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本好き人の365日

ノーベル文学賞

2012-10-12 09:42:35 | 本と日常

京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥教授が、ノーベル医学生理学賞を受賞することが決まりましたね。

 

受賞理由は「成熟した細胞を、多能性を持つ状態に初期化できることの発見」

 

私のなけなしの認識では、人間は最初たった一つの細胞(受精卵)が細胞分裂して様々な臓器や器官に変化するわけですが、その「なんにでもなれる可能性を秘めた細胞」を人工的に作り出したものを、確か「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」と呼んだはず。

受精卵ではなくすでに細分化し成長した細胞からこのiPS細胞が作り出せれば、自分の体の一部からあらゆる「スペア」が作り出せるわけで、当然拒否反応も起こさない臓器の移植が可能になり、再生医療など多くの分野での利用が期待できるわけです。

SFファンとしては「これで自分のクローンが作れる?」なんて思ってしまいますが、体だけコピーが作れても、記憶のコピーができないですからね。次は脳内の電気信号を外部的に再生できる仕組みを誰かが発見してくれないかな…

 

ダイナマイトを発明して莫大な利益を得たスウェーデン生まれの実業家ノーベルの遺言によって始められたノーベル賞。

 

毎年話題にのぼる村上春樹さんのノーベル文学賞受賞は今年も成りませんでしたね~

私は正直どっちでもいいので早く次回作を書いてくれ(できれば短編)と思っています。

いまさらどっかのお偉いさんに評価されなくても、作品の評価はそれぞれの読者がすればいいわけで、補助金をもらわなくちゃ研究ができない科学者と違って、村上春樹さんレベルの作家さんなら、賞金なんてたした額じゃないでしょうしね(苦笑)

今回ノーベル文学賞に決まったのは、中国の作家、莫言さん。

 

授賞理由は「幻覚を伴ったリアリズムによって、民話、歴史、現代を融合させた」「西欧かぶれしていないユニークな作家。アジアの重要性が高まっていることの表れともいえる」だそうです。

 

私はチャン・イーモウ監督によって映画化された莫言さん原作の映画「赤いコーリャン」を見たぐらいで、本は読んだことがありません。ごめんなさい。

あれ、そういえば中国版ノーベル賞の「孔子賞」ってどうなったんだっけ?

あれは平和賞のみなのかな?

中国の人権活動家、劉暁波さんがノーベル平和賞を受賞したことに反発して急遽作られたとウワサされた「孔子平和賞」

確かその時中国は劉暁波さんにノーベル賞を与えないようにと圧力をかけたんじゃなかったかな?

私の記憶の中ではけっこうノーベル賞に対して批判的だったような気がしますが、今回の中国人初の「ノーベル文学賞受賞」には歓迎ムードなんだとか。

 

まったく、大人ってやつは…

調子のいい大人は信用されないぞ。

 

 

 

 愛国的芸術とか愛国的学問とかいうものは存在しない。

 すべて高尚な善いものはそうであるが、芸術や学問は世界全体のものである。

 そして一切の同時代の人々の一般的な自由な相互作用により、過去からわれわれに伝えられているものを絶えず顧みることによって初めて、両者は促進され得る。

 

                   ―ゲーテ「格言と反省」から―

 

 

 



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