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本好き人の365日

八月の本棚 4 『魔術師のおい』

2004-08-29 00:13:00 | ナルニア国物語
先月から紹介している「ナルニア国物語」もいよいよ残り二冊となりました。

今回は、最初から順番に読んできた人にとってはお待ちかね、様々な疑問が解消される謎解き編となっております☆

時は、名探偵として名高いシャーロック・ホームズがまだベーカー街に住んでいた頃のロンドン。いままで登場してきた子供達はまだ生まれていない時代から物語は始まります。

夏休みのある日、ポリーは塀を乗り越えてあらわれた泥だらけの男の子、ディゴリーと知り合いになります。
この女の子と男の子。ポリーとディゴリーが今回の主人公。

そして、毎回気になる不思議な冒険への導き手として使われるアイテム、今回それは「指輪」です☆

不思議な指輪の力で、こことは違う別の世界に投げ出されてしまうポリー。さらに、そんなポリーを助けるために、勇敢にも指輪を手にするディゴリー。

黄色い指輪はあちらの世界へ。
緑色の指輪はこちらの世界へ。

しかしこの時点で二人が出会う世界は、ナルニアではありません。

新たな展開に、初めっから目が離せない!

でも、別の世界に旅立つ道具が指輪だなんて、イギリスっぽくて好きですね☆

物語は、この二人を中心にして、ロンドンと別の世界を行ったり来たり。どうやら世界は、こっちの世界とナルニアの世界以外にも、たくさん、た~くさんあるらしいのです。

すべての世界をつなぐ場所。
《世界と世界のあいだの林》の描写がとっても神秘的♪

第一巻「ライオンと魔女」で、洋服ダンスを通ってナルニアに降り立った子供達が出会う、印象的な一本の街燈。
まるでロンドンの街角に立っているようなこの街燈が、どうしてナルニアの森の中に立っているのかも、今回ついにわかります☆

魔女ははたしてどこから来たのか?
なぜ人間がナルニアの王となったのか?
そしてなにより、あの洋服ダンスの秘密とは?

知りたい知りたいと思っていたことが、次々と明らかになっていく興奮。
そして子供達に課せられる新たな試練。

翼あるものいう馬、天馬に乗って二人が目指すのは、ナルニアのはるかな果て、氷の山々に囲まれた緑の丘にある一本の木。

その木になるリンゴをアスランのもとに届けなくてはなりません。

その実には不思議な力があり、食べたものは不老不死になるといいます。
病気のお母さんがいるディゴリーは、そのリンゴが欲しくて欲しくてたまりません。

(一つぐらい食べても…)

心揺らぐディゴリー。

さらに魔女の言葉が追い討ちをかけます。

誘惑に打ち勝つって本当に難しいですよね。

さあ、この試練を前にディゴリーはどうするのでしょう?

ディゴリーとポリーの様々な体験と冒険。勇気と決断は見所です。

謎解きを各所に散りばめながらも、ストーリーとしての魅力も盛りだくさん。ものいうけもの達はカワイイし、子供達は勇敢だし、なにより偉大なライオン、アスランの存在感はスゴイ☆

毎回違った形で楽しませてくれる「ナルニア国物語」の魅力は尽きません♪

ちなみに、もし不老不死の実があったとしたら、私なら食べます!
たとえ愛する人や友達が年老いて死んでしまったとしても、それにも増して未来の世界が見てみたいって思いが強いから。

もしそんなチャンスがやってきたら、あなたなら、どうします?













C・S・ルイス  著
瀬田 貞二  訳
岩波少年文庫


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