インドで作家業

ベンガル湾と犀川をこよなく愛するプリー⇔金沢往還作家、李耶シャンカール(モハンティ三智江)の公式ブログ

「車の荒木鬼」紹介記事1(日刊県民福井)

2011-06-13 11:07:28 | 私の作品(掌短編・エッセイ・俳句)


福井モータース創業者の姿追う
ー娘から父へ鎮魂の小説

モハンティ三智江さん、33回忌前に発刊

福井市の自動車整備会社の創業者を父に持つインド在住のライター、モハンティ三智江さんが、父の歩みを題材にノンフィクション小説「車の荒木鬼」(ブイツーソリューション刊)を発刊した。父は戦後の県内自動車整備業界でリーダー的役割を果たした故荒木重男さん。一人の整備工から年商四十五億円の企業経営者になるまでの生きざまを描き、三十二回忌を前に父への鎮魂歌とした。

三智江さんは旧姓荒木。福井市で生まれ育ち、出版社勤務の後、ライターとなり、現在は著述しながら、インドで若者らを相手にする廉価な宿を経営している。
来年、父の三十三回忌法要を迎えることから五年前に伝記執筆を思い立ち、企業史やインターネットで資料を集め、元同僚に話を聞くなどして取材を重ねた。

重男さんは一九五一(昭和二十六)年に自動車整備工場「福井モータース」を立ち上げ、県バスなど公共交通機関などを下支えする役割も果たした。今回の出版は同社の創業六十周年にも合わせたという。

物語は四十八年に重男さんが福井工業専門学校(現福井大学工学部)を卒業したところから始まり、七十九年に五十一歳で亡くなるまでを追う。自動車整備と販売に明け暮れた企業人としての姿と、艶福家で家庭外の女性関係などで火宅の人として物議をかもした人間的な姿の両方を、小説仕立てで赤裸々に紹介している。

三智江さんは、「家庭を顧みなかった父で、生前はどちらかといえば、父との縁が薄かった。しかし、取材するうちに、いろいろな姿がわかった。福井地震など、昭和の福井をたどる場面も数多くあるので、福井に住む人たちにぜひ読んでほしい」と話している。
四六版、二百二十ページ。千二百六十円。福井市出身の直木賞作家、藤田宜永氏が帯に推薦文を寄せている。(西畠良平)

<平成23年4月17日付け「日刊県民福井」の二面に掲載>
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