の日本にある制度は、FSC(森林管理協議会)とSGEC(緑の循環認証制度)の2つだが、前者は国際組織、後者は日本独自のもの。FSCは2000年に日本で初めて始まり、SGECは2003年に発足。
さて、現状はいかがだろうか。
現在のFSCは、日本は認証面積27万,685ha、認証事業体数は24カ所。(ただし世界で72カ国、836カ所、認証面積7646万1,834ha。)
SGEC認証取得森林は、約20万4872ha、15団体だ。
後発のSGECが猛追しているように感じるのは私だけだろうか。また製紙会社など大企業が多い印象がある。
もっとも、それは仕方ないかもしれない。単純な言い方をすると、FSCは優秀な森林(人工林)を認証してクローズアップするもの、SGECは合法的でまっとうな林業地であることを認証して全体のボトムアップを計るものだから。SGECの方が取得しやすいのは間違いない。
今後、認証面積が逆転することはありえる。
ただ面白いと思ったのは、FSCではNPO法人緑のダム北相模が取得したこと。面積は、たった41ha。スギ、ヒノキの人工林だそうだが、NPOが取得したことも珍しければ、この小面積も画期的。通常は1000haくらいないと採算が合わないはず。
本当はSGECの方がNPO向き(審査価格も安いし、NPOのための条項もある)なのだが、とったのはFSCなのである。おそらく、商業ベースで活動をしていないから、「優秀な森林」のお墨付きのつくFSCの方が価値があると考えたのだろう。
逆にSGECは、取りやすさもあるが、木材取引の中で環境に配慮しているという証明としての認証が欲しくて企業が選んだのではないか。
今後、この二つがどのように棲み分けるか、ちょっと注目だ。
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