自分の四匹の子猫たちみんなに、どうして翼がはえているのか、
ジェーン・タビーお母さんにはさっぱりわけがわかりませんでした。
………この出だし好きです(⌒∇⌒)/
今回は、アーシュラ・K・ル=グウィンの文章にS.D.シンドラーの可愛い絵がのっかった絵本。
『空飛び猫』のご紹介です☆
訳は村上春樹さん♪
ル=グウィンに村上春樹と、私の好きな作家が共演しているだけでもたまらないのに、表紙に描かれた四匹の翼のある猫!
この猫たちを見た瞬間に、この本を買うことを決めていました☆
「あとがき」まで読んでも78ページ。
絵だけで23ページ。
文字も大きいし、とっても読みやすい文章なのでアッという間に読んでしまいました♪
子供たちの翼を見て、ときどきは「なんでしょうねこれは」と頭をひねる母猫のタビーお母さん。
でも路地での暮らしはハッキリ言って大変。
自動車やトラック、靴をはいた足、凶暴なドブネズミにお腹をすかせた犬たちから子供たちを守りながら、食料を探してこなくてはならないのです。
いつまでも、そんなわけのわかからないことを考えている余裕はありません。
やがてこの子猫たちは、タビーお母さんのもとを離れ、森や川のある自然の中に旅立っていくのですが、合間合間に描写される猫たちのしぐさが、本当に猫っぽくて、作者の猫に対する愛情がタップリ感じられます♪
なんてったって翼のはえた猫たちが可愛い☆
お姉さん風のセルマに、長男っぽいジェームズ。
幼さの残るロジャーに、ちびっこで大胆なハリエット。
空飛ぶ四匹の猫に鳥たちは大慌て!
人間だって、ポカンと口を開けて目をみはっている始末。
唯一、不平も言わずたんたんとしているのは魚だけ。(「魚というのは何があっても不平を言ったりはしないものなのです」…本文より♪)
翼があることで危険から逃れることも出来るのですが、かえって危険を招くこともしばしば。
さて、この四匹は無事生き延びることが出来るのでしょうか?
アーシュラ・K・ル=グィンといえば、ファンタジーでは『ゲド戦記』、その他SF小説でも活躍している作家さんですが、こんな絵本もてがけていたんですね。
英語独特の言い回しなんかがあって、訳した村上春樹さんも苦労したようです。
でも、彼もやっぱり、表紙の四匹の絵を見たとたん、「これはどうしたってやらないわけにはいかない」と決心したそうです(笑)
「あとがき」で翻訳者もすすめている通り、小さいお子さんには、ぜひ声に出して読んであげて欲しい一冊です☆
アーシュラ・K・ル=グウィン 著
S.D.シンドラー 絵
村上 春樹 訳
講談社文庫
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