私的図書館

本好き人の365日

『フランダースの犬』

2007-12-25 23:59:00 | 本と日常
『フランダースの犬』は「滅びの美学」?

ニュースを見ていて気になる記事がありました。

英国人作家ウィーダ女史の書いた日本では有名な物語、『フランダースの犬』。

アントワープの大聖堂で『フランダースの犬』に登場するルーベンスの絵を見上げて涙を流す日本人を見たベルギー人の映画監督が、このたびベルギーで『フランダースの犬』を検証する映画を作ったんだそうです。

欧州ではそんなに『フランダースの犬』はウケがよくないようで、クリスマス・イブの夜に運命の前に倒れる主人公の少年ネロと愛犬パトラッシュは、文字通り「負け犬の物語」と映ってしまうそう…

何度か映画化もされていますが、私はラストシーンを安易なハッピーエンドにしてしまうのには逆に違和感を感じていました。

でも、日本人にウケるのは「滅びの美学」とはちょっと違うような…

ネロはイエス・キリストと同じように人間のエゴや疑いの心、欲望などをその身に背負いながらルーベンスの絵(美)を見ることで救われたと思っていたので、キリスト教徒の多い欧州でウケないことが意外です。

案外現実的なのかな?

それとも「死」に対する受け止め方が東洋と西洋ではちょっと違うのかも。

私なんて今でもラストシーン(アニメ)を見ると思わず泣いてしまいます。