日本未公開の作品を”情熱のコリアンムービーフェスティバル”として放送している衛星劇場さん。
今月の放送作品の一つがこれ、「オーロラ姫」。
オム・ジョンファさん主演のサスペンスです。
デパートで子供を虐待していた母親が惨殺されます。
その現場には、”オーロラ姫”というアニメのキャラクターのシールが残されています。
そして、次々起こる殺人事件。
その現場には、やはり”オーロラ姫”のシール。
一見して全く繋がりの無い被害者達なんですが、オ刑事は、それが別れた妻の仕業じゃないかと感じるのです。
この殺人シーンが、韓国ドラマ特有のリアルさ満載なんで、ちょ~っと眼をそむけたくなるんですよ
オム・ジョンファさんは、そのオ刑事の元妻。
昼間は外車の優秀な販売員です。
でも、オ刑事が睨んだとおり、彼女が連続殺人犯なんですねぇ・・・。
その動機は、我が子の誘拐殺人事件。
事件に関わった、或いは、事件の遠因になったと彼女が信じている人たちを次々と殺害していたのです。
で、放送局やマスコミにも通報しての自分の逮捕劇。
そこで全てが終わりかというと、そうじゃない
それからが、本当の復讐だったのです。
彼女の常軌を逸した殺人や、正気を失ったと見える言動の全ては目的の人物に近づく為の手段でしかなかったのです。
彼女の子供を殺害した犯人は、事件当時治療を要するくらいの精神障害だった・・・と言う判断の元に、治療院に入院していたのです。
だから、容易に近づく事は出来なかったんです。
いくら復讐したくとも・・・。
だから、同じ様な症状を有すると見せかけて、その治療院に入院し、彼に近づく事を目的として、そのような言動を取ったわけです。
彼女の真意を理解したオ刑事は、彼女を見舞い、聖書を手渡します。
その中に、凶器を忍ばせてあったのです・・・。
あんな事が無かったら・・・、あの人があんなふうにしなかったら・・・という不運としか思えない事情が重なって、その結果として愛すべき我が子が被害者となってしまう・・・。
その時、母親としては、それらの人々全てに復讐しなくては居られなかったのでしょう。
そして、そうする事によって、最大の目的である殺害犯への復讐をも成し遂げられる・・・と、思ったのでしょう。
きっと、生きていく意味も目的も無くなったと感じた時、その事しか考えられなかったのでしょうね。
サスペンスだけど、ただただ悲しい作品でした。