「天皇陛下はわが大日本帝国をお治めになる大君であらせられて、最も尊い御方である。私たちはみなこの天皇陛下の臣民である。私たちの祖先はおぢいさんもひいおぢいさんも、みなそれぞれその時の天皇様の臣民であった。さうして時の天皇様から限りない御恵みを受けて来た。私たちも、いま天皇陛下の御恵みを受けてしあはせな日を送ってゐる。私たちが、父母きやうだいと共に一家の内で楽しく暮すことのできるのも、また学校に来て先生の教を受け、友だちと面白く遊ぶことのできるのも、みな天皇陛下の御恵みによらないものはない。天皇陛下は私たち臣民をおいつくしみになつて、常に私たち臣民のしあはせをお図りなつていらせられるのである。(中略)
私たちは朝早く起きて、にいさんやねえさんといつしょに門に日の丸の旗を掲げ、さうして天皇陛下のお陰で大きくなつて行くしあはせを感謝して、御恵みの深いことをいつまでも忘れないやうに心掛け、天皇陛下の御代万歳をお祈りしなければならない。」
これは戦前、小学校(国民学校)一年生の教材「ヨイコドモ」上(モンブシャウ)にある4月29日「テンチヤウセツ」に関する教師用の指導内容の一部である。4月29日が天皇の誕生日であることを徹底させ、天皇陛下が我が国をお治めになる最も尊い御方であることを指導の重点にしている。また他の箇所には、国旗掲揚や「君が代」斉唱(当時でも「国歌」になってないことに注目!)の時の注意事項が載せられている。特に、最敬礼の礼法が教師の心得として「先ず姿勢を正し正面に注目し、上体をおもむろに前に傾けると共に手は自然に垂れ、指尖は膝頭の辺に達するを度(約45度)とし、およそ一息の後おもむろに元の姿勢に復する」と細かな指示を行っている。 また、「バンザイ」という教材では、「天皇陛下の御心のままに働く日本の軍隊は強い。正しいことを守り、よくないものをこらしめる精神に充ち満ちてゐるので戦へば必ず勝つ。どんどん敵を攻め立てて、どこどこまでも追ひかけ、敵の大事な陣地を占領する。天地にとどろくやうな声で『テンノウヘイカバンザイ』を唱へる。」と、この内容を児童に教えるように指示している。
4月29日が、戦前はまさに特別な日であったことが分かるであろう。この内容はちょっと文字を変えれば、どこかの国あるいは宗教団体と同じようだ。今さらのことではあるが、4月29日が「昭和の日」に変更になることが国会で通ったという。はたして戦前に特別な日として位置づけられたように、国民が国体護持の為に総動員される日にならないと言い切れるであろうか。
なお、上記の教師用指導内容は、最近、目にした書から引用した。
私たちは朝早く起きて、にいさんやねえさんといつしょに門に日の丸の旗を掲げ、さうして天皇陛下のお陰で大きくなつて行くしあはせを感謝して、御恵みの深いことをいつまでも忘れないやうに心掛け、天皇陛下の御代万歳をお祈りしなければならない。」
これは戦前、小学校(国民学校)一年生の教材「ヨイコドモ」上(モンブシャウ)にある4月29日「テンチヤウセツ」に関する教師用の指導内容の一部である。4月29日が天皇の誕生日であることを徹底させ、天皇陛下が我が国をお治めになる最も尊い御方であることを指導の重点にしている。また他の箇所には、国旗掲揚や「君が代」斉唱(当時でも「国歌」になってないことに注目!)の時の注意事項が載せられている。特に、最敬礼の礼法が教師の心得として「先ず姿勢を正し正面に注目し、上体をおもむろに前に傾けると共に手は自然に垂れ、指尖は膝頭の辺に達するを度(約45度)とし、およそ一息の後おもむろに元の姿勢に復する」と細かな指示を行っている。 また、「バンザイ」という教材では、「天皇陛下の御心のままに働く日本の軍隊は強い。正しいことを守り、よくないものをこらしめる精神に充ち満ちてゐるので戦へば必ず勝つ。どんどん敵を攻め立てて、どこどこまでも追ひかけ、敵の大事な陣地を占領する。天地にとどろくやうな声で『テンノウヘイカバンザイ』を唱へる。」と、この内容を児童に教えるように指示している。
4月29日が、戦前はまさに特別な日であったことが分かるであろう。この内容はちょっと文字を変えれば、どこかの国あるいは宗教団体と同じようだ。今さらのことではあるが、4月29日が「昭和の日」に変更になることが国会で通ったという。はたして戦前に特別な日として位置づけられたように、国民が国体護持の為に総動員される日にならないと言い切れるであろうか。
なお、上記の教師用指導内容は、最近、目にした書から引用した。