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森林ジャーナリストの裏ブログ

表ブログに書けない、書く必要もないドーデモ話をつらつらと。

里山蜜源化計画

2006-03-20 00:40:55 | 政策・行政関係

吉岡養蜂店に行ってきた。例の「アカシアを外来種指定するかも」問題(1月27日ブログ)に関して簡単な記事を書いて掲載されたので、届けに行ったのである。

そこで再び養蜂家と蜜源問題を雑談したのだが、今注目しているのがヘアリーベッチという植物。これも外来種なのだが、秋に種子を播くと、ずっと繁って地面を被覆する。そして春に花を咲かせてから枯れるものだ。この植物が繁茂すると、ほかの草木は生えない。しかし春先に枯れるから、農作物には影響せず、耕作によって野生化しないから、外来種の増殖というアカシアと同じ問題には該当しないはず。

このヘアリーベッチの花からは、なかなか上品な蜜が採れるので、レンゲやアカシアに変わる蜜源にできないかと模索しているわけだ。

そこで私は考えるのだが、全国で放棄農地、とくに棚田が荒れることが問題になっているところにヘアリーベッチを播いて、同時に養蜂の蜜源に育てられないだろうか。

これまで蜜源問題だけを主張しても、一般の人に訴える力が弱かった。しかし、農地の荒廃問題とセットにすることで、地主にもメリットがある。ヘアリーベッチは、豆科であるため土壌に窒素分を増やすから、春以降耕せば肥料効果もある。

題して、里山蜜源化計画。いかがだろうか。


疏水百選

2006-03-18 14:33:01 | 政策・行政関係

農林水産省が、「疏水百選」を選定したそうだ。

 「疏水」とは、人間が灌漑や水運などのために通水させた人工的な水路のこと。運河、用水路と言ってもよいが、トンネルを掘ることもある。その延長は40万kmにも達しているそうで、単なる利水を越えて、景観や文化、そして自然環境も育んでいる。

今回の選定は、全国から公募した499地区を有識者とインターネット等による投票によって最終的に110地区に絞ったもの。百選と言っても、100を越えている。

農水省だけではないが、官僚は「○○百選」がお好きなようだ。たしかに棚田百選、名水百選などのように、選定によって注目され、また選ばれた地域にとっては誇りとなり、その後の保全が進むようになった例もある。その効果を狙っているのだろう。先人の建設したものの価値を再評価することで、現在建設中のものにも目を向けてもらうことも考えているはずだ。

そのうち雑木林百選、人工林百選も登場するかもしれない。さらに悪のりして、ダム・ダム湖百選とか、護岸工事百選も選び出すのではないか。

選ばれた中で有名なのは、琵琶湖疏水だろう。だが私は、三重県のまんぼが気になる。これは、地下を掘り抜いた疎水で、中近東の砂漠にある地下水道カレーズを思わせる。一度、あの中を歩いてみたい。
昔は自然の洞窟ばかり行っていたが、今では人工の穴の方が、作った人々の思いなどロマンがあるように思えてきた。森も、天然林より人々が関わった森の方が想像が広がる。


 


山村力(やまぢから)

2006-03-16 16:13:56 | 政策・行政関係

林野庁が、平成18年度の新規事業として「山村力(やまぢから)誘発モデル事業」を創設した。

なんとも妙なネーミングだが、その意図するところは、「山村地域と都市住民の連携により、山村再生ビジョンの策定など山村への定住者確保につながる様々な取組の中から、全国的に先進的な取組を募集・選定・支援して、山村地域の活性化のモデルとして全国に普及啓発していくこと」だそうだ。ちなみに概算決定額は、1億2500万円。

某筋に、これに応募しないか、と提案された。そのテーマは、龍神村のチェーンソーアートによる地域づくり構想である。なるほど、結構あてはまるじゃないか。

でも、龍神村のチェーンソーアートは、実は今年度「森業・山業創出支援総合対策事業」というのに申し込んで、採択されているのですよ。

「森業・山業」というのも凝ったネーミングだが、こちらの狙いは、全国各地の山村で「森林資源等を活用した新たな産業」(森業・山業)の創出である。林野庁が、森林資源等を活用した将来性・持続性のある優良な事業プランに対して支援を行うもので、30の事例の中に入っている。不肖、私も少し関わっている。

で、次は山村力か(笑)。次々とよく似た事業を考え出してくれるねえ。

でも採択されたら、また補助金を利用して何かできるぞ。


長伐期か短伐期か

2006-03-15 16:47:08 | 政策・行政関係

本ブログの昨年9月12日に「日本の森林を考える」という会員誌について紹介した。
その27号が届いたのだが、その巻頭記事に『最近の「長伐期」ブームを憂慮する』と題して、遠藤日雄・鹿児島大学教授が寄稿していた。

これって、2月1日に私がこのブログで記した「今後は短伐期施業の方が向いているではないか」という記事と同じ論じゃないか。 と思って読み始めると…
なんと、このブログのことが紹介されていた

取り上げているのは11月17日に書いた「森林総合研究所」のこと。
ちなみに遠藤氏は、元森林総研の出身です。冷や汗。

ちなみに記事では、歴史的背景や詳しいデータなど情報を検証した上で、世界の趨勢は短伐期施業に移行しつつあることを 証明している。そして猫も杓子も長伐期を推進することを批判している。

なるほど、そうだったんだ。やはり短伐期であるべきなんだ。何ら検証せずに思いつきで「短伐期にすべき」と喝破した私はエライ(~_~)\(-_-メ;)コラコラ


国有林売却!

2006-03-14 23:56:01 | 政策・行政関係

ちょいと、目を国会に向けてみた。

本国会の注目法案である「行政改革推進法」は、国有林野事業特別会計を「その一部を独立行政法人に移管した上で一般会計に統合することについて、平成22年度末までに検討するものとする」そうだ。

わかりにくいが、ようするに特別会計をなくしたいが、なくせるかどうかわからない、ということか。

もう一つ。財政赤字を減らすために、国の資産売却を一部閣僚が唱えている。しかしアメリカ国債を売却できるとは思えないし、したって赤字国債の返済には使えないだろう。河川や道路も無理である。
売れるものは、土地くらいのものだ。そして土地となれば、林野庁所管の国有林地が圧倒的な面積である。

国有林の叩き売り! でもたいした金額にはならないだろうし、買手も見当たらない。地方自治体に買わせるか。そのために交付金出して(原資は赤字国債だったりして)。
でも、本当に国有林が必要か、考え直してみてもよいかもね。今の林野庁は、不在地主に似ているから。

 


バイオアルコール

2006-03-08 18:01:43 | 政策・行政関係

先日、テレビで「砂糖の価格が上がっている」という紹介をして、その理由として産地(中国・ブラジル・インドなど)が天候不純で不作だったことと、もう一つ世界的にバイオアルコールをサトウキビから作っているためだと報じていた。

バイオアルコールとは、ようするにエチルアルコールである。砂糖を分解して発酵させてつくる。この使い道は、燃料だ。すでにブラジルでは何十年も前から行っているが、ガソリンに混ぜて燃焼させるのである。
世界的な石油高騰から、この混合燃料が普及し始めている。さらにバイオプラスチックもつくられているという。。

しかしだねえ。なんでアルコールをサトウキビからつくるの。それも日本が研究しているように砂糖を取った後の廃糖蜜からではなく、サトウキビそのものから。

糖を発酵させるなら、木材でも十分できる。木材のセルロースを分解したら果糖ブドウ糖などになるからだ。
本来この手の新エネルギーは、廃棄物からつくるべきであり、廃木材などはぴったりの原料だと思うがなあ。

そういえば燃料電池で必要な水素も、石油・天然ガスから取るのが主流だが、こちらも木材を原料にしてほしい。


森林環境税と都市住民

2006-03-05 00:41:45 | 政策・行政関係

この4月から全国各地で「森林環境税」がスタートする。

その点については、すでに幾度か触れているが、先日、朝日放送の「ムーブ」という夕方の番組で取り上げていた。主に奈良県を例に、森林の状況や新たに課税することの意味を紹介していたのだが、それに対するスタジオの反応が面白い。

民有林に税金つぎ込んで、他人の財産を増やしてやるの?
課税すべきは、県民ではなく森林所有者だ。森林を持っていれば、ちゃんと管理する義務が生じる」

なるほど、面白い。いかにも都市住民の発想である。そして事実関係は正しいと思う。実は私も、同種の感想を述べたことがある。

でも、なあ。いまさら何言ってんの、とも思う。森林環境税がなくても、すでに民有林にはジャブジャブ税金つぎ込んでいるではないか。その事実も知らずに、今回の新税だけに文句を付けてもしらける。

ただ重要なのは、都市住民は想像以上に冷やかという点だ。
ギブアンドテイクの意識が強いのだろう。森林所有者が、何のペナルティもなしに税金をつぎ込むことに反感を持つ。

やはり所有権と利用権の分離が必要ではないか。自分で管理できない森林は、公的機関が税金で管理する。その代わり所有者の権限を弱め、納税者が口も出せる形をとらないと、都市住民と対等に論じられないのではないか。


アカシアが消える!?

2006-01-27 12:06:23 | 政策・行政関係

生駒産の蜂蜜を買いに行って、養蜂家と少し話した。

なんと、アカシアが消えるかもしれない

正しくはニセアカシア、和名ハリエンジュ。北アメリカ原産で、生長が早く大木になる木だ。街路樹や治山、緑化などにも多く使われている。しかし、何より養蜂の蜜源なのだ。非常に上品な蜂蜜が採れる。
ところが、このアカシアが、現在審議中の国会で、伐採して日本から消す法案が進んでいるという。

というのは大袈裟だが、ようするに「外来種特定法」の指定を受けるかもしれないのだ。つまりブラックバスと同じ。指定を受けたら、今後植えることも移動させることもできなくなるし、現在ある木も伐採対象になるだろう。
いや、すでにアカシア伐採の運動は広がっている。各地でアカシアを伐って在来種を植える運動が起こっているのだ。

これが進めば、養蜂業者は大打撃だろう。

これまで補助金をもらって植林してきたのに、一転して追放とは。
だいたいレンゲも、外来昆虫によって激減しているというのに、今度はアカシアを外来種だからとなくしたら、主要な蜜源がなくなる。

さて、どうなるか。これが元で国内の養蜂業者が激減することもあり得るだろう。


林野庁長官が交代

2006-01-25 01:42:14 | 政策・行政関係

連日、大きなニュースが多くてほとんど目立たないが、林野庁長官が1月6日付けで交代した。

知ってる? 知らないでしょう(^^;)

前田直登氏が退職し、後任の新長官は、川村秀三郎・元農村振興局長。

まあ、どうでもよいお役所の人事異動なんだけど、ホント早いなと思う。在任は2年くらいかな。順送りなんだなあ。何か理由があっての異動ではない。それに、林野関係一筋という専門家というわけでもなさそうだ。文官と技術畑出身者が交互に就任する決まりになっているらしい。

それにしても農林業と簡単にまとめてしまいがちだが、農業と林業は、産業的にも政策的にもかなり違っていると思うのだが。

ちなみに会見では、特別会計制度の見直しに上がっている国有林野事業見直しについて「単なる数合わせにならないように」と、やはり反対の模様。

 


森林インストラクター

2006-01-20 16:53:52 | 政策・行政関係

平成17年度の森林インストラクター資格試験の結果が出ていた。

受験申込者は1031名で2年続けて減少したが、合格者は259名(昨年度は249名)と過去最高になったそうだ。女性の合格者は64名(昨年度は55名)で、男性の合格者が横這いで推移する中、3年連続で増加したとのことだが、おそらく合格率は女性の方が高いのだろう。
基本的に、合格ラインに達したら全員合格だから、昨年は受験者のレベルが上がったということになるのだろうか。

ちなみに合格者累計は2402名。これを多いと捉えるか,少ないと思うか。いや、そもそもこの資格を持つ人は、何をしているのだろうか。何かに役立てているのだろうか。仕事に使える人は少なくても、何かNPOの活動などでガイドでもしているのならよいが。
せっかくの資格なんだから、もっと表に出したらよいと思うのだが、どこにどんな人がいるのかも発表していない。私も生駒市で資格取得者を調べたことがあったが、わからなかった。人数さえ把握できない。もっと資格保持者はアピールしてほしい。

私も色気を出したことがあったが、ちょっと問題集を見て投げ出した。こんなもん、よほど受験勉強しないと通らない。
でも、インストラクターとしてなら、知識よりも話し方とか実際の技の方が大切だと思うがなぁ。
以前、草木の名前を知らないまま子供たちをガイドしなくてはならなくなって、その場で勝手に草木に命名したり子供たちにさせている人がいたけど、そうした度胸?機転?の方が大切だ。命名するには、その草や木の特徴を観察する。それが身につくからだ。

 


生駒市の緑は…?

2006-01-15 15:11:42 | 政策・行政関係

生駒市の市長選挙が始まった。
争点の一つが「緑」である。開発か、自然保護か、というよくあるテーマである。

ある候補者のスローガンに「減り続ける緑」という言葉がある。だが、本当に生駒市の緑は減っているのだろうか。『里山再生』にも記したのだが、実は30年前の生駒市の航空写真と現状を並べて展示していたことがあって、それを比べると、現在の方が緑は濃く感じたのだ。

もちろん条件付きだ。
緑の分布に大きな違いがある。市街地の緑はやはり減っている。生駒の市街地は、家々の間に緑地が多いのが特徴なのだが、それはあきらかに減っている。私有地の多くが、宅地やら公園やら施設やら、そして大規模なニュータウンの建設で、開発によって緑は失われた。

しかし、山や農地の緑は濃くなっているのだ。とくに谷間に広がっていた棚田の多くが森林に変わっている。あるいは変わりつつある。山の中の草地も森林化が進行中。とくに尾根筋は、かつてはげ山だったのが、見事に森に覆われた。

厳密な面積の増減は知らないが、市域全体として緑は減っていないのではないか。ただし、住人の周辺では減っている。あるいは藪化している。だから「減り続ける緑」という言葉が登場するのだろう。

その点は、日本の縮図みたいなものである。日本の森林率も森林蓄積も増えている。だが、人の目に触れる緑に問題がある。だから自然が破壊されたと思ってしまう。

もし「減り続ける緑」をなんとかしようと思うのなら、開発反対だけでは駄目だろう。現在ある緑をどのように維持するか、考えるべきである。さもないと、決して人の目に触れる緑は健全にならない。

 

 


森林環境税は緑のファッシズムか

2006-01-06 17:33:18 | 政策・行政関係

奈良県では、2006年度から森林環境税が始まる。自治体の独自課税で一人500円である。この新税が、どんどん全国に広がっている。

高知県が数年前に導入してから、我も我もと林業地帯を抱える自治体が手を挙げ、すでに8県が始めている。今春は、奈良県のほか福島県など5県がスタートさせる。つまり14県になるわけだ。来年度にはさらに増えるだろう。
森林整備に使う目的税という触れ込みだが、いずれも県民税に上乗せ方式で、本当は一般会計に入る。それを基金などに寄付する形をとって森林関連以外には使わないというのだが、本当だろうか。もし一般会計から支出していた森林関連事業費を森林環境税分と同額カットすれば、実質的に一般財源化したことになる。

新たに得られる金額は、年間2億円程度から10億円近くまで達する県もあるようだ。
その使い道も問題だ。森林整備と言っても、その範囲をちゃんと定めた県はあるのだろうか。人工林と天然林の区別さえはっきりしない。高知県は初年度ほとんど広報関連に使ってしまったようだ。すでにある間伐補助金などに上乗せするのでは焼け石に水というか、ようは森林組合などの失業対策費にすぎない。
それにしても、この課税(増税)に反対する声は聞こえない。森林を冠すると、誰も反対できなくなるらしい。緑の御旗を振って行軍すれば、誰も手出しができなくなる。緑のファッシズムである。

私なら、これだけの金額が毎年入ってくるのなら、森林専門の大学校を作るとか、木材用の巨大ストックヤードを建設して、県産材の安定供給を推進するなど、もう少し長期的な使い道を考えるのだがなあ。


「緑の雇用」予算が復活

2005-12-26 23:59:15 | 政策・行政関係

来年度予算から一度は消え去った「緑の雇用担い手対策事業」の予算が大臣折衝で復活したそうだ。67億円である。

これで多少は延命したが、いつまでも続かないのは想像できる。
むしろこの数年間の猶予のうちに、すでに雇用した人に仕事を自前で作る算段をしておかなくてはならなかったはず。だが、何もせずに補助金を食っていただけで終わらせたところが多いのではないか。

事実、各地の森林組合で首切りが始まっているそうだ。正雇用を臨時雇用に落としたりもする。しかし、本気で仕事を作る努力はしたのかなあ、と思う。じっと仕事が来るのを待っていたのではないか。そして補助金の枠内でしか仕事をしなかったのではないか。
いっそのこと、緑の雇用の都会の人を、営業に出したらどうだろう。得意な人材もいるのではないか。森林所有者に見積もりを出して、整備を勧める。地球環境問題から国産材を使う愛国心、そして地域の文化を守る栄誉まで営業トークを駆使して、山仕事を発注してもらう。意外と安くできるのですよ。こんなに荒れた山が、たった○○円で、ほらこんなに美しくなる! とビフォーアフターの写真を示す。案外、仕事がどんどん取れそうな気がしてきた(笑)。

田舎暮らしを求めて山村にやって来て、林業職に就く人は、山仕事をせずに、町に営業に出されたら反発するかな。


緑の雇用事業の収支

2005-12-21 14:33:59 | 政策・行政関係

来年との「緑の雇用担い手対策事業」の予算はゼロ査定だった。今後、復活折衝で再びつくかどうかわからないが、ともあれ緑の雇用も曲がり角に来たということか。

実は、先日の富山行では和歌山県の龍神森林組合の某君と一緒だった。彼は、緑の雇用の人々の講師役も勤めていた。
和歌山といえば緑の雇用の発祥の地であり、桁違いの人数を受け入れている地でもある。そこで現状を聞いてみたのだが、この2年間で400人以上を受け入れた。これだけの人数が町から山村へ移動したわけだ。もっとも現在残っているのは200人ほど。

では、この事業が打ち切りになり、国の補助金が出なくなったらどうなるのか
まず林業の技術を身につけて、今後も林業職につくであろう人は約2割。40人ほど。
加えて、林業かどうかわからないけど、結構地元に溶け込んで暮らしていきそうなのは1割強。20~30人というところ。
自分で仕事を作ってでも山村暮らしを続けそうなのは10人もいない。

合計70人弱。つまり四百数十人のうち、これだけの人数が残りそうと予想した。
おそらく全国的に見ても、残るのは雇用したうちの2~3割程度だろう。

これは結構多い数字ではなかろうか。これまで年に数人しか新規就業がなかった山村に、これだけ新たな人材が入ったのだから。

ただ、いくら残る意志はあっても、食っていけなければ山を下りるしかない。
自分で食っていく才覚のありそうな10人足らずをのぞいた人々に、森林組合や行政が仕事を与えることができるかどうかがポイントだ。

 


国有林野事業特別会計

2005-12-16 00:19:53 | 政策・行政関係

自民党は、「特別会計整理合理化計画」の一環で、国有林野事業特別会計を5年後に一般会計との統合と独立行政法人化を検討することを決めたらしい。

最近話題にならないけど、この国有林関係の特別会計、3兆8000億円を超える赤字を抱えていた。数年前にそのうち2兆8000億円を税金で面倒見ることになった。残り1兆円も、たしか50年くらいかけて返すはずだけど、返せるかどうかわからない……という状態だったと記憶している。今回の計画も、借入金の処理等を考えつつ決めなくてはならない。

もともと国有林の特別会計は、森林で稼いだ金は(政府に取られないよう)森林に返すことを趣旨として作られたはずである。事実、戦後の木材景気の頃は、非常によく儲かっていて、膨大な黒字をため込んでいた。そのため林野庁は湯水のごとく使ったのだが……、時は移り変わり、どんどん赤字を垂れ流すようになってしまった。

もっとも記録を見ると、結構いい加減である。黒字のときは一般会計に貸し出しているし、赤字になると何かと一般会計へつけをまわしている。たとえば保安林の造林や管理費とかマツクイムシ防除、国立公園内の森林管理などだ。これでどこが独立採算だ、と言いたくなる。

今回も「検討する」とあやふやな言い回し。それに一般会計にしたから赤字が減るとも思えない。むしろ拡大する恐れだってなしとは言えない。
どうせなら、公務員が直接金のやりとりする林業から手を引けばよいのに。