レビュー一覧は、こちらから。
一瞬固まったジュニョンでしたが、予定していたトロイメライは止め、別の曲を弾きました。
舞台袖にいたソンアも、ジョンギョンの姿を見、ジュニョンの心情も察しました。
本当はトロイメライはソンアのリクエストでした。
聞きたかった・・・と、ジョンギョンは言いました。
「トロイメライは数多くあるピアノ曲の一つでしかない。悲しむ必要は無いし、聴いても何も変わらない。今は無意味だ。」
と、ジュニョン。2人の間に意味なんてあってはいけないからだ・・・と。
ジュニョンは言いました。長い間ジョンギョンは自分にとって意味があったが、今は無いと。
「愛してる。」
ジョンギョンがこのタイミングで言いました。
ジュニョンは当惑するだけでした。勿論、揺らぐ気持ちが無いとは言いきれなかったでしょう。でも、今のジュニョンにとってはジョンギョンよりヒョノとの友情の方が大切なのかもしれません。
ヒョノと別れるとジョンギョン。
ジュニョンは首を振りました。背を向けました。
「我慢するんだ。僕がしたように君も我慢しろ。」
ソンアに会ったジュニョンは思わず愚痴のように呟いてしまいました。
「才能なんて無い方がいい。僕に才能が無かったら、何もかも今より上手く行ったんじゃないか、そんな気がします。」
いろんな悩み事がジュニョンにそう言わせたのでしょう。
しかし、その言葉は、ソンアには腹が立つものでした。
さっきのトークショーで中学生からの質問を受けたジュニョン。中に、ソンアの心情と被るものがありました。
どんなに努力しても才能が無くて苦しんでいるということです。
「才能が無いと言う事がどういうことかも知らず、諦めずに努力すれば夢は叶うと言ったんですね。才能の無い人の気持ちがあなたに分かりますか?」
ソンアにしては珍しくジュニョンに反論しました。
ソンアは、ジュニョンほどの才能が欲しいと思ったことはありません。
なのに、あれほどの才能を持つジュニョンは幸せそうに見えません。ジュニョンは自分の才能を一度も愛したことは無いのだろうかと、思いました。
ジュニョンの言葉に腹が立つ一方で、才能を持つ幸せを感じた事が無いように見えるジュニョンを可哀想に思ったのかもしれません。
ジョンギョンはこれまでジュニョンからもらったトロイメライのCDを捨てようとしています。
ジュニョンはトロイメライの楽譜を仕舞い込みました。
そして、ヒョノは動けないでいました。
ヒョノはドンユンに会いに行きました。チェロの調子が悪いと言う口実で。
でも本当は話がしたかったのでしょう。
ヒョノは普段は明るくてお喋りですが、自分の心の内は話さないようです。特に悩みは抱え込む方なんでしょう。
ドンユンに、どうして奏者から製作者に方向転換したのかと問いました。
大学に入るまでがむしゃらに突き進んできた奏者としての道にある時疑問を持ち始めたようです。練習も嫌になってしまった時、バイオリンの音を聞いたのです。
大学のオーケストラサークルの子が下手なりに一生懸命に練習していました。どうしてそんなにするんだと聞いたら、
「バイオリンが好きだから。好きだから上手になりたい。」
と、その子は答えたそうです。ソンアでした。
その時ドンユンは気づきました。自分はそこまでバイオリンを好きじゃない・・・と。
だから、辞めたんだと、ドンユンは言いました。
勇気があるな・・・と、ヒョノ。
「今の仕事が好きだ。もっと上手になりたい。考えるだけで胸がときめく。勇気があるんじゃない。ただときめくんだ。」
と言うドンユンの言葉に、ヒョノは頷きました。共感しました。
ジョンギョンへの想いも同じなんでしょうね。
チョ・スアンというバイオリニストの公演が開かれました。
受付をしていたソンアの前に、ジュニョンが。
ちょっと気マズイ2人です。先日の事がありますからね。
もうすぐ始まると言う時になって、スアンが公演用の靴を忘れたことが判明。
その場にいた皆がおろおろした時、ソンアが自分と同じサイズだからと、靴を貸すことを提案。
ところがですよ。スアンは全く苦労をした事の無いお嬢様バイオリニストで、そんな好意も当たり前として受け取ってしまうのです。
ソンアに一言のお礼も言わないどころか、3浪して入ったとか、まだ続けているんだ・・・とか。流石のヘナですら顔色を変えるほどの言いぐさです。
チャチーム長は、怒りを抑えていましたね。
ソンアが部屋を出た瞬間、下手なくせに、バイオリニスト気取りで・・・とも言い放ちましたよ。
ドアがまだ閉まり切る前だったので、ソンアにもチャチーム長にもその声は聞こえました。
「我慢することないわ、ソンアさん。人には言って良い事と悪い事がある。」
と、チャチーム長。
ソンアは言われ慣れているような達観した表情でチャチーム長を反対に宥めました。
ジュニョンの席の隣に座ったのはジョンギョン。
こちらも気マズイですわな。
ジュニョンは、舞台袖で立つソンアの姿を見ました。
ソンアの気持ちを察しました。
だから、公演が終わった瞬間、ジュニョンはすぐに席を立ち、ソンアを探しました。
リハーサル室にいたソンアに、一枚のCDを渡しました。
いつか、ソンアがサインを・・・と渡したジュニョンのCDです。
『バイオリニスト チェ・ソンア様』と宛名が書いてありました。
心の底から喜びが湧いて来たソンアでした。今一番欲しかった言葉だったでしょうから。
ジョンギョンは花束をスアンに渡しお祝いを言いました。
スアン、相手がジョンギョンだと高飛車には出ません。要領が良いとパク課長が言うのはこういうところです。
スアンはジュニョンのニューヨーク公演で見かけたと言いました。
ジョンギョンがそれを認めた時、ヒョノの姿を見つけてしまいました。聞かれてしまったと分かりました。
ヒョノはジョンギョンを屋台に連れて行きました。初めてだろ?と言いました。
ヒョノは決してジョンギョンを責めたりしませんでした。
これまで長い間2人だけで過ごして来たから、他の人に興味が湧いただけだ・・・と涙が溢れそうになるのを必死に我慢して言うヒョノ。
「少しよそ見して良い。だけど、別れないでくれ。」
ジョンギョンも涙をこぼしながらヒョノの話を聞きました。
ヒョノがどれほど自分を想ってくれているか、大切にしてくれているかを、ジョンギョンは分かっていますから。自分が如何にヒョノを傷つけているかも。
それでもジョンギョンは言いました。もう終わりにしよう・・・と。
そのまま立ち去ったジョンギョンを、ヒョノは引き留めませんでした。出来なかったのでしょう、あまりにもショックで。
ミンソンの想いも、ドンユンに通じることはありませんでした。
ジョンギョンは祖母のナ理事長にヒョノと別れたと告げました。
すると、ナ理事長は、あっさりと納得したのです。ナ理事長は人の心が分かる人だと思っていたけど、やっぱり特権階級意識は意識の底にあるのですね。
不釣り合いだったものね・・・と来たよ。
「お金が無くても、覇気や勇気は必要よ。あんなに善良でどうするの。ぼうっとしてたら私の代わりは務まらない。」
もう別れたのに、そこまで言わないでと、ジョンギョン。
ジョンギョンが祖母と合わないのは、こういう所も原因の一つかもしれません。世間知らずのジョンギョンのせいだとばかり思ってましたよ。
こんなことがあったのに、ナ理事長はヒョノに会いに行きましたよ。
そして、ソリョン大学の音楽学部の弦楽パートの教授に志願してみないかと切り出しました。
ジョンギョンが狙っている席です、ヒョノは簡単に返事は出来ませんでした。
それに、そこまでの実力は無いとヒョノは自分を分析していました。
「実力は関係ないわ。誰が推薦するかが何より大事かもしれない。」
と、ナ理事長。おまけに、財団の理事長であるジョンギョン、世界的ピアニストであるジュニョンが親しい友人なんだから、大学教授くらい務めないと釣り合わないと言いましたよ。
完全にヒョノを見下しています。
ヒョノのことを考えていると言ってはいるけど、やはり差別しているのが見え見えです。
ジュニョンとソンアは少しずつ近づいているようです。
ジュニョンがソンアを夕食に誘いました。
遠慮がちな二人の姿がとても心地よいです。
「辛い日はあなたが頭に浮かぶ。」
と、ジュニョン。会ったら気分が晴れた・・・と。
「私は気分の良いときに連絡します。」
と、ソンアは言いました。
約束しよう・・・と差し出したジュニョンの指に、ソンアは照れながら指を絡めました。
まるで中学生です
そして、石壁の続く通りを歩く二人がとても素敵です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます