私的図書館

本好き人の365日

『少女の友』

2009-05-10 23:57:00 | 本と日常
本屋さんでその表紙を見つけて、(こんなの出てるんだぁ♪)と思わず手に取ってしまいました。

*(キラキラ)*『少女の友 創刊100周年記念号』*(キラキラ)*

1908年、明治41年に創刊され、大正、昭和という激動の時代の中、1955年、昭和30年まで続いた少女雑誌、『少女の友』。

その創刊100周年を記念して、当時の表紙や口絵、代表的な作品を復刻、『少女の友』に寄せる現代の作家さんのエッセイなども載せて、100周年記念号として発売されていたのです。

表紙はもちろん中原淳一☆

作家の田辺聖子さん、あさのあつこさん、マンガ家の安野モモコさんなどが今回エッセイを寄せています。

作家さんたちの『少女の友』にかける情熱のすごいこと!

関係ありませんが、あさのあつこさんは初孫が生まれたそうで、おめでとうございます♪

『少女の友』、私はもちろん本物なんて読んだことはありませんが、寺山修司さんの本の中や、最近読んだ須賀敦子さんの『遠い朝の本たち』の中にも登場していたので、明治から昭和にかけての少女たちが心待ちにして読んだという、その雑誌には前々から興味がありました。

川端康成や手塚治虫も作品を載せていたんですね。

村岡花子さんが少女のためのブック・レビューをこの雑誌に連載していたなんて知りませんでした。

その他、豪華な執筆陣にビックリ。

村岡花子さんのお孫さん、村岡恵理さんも今回エッセイを寄せています。

今回の記念号の監修は、『算術少女』の作者でもある遠藤寛子さんと、内田静枝さん。

まずはドドーンと中原淳一さんの絵(「宵待草」)が付いていて、その他、川端康成の「乙女の港」第1回、吉屋信子の「小さな花」、松本かつぢの「くるくるクルミちゃん」なども当時のまま(現代仮名使いにはなっています)読むことができます。

表紙の数々や当時の広告、グラビアや投稿された詩もそのまま。

特に中原淳一の「女学生服装帖」はすごい!

和服から洋装に切り替わる時代に、少女のために服装や髪型の指南をするコーナーなのですが、そのオシャレなこと。

本当にこれが昭和初期の日本の雑誌!?

中原淳一の絵も、今回初めてじっくり見ましたが、確かに時代は感じされるんだけれど、それ以上に時代を超えた魅力があって、圧倒されました。

軍国主義の台等してくる中、あくまで少女のための雑誌を作ろうと激しい圧力や検閲と戦った『少女の友』編集者の意気込みが伝わってきそう。

3,800円と少々お高かったのですが、思い切って買ってしまいました。

でも、買ってよかった☆