NPO法人日本森林管理協議会の設立が決まった。
ようするに、FSC(森林管理協議会)の日本版である。FSCは、本部をドイツのボンに置く国際的NPOで、森林認証制度を運営している。森林認証審査機関の認証?を受け持っているが、その日本支部みたいな関係だろう。
具体的に何をするのか、まだ伝わって来ないが、おそらく日本版の認証基準づくりや認証審査の広報・相談窓口的な役割を果たすのだろう。
実は、このニュースは先に新幹線の中であった速水さんからも聞いていたし、以前あった森林認証制度研究会が設立に向けて動いていたことは知っていた。ようやく形になった、ということか。
そういえば最近では、SGEC(緑の循環認証制度)の認証面積が伸びていて、そろそろFSC認証を追い抜いたかもしれない。業界大手が主導するだけに、SGECは面積は伸びやすい。速水さんからは、こちらの認証組織に関する裏話も聞かせていただいていたよ(笑)。
私も、SGECのうさん臭さは感じている。なにしろ認証審査の項目は、その場で作ってもよいというし、基準に達しなくても改善計画を出せばよいという。おいおい、これでも審査なのか? と言いたくなる。
ちなみに、たいていの認証森林は、最初は基準を満たさず改善計画を出すことで認証をもらっているらしい。
もっともこの事実は、SGECより厳しいFSCの認証を、大多数の日本の人工林は認証を取れないことを暗示する。その点では、とにかく認証森林の肩書がないと困る森林所有者にとっては重宝だろう。
私も、優良森林を認証するFSCと、底辺の底上げを図るSGECに棲み分けたらよいと思っている。少なくても、どちらもトレーサビリティの確保には役立つ。
ちなみにFSC日本の代表は、太田猛彦・東京農業大学教授。来年1月22日に、発足記念シンポジウムを東京大学弥生講堂で、「木を伐って森を守る」をテーマに開催するそうだ。