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森林ジャーナリストの裏ブログ

表ブログに書けない、書く必要もないドーデモ話をつらつらと。

「FSC日本」の設立

2006-12-06 12:20:10 | 政策・行政関係

NPO法人日本森林管理協議会の設立が決まった。

ようするに、FSC(森林管理協議会)の日本版である。FSCは、本部をドイツのボンに置く国際的NPOで、森林認証制度を運営している。森林認証審査機関の認証?を受け持っているが、その日本支部みたいな関係だろう。
具体的に何をするのか、まだ伝わって来ないが、おそらく日本版の認証基準づくりや認証審査の広報・相談窓口的な役割を果たすのだろう。

実は、このニュースは先に新幹線の中であった速水さんからも聞いていたし、以前あった森林認証制度研究会が設立に向けて動いていたことは知っていた。ようやく形になった、ということか。

 

そういえば最近では、SGEC(緑の循環認証制度)の認証面積が伸びていて、そろそろFSC認証を追い抜いたかもしれない。業界大手が主導するだけに、SGECは面積は伸びやすい。速水さんからは、こちらの認証組織に関する裏話も聞かせていただいていたよ(笑)。

私も、SGECのうさん臭さは感じている。なにしろ認証審査の項目は、その場で作ってもよいというし、基準に達しなくても改善計画を出せばよいという。おいおい、これでも審査なのか? と言いたくなる。
ちなみに、たいていの認証森林は、最初は基準を満たさず改善計画を出すことで認証をもらっているらしい。

もっともこの事実は、SGECより厳しいFSCの認証を、大多数の日本の人工林は認証を取れないことを暗示する。その点では、とにかく認証森林の肩書がないと困る森林所有者にとっては重宝だろう。
私も、優良森林を認証するFSCと、底辺の底上げを図るSGECに棲み分けたらよいと思っている。少なくても、どちらもトレーサビリティの確保には役立つ

ちなみにFSC日本の代表は、太田猛彦・東京農業大学教授。来年1月22日に、発足記念シンポジウムを東京大学弥生講堂で、「木を伐って森を守る」をテーマに開催するそうだ。

 

 


MSC水産物認証制度

2006-11-29 12:09:43 | 政策・行政関係

ちょっと森林・林業からは脱線するが……。

新聞のベタ記事によると、イオングループが、MSC認証を受けた水産物を取り扱い始めるようだ。

MSCは、海洋管理協議会。環境に優しく持続的な水産業を認証する機関である。まあ、このプログ読者なら、FSC森林認証制度の漁業版と行った方かわかりいいか。もともとFSCを真似て設立した経緯がある。

すでに欧米ではかなりの広がりを持つが、日本ではまだ認証された漁獲団体は一つもない。ただ、京都府機船底曳網連合会(舞鶴)が、ズワイガニやカレイ類で審査を受けている。築地の店には、先に扱う商店もあった。

実は、私は今年の春先にしっかりMSCを取材している。マグロ資源の枯渇と漁獲制限の動きも、すでに知っていた(^-^)。ちょっと、自慢モード。絶対、今後注目されると思い、このことを企画提案しても、動かなかった編集部は遅れているなあ。

 

森林認証制度と似ているが、審査は、森林よりはるかに難しいだろう。それでも挑戦したことには敬意を評する。ただ、MSCを環境団体と捉えない方がよい。はっきり言って、持続的漁業を行うための方策だろう。

結局、なんでも第三者機関の審査を受けないと証明されない時代になったのだ。FSCより遅れて動きだしたのに、マスコミの注目度は、林業より高い。扱うものが、食料だからだろうか。また漁業関係者の方が意識が高そうだ。林業界も、のんびりしていたら追い抜かれるだろう。


木材を地域通貨に

2006-11-25 01:18:50 | 政策・行政関係

ものすごい経済を思いついた。

林業が不振なのは、木材の価値が高まらないからである。木材の価値を付けるのは、経済である。経済を動かすのは、通貨である。通貨の価値は、現在は変動相場制である。だが、つい最近までは金や銀で裏打ちした兌換制度だった。
ならば……木材の価値を(不換)通貨で語るのではなく、木材を通貨にすればよいのではないか。木材の量で通貨発行量を決める。通貨は木材と交換できる。コインは木製にして、紙幣は兌換木券だ。

 

これぞ、木本位制度。通貨制度を変動相場制でも金本位制でもなく、木本位制にするのだ。

こうなれば、木材を生産すれはするほど、出荷すればするほど、金回りがよくなる。木を多く使った家は金持ちだし、木を植えたら財産が増える。国際貿易も、木材で決済する。金(木)持ち国は、二酸化炭素の固定にも貢献したことになる。

森林大国ほど豊かな国だという証明になるのだ。えっ? 砂漠の国は、砂本位制でも石油本位制でも敷いてくれ。

日本は、森林が豊富な国と計らって、この木本位制を実現してほしいのたが、一朝一夕にはなるまい。まあ、時間がかかれば、木は生長して財産が増える(^o^)。
が、その前に、とりあえず地域通貨で試してみるのはどうだろう。

 

各地に地域通貨が誕生しているが、これが十分に流通しないのは、不換通貨だからである。通貨は信用が第一だが、政府が保証しない地域通貨は、価値を裏打ちできない。しかし木本位制の地域通貨なら、いつでも木と交換できる。これなら価値の保証が可能だ。貯まれば家を建てることができるかもしれない。

その代わり林業家や製材所は、銀行業務をしてもらう。木通貨による証券市場や為替市場も必要かもしれない。

重要なのは、木本位制の元では、二種類の通貨(銀行券)が出回ることだ。生きた樹木による兌換生木券と、伐採して貯木してある兌換材木券である。生木券は、年々太って利子を生むが、材木券は加工して付加価値を付けることができる。

この木本位制に賛同する国民は、どちらかを選んでマネーチェンジする。利子を得ることを狙うか、加工後の価値の増加を信じるか。木銀行家となった業者は、この預けられた資金(発行した銀行券)をどのように運用するか頭を絞る。さらに生木券と材木券の交換レートを発表して、利ざやを稼ぐ。これも才覚次第だ。

この生木券を大量に取得したら、立木トラスト的に森林オーナーになることもできる。

材木券は、この券を求める人(木材を必要とする人)を探して来ることによって、円(日本の不換通貨)と交換して利益を上げられる。中国の元と交換してもよい。

いやあ、新しい経済理論と金融政策が次々と浮かぶなあ
最後に狙うのは、木本位制国家の設立だ。


二酸化炭素吸収のコスト

2006-11-23 23:39:57 | 政策・行政関係

日本が地球温暖化防止条約で公約した二酸化炭素削減量だが、3,8%分、林野庁の森林吸収量目標(1300万炭素トン)を達成するために必要な追加額の試算値というのを見ると、笑える。

昨年度は、約2200億円の追加事業費が必要としていた。

それを今年決定した「森林・林業基本計画」に基づく森林整備にすると1300~1400億円

森林整備を間伐に限定し、低コスト作業道に切り替えれば、追加事業費を1000億円まで縮減できるんだそうだ。

なんだか、バナナの叩き売りみたいだ。いや、不動産販売の手口か。どんどん下がって、ものすごく得した気分にさせる。

でも、実際に予算につくのは、この何分の1かなんだろうな。誰か、予算書を読んで教えてください。

 

森林による二酸化炭素吸収分のカウントは、極めて政治的なもので、何ら科学的ではないが、それでも間伐していない森はカウントしないぞ、と脅かされたら仕方ないか。いずれにしても、金をかけないと二酸化炭素を削減できないことになるが、この金(税金)を得るためにかかるコスト、とくにエネルギーを二酸化炭素排出量で計算したらどうなるだろうか。税収が増えるためには産業が活発になってもらわないといけないが、それで石油の使用量が伸びたら、二酸化炭素の排出も増える。

そういえば同じく二酸化炭素削減が目的のバイオマス燃料(エタノール)は、その生産でかなり化石燃料を使っている。トウモロコシ、サトウキビ、大豆などを栽培するためにコンバインやトラクターを使うからだ。その収支を計算すると、アメリカではエタノールは赤字らしい。

さあ、どうする?


クローズアップ現代で森林環境税

2006-11-22 12:32:28 | 政策・行政関係

月曜日のNHK「クローズアップ現代」で、地域の新税の動きとして、森林環境税が紹介されていた。おそらく全国放送で森林環境税が取り上げられるのは珍しいはず。

以前から感じていたのだが、この税は、東京や大阪などマスコミの拠点のある大都市にはない。だから興味がわかないらしい。私も幾度か、この税について取り上げないかとマスコミに企画を出したが、反応は悪かった。所詮、田舎の税金と思っているのだろう。

この番組では、神奈川県の水源環境税の動きを紹介していた。横浜が含まれると動きだしたか。。。でも、神奈川県では、かなり住民参加で議論を進めているようだし、その点では、ほとんど議論がなかった奈良県など現施行県に比べるとよいかも。

ほかにも駐輪場税とかごみ袋税などの動きも紹介されていたが、ようするにこの手の税金(地方自治体の独自税)は、目的税なのがよいのではないか、という感想が語られていた。一般税にされると、どこに使われるかわからない。その不信感もあるのだろう。
たしかに森林環境と狭めた使い道を示すことが、施行地域の市民の意識を高めるかもしれない。

しかし、森林環境税も、その使い道はよくわからない。いっそ、人工林間伐税とか、木材搬出税、環境意識広報税、里山再生税、森林ボランティアお助け税…なんて、使い道をもっと限定するとよいかもよ。

 

ところで、この番組の後の「釣瓶の家族バンザイ」だったっけ、で和歌山県みなべ町を訪ねていた。そして藤波辰巳氏が、紀州備長炭の現場を訪ねていた。彼の父は、炭焼きをやっていたのだそうだ。

その後は、「のだめカンタービレ」を見た(^o^)。

 


補助金の謎

2006-11-06 23:41:01 | 政策・行政関係

よくわからないので、誰か教えてほしい。

 

林野庁の補助金に、「森業・山業創出支援総合対策事業」というのがあるのだが、そこで申請して通った(昨年)人のところに、妙な文書が届いたそうだ。

それによると、「事業が成功し収入が大きくなった場合には、基準以上の収入は、国庫に変換を求められる」というのだ。

この補助金、ようするに林野関係で新たなビジネスプランを立てて起業する者への応援という意味がある(と解釈していた)のだが、儲かると金返せ、となるのか?
支援ではなく融資か投資みたいなものだったのか?

しかし、それでは、誰も真面目にビジネスにできない。むしろ失敗して返せないことにした方がよいことになる。申請する時も、もしかしたら返さないといけないと思ったら、リスクが生じて申請しにくいだろう。いや、申請する気がそがれる。

 

実際のところは、成果報告の売上高の範囲を“調整”して、黒字にならないようにしてしまうようだが、それでは帳簿操作を勧めているようなものだ。あまりに馬鹿げた話ではないか。
しかも、申請時にはそんな説明は一切なく(それは先方も認めているらしい)、窓口が今頃、実施要領を確認して気づいたらしい。それじゃあ、先方のミスであり、インフォームド・コンセントに欠ける。極端に言えばサギまがいだ。

国の補助金とは、みんなこんなものなのだろうか。誰か、教えてくれ。

 


聞き書き甲子園

2006-10-22 11:37:02 | 政策・行政関係


「森の“聞き書き甲子園”」というのを知っているだろうか。


林野庁やら文部科学省やら国土緑化推進機構やらが行っている事業で、今年で5回目になる。ようするに森(というより山村)の生活に関わる仕事などの技術保持者を「森の名手・名人」として認定し、その技や成果を全国の高校生が聞き取るという行事である。
林野側からすれば、消えつつある技術の記録と伝承のため、聞き取り側には青少年の健全育成を目的とする。もともとはアメリカで行われていたフォックス・ファイヤー(狐火)という事業で、伝統の技を若者に聞き取らせることで教育効果と伝承の足掛かりにするものだ。

毎回100人ずつ認定されるから、これで500人の名手・名人が生まれ、それを500人の高校生が聞き取りをした(する)ことになる。すでに過去の成果は、本にもまとめられている。
たしかに聞き書きする側からすれば、ためになるだろうな、と思う。ちゃんと聞き取り技術の研修も行われ、取材経費も出るのだからオイシイかもしれない。取材経費に四苦八苦している身としては、私も参加したいくらいだ(^o^)。

まあ、実際のところ、山側(聞き取られる側)にあまりメリットはなく、町側(聞き取り側)が喜ぶだけのような面もある。森林ボランティアと同じだ。それでも名誉とやる気をもらえるのだろう。

 

さて、吉野まるごとプロジェクトのメンバーである福本雅文氏が、この名手に選ばれた。大径木の伐採技術保持者として。神奈川県から女子高校生が聞き取りに来るそうだ。

いつか、このブログに書き込んだ「超絶・吉野林業の技」研修ツアー計画も、彼あっての企画だ。寸分の狂いなく大径木を思った方向に倒す技、幹の隣に岩がある場合、それを飛び越えて倒す技……などを披露してもらう計画だが、そこに聞き書き甲子園も参入してきたことになる。こちらも「森の名手・名人」が講師ということでハクが付くかも。
またツアーだけでなく、ビデオ撮影などを考えているのだが(DVD化予定)、甲子園に便乗するか。

でも聞き書きする高校生、林業をわかっているのかな。しっかり勉強してから来てよ。さもないと我々がいじめるかもしれない( ̄ー ̄)。

 


「違法伐採」対策の裏側

2006-10-11 23:33:40 | 政策・行政関係

会員制寄稿誌「日本の森林を考える」が届いた。

トップ記事は「違法伐採と国際論議」というもので、林野庁の後藤健氏が寄稿している。違法伐採対策が、国際社会で急に盛り上がった経緯などが紹介されている。

アメリカが世界森林条約を潰すために、自然保護団体と取引して違法伐採対策を持ち出したという話は、なかなか面白い。そうした動きをいち早く捉えた松岡利勝議員が動き、一気呵成に作り上げたというが、そのおかげか松岡議員は今回農林大臣に。
林野庁の職員が大臣の功績をほめても、眉に唾の部分もあるが、なるほど、世評とは違った面もあるのだと感心。(マスコミでは第二の鈴木宗男扱いだからね。)
実際のところ松岡議員は林野庁出身者。議員の中では数少ない林業通が大臣になったことは喜ぶべきか。

 

さて、私は今回の号に、ICタグによる木材流通の可能性について紹介した。ただし編集者は、あまり意味がわからなかったようだ(^^ゞ。そういえば、発案者がこのICタグを林野庁に持ち込んでも、まったく相手にされなかったと聞いている。林野庁も、ITとか物流、金融などに詳しい人は少ないのだろう。もっとも、マツを広葉樹だと思っていた林野庁職員もいるというから、何が得意分野なのやら……。

しかし、会員読者の中には詳しい人もいるはず。期待しています。

 

 


木材自給率の数値

2006-10-06 14:27:48 | 政策・行政関係

昨年の木材自給率は、これまで速報値で20.2%としていたが、結果的に20.0%となった。これが確定値だ。

ちょっぴり減ったのは残念(^^;)。でも、7年ぶりの20%台の回復には違いない。国内木材生産量(1,717万6,000m3)が3.8%増で、輸入量(6,868万1,000m3)が6.2%減だったそうである。

建築業界だけでなく、合板業界も国産材へシフトしていることだし、今後もしばらくは伸びるだろう。

 

ところで、京都議定書では、日本が1990年の二酸化炭素排出量より6%削減する公約があるが、そのうち森林吸収量を3,9%まで認められるということを知っているだろうか。
だから森林整備にやっきになる状況も生まれるのだが、計算し直したら間違いが見つかったらしい。1990年の総排出量が約600万トン増の12億6,100万CO2トンに修正したのだ。そのため、森林吸収量の割合は、3.9%から3.8%に下がってしまったのである。量の1,300万炭素トンは変わらないそうだが、この手の数字は案外簡単に変わる。


外材の駆逐手段

2006-09-27 12:16:09 | 政策・行政関係

「明るい」シリーズ? の第三弾を思いついた。本当に思いつき(^^ゞ

 

外材を駆逐する方法である。簡単だったのだ。

トレーサビリティなんぞを持ち出すと、国産材も案外いい加減だから進まない。もしかしたら国産材が駆逐されるかもしれない(-.-)。


そこで提案するのが、樹種を明確に表示させることである。

日本の木材は、スギ、ヒノキ、マツ、カラマツくらいか。見る人が見たら、簡単に区別できる。ヒバやサワラなどは量的に少ないから混入の可能性は小さい。

ところが外材の名称はいい加減だ。米材なんて、一体何種類の木が混じっていることか。ベイツガ、ベイマツなんて木はないのだ。さらにSPF材とかヘム・ファー、ヘム・タム、Dファー・エルなんて名称があるが、これらは何種類もの木を混ぜたもの。(たとえばSPFはスプルース、パイン、ファー、つまりトウヒ類、マツ類、モミ類。)ホワイトウッドだって、ラワンだって一種類の木ではない。
欧米人は、樹種に対しての愛着が弱いようだ。最初から各種混ざっていることを気にしていない。

しかし樹種が違えば木材の質も違う。仮に実際の使用に問題のないレベルであっても、日本人の感性からして、樹種を間違って表示されているのは気持ち悪いと感じるはずだ。そこで不当表示になると主張して、全建材に明確な樹種表示を求める。国産材はすぐに対応できるが、外材は大混乱になるだろう。いや、明確な表示なんぞ不可能に近い。

 

かくして、外材は一気に駆逐できる…。

どうだろうか? 樹種表示を求める運動を起こさないか?


棚田にヘアリーベッチを

2006-09-17 23:45:56 | 政策・行政関係

今年3月20日欄に、「里山蜜源化計画」を打ち上げた。

 

放棄が進み荒れている棚田に、ヘアリーベッチという豆科植物を植えて、雑草を防ぐとともに花で景観を良くし、さらに養蜂の蜜源にしようという大構想だ(^o^)。

その後、忘れていたわけではない。しっかり根回ししていたのだ。
本日種子を養蜂家から受け取り、いこま棚田クラブに手渡してきた。このクラブは、生駒の西畑という棚田地帯に入って棚田の再生に取り組んでいる市民団体。地元と信頼関係を築いており、すでに農地だけで3haほど管理を任せられている。ここで試してもらうことにしたのだ。

予定地は、草がおい繁っているため、草刈りをしてから播くことになったので、本日は播種を経験できなかったが、とりあえず里山蜜源化計画のスタート! だ。秋に根茎を延ばして冬を越し、春に花をつけて一斉に伸び、地面を被覆してほかの草を寄せつけない。そして初夏には完全に枯れる。その後は耕して作付けしてもよいし、放置してもさほど雑草は繁ってブッシュになることはないという寸法だ。

 

花は赤紫や白。花が咲けば、ミツバチが蜜を集めるはず。今後は養蜂との連携も視野に入れている。

 

私は、林業と吉野ばかりに入れ込んでいるわけではなく、里山、そして生駒も忘れていないことの証明だよん。

 

※ちょうど稲刈り日和で、美しい棚田の風景が広がっていたが、デジカメが故障中のため紹介できないのが、残念!


森林ビジネス塾

2006-08-29 23:49:53 | 政策・行政関係

先のセミナーの講演で、「森林ビジネス塾の設立を」と訴えた。

 

森林を守るには、補助金をばらまいても、ボランティアに頼っても無理。根本的に経済活動をしっかりさせねばならない。が、単に成功事例を紹介しても、物真似に終わる。そこで、森林を舞台に起業するノウハウを教える場を設けよう……。

提案してから、おお、これは優れたアイデアだと思った(~_~)\(-_-メ;)

 

森林や林業、木材の基礎知識や木材流通などを学び、商品開発のアイデアを練る方法、製造するテクニックの見つけ方、さらに販促、宣伝、営業の仕方を教える。経理や法務の知識も必要だ。後半の講師は、林業と関係ないマーケティングプランナーとか広告コピーライター、現役営業マン、銀行マン、弁護士などを呼ぶ。

参加者は、すでに林産業に就いている人もいいが、門外漢の都市住民も来るだろう。毎週1晩、1年間くらい続けて学べば、何か新しいビジネスが始まるかもしれない。また受講者の交流が起きれば、それによって目覚める人もいるはず。

 

もし行政が取り組むのなら、施設は既存のものを使えるし、事務職も余った人材を回してもらう。それならかかるのは講師代くらいのものだ。もちろん受講料も取るから、そんなに負担はかからないのではないか。

 

……そんなことを言ったのだけど、どこか実行に移してくれないだろうか。本当は奈良県が率先してほしいのだけど、全国どこでもいいよ。あ、私も講師を引き受けるからね(^o^) イラナイって?


違法伐採

2006-08-24 23:14:32 | 政策・行政関係

毎日放送でも取り上げた違法伐採。

 

今どき、日本で違法伐採なんぞあるのか? ぐらいに思っていたのだけど、結構あるのだそうだ。ようするに森林計画を破った伐採や、盗伐のことだ。国産材が金にならないのに、なぜ違法なことまでして伐るのか。

伐るのは、やはり天然林の大木とか高値の広葉樹のようだ。高値といってもかつてに比べて値段は随分下がっているはずだが、それでも目先の金がいるのだろうね。そして、先のことを考えない。もう、林業を廃業するつもりだからやるのだろう。

 

実は、国有林に多い。というより林野庁絡みが多い。さらにいうと、森林組合と裏でつながっていたりする。だから通常では公になりにくい。

 

山奥の違法伐採を取り締まるのは、ほとんど無理。必要なのは、木材取引にトレーサビリティを取り入れることだろう。産地とか所有者情報を示さないと取引できないようになれば、盗伐しても木が売れなくなるからだ。とくに銘木には取り入れてほしい。

ただ、私が懸念するのは、こちらをクローズアップすると、またぞろ「伐採反対」運動ばかりが注目されて、「木を伐って森を守る」意識が薄れてしまうことである。


木材の沖縄輸出

2006-07-31 23:20:33 | 政策・行政関係

改めて報告するのもナンだが、お察しのとおり、沖縄に行ってきた。

久しぶり、それも盛夏に訪れるのは始めてかもしれない。那覇空港に降り立つと、何とも言えない香りがして、その巨大な空港に驚き、外の景色には東南アジアを連想させられた。やはり本土離れしている。

景色は、なだらかな丘陵地にコンクリート建築物が目立つ。緑もそこそこ多いのだが、一軒家からビルディングまでコンクリート。それに赤い瓦が風情を与えているが、この地に木造建築はあまりないことを感じさせられた。

もちろん昔は、木造家屋がほとんどだったのだろうが、台風の多さとシロアリ被害のため石やセメントに頼るようになったのだろう。沖縄に木の家は希少価値だ。

 

そこで思いついた。今、日本は木材の輸出に本腰を入れようとしている。民間主導で政府も動きだした。まだ十分な成果を上げるに至っていないが、将来的に有望とされている。
それならば、沖縄のような国内でありながら木造が普及していないところに本土の木材をどんどん“輸出”できないか。スギもヒノキも、基本的にシロアリには強いし、防腐方法もある。台風対策は考えないといけないが、技術的には可能だ。コンクリートに頼るだけが対策ではない。
海外と並んで国内の木材消費の少ないところに売り込むことも販売戦略として考えられないか。米材住宅もあるだろうが、ここでは木造が普及していないことを逆手に取る。外材に抑えられている本土より、むしろ有利かもしれない。何より国内であるから為替の心配や貿易の手間はかからないし、言葉も通じる(^o^)。

 

沖縄の人々も、絶対木造の家の方が好きだと思う。だいたい首里城の正殿は木造である。高層ビルのない沖縄には、木造建築は似合うと思う。(写真は、王陵の建物。ヒノキ材が使われていた。)


森づくりコミッション

2006-07-23 21:51:31 | 政策・行政関係

林野庁の検討会で、「森づくりコミッション」を作る提案をしている。最近流行りの「フィルムコミッション」の森づくり版を意識しているらしい。

森林ボランティアや地域住民が、企業と森林所有者の間に入って企業に活動場所を与えるという発想のようだ。

 

別に反対はしないが、ようするに企業の社会貢献のお手伝い。企業イメージをアップさせるお手伝い。もっと言えば、社員の福利厚生メニューに森づくりを加えさせよう、というだけのように感じる。まあ、アダプト制度とか言って、流行っているんだけどね。企業の森も増えてきた。でも…

 

なんだか、しょぼい(笑)。そんなの、国がお膳立てしなくてもいいやん。

 

どうせなら、企業が森林ビジネスに参入するお手伝いをしてくれないか。
多くの企業が、森林とか田舎には、ベンチャービジネスのネタが落ちているんじゃないかと探っている。しかし、あまりに林業の世界を知らないことや、地域ごとに条件が違ったり慣習が強かったり、人脈がない、業界規模が小さいので投資しづらい…などが障壁になっている。

それらをアシストする「森林ビジネスコミッション」を立ち上げたらどうだ。
あるいは「田舎起業コミッション」。
それらに要する人材と資金を提供するだけで、動きだす企業や人は少なくないと思う。