おやじのつぶやき

おやじの日々の暮らしぶりや世の中の見聞きしたことへの思い

「九思一言」

2010-02-28 23:21:58 | つぶやき
朝鮮学校の無償化「結論出てない」首相が修正(読売新聞) - goo ニュース
 どうも鳩山さんには困ったものだ。これほど言葉が軽いとは外交問題では致命的なことになりかねない。中井さんの発言は明らかに拉致問題・経済制裁と絡んだ発言。産経などはやんやの歓声。
 鳩山さんも、まさしく軽薄だから何も考えずに賛意を示す、とたんに反対の声が出て来ると、すぐ修正。これが多すぎ。
 宰相として大臣の発言を吟味し方向性をきちんと明らかにする。ホントウに中井さんの発言を了とするなら、ぶれてはいけない!  でも、重大な国際的な非難を浴びるのは必至。アメリカンスクールや中華学校と同じ各種学校という把握の中で、これから精査するというのが、文科省の考え。その結論を待つべき。ところが鳩山さん、ムキになって教育内容にまで疑問をはさむ・・・。
 普天間を巡る発言も含めて、どうも鳩山さん、国際感覚も国民目線も、ゼロに等しい。これは、日本にとって(世界にとっても)、不幸ではある。
 昔の格言に「九思一言」というのがある。長たる者、何か言おうとしたら、何回も思索してよく発言を吟味して言わなければ、その徳を傷つけることに、ということ。
 「殿、ご乱心」などと茶化してはいられません、大臣各位。
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読書89「ヒューマンエラーは裁けるか」(シドニー・デッカー)東京大学出版会

2010-02-27 06:45:05 | つぶやき
 大きな事故が起きると、被害者はもとより一般の人々もなぜ事故が起きたのか、事故原因の解明と事故の再発を防いでほしい、と願う。マスコミも基本的には被害者の側に立ってさまざな記事を報道する。
 さらに、警察は捜査に取り組み、事故調査機関は技術的な調査に取り組む。その過程の中で、業務上過失致死(致傷)等の罪によって送検され裁判となる。また、刑事裁判だけでなく、民事裁判にも持ち込まれる。ただ捜査の対象者は、多くの場合、現場の作業従事者とせいぜい直接の管理者に限られ、行政や企業・組織への責任追求、捜査は限定されていく。
 JR西日本の大事故の場合。事故の背景となった(かもしれない)会社経営の問題点、さらに経営者の責任はあいまいにされる。そして、会社ぐるみ、事故調査機関ぐるみの隠蔽工作まで起され、大事故の責任の大半が、死亡した電車運転手の過失・資質に収束する傾向が起きてくる。
 尼崎の橋の事故でもそのような流れだったが、検察審査会によって、現場責任者のみではなく、管理責任者の警察署長を起訴することになった、これなどは、稀なケース。
 一方で、当事者責任論から犯罪者扱いされることを嫌う(恐れる)あまり、そうした事件事故、裁判につながりそうな職種を忌避する傾向も出ている。特に医学。産婦人科などの従事者が少なくなって、医療崩壊という現象すら起きている。
 人間はミスをする動物である。その小さなミスが、大きな事故につながることも、事実。
ほとんどの事件・事故がそうであると言っても過言ではない。
 だからといって、人間のエラーを規則破りの犯罪と捉えたり、悪いヤツは誰かという発想で捜査、犯人捜しをしても、安全性の向上に貢献しないどころか、かえってマイナスの役割を果たすことになるのではないか。
 「ヒューマンエラーは、原因ではなく症状ととらえ、システムの内部の深いところにある問題の結果である」「民事裁判も刑事訴訟もヒューマンエラーの抑止力として機能しない。かえって防衛的医療や質の低い医療につながり、事故の発生率を高めることにつながるおそれがある」「裁判、解雇、降格、辞職などは個人にとっても組織にとっても安全性向上には何の役にも立たない後ろ向きの責任でしかない」などの大切さを訴えた内容が、この書である。特に、事故調査機関、専門家の信頼感を高めることと、被害者への説明責任が全うされることが今後の課題として取り上げられている。航空機事故、電車事故、医療ミスなどの時の、日本の捜査機関のあり方、報道のあり方、当事者責任、被害者への十分な説明責任と補償等、続発する事故とその対応への方策を示した書である。
 
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159 奇橋・猿橋と水路橋 

2010-02-24 21:32:36 | 歴史・痕跡
 冬晴れの一日、知人が何人かの友と山梨県大月市にある百蔵山(ももくらやま)に行きました。この山、中央線の猿橋駅から歩くところ。所々雪も残っていて、風情がある中、見上げれば、富士山も真っ白、久々の山行でとても気分がよかったとのこと。
 この猿橋駅。駅名の由来は、桂川にかかる甲州街道の「猿橋」(さるはし)にあります。この橋は、山口県の錦帯橋(きんたいきょう)、徳島県のかずら橋と並ぶ、日本三大奇橋(これにはいろいろな説があって、現存しない木曽の桟橋や日光の神橋があったりするようです)、の一つで、1932(昭和7)年に名勝指定を受けています。
 長さ31m、幅3.3mの木橋ですが、桂川の谷が31mと深く、橋脚がたてられないため、両岸から張り出した四層のはね木によって上部の橋を支えています。橋名の由来は、猿がつながって対岸に渡る姿を見て、これを造ったという伝説に基づいています。
 現在の橋は、1984(昭和59)年に、総工費3億8千万円をかけ完成したもので、メンテナンスのことも考えて、H鋼を木材で囲った桔木が用いられているとのこと。
 知人たち一行、山からの帰り道、ここに立ち寄って記念撮影をしてきました。私も、以前行ったことがありますが、その時はまだ昔のままの木橋だったような木がします。独特の橋の形態と渓流のすばらしさに見とれた、と。
 知人、ふと下流を見やると、そこにも古びたコンクリート製の橋が架かっています。この知人、実は、私が「痕跡マニア」特に廃線に興味を持っていることを常々耳にしていましたから、帰ってきて、その写真を見せてくれました。「いったい何の跡だろう・・・」
 それが、この写真。煉瓦作りのアーチ状の低いトンネルから谷を渡っている、幅広い橋。横に渡された橋桁状のものが、古い線路跡に見えなくもないとのこと。
 さっそく拡大して観察。どうも鉄橋ではなさそう、あまりにもトンネルの天井が低すぎ。よく見ると、上部にははっきりとは読み取れませんが、「○○号○○」(○○の部分は、判別不能)と小さなプレートがあります。また、橋の下部がコンクリート製の箱状になっています。桂川を渡る「流水路」のように見えました。
 当日、知人が撮った写真の中に、別の場所にある浄水場の建物の前で撮ったものがあったので、そこから流す上水路ではないか、と推論。
 gooの地図でも、この橋状のものが、猿橋のすぐ下流に確認できました。ところが、浄水場は、はるか高い位置にある。どうも、そこからの水路ではないようです。
 線路跡や上水道施設ではないことがはっきりしましたが、あとは、皆目、検討がつきません。
 そこで、地元・大月市の観光案内、さらに「猿橋」を検索しました。そこに、写真入りで紹介されていた!これは、「八ツ沢発電所一号水路橋」と名付けられた水路だったのです。
管理者は、東京電力株式会社。上流の「駒橋発電所」で利用した水を下流にある上野原八ツ沢地区の発電所で有効利用するために架けられた水路とのこと。
 「駒橋発電所」は、明治42年12月、東京・早稲田変電所への遠距離送電成功により大規模水力発電所の草分けとなった発電所で、中央道を下って大月を過ぎ、岩殿付近、谷をはさんで対岸に見える発電所。そういう長い歴史と建造物としての価値が認められたのでしょうか、平成9年9月16日文化財登録されました。
 猿橋と水路橋とその下に赤い橋脚の新猿橋。この三つが並ぶという峡谷の趣が、また格別です。紅葉や新緑の頃はすばらしいのではないでしょうか。
 注:知人のデジカメの画素数の関係?でせっかくの写真をブログにアップできませんでした。何とか工夫してみますが、こういう場合、どうしたらよいのでしょうか?
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プライバシーも何もあったものじゃなかったあの騒動

2010-02-23 06:35:15 | つぶやき
新型インフル諮問委、記録残さず=首相に答申の専門家会議-非公開の10回検証困難(時事通信) - goo ニュース
 初感染者。外国旅行先での発症。完全隔離騒ぎ。ついでに、どこに行ったか。どこに立ち寄ったか。誰と一緒だったか。家族も知人もほとんどプライバシー、ゼロ。
 学校関係者もお詫びの会見。「世間を騒がせて、申し訳ありませんでした。」「予防・健康管理が不行き届きで・・・。」そういえば、近所の学校も野球部の応援のバスで、感染者が出て大騒ぎ、対外試合自粛やら何やら。
 それも初めのうち、マスコミも大いに取り上げて、大騒ぎ。でも、あちこちで感染者が出始めたらもう話題性に欠けてしまって・・・。ただ死亡者が出たときはまたマスコミに出たがそれも増えると統計的な資料のみが報道された。ワクチンも大量に輸入したものの、大半が未使用のまま大量に残ってしまった!
 ここへ来て、あのインフル騒ぎは薬品会社と結託した陰謀だったのではないか、という説も浮上した。たしかに、我が家も孫を含めて発症した。急な発熱にびっくり仰天、脳への異常があったらとか、他の人間に感染しないように、とか。手洗いうがいの励行と・・・。結局、年寄り二人を除いて、身内全員が罹ってしまって、タミフルのお世話になった。
 これで、予防注射を受けなくてもよくなったのか? 我が家でも、下火になった。
 それにしても、初期の頃の大騒ぎ。一体何だったのでしょうか? どうせ水際で止めるのは至難の業だったのに、功を焦っての厚生官僚の張り切りぶりだけが目立った。
 もちろん、これから来るかもしれない「鳥インフル」これは、致死率60%というらしいから、これこそ、脅威。その予行演習としては効果があった、と自己満足に終わったとしたら。この記事のように、一切記録を残さなかった厚労省の深謀遠慮が見え隠れする出来事ではある。
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取り調べの可視化(補足)

2010-02-22 06:55:34 | つぶやき
 産経新聞の18日の記事。
約20年前、元官房長官ら政官財の大物が続々と起訴されたリクルート事件で、容疑者と主任検事として対峙(たいじ)した2人のキーマンが、いま改めて事件と向き合った。
 元首相ら多くの政治家や官僚に値上がり確実な未公開株を譲渡していたことが発覚し、東京地検特捜部に贈賄容疑などで逮捕された元リクルート会長の江副浩正氏(73)。当時の特捜部副部長で事件の主任検事として捜査を指揮したほか、江副氏の取り調べも担当した宗像紀夫弁護士(68)。
 江副氏は当時、宗像氏らの取り調べに対して“自白”して贈賄を認める供述をしたものの、公判では一転、無罪を主張。最終的には有罪判決が確定したが、一体、あの“自白”は何だったのか。事件の真相とは…。「冤罪(えんざい)」「取り調べの可視化」「政治とカネ」など注目されている問題の核心が語られた。
 □リクルート元会長 江副浩正氏
 ■「有罪」今も無念に思う
 私は今も有罪判決を無念に思っています。東京地検特捜部に逮捕された後、贈賄を認める供述調書に署名をしましたが、それは本意ではありませんでした。
 宗像さんら取り調べ検事たちに「この調書に署名しなければ君を長期勾留(こうりゅう)する」「部下を逮捕する」と言われ、別の検事からは「壁に向かって立て」「土下座しろ」などと言われました。「苦しみから逃れたい」という私の弱さから、身に覚えもない調書に署名してしまったのです。
 逮捕から113日の長期にわたって勾留されましたが、現代の「拷問」といえるような取り調べや、早期保釈を条件に自白を迫る“司法取引”のようなことが、密室の取調室で行われている。それは問題ではないでしょうか。
 これは私の推測ですが、検察官は容疑者を起訴し有罪にすれば、昇進につながります。だから冤罪が起きるのだと思います。宗像さんは有能な検察官で、人柄も誠実でよい人でした。検察上層部の方針と、私の抵抗の間で苦悩していた姿が、今も思い浮かびます。
 冤罪をなくすためには取り調べを録画・録音する可視化が必要だと思います。しかも全面可視化でなければならない。一部だけ可視化すれば、検察側が都合のいいところだけ録画・録音し、逆に冤罪につながりかねないからです。
 民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体をめぐる事件がメディアで注目を集めましたが、メディアとその読者の責任も重要です。「出るくいは打たれる…」と言いますが、リクルート事件の背景には、私がメディアに出過ぎていて、株でもうけるのは良くないという世間の風潮があったのではないかと思います。
 裁判で、1審判決が出るまで13年。執行猶予付きの判決であり、控訴しても、無罪になるためにはさらに長い時間と費用がかかると考え、裁判をやめました。裁判の長期化を防ぐためにも裁判員裁判に期待したいと思います。ただ、死刑の判断をしなければいけないような公判に裁判員を参加させることには疑問を抱きます。むしろ窃盗や贈収賄事件など、ほかのさまざまな事件で裁判員裁判が行われるべきだと思います。
                   ◇
 □元東京地検特捜部 宗像紀夫弁護士
 ■避けられぬ全面可視化
 リクルート事件は、私の36年間の検察官生活の中で最も記憶に残る記念碑的な事件でした。
 値上がり確実な未公開株の譲渡が単なる「経済行為」なのか「贈収賄」なのか、難しい法律問題がありましたし、江副さんをはじめ当時のリクルート関係者の抵抗も激しかった。真実の供述を求めて、取り調べでもギリギリの攻防が展開されました。だから江副さんからみて圧力を感じる調べもあったのかもしれません。真剣勝負でした。
 あれから20年。起訴した人は全員有罪になり、誤りのない事件処理だったと自負しています。いちいち反論するつもりはありませんが、一つだけ言うとすれば、保釈について説明したのは「司法取引」ではなく、否認のままだと証拠の隠滅の恐れがあるから「保釈は難しいですよ」と説明したのかもしれませんね。一般的に、犯行を認めていれば証拠隠滅の恐れがなくなるので保釈が認められる可能性は高まるのです。
 それから、検察官は昇進や出世のために人を起訴するわけではありません。検察官は、例外なしに強い正義感で日々の困難な事件に取り組んでいます。
 江副さんは若くして独創的な事業を興して、リクルート社を築き上げ成功した人だけあって信念の人という印象でした。当時も今も悪い感情は全くありません。なかなか折れにくい「生木のような」意志の強い人、「手ごわい敵」という感じでした。
 江副さんの言う通り、取り調べの全面可視化は避けられない流れだと思います。最近、冤罪があちこちで起きていますからね。取り調べは難しくなりますが、これは乗り越えなければならない試練だと思います。正式な司法取引制度の導入など、何か対抗手段を考えてもいいかもしれません。
 リクルート事件は、江副さんが「出るくい」だから打ったわけではありません。確かに当時、メディアに注目されていましたが、関係なく、あくまで川崎市助役の疑惑報道をきっかけに捜査した結果です。事件のスケールは違いますが、民主党の小沢一郎幹事長の政治団体をめぐる事件でも報道が過熱しました。ただ、あれは騒ぎ過ぎですね。
 産経新聞の記事をそのまま載せただけです。
 この前、このブログでも江副さんとその弁護団の著書を紹介しました。当時の容疑者と検事との単なる「追憶談」ということにとどまらず、奇しくも「取り調べ」の可視化の方向で一致していることに興味を持ちました。
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158 夕日に映えるスカイツリー

2010-02-21 22:20:26 | つぶやき
昨日の東京地方。一昨日よりも雲一つない快晴。寒さも一段落なのでしょうか。いよいよ春間近だといいのですが。
 スカイツリー。いつも帰り、夕方少し前、通りかかりました。まだ西に日が傾いたばかりでしたが、ちょっといい写真が撮れたので紹介。
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157 300㍍を超えたスカイ・ツリー

2010-02-20 06:45:45 | つぶやき
 建設中のスカイツリーがとうとう300㍍を超えました。これでもまだ予定の高さの半分に届かないのですから、どこまでの高さになるやら想像もつきません。見上げる首もますます痛くなるほどです。
 東京地方は、このところ雪が降ったり曇り空だったり・・・、携帯写真ではスカイツリーをすっきりとは写せませんでした。昨日は久々の晴れ間、雲は少し多めでしたが、青空に映えたスカイツリーを撮ることができました。
 新聞の報道があったせいでしょうか、平日なのに、見物客が訪れています。皆さん、空を見上げ写真を撮り、ツリーをバックに記念写真を撮っています。はたしててっぺんまで写っているかどうか。間近に見えるところまで行っての記念撮影。
 もう2月も半ば過ぎ。もうそろそろ少しは暖かい陽気になってくれるといいのですが。 

 303メートルの表示が見えます。 去年の4月7日の写真。
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国民の生活はどうなるの?

2010-02-19 22:51:25 | つぶやき
予算案、年度内成立へ=3月1日にも衆院通過-与党方針(時事通信) - goo ニュース
 政治と金の問題は確かに重要です。鳩山・小沢、政権の中枢人物の疑惑解明は大事。けれども、党首討論では自民党の谷垣さんは鳩山さんの脱税疑惑に費やすって、どういうこと?
 攻めどころの問題ではあるが、国民のこれからの生活に密接に関わる、まして新政権の政治理念が予算というかたちで具体化されている、そのことにまつわる疑問・疑惑(があるかどうか)を攻めずして何を獲得しようとしたのか。国会もヤジ合戦、崩壊状態で、国民の生活、経済・防衛・教育・・・、子ども手当や消費税論議など避けて通っていったい何をやっているのか? 素朴な怒りです。
 
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読書88「取り調べの『全面可視化』をめざして(リクルート事件元被告・弁護団の提言)中央公論新社

2010-02-18 21:00:29 | つぶやき
① 昨日、次のようなニュース(時事通信)。
 兵庫県明石市の歩道橋事故で、改正検察審査会法に基づき、明石署の榊 和晄 (かずあき) ・元副署長(63)を強制起訴する検事役の指定弁護士が、元副署長らの取り調べの全過程を録音・録画(可視化)する意向を固めたことがわかった。全面可視化が実施されれば、初のケースとなる。
 関係者によると、指定弁護士3人は今月5日、神戸地検の山根英嗣・次席検事らに対し、録音・録画に必要な機器の貸与を依頼。地検は「上級庁と相談したい」と回答したという。
 検察・警察は裁判員裁判で自白の任意性を立証するため、取り調べの一部を録音・録画しているが、全面可視化には「容疑者が心を開かなくなる」などと反対。これに対し、日本弁護士連合会は、脅迫や誘導による 冤罪 ( えんざい ) を防ぐため、取り調べのすべてを録音・録画するよう求めている。

② 今日は次のような記事(讀賣新聞)。
 郵便不正事件に絡み、偽の障害者団体証明書を発行したとして虚偽有印公文書作成などの罪に問われた厚生労働省元局長・村木厚子被告(54)の公判が17日、大阪地裁であった。自称障害者団体「 凛 (りん) の会」元会長・倉沢邦夫被告(74)とともに、民主党の石井一参院議員(75)に証明書発行の口添えを依頼したとされる元会員(67)が証人出廷し、「石井議員の事務所に行った記憶はない。供述調書は検事の作文」などと述べた。「事実と違う」と主張しても、机をたたかれたとも証言。検察側の取り調べを批判した。
 検察側主張では、元会員は2004年2月下旬、倉沢被告とともに議員会館に石井議員を訪ね、証明書発行について口添えを依頼。石井議員は「厚労省に知り合いがいるから電話しておく」と応じ、村木被告の上司だった塩田幸雄・元障害保健福祉部長(58)に電話で依頼したとされる。倉沢被告も公判で、元会員と一緒に石井議員を訪ねた、と証言した。
 ところが、元会員は「石井議員の事務所に行った記憶は全くなく、その時の映像が(頭に)出てこない」と証言。調書にある石井議員とのやりとりについても「取り調べ検事に『作文だ』と言ったが、認めてもらえなかった」と語った。
 取り調べ状況について、元会員は「『記憶がない』と説明しても、検事から『いや、そうじゃない。事実はこうなんだ』と言われ、押しつけられた」と説明。「(検事が)声を荒らげたり、机をたたいたりすることが脅迫というなら、脅迫はあった」と言い切った。

③ 足利事件に関しては、テープから垣間見られた、取り調べでの執拗な誘導尋問、犯人だとの予断からの警察、検察の取り調べ。それを受けたかのようなマスコミの報道・・・。こうした問題点が指摘された。
 担当の弁護士は、足利事件の誤判の責任は裁判官、検察官、警察官、弁護士、マスコミそれぞれにあったとして、「関与したすべての者が職責を果たさなかったために悲劇が生まれた。深刻な反省が求められる」と語っている。

 本書は、リクルート事件の元被告・江副氏と弁護団からの「裁判員制度」を念頭にした問題提起の書。
 リクルート事件とは、1986(昭和61)年、政府・官僚・政治家・NTT会長といった政官財界を巻き込んだ、リクルートコスモス株譲渡を中心とする「贈収賄」事件。
 そのうち、江副裁判は、13年もの年月がかかって、結局有罪判決(執行猶予付き)となった。
 その時の取り調べの実態を中心に、始まった「裁判員制度」をからめての「取調べの全面可視化」を主張している。
 冒頭にあげた、3つの事例(記事)にも深く関係しているといえよう。
 江副氏は取り調べのようすを次のように書く。
 「この調書に署名すれば、早期釈放する」「署名しなければ、長期拘留にする。(そうなると)保釈後は浦島太郎になるぞ」 
 参考人調べでは、「依田社長は藤波官房長官訪問についてフォローアップのためにお礼を言っている」としてそれに沿った証言を執拗に迫られた、という。結局、検事に強要されて検事の思い通りの調書を取られてしまった、と。
 また、「お前は嘘をついていた。真藤(NTT会長)はさっき落ちた!真藤はお前から直接電話を受けたと言っている」と言って土下座を強要された、とも。
 こうした経過をふまえて、弁護団の一人は、このリクルート事件は、東京地検特捜部が誤った筋書きを設定してしまって、修正されないまま、筋書きを前提とした供述調書が大量に作成され、その調書をもとに判決が下された、と語る。
 13年の長期裁判の結果、江副氏には、有罪判決(執行猶予付き)が下された。こうした結果が出たのだから、検察の取り調べを含め、江副氏の主張は間違っている、と言うことも可能だ。しかし、この書で問題にしているのは、今の取調べのやり方についての、厳しい批判。それが、冒頭の事例だ。今も変わらない密室での取り調べ。
 裁判員制度のもと、市民が殺人や強盗などの裁判に関わって、死刑判決もありうるような量刑判断をしなければならない(それも3~5日で判決を下す)、そういう制度の中でこそ、公正な裁判、判断をするためには、「取り調べの可視化」が必要だ、ということだ。
 裁判員制度が、検察主導の裁判・判決につながるのではなく、被告人の公正な裁判を受ける権利を実現するために存在するものでもなくてはならない。
 そうした観点で、検察のあり方、マスコミ報道のあり方などを含めて、きわめて現代的な課題への問題提起の書である。
  
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読書87「『国語』という呪縛」(川口良・角田史幸)吉川弘文館

2010-02-17 09:03:46 | つぶやき
 「○○大学文学部国文科」という学科は少なくなっています。「日本文学科」などに。さらには、教員養成系の大学では、「国語科」などという言い方がありますが、他の大学では、「日本語学科」という風になりつつあります。
 「日本語学科」というと、かつては、日本人学生が、日本語をよく知らない外国人に「教える」ための学科という印象を持っていましたが、最近では、かつての「国語・国文学科」のような内容になっているようです。
 井上ひさしの戯曲に明治維新後、大日本帝国としての国家統一のために「標準語」を制定し、学校教育を通して普及させていった内容のものがありますが、その時以来、「日本人=民族=精神=文化=国語=国家」という関わりの中で、いわゆる「日本語」という言語が捉えられ、確立していった。
 そうした歴史を持つ「国語」が、現代の日本を取り巻く国際的な環境の大変化の中でこれからどのように捉えていかなければならないか、「国語」という「名」の妥当性を含めて検証しようとした書が、この書です。
 作り出された「国語」の歴史、朝鮮や台湾など植民地政策の中で「同化」策としての「国語」の存在、外から見た「国語」観など、「国語から日本語へ、そして○○語へ」という副題に沿って興味深い話題が提供されていきます。
 永住外国人への地方参政権を巡って、様々な賛否の議論が渦巻く中、特に反対派からは「日本での選挙権を得たいなら帰化せよ」「外国人によってかき回される」「日本語を聞き話し、理解せずに、語るなかれ」等の声が聞こえてきます。まさに選挙権が民族=文化=記号になっている感が。そうした議論に持ち込んで、反対の世論を高めようという意図が見え見えですが・・・。
 こうした喧しい中で、あらためて「国語」=「日本語」という概念を捉え直すことも大事なような気がします。

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墨田区の小学生の場合

2010-02-15 21:01:15 | つぶやき
 何だか寒い日が続きます。アメリカのワシントンもすっかり雪に埋もれているようで。地球温暖化なんて、嘘っぱちだ、陰謀だ!などとの声も聞こえてきます。
 体感的には、10年前、20年前の方が寒くて、元旦に雪かきをしたこともあるし、車のフロントガラスが凍ってしまい、洗面器にお湯を入れてかけても、そのそばから凍ってしまう、なんて経験をしていましたから、それに比べればずいぶんと暖かくなっている感じがします。でも、今年の冬はたしかに寒い日が多いような・・・、北風はそれほど強くはないですが。
 スカイツリーも、もうじき300㍍の高さに。昨日、今日の空模様では、もうてっぺんは雲に隠れて、遙か高く、赤い非常灯がちらちら見えるくらいです。
 毎日、そんなスカイツリーを見上げながら、通勤しています。小学生に通う子ども達が、三々五々集まってきて待ち合わせ、集団登校。その風景にちょくちょく出くわします。上級生を先頭に、学校へ。親たちや地域の方が、交通安全の旗を持って子ども達を見送っています。
 ずいぶん長い間通い慣れた道ですが、年々子ども達の姿が少なくなっています。ひと頃は10人くらいいた子ども達も、今やわずか数人、親たちの姿も、めっきり少なくなってきているようです。それでも、墨田区内ではこうした集団登校をしている地域があります。
 しばらく進むと、一人で歩いていく子どもに出会います。その子だけは、みんなと離れた所に住んでいるのかな。行ってらっしゃい!
 しばらく行くと、今度は反対方向に歩いていく子どもがいます。みんなと違う地域の小学校に通っているのかな? すれ違う子どももいますが、お互いは見知らぬ同士でしょうか、挨拶も交わしません。
 職場近くの小学校まで来ると、子ども達が何人かグループになって登校途中です。体育館からは、楽器を演奏する音が聞こえてきます。
 今の小学校は、どのくらいの規模になっているのでしょうか? また地域割りはどうなっているのでしょうか? 学校選択制なのでしょうか?
 帰るとき、小学校の校庭では、少年野球だったり、サッカーだったりが盛んに行われ、大勢の子ども達や指導者、親たちで賑わっています。近所の公園では、子ども達が遊んでいます。工事中のスカイツリーが、目の前にすっきりと立っています。
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魑魅魍魎

2010-02-14 21:18:20 | つぶやき
 登場した役者は、大物の4人。鳩山首相、その弟の邦夫、兄弟の母親、与謝野馨。いずれ劣らぬ有名人の血筋。舞台は、予算委員会、記者会見の場、TVの場、など。
〔第1場〕2月12日・国会予算委員会の場。
 自民党・与謝野馨、鳩山首相
「邦夫さんがぼやくんですよ」「うちの兄貴はしょっちゅう、おっかさんの所へ行って『子分に配るカネが必要だ』とお金をもらっていた」。
 「兄貴」「おっかさん」「子分」。実に表現豊か。与謝野さん、もともとしゃべり口がべらんめい調。実にさまありなんという印象を観客に持たせた。
 鳩山さん、色をなして反論。
「兄弟といっても信じられない話だ。金を無心し『子分に配るお金をくれ』なんて言うわけない」「全くの作り話だ」
〔第2場〕2月13日・記者会見の場。
自民党・鳩山邦夫(とその実母)
 実母「お兄さんは子分がいっぱいいて、その世話とか面倒をみるのに大変お金がかかるという話だが、あなたには子分はいないの。お金がひどくかかることはないの」
 邦夫「ありません。子分があまりいないから」
 「母と電話で話した。それを何カ月か後に与謝野さんにこぼした、という二つの事実は間違いなくある。」
邦夫(補足して)「カネの無心(を首相がした)ということは聞いていない。それが独り歩きすると困る。(カネがかかるという話を誰が母にしたのか)全然分からない。第三者かもしれない」
〔第3場〕2月14日・テレビ朝日の番組の場。
自民党・与謝野馨
「12日の衆院予算委員会で鳩山邦夫元総務相との会話を元に鳩山由紀夫首相の母親からの資金提供問題を追及した後、邦夫氏から『きょうの質問は良かった。わたしもあなたの話を裏付ける』と言われた」
 さて、真相はいかに? 「友達の友達がアルカイダ」と話して物議を醸し出した鳩山弟。どうも言動に軽いところがありそうな御仁。(その点では、兄貴もそう言う傾向があるが) この男の(おおげさな)話をまともに受け止め、これは鳩山攻撃にうってつけと追求してはみたものの、実は・・・。
 与謝野さんが赤っ恥をかくような結果にならなければいいですが。少なくとも「言った」「言わない」「聞いた」などというわけの分からないことにならないように。こんなことで盛り上げって、今の外交・経済・・・、もうはちゃめちゃな現状をどうするのか、国会議員諸君!
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読書86「沖縄戦、米軍占領史を学びなおす」(屋嘉比 収)世織書房

2010-02-11 19:59:07 | つぶやき
 沖縄、米軍の普天間基地移転問題。積極的に県外、国外移転を進める立場、アメリカ政府と自公連立政府間ですでに決定済みの問題だとする立場。特に後者の立場からは、鳩山民主連立政権への厳しい批判的言辞となって、一部マスコミ・新聞紙面を賑わせている。
 7日付けの産経新聞にもあったが、沖縄県が抱える米軍基地問題は「『基地依存経済』『歴史認識』『反米闘争』『国防』『国家論』の5点が複雑に交錯しているため一朝一夕には語れない」(牧野浩隆・県立博物館長)といわれる。
 自分自身、沖縄の戦前、戦中、戦後については多くを知らない。戦場となった島。そこに生きる(た)極限状況に置かれた沖縄県民の体験など、いわば歴史としての戦争体験として捉えることでしかなかった、沖縄の実態、現状・・・。
 今回の米軍基地移転問題は、平和・戦争などという大きな次元での議論を含め、沖縄県民から、日本国民全体に投げかけられた課題であるはず。今まではふれてこなかった、あえて眼を背けてきた沖縄の生活、経済、歴史、文化などへの再認識、まさに「学びなおす」ことが必要な事柄である。さらには、沖縄(日本)から発信すべき、東アジアの平和構築への道筋・・・。
 にもかかわらず、そうした議論にはならず、マスコミの論調は、移転先を巡る混乱、批判でしかない。日米同盟、米軍基地問題などを含め、もっと国民全体を巻巻き込むような課題として、積極的に議論を起こすべきではないか、マスコミは。
 これは、この書にもあるように、戦後世代がどのようにして沖縄戦の厳しい実態、住民の苦しい記憶の継承、ひいては日本の戦争体験へのアプローチが必要となってくるだろう。
 そこから、沖縄の反戦運動の根っこを探ることや、戦後の米軍統治下の沖縄の経済・暮らし、歴史を真摯に学び、今もなお米軍基地と生活の矛盾に置かれている沖縄の人々の思いと希望に少しでも近づくことが出来るのではないか。
 遠回りでもあっても(普天間をどうするのだ、という今の「政治」課題には直接的ではないが)大事なことだ。この書の副題には、「記憶をいかに継承するか」とある。沖縄戦悲劇の象徴的「ガマ」が、すべての読者に問いかけている。
 
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読書85「坂の町江戸東京を歩く」(大石学)PHP新書

2010-02-10 17:41:24 | つぶやき
 下町に住んでいるせいか、日頃から坂道には、とんとご縁がない。新宿の戸山が原に父方の親戚・叔父叔母がいて、昔はよく出かけた。JR高田馬場駅。新宿寄りの改札口を出て歩いていく。しばらくすると右手に狭くて急な坂道がある。
 そこを上っていくと、戸山が原の大きな団地。その商店街の片隅に、親戚の家があった。子どもの頃は、今は亡き親に連れられて、長じてからも、一人で何かにつけて訪れた。幼い頃、特にその坂道を上り下りした時。坂道を上って行くときのうきうきした気分、帰るときの下り坂のやるせなさ、今でもくっきりと心に残っている。
 また、西戸山公園の坂道、自転車で勢いよく上ったり、下ったり、少年時代を今でも懐かしく想い出す。さて、今はどうなっていることやら、すっかり代も変わっていとこの時代、今はとんとご無沙汰をしている。
 その坂道には、名が付けられていたのだろうか、そんな無名の坂道にも懐かしい思い出が詰まっている。
 この書。坂道の名前などの由縁を中心にして、その歴史から現状を文献をもとにした深い考察によって、詳しく紹介している。古代、中世、近世、さらには近代、現代と、移りゆく坂道の姿を、人の生活との関わりの中から描き出す。構成上、内容的に重複気味な視点は気になるが、大きく俯瞰的に、また時には地に足をつけた見方で捉えている。
 都会の変貌ぶりに、この書を片手の歴史散歩としゃれ込むにはいきそうもない。反面、東京の、あまりにも機能主義的にすぎる、現代都市の姿を反省評価する機会にはなるだろう。
 
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読書84「愛と日本語の惑乱」(清水義範)KKベストセラーズ

2010-02-09 06:36:39 | つぶやき
 「言語多動性症候群」に罹った男の話です。とくに「愛」とか「恋」という言葉に接したときに、発病する。いったんそうなってしまうと、男と女の、主として性的で抑圧されていた言葉が、とめどなくあふれてきて制御不能になってしまう。心の(脳の)奥底に潜んでいた(らしい)言葉(恋愛に関わる思想・思い)が、肉体(音声や手の運動)とは無関係に、自己運動・発現していってしまう、という。
 主人公は、コピーライター。女優と恋愛関係に(相手はそうは全く思っていない)ある(りたいと、一方的に強く願っている)主人公の男のとまどい・・・。言語に敏感である、と自負する男の、その頼みとする言語によって自己崩壊していく姿が、清水さんらしい文体で描かれている。
 この方、一時期、お得意の、独特な「文体真似」小説を書きまくり、出身地・名古屋に関するものから、旅行記、さらにもともと関心があった(国語)教育まで(もともと愛知教育大学の出身)、際限なく書きすぎている感じがして、中身の薄い戯れ言作家(失礼!)という印象が強かった。たぶんデビュー作の「国語入試問題必勝法」という作品を超えるものがどうも・・・。(この作品、奇妙に印象深かった)。最近はどうも食傷気味というのが本音です。
 この作品。よく言えば、言語感覚に鋭くありたいという、作家自身の思いが出ています。NHKの放送用語委員ということから触発され、書かれた作品なのか。
 一方で、茂木さんばりの脳内現象(心と言葉と思いの関係性)への関心や「統合失調症」的な言語分裂状況(これについては、古今東西の哲学者・医者・言語学者等が、言語・行動問題として捉えてきた「統合失調症」は、現代脳神経医学からのアプローチによって、脳内機能障害という側面が重視されつつある)など、さまざまな現代的な話題がちりばめられています。ある程度の知識・興味関心があればすなおに理解できる内容ではありますが。
 この人の描く作品に見られる、男女の関係の淡泊さ(表現や深みのなさ)が相変わらずたわいのない終わり方になっています(先が読める話)のが、とても残念です。
 狙いというか視点がとてもよかったのに・・・。 
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