私的図書館

本好き人の365日

『まじめな時間2』、『ソロモンの偽証』、『神去なあなあ日常』

2012-10-16 20:43:36 | 本と日常

最近ブログの更新をサボッていたので、読んだ本がたまってしまいました。

 

見たい映画もあるし、見なきゃいけないアニメもあるし、出かけたい場所もあるし、温泉にも入りたいし、秋物も買いに行かなきゃ…

いろいろ頭の中で予定を考えるんだけど、いろんなことをしなくっちゃいけなくて、あたふたしている間にアッという間に一日が終わってしまう感じです。

 

最近読んだ本は…

清家雪子、『まじめな時間2』(アフタヌーンKC)

 

 

 

 

 

 

 

交通事故で突然死んでしまった女子高生が主人公のマンガ、2巻完結です。

最初は死んでしまったことにとまどい、どうしていいのかわからなかった主人公ですが、学校の友達の様子、憔悴しきっている母親の姿を見るうちに心情が変化し、霊感の強い学校の同級生を通じて現世に”少し”思いを伝えたりします。

「死後の自分」をコミカルに描きながら、読者の心を打つのは主人公の優しさと、その性格。

不器用で、頭もそんなによくなくて(苦笑)、今どきの女の子だけれど、周りをいつも笑顔にしてくれる。

母親が「まだまだたくさんあるの、あの子のいいところ。なのに私、私はそう思っているって、あなたを誇りに思っているって、全然、あの子に伝えられなかった…」というシーンで読んでいてブワッと涙があふれてしまいました…

 

宮部みゆき、『ソロモンの偽証 第Ⅱ部 決意』、『ソロモンの偽証 第Ⅲ部 法廷』(新潮社)

 

新潮社
発売日:2012-09-20

 

 

 

 

 

新潮社
発売日:2012-10-11

 

 

 

 

 

 

少し前に第Ⅰ部を読んで気になっていた3部作の続編。

個人的にはアッと驚くような展開はなく、本当の悪人も登場しない「みんなそれぞれに事情があってかわいそう…」という、個人が社会で生きていく上で乗り越えなきゃいけない生き難さを、乗り越えられない個人の事情を連ね「クリスマス・イブの夜に校舎から飛び降りる」というロジックに乗せて、延々と書き連ねてある作品。

いってみればそれだけの作品なのに、それなのにこれが面白い!

中学生たちが自殺した(と警察が判断した)同級生の事件について、自分たちで証人や弁護人を立てて裁判を行い、ウソと真実を並べていくのですが、それがあの年代の閉塞感のある下向きな感情と相まって、実に痛々しく書かれているのです。

でも、やっぱり、三部作は長いよ…

 

K.Kajunsky、『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。2』(PHP研究所)

 

 

 

 

 

 

 

 

旦那さんの帰りを毎回趣向を凝らしたコスプレ(?)で待ち構えている奥さん(笑)

前回も笑わせてもらいましたが、今回も十分面白い♪

すし屋の娘だった奥さん。出張でたまたま立ち寄った旦那さんと仲良くなり、そのまま結婚。

どこでどう間違ったのか、毎晩玄関で死んだふりをして旦那さんを出迎えます!

これも一種の愛情表現なんでしょうね~(苦笑)

 

 

魯迅、『阿Q正伝(まんがで読破)』(イーストプレス)

 

イースト・プレス
発売日:2009-03-31

 

 

 

 

 

 

名作をまんがで読むシリーズ。

魯迅は20世紀初期に活躍した中国の小説家。

日本にも留学経験があります。

最初は医学の勉強をしていた魯迅ですが、のちに文学の道に進みます。

作品の中で、日露戦争でロシアのスパイをしていた中国人が日本軍によって処刑されるのを、同じ中国人が面白そうに見物しているのをニュース映画で見て、中国人を救うのは医学ではなく文学による精神の改造だ、と魯迅が思う場面があったの印象的。

日本では中国人だというだけでいわれのない非難にさらされたりしますが、日本語に慣れていない魯迅のためにノートを添削してくれたり、国籍ではなく人間魯迅を見てくれる日本人教師がいたりして、いつの時代にもこうした人々がいたことに勇気付けられました。

 

特に中国人小説家がノーベル文学賞を取ったばかりですからね。

文学による精神改造は果たしてできたのか。

もっとも、これは中国だけじゃなくて、どこの国にも当てはまることなんですが。

 

その他に読んだものは、

谷川俊太郎、和田誠、『ワッハワッハハイのぼうけん』(講談社)

 

 

 

 

 

 

 

三浦しをん、『神去なあなあ日常』(徳間書店)

 

徳間書店
発売日:2012-09-07

 

 

 

 

 

 

これは林業をあつかった小説で、三重県が舞台。

三浦しをんさんがこの小説の関係で三重県は尾鷲市に来るイベントがあったのですが(昨年)、三重県はお隣なのでその時は本気で行こうかと思いました。

ま、結局仕事や何かで行けなかったんですけどね。

田舎に作家さんが来るなんてめったにないことですから。

 

さぁて、そろそろ秋冬用に布団を出したり、セーターやマフラーを準備しなきゃ。

ついこの間まで暑い暑いっていっていたんですけどね。

朝晩は冷え込むようになったし、風邪を引かないようにしなくっちゃ。