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おやじのつぶやき

おやじの日々の暮らしぶりや世の中の見聞きしたことへの思い

向島百花園。花々が咲きそろう季節。かるがも、も。

2025-05-31 20:23:57 | 向島百花園

梅雨入り間近の「百花園」。

「夏の七草」のうち、「しますすき」。

がくあじさい。

これから咲きそろうようす。

「むらさきつゆくさ」。

「こばんそう」。

日本では雑草として見られるもののひとつで、その中ではやや大きく偏平で、小判型の小穂が目につきやすい。成熟するとカラカラと音をたてることから「スズガヤ」の別名もある

草丈は10-60cm程度になる。茎は直立し、根元はややほふくする。葉は細長く、長さ5-10cm、幅3-8mmで毛がなく縁がざらつく。葉舌はまるく毛がない。

夏(7-9月)に茎の上部にまばらに数個(多くても10程度)の小穂のついた、先が垂れる円錐花序を形成する。淡い緑色から成熟すると黄褐色に変わり、光沢があって美しい。和名はこれを小判に見立てたものである。別名にタワラムギがあり、これもふくらんだ小穂の形をに見立てたものである。

「きりんそう」。

キク科の多年草。 山野で日当たりのよい所に生える。 黄色い小さな花を円錐状の穂のように咲かせる。

「うつぎ」。

ウツギは北海道から九州、奄美大島まで自生地の分布域は広く、昔は畑など耕作地の境界木としてよく植えられてきました。幹は木釘に加工されて利用されます。和名のウツギは、幹が中空であること「空木(ウツギ)」に由来しています。別名のウノハナはウノハナウツギの略称です。ちなみに、まったく科や属の異なる種でも幹が中空な植物はウツギと呼ばれていることがあります。

「うつぎのはな」が略されて「卯の花(うのはな)」となりました。

   卯の花の匂う垣根に
   ほととぎす 早も来鳴きて
   忍音もらす  夏は来ぬ   (「夏は来ぬ」佐々木信綱作詞)

古歌の「山里は 卯の花垣のひまをあらみ 忍び音洩らす ほととぎすかな 」を下敷きとして作られたといわれています。

「万葉集」でもたくさん歌われています。

「 五月山(さつきやま) 卯の花月夜 ほととぎす
   聞けども飽かず また鳴かぬかも 」  
            作者未詳 巻10の1953  


(五月の山。月光が卯の花をぼうっと白く浮き立たせている。ホトトギスの声が聞こえてきた。この澄み切った声はいくら聞いても飽きあきない。もう一度鳴いてくれないないかなぁ。)

※「卯の花」は、おからの別名でもあり、料理名としても使われます。

そして、池には、カルガモの番。

        人目も気にせず、毛づくろい。

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向島百花園。花が咲きそろう季節。

2025-05-29 13:44:23 | 向島百花園

向島百花園の年間パスポートを更新しました。

【年間パスポート】
一般    600円
65歳以上 280円

【9庭園共通年間パスポート】
一般    4,000円
65歳以上 2,000円

                

「せっこく」。

セッコクは、東北地方南部以南の山地や岩場に見られる小型の着生ランです。デンドロビウムの仲間で、主に針葉樹林や常緑広葉樹林に見られます。
節のある細い棒のようなバルブを何本も束ね、細い根でしっかりと木や岩に着生し、晩春から初夏に白や淡い桃色の花を咲かせます。花後に新芽を伸ばして、つやのある葉を広げながら、新しいバルブが伸びていきます。冬前には葉が落ちて、バルブの状態で冬を越します。このバルブに翌年花が咲きます。
花にはほのかに香りがあり、四季を彩る野生ランとして多く販売され、人気があります。古くから多くの斑入りや花変わりなどが選別され、「長生蘭」の名で古典園芸植物として親しまれています。

「かるみや」。 

カルミアはコンペイトウのような形をした、色濃い蕾を持っています。花が開くと皿形になり、色は薄く模様が入って、蕾の様子とは全く異なった印象を受けます。開いた花をよく見てみると、雄しべの先は花弁のくぼみの中に収まっています。この雄しべは、飛来した昆虫などによって刺激を受けると飛び出して、花粉も散るというおもしろい仕組みをもった花です。
カルミアは、7種からなる小さな属で、北アメリカとキューバに分布する常緑低木です。一般にカルミアと呼ばれるのはラティフォリア種(Kalmia latifolia)をさし、いくつかの品種が鉢植えや庭植えの花木として栽培されます。

「なでしこ」。 

「とうばい」の実。 

     花が咲いたとき。

          

紅梅性八重。 花の大きさは 2.5cm 程度の中輪、花弁は紅色で、花弁の縁は色が薄く白くなる。 
花は下向きに咲き、下から見上げると、陽に透けた花びらが美しい。紅梅の代表的な品種。

「ゆすらうめ」。

            

ユスラウメは、サクラの花が咲きだすころ、ウメに似た5弁の白~淡紅色の花を枝いっぱいに咲かせ、梅雨の初めごろ直径1cmほどの真っ赤な小さい果実がつきます。熟果は生食でき、小果樹としても扱われています。中国原産ですが、江戸時代の初期にはすでに栽培されていました。当時は「桜桃」と呼ばれていましたが、明治時代になってサクランボとの混同を防ぐため「朱桜」(ユスラウメ)と呼ばれるようになりました。

こういう具合に木も草も春爛漫の季節を迎えています。他にも、

しゃくなげ、しもつけそう、こばんそう、あかつめくさ、むらさきつゆくさ、おにたびらこ、うつぎ、きりんそう、・・・。

※gooブログ終了に伴い、「アメーバブログ」に順次、移行しています。

koikoi0106です。よろしく!

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薫風薫る5月の「向島百花園」。さんざし。せんだん。すずらん。しらん。たにうつぎ。ぼたん。みやこわすれ。・・・かるがものつがい。

2025-05-04 13:53:00 | 向島百花園

すっかり春爛漫の「向島百花園」。さんざし。 

栴檀(せんだん)。                                 

※香木の栴檀はインドネシア原産の白檀(ビャクダン)を指し、「栴檀」は特別な香りを持たない

鈴蘭(すずらん)。

紫蘭(しらん)。

                      

「たにうつぎ」。

和名の由来は谷などに多く自生していることによる。     

  「姫卯木(ひめうつぎ)」

牡丹(ぼたん)。

「都忘れ(みやこわすれ)」。

  • 承久の乱で佐渡に流された順徳帝が、庭に咲いていた紫色の花を見て、「都を忘れることができた」と感動し、その花を「都忘れ」と名付けたという説があります。
  • 京を去る際にこの花を見て、「都を忘れることにしよう」と思ったことから、この名前になったという説もあります。

カルガモの番(つがい)。

水中にもぐり水草を採る。

スカイツリー。木橋の下にカルガモ。

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すっかり春(夏?)めいた「向島百花園」。その2。「青崖」。カルガモの番。

2025-04-23 14:10:30 | 向島百花園

「青崖」。

4月初旬に明るい紅色の新芽となり、夏の葉は緑に変わり、秋にかけてまた次第に紅葉していく。

          

「普賢象」。

オオシマザクラを基に生まれたサトザクラ群のサクラで日本原産の栽培品種のヤエザクラ。東京府江北村(現・東京都足立区)の荒川堤で栽培されていた品種。室町時代から知られ、名前の由来は、花の中央から出ている雌しべの先端が曲がっており普賢菩薩の乗る白象の鼻に似ているため。

「たむけやま」。

  

「こでまり」。

「かじいちご」。

 西洋たんぽぽ。            

しゅろ(棕櫚)。

 

陽光に輝く水面。

水音がするので近づくと、カルガモの番。

しきりに水中に潜り水草を。

カルガモがやってくる季節になったのですね。

しばらくすれば、カルガモの親子が見られるようです。

いちょうの新しい葉。

今度は、カルガモ親子を見に。

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すっかり春(夏?)めいた「向島百花園」。さくらそう。くろゆり・ゆきもちそう・ひとよしなんてんしょう。牡丹・藤。・・・

2025-04-22 10:55:56 | 向島百花園

すっかり春めいた「向島百花園」。

4月19日(土)。晴天。訪問客も多い。

「さくらそう」の展示会が開催されています。

「江戸園芸植物としての桜草」

主に荒川流域の自生個体から作出されたと考えられています。その後も愛培家によって新品種の作出が続けられ、江戸末期には園芸植物として桜草はひとつの完成期を迎えました。・・・明治以降、震災や戦争により多くの品種が失われましたが、愛培家の努力で絶滅をまぬがれ、現在でも全国で桜草の栽培や展示会が行われています。

         

地植えのさくらそう。

「荒川」歩きのとき、「田島ケ原サクラソウ自生地」を訪ねました。

一面、広大な敷地。

遠くに「さくらそう水門」。一面、ノウルシの花。その間にちらほらとさくら草が可憐な花を咲かせています。

・・・かつて荒川流域にあった多くのサクラソウ自生地が、開発などで失われた今日、大都市近郊に往時の姿を留めて残っていることは奇跡ともいえます。また、江戸時代には荒川流域のサクラソウを原種として、多彩な園芸品種が育てられました。その遺伝情報を田島ケ原のサクラソウは保持しているのです。以上の理由で、「田島ケ原サクラソウ自生地」は、世界的にも貴重な存在となっています。

唯一の国指定特別天然記念物。サクラソウ、ノウルシの他、さまざまな草花が咲き乱れるようです。

奥の方にサクラソウ。一面、「ノウルシ」。

                

野焼き。

3/24サクラソウ。

(「」HPより)          

・・・

他にも、園内には「くろゆり」。

ユリ科バイモ属高山植物。別称はエゾクロユリ(蝦夷黒百合)。多年草。地下にある鱗茎は多数の鱗片からなる。は直立して高さ10-50cmになり、3-5輪生するが数段にわたってつく。花期は6-8月。は鐘状で、茎先に1-数個を斜め下向きにつける。暗紫褐色または黒紫色になり、網目模様がある。花には悪臭があり、英語では「skunk lily(スカンクユリ)」「dirty diaper(汚いオムツ)」「outhouse lily(外便所ユリ)」などの別名がある

日本の北海道、千島列島ロシア連邦サハリン州米国に分布。高山帯の草地に生える。本州では、東北地方の月山飯豊山。 中部地方の白山で、室堂周辺などに大量に群生しているのが見られる。

アイヌ料理では鱗茎と混ぜて炊いたり、茹でてからを付けたりして食される。樺太では乾燥させて保存し冬季の料理に用いられた。また花や葉は染料として用いられた

花言葉は「恋」「呪い」。戦国武将佐々成政側室・早百合姫の怨念にまつわる「黒百合伝説」が富山にあり、金沢出身の作家泉鏡花が『黒百合』という小説を書いている。

川端康成は小説『山の音』の「春の鐘」の章の中で、黒百合の匂いを「いやな女の、生臭い匂いだな」と表現している

(この項「Wikipedia」参照)

「ゆきもちそう」。

サトイモ科テンナンショウ属多年草の中央にのように白いに見える付属体があることから雪餅草と呼ばれる。

偽茎から鳥足状の葉が付く葉柄が横に分かれ、上に伸びた葉柄先端に花(仏炎苞)が付く。

世界的に見ても日本の三重奈良四国の限られた地域に自生する

こちらは地植え。

「ひとよしなんてんしょう(人吉南天星)」など変わった花が展示。

多くの変異を含むがまとめてマムシグサと呼ばれているものの中で、平凡社日本の野生植物草本編1では、ヤマグチテンナンショウとヒトヨシテンナンショウだけが変種として整理されているが他の図鑑ではまた違うようにこの仲間の分類は本当に難しいらしい。
 宮崎、鹿児島、熊本県に分布するマムシグサの仲間で、ヒトヨシは3県堺の町人吉による。
 高さ1m近いものも珍しくないが形状の変化も多く、花の時期を外すと他種との見分けは難しい。

など普段見かけることが出来ない、珍しい花が展示されています。

園内には藤が咲き始めています。

        

ぼたん(牡丹)。

こちらはまだ蕾。

たけのこ。ニョキニョキと成長が早い。

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「向島百花園」3月23日。春たけなわに。「木瓜」。「ふきたんぽぽ」。「雪割草」。桜桃(ゆすらうめ)。ふりそでやなぎ。・・・「思いのまま」。・・・

2025-03-24 13:48:23 | 向島百花園

「向島百花園」。3月23日。

木瓜(ぼけ)。

園内の木瓜。

葉牡丹の寄せ植え。

「ふきたんぽぽ」。

原産は中国ヨーロッパ。日本へは明治時代に渡来した。

花期は1〜3月。タンポポに似た黄色い花を咲かせる。また、開花後に出る葉がフキに似ていることが、フキタンポポの和名の由来となっている。全体の姿がフクジュソウを思わせるためか、正月向けの花として園芸店で販売されることも多い。

西洋たんぽぽ。園内では珍しい、らしい。

中央:オオタツナミソウ 右奥:イワカガミモドキ 左奥:シロ チゲ。

雪割草(ゆきわりそう)の鉢がずらり。

            

春の日差しに誘われて、

「桜桃(ゆすらうめ)。」

ユスラウメは、サクラの花が咲きだすころ、ウメに似た5弁の白~淡紅色の花を枝いっぱいに咲かせ、梅雨の初めごろ直径1cmほどの真っ赤な小さい果実がつきます。熟果は生食でき、小果樹としても扱われています。中国原産ですが、江戸時代の初期にはすでに栽培されていました。当時は「桜桃」と呼ばれていましたが、明治時代になってサクランボとの混同を防ぐため「朱桜」(ユスラウメ)と呼ばれるようになりました。

果実。

 「にわうめ」。

バラ科スモモ属落葉低木。庭などに植えられる。和名の由来は、庭園に植えられウメのような花が咲くことから名付けられている中国語では郁李

中国華北華中華南などの山地に自生し、日本へは江戸時代に渡来した。観賞用のために広く栽培されている。

松の菰もとれて。

こちらは、芭蕉(ばしょう)。すっかり刈り取られた幹から若葉が。

 

「ふりそでやなぎ」。              「きぶし」。

ふりそでやなぎ

わが国の各地に分布しています。「ねこやなぎ(猫柳)」と「ばっこやなぎ(婆っこ柳)」との雑種です。 高さは1~5メートルになります。葉は長楕円形で厚く、裏面は白色の絹毛で被われます。 2月から3月ごろ、葉に先立ち、大きな尾状花序をつけます。 「ねこやなぎ」よりも冬芽が赤くて大きく、花序も一回り大きいのが特徴です。 名前は、江戸時代の1657年、明暦の大火(振袖火事)の火元となった本郷丸山町の本妙寺、その境内で発見されたことによります。

キブシ

キブシ科キブシ属に属する雌雄異株の落葉低木。山地に生える。別名、キフジ、コメブシともいう。和名は果実をヌルデの虫えいでつくる五倍子の代用品として、黒色の染料に用いたことから名付けられている。また、花穂がフジの花に似ていることから「藤」となり、転訛したという説もある。庭木や花材などに使われる。

「れんぎょう」。 

ドイツで作出された交雑種で、欧米に広く普及している。代表的な品種に‘スペクタビリス’(F.‘Spectabilis’)、‘リンウッド’(F.‘Lynwood’)がある。いずれも鮮やかな黄色系の花色をもつ。

「はなにら」。

ハナニラは、道端や花壇に植えっぱなしにしておいても、春に藤青色からピンク、白の星形の花をよく咲かせる、非常に丈夫で手間いらずな植物です。葉や球根を傷つけると、その名のとおりネギやニラのようなにおいがします。イフェイオン属は南アメリカに約25種が分布する球根植物で、最もよく目にするのはユニフロルム(Ipheion uniflorum)で、日本ではハナニラと呼ばれています。

 

「おおまつゆきそう」。

ヨーロッパ中南部原産。多年草。花期は春で白いスズランのような花が咲く。花弁の先端には緑の斑点がある。秋植の球根草である。スイセンやスズラン、ヒガンバナと同じく有毒。別名はスズランスイセン(鈴蘭水仙)。スズランのようなベル形の花を下向きに咲かせる。

三々五々、園内を散策する人々。

「思いのまま」。

思いのままは、野梅系・野梅性の遅咲き品種です。別名「輪違い(りんちがい)」
中輪八重咲きで、紅と白、絞りなどを1本で咲き分けます。
樹勢は強健で、庭木はもちろん、鉢植えや盆栽にも向きます。
開花期 2月中旬~3月中旬
※毎年同じところに同じ色が咲くとは限らず、栽培環境その他により単色花が咲く場合があります。

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「向島百花園」。その3。「福来雀・すずめ踊り」。

2025-02-23 21:08:12 | 向島百花園

すずめ踊り 出演:福来雀」。

仙台すずめ踊りとは

慶長八年(1603年)、仙台城移徒式(新築移転の儀式)の後の宴席で、泉州・堺(現在の大阪府堺市)出身の石工(いしく、石垣造りの職人)さんが、藩祖伊達政宗公の御前で即興で披露した踊りがはじまりと言われています。

踊る姿が餌をついばむ雀に似ており、伊達家の家紋も「竹に雀」であることから『すずめ踊り』と呼ばれました。仙台発祥の郷土芸能であるすずめ踊りは石工の子孫によって伝承されて来ましたが、近年では市民の間にも広がり多くのグループ(祭連=まづら)が創られるようになりました。

5月の「仙台・青葉まつり」など様々なまつりやイベントで披露されるすずめ踊りは各祭連が工夫を凝らした振り付けやお囃子を競い合い、年々その規模を拡大しています。

仙台すずめ踊りの踊り

「はねっこ踊り」とも呼ばれるすずめ踊りはそもそも即興の踊りですが、伝承された踊りをベースに考えられた基本となる動きが存在します。

中腰でやや前かがみの姿勢、手には扇子を持ち体の前で大きく開いたり閉じたり左右に振ったりします。足は左右に「ぴょんぴょん」跳ねながら体の前に蹴り出すような動きが基本のようです。あとはお囃子に合わせ思い思いに楽しく体を動かすのがすずめ踊りです。

ちなみに伝承されている踊りは、片足で数歩飛びながら体の前で腕を回転させるような動きとなっています。 現在、各祭連ではそれぞれ振り付けを創作してその技や美を競い合っています。

すずめ踊りは初代園主・佐原鞠塢の出身地・仙台発祥の踊りで、墨田区ゆかりの浮世絵師・葛飾北斎の「北斎漫画」にも描かれている。

今回出演する「福来雀」さん。仙台出身の仲間が中心となり、都内において「すずめ踊り」普及のため活動中。

お子さんも参加、踊ります。

途中で、すずめ踊りに関するクイズがあったり、踊りの基本の手ほどきがあったりします。

観ている人も巻き込んでの演技。

ところで、

ふくら雀は、冬になると外でまんまるに膨らむ雀のことをいいます。

            (「ORINCON NEWS」より)

寒さから身を守るために自分で羽の中に空気の層をつくりますが、見た目がふっくらしていることからその名前が付けられました。

その佇まいから、豊かさを表す縁起ものとされ、「福良雀」「福来雀」と書くこともあります。また、雀自体に「厄をついばむ」意味があり、一族繁栄や家内安全の象徴とされてきました。

ただ、見た目にかわいらしいふくら雀ですが、雀にとって冬は辛くて過酷な季節。
普段は地面で草の根などのエサを探していますが、寒い季節は木の上にいることが多く、食料にありつけないことも..。

さらになるべく体温が下がらないよう集団で寄り添い、あたため合いながら厳しい寒さに必死で耐えているのです。

※都会の雀たちには無縁な印象ですが。

        

            

    見事に決まりました。

先週の大道芸といい、今回の「すずめ踊り」といい、こうした芸を観ることができ、ありがとうございました。

   

春もやゝ けしきとゝのふ 月と梅 はせを(芭蕉)」。          「藤牡丹枝垂」。

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向島百花園。梅まつり。その2。梅も咲きそろい、ほかの木々や草花も早春の装いに。

2025-02-21 19:39:53 | 向島百花園

2月16日(日)。晴れのち曇り。向島百花園。午後3時から「福袋雀」さんたちの「すずめ踊り」が披露されるというので出かけました。

開演前に園内を一めぐり。

梅も1週間前に比べてずいぶん開花が進んでいます。

しろかが。

「唐梅(とうばい)」。

紅色の花弁に赤い筋が入り、花弁先端がぼかしとなる中輪八重咲き種。開花は2月上旬。。

 紅千鳥。

                

メジロが来てくれるでしょうか?

「あおじく」。

花も美しく、花梅としても実梅としても楽しめる早生品種。果実は黄緑色、中粒~やや大粒、梅酒にしても梅干にしても楽しめる。

「塒出錦(とやでのにしき」。

・花色:紅色八重の中輪。

・咲き始めの時期:2月上旬~

・枝に斑が入る特徴(錦性)がある。 枝に錦が多く、緑色の枝が少ないのが特徴。

※塒(とや)は「鳥の巣」や「鳥籠」を意味する言葉。

 

               「緑萼梅(りょくがくばい)」。

梅は通常、萼(ガク)の部分が赤いが、この梅は緑色をしているのが特徴。

「臥龍梅(がりゅうばい)」。まだ若木のようです。

他の梅より開花が少し遅く、3月の上旬頃に見頃を迎え八重の花を付ける。その姿が「臥せた龍」に似ているところから「臥龍梅」と名づけられている。

左が安藤広重、右がゴッホ。(「Wikipedia」より)

  「臥龍梅」は、 江戸名所図絵には「その花一品にして重弁、薫香深く、形状あたかも竜が蟠(わだかま)り臥すようである」と記されています。

 以下、江東区の作成した説明板の文章。
 
 (亀戸の)梅屋敷は、江戸時代から続く梅の名所でした。もとは、本所埋堀(墨田区)の商人、伊勢屋彦右衛門の別荘で清香庵と称していましたが、庭内に梅が多く植えられていたところから「梅屋敷」と呼ばれるようになりました。なかでも「臥龍梅」と名付けられた一株が有名で、これはまるで龍が大地に横たわっているように見えるところから、水戸光圀が命名したと伝えられています。また、八代将軍徳川吉宗も鷹狩の帰りにこの地を訪れました。
 江戸近郊の行楽地として、花の季節にはたくさんの人々でにぎわい、その様子は『江戸名所図会』『絵本江戸土産』(歌川広重)などの地誌にもとりあげられています。歌川広重はこの梅屋敷だけで十数種の版画を描き、とくに「名所江戸百景」の中の、太い梅の古木を手前にあしらった錦絵は傑作のひとつにあげられます。
 明治43(1910)年、大雨により隅田川沿岸はほとんど水に浸り、亀戸町・大島町・砂村のほぼ全域が浸水しました。この洪水により、梅屋敷のすべての梅樹が枯れ、廃園となりました。

「紅冬至」。

極早咲き種で1月中旬には満開となる。花は淡紅色、一重咲きの中輪で盆栽などに多く用いられる。

「まゆみ」。

「ふりそでやなぎ」。やっと芽吹いてきました。

「ぼけ」。

「福寿草」。

スカイツリー。

「梅を詠む」。

・梅が香や 背伸びした妻 のめりかけ  ・江戸の春 今も薫るや 梅まつり

・寄りそゐて 紅梅色の 胸の内 ・・・

「北斎漫画」をビデオで紹介。

              (「すみだ北斎美術館」提供)。

ところで、「すみだ北斎美術館」での新しい企画。

         

商業的な出版物である浮世絵は、絵師だけでは成り立たず、企画から販売まで手掛ける板元、板木を彫摺する彫師と摺師が必要となります。中でも世の流行を見極め、売れ行きの伸びる企画を立案し、絵師の起用から彫師・摺師の指揮までを担う板元は、いわば浮世絵師の総合プロデューサーにあたる重要な存在でした。本展は、その板元たちが北斎をどのようにプロデュースし、どのような作品を世に生み出したかを辿る展覧会です。

江戸のメディア王と評され、北斎の才能に早くから目をつけていた蔦屋重三郎をはじめ、「冨嶽三十六景」をヒットさせた西村屋与八、『北斎漫画』を出版した永楽屋東四郎といった江戸の板元たち、また伝統木版として、浮世絵制作、北斎からインスパイアされた現代アーティストの作品を紹介します。江戸時代の蔦屋重三郎から現代まで浮世絵業界を支えるプロデューサーズの世界をお楽しみください。
会期
2025年3月18日(火)~5月25日(日)
※前後期で一部展示替えを実施
前期:3月18日(火)~4月20日(日)
後期:4月22日(火)~5月25日(日)
主催 墨田区・すみだ北斎美術館。
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「向島百花園」梅まつり・2月8日(土)。霜柱。「大道芸」・出演:浅草雑芸団(あさくさざつげいだん)・放下芸・大黒舞・南京玉すだれ。紅白の梅。焼き芋。

2025-02-12 18:37:54 | 向島百花園

草をすっかり刈り取られた地面に、霜柱。

久々に見ました。コンクリートで固められた近頃では珍しい。子供のころ、近所の地面で見かけ、足ふみをした思い出が。

土の香りが漂う感じです。踏めないのが残念!

早春の園内。

大道芸の始まる時間まで園内を。

木瓜(ぼけ)。

「ネムノキ(合歓木)」。大きな莢がたくさん。マメ科らしい。

ネムノキは樹高8mほどに育つ落葉高木です。枝は横に張り、夏には羽状複葉を広げて心地よい緑陰をつくります。葉は夕方になると閉じ、その姿が眠りにつくように見えるところからネムノキの名前がつきました。6月から7月に、枝先に淡紅色の長い雄しべをもつ花が20ほど集まって咲く姿は繊細でかわいいものです。

という説明を鵜呑みにすると、早春のようすにビックリ。

「れんぎょう」。

日本及び中国を原産とするモクセイ科の落葉低木。丈夫な性質を持ち、日本全国の公園や道路の植え込み、寄せ植えの花木として広く使われる。レンギョウが日本へ渡来したのは平安時代初期あるいは江戸時代(1681~1683)で、当初は薬用植物として扱われた。

・英語ではゴールデンベルと呼ばれ、その名のとおり春になると枝一面に鈴のような黄色い花を鮮やかに咲かせる。狂い咲きも多く、真冬以外はチラホラと花を咲かせる。

「まゆみ」。

マユミが属するニシキギ科のニシキギの名は、錦のような紅葉の美しさから名づけられましたが、その仲間のマユミも秋になると、茶色がかったオレンジ色に紅葉する、とても美しい落葉低木です。それにもまして美しいのが、朱色がかった赤色の四角い果実で、熟すと中から、紅オレンジ色の仮種皮(かしゅひ)に覆われたタネが現れ、落葉後も残ります。
マユミは日本に自生する植物なので、栽培は容易で、病害虫もほとんどなく、日なたに植えれば、毎年美しい紅葉と果実を楽しむことができます。
木の質は緻密で、粘りがあり、古くはマユミの木で弓をつくったことから「真弓」と呼ばれるようになったといわれます。現在でも将棋の駒などの材料として利用されます。

・・・

園内放送があり、「大道芸」が、もうじき始まるようです。

この解説は、来週16日(日)に行われる「すずめ踊り」。

出演:浅草雑芸団(あさくさざつげいだん)。

≪浅草雑芸団≫
1985 年に、「大道芸で遊ぼう」という趣旨で始めた研究・実演団体。故・坂野比呂志の指導を受け、がまの油売り、飴売り、バナナの叩き売りなど坂野の芸を継承する一方で、のぞきからくりや、ろくろ首(見世物)の復元なども行う。 2001 年より、祝福芸はるこまを軸として、門付け芸や道行の芸能にも挑戦。年に一度、日本の大道芸探訪の舞台公演も行っている。

放下芸(ほうかげい)、大黒舞い、南京玉すだれ等の大道芸が披露されました。

演技中、上空に航空機が。皆で空を見上げる。

大黒舞い。

南京玉すだれ。

1
アさて アさて アさて さて さて さて
さては南京玉すだれ
チョイと伸ばして チョイと伸ばせば
浦島太郎さんが浜辺にて 魚釣る竿にさも似たり
魚釣る竿がお目にとまれば元へと直す
2
さてさてさてさて さては南京玉すだれ
チョイと伸ばして チョイと伸ばせば
瀬田の唐橋 唐金擬宝珠 擬宝珠ないのがお慰み
瀬田の唐橋 お目にとまれば元へと直す
・・・7
さてさてさてさて さては南京玉すだれ
チョイと返してチョイと返せば 万国国旗にさも似たり
万国国旗が お目にとまれば しだれ柳に早変わり
しだれ柳に飛びつく蛙(かわず) 蛙いないがお慰み
それでは皆様 お達者で あらエッサッサ〜

3時から30分。風が冷たくなってきました。その中での熱演に感謝、感謝‼

※大道芸人は、路上で歌、口上、踊り、軽業、楽器の演奏などを披露し、歴史的には投げ銭を取ることで生計を立ていた。

門前に紅白の梅。

帰りには、いつも出店している焼き芋屋さんで「焼き芋」(¥350)を買いました。

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「向島百花園」梅まつり・2月8日(土)。月影。緑萼梅。冬至梅。八重寒紅・・・。福寿草。

2025-02-11 20:01:16 | 向島百花園

向島百花園で「梅まつり」が始まったので、2月8日(土)に訪問しました。風は冷たいですが、快晴。

「白加賀」「紅千鳥」などは大木などは、まだ咲いてはいませんが、早咲きの鉢植えなどけっこう咲いていました。

「月影」。

※水戸「偕楽園」内にあるウメの中でも、花の形、香り、色などが優れているウメを「水戸の六名木」と呼んでいますが、その一つに「月影」。

人出もそこそこ。外国人もチラホラ。

 緑萼梅。

梅は通常、萼(ガク)の部分が赤いものなのですが、この梅は緑色をしているのが特徴です。中国が原産地で、日中友好の品として中国から各地に寄贈されているようです。

「とうじばい」。

冬至梅 

野梅性の早咲き品種で白花の花梅の代表格です。花は白の中輪花で一重咲きです。
開花期が12月中旬~2月中旬と早く、冬至のころに咲くのが名前の由来です。お正月用の梅として使用されています。
枝が細く、鉢植えや盆栽に向きます。

「唐梅」。

紅色の花弁に赤い筋が入り、花弁先端がぼかしとなる中輪八重咲き種。開花は2月上旬。

「八重寒紅」。

野梅系の中では最も赤い種類で、1月中旬には開花する早咲き。中輪八重咲き種で、花弁は波うつ。

「八重野梅」。

早春に花を咲かせる八重野梅。花びらが何重にも重なり華やかな印象です。開花すると花とともに良い香りを楽しむことができます。枝が細かく出るので樹形を作りやすく、盆栽に適しています。

これらの梅はほぼ満開でした。

福寿草。

「江戸の福寿草売り」。

江戸時代、福寿草は新春を祝う縁起物として人気がありました。天秤棒を担いで福寿草の鉢を販売する様子は四季の風物詩として多くの浮世絵に描かれています。

花言葉は永久の幸福、思い出、幸福を招く、祝福。

ただし、毒草。

フクジュソウは全草が有毒で、その毒成分は強心配糖体のシマリンとアドニンで、飲食すると嘔吐、呼吸困難になり心不全に至る危険性があります。 薬用としての利用は禁物です。(「」HPより)

地植えでも咲いています。

スイセンも花開く。

ふりそでやなぎ。これから、という感じ。

・花芽は、最初は赤い皮に包まれているが 早春、白い毛に包まれた部分が出てくる。この様子がとても美しい。

 さらにそのあと、猫柳そっくりのもじゃもじゃが出てくる。  おもしろい♪

・柳の葉っぱがたくさん垂れた姿を 「振袖姿」にたとえた、とのこと。

 また、1657(明暦3)年の  「明暦の大火(別名:振袖火事)」で 火元とされた、本郷の本妙寺というお寺があるが、そ の本妙寺に植えられていた本種を、新たに命名する際に「振袖火事」の名から「振袖柳」とした、との説もある。

(この項「」HPより)

          「スカイツリー」。

広場では、大道芸が行われていました。それらは次回。

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向島百花園。尾長。山鳩。山梨・「やまなし」・宮沢賢治。

2025-01-23 20:13:03 | 向島百花園

周囲がすっかり刈られ、歌碑などがはっきり目立つようになっています。

 

              「初代河竹新七追善しのぶ塚」。

隅田川よ二面よと歌舞伎にも浄瑠璃にも世にもてはやさるる荵売は、安永四とせ中村座の春狂言に初代中村仲蔵が勤め、前の河竹新七の作なり。そが正本を、ある人より贈られて久しゅう秘蔵せしは、名を嗣ぐ者の幸せと悦びしが、この度ここに埋みて、昔忍ぶの墳と名づけその故よし記しつくるは、隅田川の流れ絶えず伝えて、二面の二つなき功績を、後の世に遺さんとてのわざになんありける。
 明治十三年三月

            

園内には尾長など鳥の姿が目立ちます。

山鳩。奥にも尾長?

尾長がたくさん集まって、先を争うように、実をついばんでいます。奥の木。

 

何の実をついばんでいるのか? 「山梨(やまなし)」の実です。

山梨(やまなし)

山梨の実。

山地の中腹や谷などに生育する。日本のものは本来の自生ではなく、古くに植栽されたものという説もある。4月に白い花を咲かせ、夏から秋にかけて黄色い実が熟す。現在果樹として出回っている梨のもととなった品種とされるが、本種の実は酸っぱくて食用には向かない

※和ナシは甘くてジューシーでとっても美味しいですが、 その原種がヤマナシです。実は硬くてしぶくて・・・「あんまりおいしくない・・」とわざわざ中国から持ってきて育てた人は、 がっかりしたかもしれない・・・なんだか訳アリ樹木。
しかしこの木から今の和ナシを見出したのは人。 人のすごさも教えてくれるのがヤマナシなのです!二十世紀ナシなどは突然変異で生まれたそうです。
これはすべての樹木に言えるわけで、 まずいという木でも、 「あれ?うまい!」ってことが起こりうるという宝探しのような出来事なのです。

(この項「」HPより)

 

「やまなし」といえば、宮沢賢治の童話「やまなし」を思い出します。

「やまなし」宮沢賢治

小さな谷川の底を写した二枚の青い幻燈げんとうです。

一、五月

 二ひきかにの子供らが青じろい水の底で話していました。
『クラムボンはわらったよ。』
『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』
『クラムボンはねてわらったよ。』
『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』
 上の方や横の方は、青くくらくはがねのように見えます。そのなめらかな天井てんじょうを、つぶつぶ暗いあわが流れて行きます。
『クラムボンはわらっていたよ。』
『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』
『それならなぜクラムボンはわらったの。』
『知らない。』
 つぶつぶ泡が流れて行きます。蟹の子供らもぽっぽっぽっとつづけて五六つぶ泡をきました。それはゆれながら水銀のように光ってななめに上の方へのぼって行きました。
 つうと銀のいろの腹をひるがえして、一疋の魚が頭の上を過ぎて行きました。
『クラムボンは死んだよ。』
『クラムボンは殺されたよ。』
『クラムボンは死んでしまったよ………。』
『殺されたよ。』
『それならなぜ殺された。』兄さんの蟹は、その右側の四本のあしの中の二本を、弟の平べったい頭にのせながらいました。
『わからない。』
 魚がまたツウともどって下流のほうへ行きました。
『クラムボンはわらったよ。』
『わらった。』
 にわかにパッと明るくなり、日光の黄金きんゆめのように水の中に降って来ました。
 波から来る光のあみが、底の白いいわの上で美しくゆらゆらのびたりちぢんだりしました。泡や小さなごみからはまっすぐなかげの棒が、斜めに水の中にならんで立ちました。
 魚がこんどはそこら中の黄金きんの光をまるっきりくちゃくちゃにしておまけに自分は鉄いろに変に底びかりして、また上流かみの方へのぼりました。
『お魚はなぜああ行ったり来たりするの。』
 弟の蟹がまぶしそうにを動かしながらたずねました。
『何か悪いことをしてるんだよとってるんだよ。』
『とってるの。』
『うん。』
 そのお魚がまた上流かみから戻って来ました。今度はゆっくり落ちついて、ひれもも動かさずただ水にだけ流されながらお口をのように円くしてやって来ました。その影は黒くしずかに底の光の網の上をすべりました。
『お魚は……。』
 その時です。にわかに天井に白い泡がたって、青びかりのまるでぎらぎらする鉄砲弾てっぽうだまのようなものが、いきなり飛込とびこんで来ました。
 兄さんの蟹ははっきりとその青いもののさきがコンパスのように黒くとがっているのも見ました。と思ううちに、魚の白い腹がぎらっと光って一ぺんひるがえり、上の方へのぼったようでしたが、それっきりもう青いものも魚のかたちも見えず光の黄金きんの網はゆらゆらゆれ、泡はつぶつぶ流れました。
 二疋はまるで声も出ず居すくまってしまいました。
 お父さんの蟹が出て来ました。
『どうしたい。ぶるぶるふるえているじゃないか。』
『お父さん、いまおかしなものが来たよ。』
『どんなもんだ。』
『青くてね、光るんだよ。はじがこんなに黒く尖ってるの。それが来たらお魚が上へのぼって行ったよ。』
『そいつの眼が赤かったかい。』
『わからない。』
『ふうん。しかし、そいつは鳥だよ。かわせみと云うんだ。大丈夫だいじょうぶだ、安心しろ。おれたちはかまわないんだから。』
『お父さん、お魚はどこへ行ったの。』
『魚かい。魚はこわい所へ行った』
『こわいよ、お父さん。』
『いいいい、大丈夫だ。心配するな。そら、かばの花が流れて来た。ごらん、きれいだろう。』
 泡と一緒いっしょに、白い樺の花びらが天井をたくさんすべって来ました。
『こわいよ、お父さん。』弟の蟹も云いました。
 光の網はゆらゆら、のびたりちぢんだり、花びらの影はしずかに砂をすべりました。

二、十二月

 蟹の子供らはもうよほど大きくなり、底の景色も夏から秋の間にすっかり変りました。
 白いやわらかな円石まるいしもころがって来、小さなきりの形の水晶すいしょうの粒や、金雲母きんうんものかけらもながれて来てとまりました。
 そのつめたい水の底まで、ラムネのびんの月光がいっぱいにすきとおり天井では波が青じろい火を、燃したり消したりしているよう、あたりはしんとして、ただいかにも遠くからというように、その波の音がひびいて来るだけです。
 蟹の子供らは、あんまり月が明るく水がきれいなのでねむらないで外に出て、しばらくだまって泡をはいて天上の方を見ていました。
『やっぱりぼくの泡は大きいね。』
『兄さん、わざと大きく吐いてるんだい。僕だってわざとならもっと大きく吐けるよ。』
『吐いてごらん。おや、たったそれきりだろう。いいかい、兄さんが吐くから見ておいで。そら、ね、大きいだろう。』
『大きかないや、おんなじだい。』
『近くだから自分のが大きく見えるんだよ。そんなら一緒に吐いてみよう。いいかい、そら。』
『やっぱり僕の方大きいよ。』
『本当かい。じゃ、も一つはくよ。』
『だめだい、そんなにのびあがっては。』
 またお父さんの蟹が出て来ました。
『もうねろねろ。おそいぞ、あしたイサドへ連れて行かんぞ。』
『お父さん、僕たちの泡どっち大きいの』
『それは兄さんの方だろう』
『そうじゃないよ、僕の方大きいんだよ』弟の蟹は泣きそうになりました。
 そのとき、トブン。
 黒い円い大きなものが、天井から落ちてずうっとしずんで又上へのぼって行きました。キラキラッと黄金きんのぶちがひかりました。
『かわせみだ』子供らの蟹はくびをすくめて云いました。
 お父さんの蟹は、遠めがねのような両方の眼をあらん限り延ばして、よくよく見てから云いました。
『そうじゃない、あれはやまなしだ、流れて行くぞ、ついて行って見よう、ああいいにおいだな』
 なるほど、そこらの月あかりの水の中は、やまなしのいい匂いでいっぱいでした。
 三疋はぼかぼか流れて行くやまなしのあとを追いました。
 その横あるきと、底の黒い三つの影法師かげぼうしが、合せて六つおどるようにして、やまなしの円い影を追いました。
 間もなく水はサラサラ鳴り、天井の波はいよいよ青いほのおをあげ、やまなしは横になって木のえだにひっかかってとまり、その上には月光のにじがもかもか集まりました。
『どうだ、やっぱりやまなしだよ、よく熟している、いい匂いだろう。』
『おいしそうだね、お父さん』
『待て待て、もう二日ばかり待つとね、こいつは下へしずんで来る、それからひとりでにおいしいお酒ができるから、さあ、もう帰ってよう、おいで』
 親子の蟹は三疋自分の穴に帰って行きます。
 波はいよいよ青じろい焔をゆらゆらとあげました、それは又金剛石こんごうせきの粉をはいているようでした。

        *
 私の幻燈はこれでおしまいであります。

                                                    (「青空文庫」より)

オノマトペがふんだんに用いられ、素敵なお話になっています。

※「やまなし」は宮沢賢治の短編童話1923年大正12年)4月8日の『岩手毎日新聞』に掲載された。賢治の数少ない生前発表童話の一つであり、「雪渡り」についで発表された

 

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春を迎える準備の「向島百花園」。春の七草。葉牡丹。まんりょう。ふよう。芽が膨らみ始めた梅。「梅まつり」。

2025-01-22 19:28:45 | 向島百花園

春を迎える準備の「向島百花園」。

 

ふよう。

春の七草。

葉牡丹など。

南天(なんてん)。

まんりょう。

           

梅もそろそろ咲き始めるか? 

 つぼみも少しずつふくらみ始め。

恒例の「梅まつり」も、まもなく。

令和7年2月8日(土)~3月2日(日) 各日9時~17時(入園は16時30分まで)

(1)梅を詠む
お客様に「梅」を題材にした俳句・和歌を俳句帳にお書きいただきます。
 日  時:期間中毎日 9時~17時
 場  所:藤棚横四阿

(2)江戸大道芸
浅草芸団による大黒舞い、 放下等の大道芸を披露します。
 日  時:2月8日(土)・2月24日(月・振休)
      各日11時40分、13時、15時 ※各回約30分
 場  所:売店前広場

 観覧方法:当日自由観覧

(3)すずめ踊り
初代園主の佐原鞠塢出身の地、仙台が発祥で、墨田区ゆかりの浮世絵師、
葛飾北斎が描いた「北斎漫画」にも登場しているすずめ踊りを披露します。
 日  時:2月9日(日)・2月16日(日)
      各日13時、15時 ※各回約30分
 場  所:売店前広場
 出  演:福来雀(ふっくらすずめ)
 観覧方法:当日自由観覧 

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久々の「向島百花園」。すっかり冬模様。

2024-12-23 20:44:41 | 向島百花園

大けが後、久々の「百花園」。すっかり冬模様。

  門前の楓。

すっかり冬模様。 

                          ススキも刈り取られ、冬支度の松。

 菊も残りの秋を惜しむかのように。

  山茶花。

南天。

                       楓。 

早咲きの桜も。

 

「冬至」の日の百花園でした。何とかスマホで写真も撮れました。

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「向島百花園」。その2。秋の色彩。はぜのき。つわぶき。なんてん。にしきぎ。サフラン。のぎく。リンドウ。かんざん。楽焼体験。

2024-11-18 19:43:42 | 向島百花園

園内の様々な秋の色彩。

ふよう。

はぜのき。

 中央は、はぜのきと梅(べにちどり)。左が葛(くず)、右がみつばあけびの棚。

つわぶき。

池のほとりに群生しています。

なんてん。

にしきぎ。

サフラン。

のぎく。 

りんどう。

リンドウは、漢字では「竜胆」や「龍胆」と書かれ、「りゅうたん」という呼び名が訛ってリンドウになったとされます。根の部分の薬効成分も知られ、胃腸薬などとして使われていたそうです。龍の胆(胆のう)という名称は、同じく生薬として知られる熊胆(熊の胆のう)と同等もしくはそれ以上の苦味があることから、名付けられたという説があります。

古いいけばなの教本で登場するリンドウが、作品のメインとなる枝や花の足元にちょこっと顔を覗かせる姿ばかりであることも、野山に咲く背の低いリンドウを想起させます。

        

ふきのとう?

            かんざん。

日本を原産とするサトザクラ及びヤエザクラの代表種。花は大型の八重咲きで、ピンク色が濃く、花びらの重なりが多い。その派手さと性質の強健さが西洋人に好まれ、欧米文化圏をはじめとして世界各地に植栽される。その歴史は古く、似たようなサトザクラであるフゲンゾウと共に奈良時代から伝わるという。

(この項「」HPより)

池に映える紅葉。 

                               スカイツリーが水面に。

 

園内では、「秋の楽焼体験」が開かれ、子供連れやカップルなど賑わっています。

晩秋のひとときでした。

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「向島百花園」。その1。菊花展。菊盆栽。江戸・嵯峨・肥後・丁子。

2024-11-17 16:17:23 | 向島百花園

晩秋の「向島百花園」。

今年も恒例の「菊花展」をやっています。丹精込めた盆栽、鉢植えなど。

入口には、「江戸 御園の秋」。

盆栽。

              「川辺で遊ぶ子供たち」。

「花垣 江戸」。

「新宿御苑」で開催中の菊花展と比べたら、規模が小さいですが、丹精込めた菊が今年も園内のあちこちに。

「江戸 黄八丈」。

「江戸 星月夜」。

「江戸 うたかた」など。

 

「江戸 春日」。

そして盆栽仕立て。

菊盆栽は大正時代から始まり、花色・花型など極めて多彩です。

                          

      

園内には「江戸菊」以外にも他の地域も展示されています。

「嵯峨菊」。

「肥後 胡蝶」など。

「丁子菊」。「中央:葵の上 右:望月」。

丁字菊(ちょうじぎく)。発祥の地は関西らしく、東京では、一本の茎から同時に六輪咲かせる一六作りという手法で立てられることが多いようです。

                  「三山」・「葛城」

園内には、木々や花々にも秋から冬のの装いに。

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